分散トランザクション処理機能 OpenTP1 解説

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3.9.7 稼働統計情報

稼働統計情報は,OpenTP1の稼働状況を表示します。

<この項の構成>
(1) 稼働統計情報の出力(jnlsttsコマンド,jnlmcstコマンド)
(2) MCF稼働統計情報
(3) システム統計情報のリアルタイム出力(dcreportコマンド)

(1) 稼働統計情報の出力(jnlsttsコマンド,jnlmcstコマンド)

稼働統計情報を出力するときは,アンロードジャーナルファイルから統計用ジャーナルを抽出し,稼働状況を把握できる形式にデータを加工して,リスト形式で標準出力に出力します。稼働統計情報を出力することで,OpenTP1の稼働状況がわかります。

稼働統計情報の出力には,システムサービスとUAPの稼働状況に関するシステム統計情報の出力,トランザクション処理に関するトランザクション統計情報の出力(以上,jnlsttsコマンド),およびメッセージの送受信に関するMCF稼働統計情報の出力jnlmcstコマンド)があります。

稼働統計情報の出力項目については,マニュアル「OpenTP1 運用と操作」を参照してください。

(2) MCF稼働統計情報

MCFの稼働統計情報を共用メモリに取得し,統計データとしてUNIXファイルに出力できます。また,出力された統計データを編集して標準出力へ出力できます。

MCF稼働統計情報を使用することによって,MCFの稼働状況を把握できます。

なお,ジャーナルファイルを基にMCFの稼働統計を取得するjnlmcstコマンドとMCF稼働統計情報の機能とは,それぞれ独立した機能です。jnlmcstコマンドで得られる情報は,指定時間間隔内で処理した件数などです。MCF稼働統計情報で得られる情報は,処理が待たされている件数などです。

MCF稼働統計情報の機能は,次の機能から構成されます。番号は下の図中の番号と対応しています。

  1. 稼働統計情報取得機能(MCFマネジャ定義のmcfmcomn定義コマンドの-wオプションstatsオペランドにyesを指定)
  2. 稼働統計情報出力機能(mcfstatsコマンド)
  3. 稼働統計情報編集機能(mcfreportコマンド)

MCF稼働統計情報の機能の概要を次の図に示します。

図3-81 MCF稼働統計情報の機能の概要

[図データ]

(3) システム統計情報のリアルタイム出力(dcreportコマンド)

dcreportコマンドを使用すると,システム統計情報を標準出力にリアルタイムに出力したり,メッセージログに出力したりできます。標準出力に出力するシステム統計情報はCSV形式にすることもできます。このコマンドは,システム共通定義のstatisticsオペランドにYを指定した場合,およびdcstatsコマンドでシステム統計情報のジャーナル出力要求を指定した場合に使用できます。

dcreportコマンドを使用してシステム統計情報を取得すると,サービスの実行状況,リソースの負荷状況,障害状況などをリアルタイムに参照できます。