トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker Object Transaction Monitor ユーザーズガイド
クライアントアプリケーションは,サーバアプリケーションのTSCユーザオブジェクトにリクエストするためにTSCノードと接続します。このとき,クライアントアプリケーションをTSCデーモンおよびTSCレギュレータと同じホストに配置する必要はありません。
TSCノードとの接続では,接続経路,接続方法,および接続するTSCノードを指定できます。
- <この項の構成>
- (1) 接続経路の指定
- (2) 接続方法の指定
- (3) 接続するTSCノードの指定
クライアントアプリケーションからTSCノードに接続するときに,リクエストの経路を指定できます。指定方法には,TSCAdmクラスおよびTSCDomainクラスからプログラム上で実行する方法,クライアントアプリケーションのコマンドオプション引数で運用時に実行する方法,または両者を組み合わせる方法があります。
- TSCデーモンに直結する方法
TSCレギュレータを経由しないで,クライアントアプリケーションとTSCデーモンを直結する方法です。オーバヘッドが少ない接続経路です。
- TSCレギュレータを経由してTSCデーモンに接続する方法
クライアントアプリケーションからTSCデーモンに接続するときに,TSCレギュレータを経由する方法です。オーバヘッドが発生しますが,コネクションを集約してTSCデーモンの資源を分散することによって,システムを安定して動作させます。TSCレギュレータの詳細については,「2.3 TSCレギュレータの機能」を参照してください。
接続先情報ファイルで,TSCノードへの接続を確立する方法を指定できます。接続先情報ファイルを使用しない場合は,TPBrokerのスマートエージェントを使用した接続が選択されます。接続先情報ファイルについては,「2.2 接続先情報ファイルを使用する接続」を参照してください。
- TPBrokerのスマートエージェントの使用
通常は,TPBrokerのスマートエージェント(osagent)を使用して接続を確立します。
- IOR文字列の使用
IOR文字列を使用して接続を確立します。IOR文字列を使用する接続では,TPBrokerのスマートエージェント(osagent)を使用しないため,問い合わせ処理が不要です。さらに,ORBドメインを意識しないため,複数のORBドメインにわたった接続もできます。したがって,多数のクライアントアプリケーションから同時に接続要求があるときに,osagentおよびTSCデーモンの負荷を軽減させ,コネクションの不足を防止するために有効です。
なお,TSCレギュレータを経由する接続でIOR文字列を使用する場合は,TSCレギュレータの開始時に,tscregltdコマンドの-TSCIORConnectオプションを指定する必要があります。
TSCノードの動作するコンピュータの能力と負荷を考慮して,接続するTSCノードを指定できます。次に示す三通りの指定方法があります。
- クライアントアプリケーションでTSCドメイン名称とTSC識別子を指定する場合,ユーザの指定したTSCノードが選択されます。
- クライアントアプリケーションでTSCドメイン名称だけを指定する場合,TSCドメイン内の任意のTSCノードが選択されます。
- 接続先情報ファイルによって指定する場合,接続先情報ファイル中の情報に従って,一つ以上のTSCノードが選択されます。接続の対象となるための条件については,「2.2.4 マルチノードリトライ接続の接続対象」を参照してください。
All Rights Reserved. Copyright (C) 2002, 2005, Hitachi, Ltd.