Groupmax Object Server Version 6 システム管理者ガイド
High-end Object Serverは,全面回復時に回復用ジャーナルを出力することがあります。そのため,ジャーナルファイルが満杯になってシステムダウンした直後にそのまま起動すると,再びジャーナルファイルが満杯となってシステムダウンする場合があります。ここでは,不足したジャーナルファイルの容量を拡張するときに注意することについて説明します。
- <この項の構成>
- (1) 要 因
- (2) 対処方法
- (3) 運用時の注意
(1) 要 因
ジャーナルファイルが容量不足になる要因は次のとおりです。
- ジャーナル容量見積もりが少なすぎた場合
- sysjnlにjnl_unload_check=Yを指定しているのに,使用済みジャーナルファイルをアンロードしていない場合
- 以前にHigh-end Object Serverがシステムダウンした後,強制正常開始したときに,以前に使用していたジャーナルファイルのアンロード又は初期化を行っていない場合
sysjnlにjnl_unload_check=Nを指定していてもアンロードしないと再使用しないため,必ずすべてのジャーナルをアンロードする必要があります。
- ディスク障害などで,ジャーナルファイルが使用できなくなった場合
- OMS識別子(システム共通定義ファイルに定義するsystem_id)を変更した後,ジャーナルファイルの初期化を行わないでそのまま使用した場合
(2) 対処方法
通常は障害要因を調査し,使用可能なジャーナルファイルを作成すると再起動できます。ただし,調査に時間がかかることが予想される場合は,次に示す事前準備及び対策を行い,システムダウン時間を短縮してください。
(a) 事前準備
ファイル容量不足によって追加ジャーナルが作成できないことを予測して,予備のジャーナルファイルをあらかじめ作成しておいてください。
(b) システムダウン時の対処
予備のジャーナルファイルをシステムジャーナルサービス定義(sysjnl)に追加して再起動してください。
(c) ジャーナルファイルを追加して再起動した後の対処
次に示す方法のうち,どれかを選択して対処してください。
- ジャーナルファイルを追加したまま業務を続行し,別の予備のジャーナルファイルを用意してください。ただし,並行してジャーナルファイル容量を再度見積もりし直し,業務をやめるタイミングでジャーナルファイルを追加,又はファイル容量を拡張してください。
- High-end Object Serverを正常終了させ,データベースのバックアップを取り直してください。その後,ジャーナルファイルを作り直してサーバを起動し,業務を続行してください。使用できないジャーナルファイルが残っており,他に対処が分からない場合はこの対処を実施してください。
(3) 運用時の注意
ジャーナルファイルはデータベースの更新履歴を蓄積するファイルであり,データベースの障害が発生した場合の回復に必要な情報が出力されています。システムダウンした後にサーバを再起動したり,データベースを回復する前にジャーナルファイルを削除又は再初期化しないでください。
回復に必要な情報を含むジャーナルファイルが消去されるとデータベースを回復できなくなります。High-end Object Serverを正常停止させた後にジャーナルファイルを削除又は再初期化してください。
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