COBOL2002 使用の手引 操作編
(英字)
- C0メジャー情報
- 全体の実行文の数に対する実行済み文の数の割合を示す情報。
- C1メジャー情報
- 全体の分岐の数に対する実行済みの分岐の数の割合を示す情報。
- S1メジャー情報
- 全体の呼び出し文(CALL文,INVOKE文)の数に対する実行済みの呼び出し文の数の割合を示す情報。
- SELF
- メッセージの受け手のオブジェクトを参照するための名前。SELFが参照するオブジェクトをSELFオブジェクトという。メソッド中で使用されるSELFは,そのメソッドの呼び起こし対象のオブジェクト自身のことを表す。
- TDコマンド
- テストデバッグで使用するコマンド。
- Unicode
- 1バイトでは表現できない文字セットを含めあらゆる文字セットをサポートした文字コード。主な符号化文字集合としてUCS-2,UCS-4がある。主なエンコーディングスキーマとしてUTF-8,UTF-16がある。
- UTF-16(16-bit UCS Transformation Format)
- エンコーディングスキーマの一つの形式。1文字を2バイトまたは4バイトで表現する。UTF-16では2バイト文字の1バイト目を先に書くビッグエンディアン形式(UTF-16BE)と1バイト目をあとに書くリトルエンディアン形式(UTF-16LE)がある。
- UTF-8(8-bit UCS Transformation Format)
- エンコーディングスキーマの一つの形式。ASCII文字を1バイト,日本語文字および半角かたかなは3バイトで表現する。
(ア行)
- 入れ子プログラム
- 原始プログラムが入れ子構造になっている場合の,内側のプログラムのこと。内側のプログラム,または内部プログラムともいう。
- インスタンスオブジェクト(instance object)
- あるクラスに属するオブジェクトのこと。「BASEクラス」のファクトリオブジェクトのメソッド「NEWクラス」の呼び起こしによって生成され,実行単位の終了か,ガーベジコレクションによって消滅させられる。
- インタフェース(interface)
- メッセージの送り手から見えるオブジェクトの部分のこと。
- 例えば,現金支払い機を一つのオブジェクトとすると,「引き出し」「預け入れ」などのメニューがインタフェースに当たり,そのサービスを実現するための内部的な仕組みが実装に当たる。インタフェースは,メソッド原型の集合である。つまり,どのようなメソッド原型を持つかによって,オブジェクトが持つインタフェースの型が決まる。インタフェースは,クラスとは別に定義できる。
- 内側のプログラム
- 原始プログラムが入れ子構造になっている場合の,内側のプログラムのこと。入れ子プログラム,または内部プログラムともいう。
- オブジェクト(object)
- データとそのデータを操作するメソッド(手続き)を一体化させたモジュール。オブジェクトは,ある特定の仕事を受け持ち,所定のメッセージに対してメソッドを動作させることで問題を処理する。オブジェクト指向のプログラムでは,オブジェクト同士がメッセージのやり取りをすることによって,問題が処理される。
- オブジェクト参照データ項目
- オブジェクトを参照するためのデータ。オブジェクト参照は,データ項目に,USAGE IS OBJECT REFERENCE句を指定したもの。
- オブジェクト指向(Object Orientation)
- 現実にある「もの」(オブジェクト)同士のやり取りをモデル化し,それをそのままコンピュータの世界でも実現しようとする考え方のこと。
- オプション
- コンパイラやコマンドへの動作を指示するためのもの。
(カ行)
- 外部プログラム
- 原始プログラムが入れ子構造になっている場合の,最も外側のプログラムのこと。このマニュアルでは,外部プログラムのことを最外側のプログラムと呼ぶ。
- カウント情報
- プログラム中の文の実行回数をカウントして数値で表したもの。
- 型(type)
- ある集合の中の個々を,何によって識別するかを明示するもの。例えば,プログラムを構成する要素をデータごとに識別する場合は,データ型となる。
- 活性化されるプログラム
- CALL文の対象となるプログラムで,実行時に呼び出し元プログラムと組み合わされて1個の実行単位となる。このマニュアルでは,活性化されるプログラムのことを呼び出し先のプログラムと呼ぶ。
- カバレージ情報
- テストの進捗状況を数値で表したもので,C0メジャー情報,C1メジャー情報,S1メジャー情報,およびこれらの差分情報がある。
- 環境変数
- 実行可能ファイルおよびその実行環境へのオプションを変数として設定しておくもの。
- クラス(class)
- ある共通の性質を持つオブジェクトを一つのグループにまとめて定義したもの。クラスでは,それに属するオブジェクトのデータおよびメソッドを定義することで,そのクラスに属するオブジェクトの型を規定する。
- 継承(inheritance)
- スーパクラスから,その性質(メソッド)をサブクラスが受け継ぐ仕組みのこと。COBOL2002のオブジェクト指向機能では,INHERITS句を指定することでスーパクラスから,その性質を継承できる。一つのクラスの性質を継承することを単純継承という。これに対して,複数のスーパクラスの性質を継承することを多重継承という。また,多重継承の結果,同じクラスを重複して継承することをダイヤモンド継承という。
- コンパイル
- 原始プログラムを翻訳すること。
- COBOLプログラムのコンパイルは,ccbl2002コマンドで実行する。
(サ行)
- 最外側のプログラム
- 原始プログラムが入れ子構造になっている場合の,最も外側のプログラムのこと。外部プログラムともいう。
- サブクラス(subclass)
- クラスの階層関係の中の継承する側のクラス。
- 差分カバレージ情報
- 原始プログラムの修正によって影響を受けた部分に対するカバレージ情報。
- 実行可能プログラム
- 呼び出し元のプログラムと呼び出し先のプログラムをコンパイル,リンクし,一つの実行できるプログラムにしたもの。
- 実行時要素
- プログラム定義,メソッド定義,および関数定義の総称。このマニュアルでは,実行時要素のことをプログラムと呼ぶ。
- スーパクラス(superclass)
- クラスの階層関係の中の継承される側のクラス。
(タ行)
- 単体テスト
- プログラム(コンパイル)単位のテスト。
(ナ行)
- 内部プログラム
- 原始プログラムが入れ子構造になっている場合の,内側のプログラムのこと。このマニュアルでは,内部プログラムのことを内側のプログラム,または入れ子プログラムと呼ぶ。
(ハ行)
- バイトオーダ
- 2バイト以上のデータの記録を行う順序のこと。例えば,0x1234のデータを0x1234のように最上位のバイトから順番に記録する方式をビッグエンディアン,0x3412のように最下位のバイトから順番に記録する方式をリトルエンディアンという。2バイトのUTF-16は,バイトオーダを意識する。
- ファクトリオブジェクト
- 一つのクラス中のすべてのオブジェクトが共有するデータ(ファクトリデータ)とそれを操作するためのメソッド(ファクトリメソッド)から成るオブジェクト。ファクトリオブジェクトは,実行単位の開始によって生成され,実行単位が終了すると消滅させられる。
- ファクトリデータ
- 一つのクラス中のすべてのオブジェクトが共有するデータのこと。ファクトリメソッドによって操作される。
- ファクトリメソッド
- ファクトリデータを操作するためのメソッド。
- プログラム
- プログラム定義,メソッド定義,および関数定義の総称。実行時要素ともいう。
(マ行)
- マルチスレッド
- プログラム内の仕事を,スレッドという単位に分けて実行する方式。複数のプログラムを並列に実行できる。
- メソッド(method)
- オブジェクトが提供するサービス(メソッド原型という)とそのサービスの実装を定義した手続き。オブジェクト間のやり取りは,すべてメソッドを通して行われる。メソッドには,ファクトリメソッドおよびインスタンスメソッドの2種類がある。
- メソッド原型(method prototype)
- メソッドを定義する際,メソッドが提供するインタフェースを定義した部分。メソッド原型は,メソッド名と,パラメタおよび終了コードから成る。
- メソッドの呼び起こし(method invocation)
- オブジェクトに対してメソッドを呼び起こすこと。COBOL2002では,INVOKE文によってメソッドを呼び起こす。
(ヤ行)
- 呼び出し先プログラム(called program,subprogram)
- CALL文の対象となるプログラムであって,実行時に呼び出し元プログラムと組み合わされて1個の実行単位となる。
- 呼び出し元プログラム(calling program)
- CALL文を実行してほかのプログラムを呼ぶプログラム。
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