COBOL2002 使用の手引 操作編

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7.2.2 プログラムからの連動実行による方法

カバレージ情報の蓄積対象プログラムからコマンドを実行し,カバレージ情報を蓄積する方法です。

<この項の構成>
(1) カバレージ情報の蓄積の手順
(2) 環境変数の指定
(3) 実行結果出力ファイルにメッセージを出力できないときの処理

(1) カバレージ情報の蓄積の手順

連動実行でカバレージ情報を蓄積するときの作業の流れを説明します。

  1. コンパイル時にはコンパイラオプションを指定する。
    -CVInfコンパイラオプションを必ず指定してください。
  2. HP-UX(IPF),HP-UX(IPF64)の場合,実行可能ファイルの属性を変更する。
    HP-UX(IPF),HP-UX(IPF64)の場合は,共用ライブラリを使用するために,cblts2kコマンドによって実行可能ファイルの属性を変更します。形式は次のとおりです。
    形式1
    [図データ]
    形式2
    [図データ]
    各オプションの詳細については,「6.4.3 実行可能ファイルの属性変更(HP-UX(IPF),HP-UX(IPF64)で有効)」を参照してください。
  3. 連動実行のための環境変数を指定する。
    環境変数CBLTDEXECを指定します。形式は次のとおりです。
    形式
    [図データ]
    各オプションの詳細および注意事項については,「7.2.2 プログラムからの連動実行による方法」の「(2) 環境変数の指定」を参照してください。
  4. カバレージ情報の蓄積または,カバレージ情報の蓄積対象プログラムの実行に必要な環境変数を設定する。
    環境変数は,「6.1.1 カバレージ機能の入出力構成と使用するファイル」の「(3) 使用する環境変数の指定」を参照してください。プログラムの実行に必要な環境変数については,マニュアル「COBOL2002 使用の手引 手引編」を参照してください。
  5. カバレージ情報の蓄積対象の実行可能ファイルを実行する。
    カバレージ情報が蓄積されます。
  6. 実行結果を実行結果出力ファイルによって確認する。カバレージ情報の蓄積結果は,カバレージ情報の表示機能を用いて確認する。
    カバレージ情報の表示機能については,「7.3 カバレージ情報の表示」を参照してください。実行結果出力ファイルについては「6.1.1 カバレージ機能の入出力構成と使用するファイル」の「(2) 使用するファイル」および「(3) 実行結果出力ファイルにメッセージを出力できないときの処理」を参照してください。

(2) 環境変数の指定

連動実行するための環境変数は,次のとおりです。その他の環境変数は,「7.2.1 コマンドによる方法」の「(3) 環境変数の指定」を参照してください。

形式
[図データ]
-OutFile
カバレージ情報の蓄積の実行結果を出力するファイル名を指定します。ファイル名の拡張子は,「.cvo」でなければなりません。-OutFileオプションの省略時は,実行可能ファイル名に拡張子「.cvo」を付加した名前のファイルを,カレントディレクトリに出力します。
-Add
実行結果出力ファイルに追加書きで結果を出力します。省略すると,同名の実行結果出力ファイルが存在した場合に,上書きされます。
-NoSave
プログラム情報ファイルへ書き込みをする前にバックアップをしません。
-Library
カバレージ情報の蓄積の対象とする共用ライブラリ名を指定します。
-Execute
カバレージ情報の蓄積の対象とするプログラムを起動するための実行可能ファイル名を指定します。

注意事項
  • HP-UX(IPF),AIX(32),Solaris(SPARC)の場合
    環境変数PATHに,/opt/HILNGcbl2k/bin:/usr/binを含めて指定する必要があります。
  • Linux(x86),Linux(IPF64)の場合
    環境変数PATHに,/opt/HILNGcbl2k/bin:/usr/bin:/binを含めて指定する必要があります。
  • HP-UX(IPF64),AIX(64)の場合
    環境変数PATHに,/opt/HILNGcbl2k64/bin:/usr/binを含めて指定する必要があります。
  • Linux(x64)の場合
    環境変数PATHに,/opt/HILNGcbl2k64/bin:/usr/bin:/binを含めて指定する必要があります。
  • -NoSaveオプションの指定がないときは,プログラム情報ファイルへ書き込みを行う前にバックアップのファイルを生成します。バックアップのファイルは,プログラム情報ファイルへの書き込みでエラーが発生したときに残り,正常に終了したときは残りません。バックアップのファイル名は,システムが生成するほかに合致しない名称のファイルであり,カレントディレクトリに生成します。
  • カレントディレクトリは,プログラムが実行されたディレクトリです。
  • CVの文字とオプションの間は空白またはタブで区切ります。
  • 実行結果出力ファイル名・共用ライブラリ名・実行可能ファイル名は,カレントディレクトリからの相対パスが指定されたものとします。カレントディレクトリが認識できないときは,絶対パス名で指定する必要があります。
  • 環境変数CBLTDEXECで指定した実行可能ファイル名と,カバレージを起動した実行可能ファイルが一致する必要があります。
  • プログラムを起動するときのパスの名称は,次の点に注意して指定します。次の条件に従わないパスの名称が指定された場合,カバレージの動作は保証しません。
    ・環境変数CBLTDEXECに指定した実行可能ファイル名およびプログラムを起動するときの実行可能ファイル名は,絶対パス名で指定します。相対パス名で指定した場合,またはパスプレフィクスを指定しなかった場合は,実行可能ファイル名だけが一致しているかどうかを確認します。
    ・プログラムを起動するときパス名は,60バイト以下とします。60バイトを超えたときは,61バイト以降が切り捨てられ,60バイトまでをパス名とみなします。
    ・パスを除いた実行可能ファイル名の長さは,14バイト以下とします。14バイトを超えたときは15バイト以降が切り捨てられ,14バイトまでが実行可能ファイル名とみなされます。
  • プログラムに渡す引数は,プログラムの起動時に指定します。環境変数CBLTDEXECには指定できません。
  • カバレージ情報の蓄積のプログラム情報ファイルを次の順序で検索します。検索した結果,見つからないときは,プログラム情報ファイルに該当するプログラムはカバレージ情報の蓄積の対象となりません。
    1.環境変数CBLPIDIRで指定したディレクトリ
    2.実行可能ファイルに含まれるプログラムは,実行可能ファイルのあるディレクトリ
     共用ライブラリファイルに含まれるプログラムは,共用ライブラリファイルのあるディレクトリ
    3.カレントディレクトリ
  • プログラムが-CVInfコンパイラオプションでコンパイルされていない場合,カバレージ情報の蓄積の対象となりません。
  • カバレージ情報の蓄積の対象となるプログラム情報ファイルが一つもない場合は,カバレージ情報の蓄積のためのプログラムを実行しません。
  • 環境変数CBLLSLIB,環境変数CBLLPATH,および環境変数LD_LIBRARY_PATHについては,「6.4.2 共用ライブラリ」を参照してください。
  • 環境変数CBLTDEXECに空白またはタブを含むパス名を指定できません。

(3) 実行結果出力ファイルにメッセージを出力できないときの処理

実行結果出力ファイルにメッセージを出力できない場合は,次のメッセージを出力します。