Groupmax Object Server Version 6  システム管理者ガイド

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4.3.2 データベースエリアの使用状況表示

オブジェクトサーバのデータベースのディクショナリ用エリア,OIDインデクス用エリア,ユーザ用エリア及びインデクス用エリアの使用状況を表示します。使用状況は標準出力に出力されます。

データベースエリアの使用状況から,次のことが分かります。

使用状況は定期的に確認してください。

<この項の構成>
(1) データベースエリアの使用状況の表示に使用するコマンド
(2) 手順
(3) xodbuseコマンドの処理結果
(4) データベースエリアの使用状況の表示から確認できる内容

(1) データベースエリアの使用状況の表示に使用するコマンド

データベースエリアの使用状況を表示するには,xodbuseコマンドを使用します。xodbuseコマンドについては,「8.8 データベース診断コマンド」を参照してください。

(2) 手順

データベースエリアの使用状況を表示するときの手順を説明します。

(a) xodbuseコマンドの実行

xodbuseコマンドを実行して,データベースエリアの使用状況を標準出力に出力します。

(3) xodbuseコマンドの処理結果

コマンドの処理結果として,データベースエリアの使用状況が標準出力に出力されます。

図4-7に処理結果の出力フォーマットを示します。また,図4-7に示した出力フォーマットの項目を表4-4に示します。図4-7と表4-4の図中の文字は対応しています。

図4-7 xodbuseコマンドの処理結果の出力フォーマット

[図データ]

表4-4 xodbuseコマンドの処理結果の出力項目

図中文字 項目 表示形式
aaa…aaa システムID 10バイト(AIX及びHP-UXの場合は11バイト)
vv-rr バージョン・リビジョン番号 5バイト
yy-mm-dd ユティリティ実行開始年月日 西暦の下2けた−月−日
hh:mm:ss ユティリティ実行開始時刻 時:分:秒
bbb…bbb エリア名 最大30バイト
ccc…ccc エリアの用途 最大20バイト
eee…eee 該当エリアのセグメントサイズ 10進数(右詰め)
fff…fff 該当エリア内のファイルの最大割り当て量の合計 10進数(右詰め)
該当エリア内の全ファイルに最大割り当て量が指定されている時だけ表示します
ggg…ggg ・オブジェクトサーバ稼働中にこのコマンドを実行してオブジェクトサーバと接続できた場合は,タイプ名又はインデクス名
・オブジェクトサーバが稼働中でないか,又はオブジェクトサーバと接続できなかった場合は,タイプID又はインデクスID
・タイプ名又はインデクス名の場合は,最大95バイトで表示
・タイプID又はインデクスIDの場合は,0xの後に16進数で8けた
iii…iii 該当タイプ又はインデクスの使用ページ数 10進数(右詰め)
jjj…jjj 該当タイプの満杯ページ数(満杯状態になっているページのページ数) 10進数(右詰め)
対象がインデクスページの場合は,「-」を出力します
kkk…kkk 該当タイプ又はインデクスの割り当てページ数 10進数(右詰め)
lll…lll 該当タイプ又はインデクスのセグメント数 10進数(右詰め)
nnn…nnn 該当タイプ又はインデクスの最終セグメントの使用ページ数 10進数(右詰め)
各タイプ又は各インデクスが二つ以上のセグメントからなる場合に表示します
ooo…ooo 該当タイプ又はインデクスの最終セグメントの満杯ページ数 10進数(右詰め)
ppp…ppp 該当タイプ又はインデクスの最終セグメントの割り当てページ数 10進数(右詰め)
qqq…qqq 未使用セグメントの使用ページ数 10進数(右詰め)常に0を表示します
sss…sss 未使用セグメントの満杯ページ数 10進数(右詰め)
対象がインデクスページの場合は,「-」を出力します
ttt…ttt 未使用セグメントの割り当てページ数 10進数(右詰め)
uuu…uuu 未使用セグメントのセグメント数 10進数(右詰め)
www…www 該当エリア内の使用ページ数合計 10進数(右詰め)
xxx…xxx 該当エリア内の満杯ページ数合計 10進数(右詰め)
zzz…zzz 該当エリア内の割り当てページ数合計 10進数(右詰め)
AAA…AAA 該当エリア内のセグメント数合計 10進数(右詰め)
BBB…BBB 表示した全エリアの使用ページ数合計 10進数(右詰め)
CCC…CCC 表示した全エリアの割り当てページ数合計 10進数(右詰め)

(4) データベースエリアの使用状況の表示から確認できる内容

データベースエリアの使用状況の表示内容の見方について説明します。

データベースエリアの使用状況から,次のことが分かります。

(a) データベースエリアのファイルの増分

ファイルが増分されているエリアは,各エリアの小計の行に表示されているセグメント数から分かります。この行のセグメント数が初期設定時の初期割り当て量よりも大きい場合は,ファイルが増分されています。また,未使用セグメントのセグメント数が0に近づいている場合は,間もなくファイルの増分が発生することを示します。

(b) データベースの再編成が有効なエリア

データベースの再編成によって,スペース効率が向上するエリアを判断できます。データベースの再編成が有効なエリアは,次のようなエリアです。

ただし,使用ページ数に対して,満杯ページ数の割合が高いエリアでは,データベースの再編成を実行しても,スペース効率の向上は期待できません。

(c) データベースの満杯状態に近づいているエリア(ディクショナリ用エリア及びユーザ用エリア)

セグメント数が最大割り当て量に達していて,割り当てページ数に対する満杯ページ数の割合が高い場合は,データベースが満杯状態に近づいています。

この場合は,エリアを拡張するか,又は不要なオブジェクトを削除するなどの対処が必要です。対処方法については,「付録F.2 データベースの運用時の障害予防」を参照してください。

(d) 再構成パラメタに指定する値の見積もり

xodbuseコマンドで表示した数値を利用して,再構成パラメタに指定する値を見積もれます。再構成パラメタは,データベースのユーザエリア及びインデクスエリアの再作成に使用します。

再構成パラメタファイルの形式と項目については,「7.8 再構成パラメタファイル」を参照してください。

見積もりは,次の手順で実行してください。

  1. xodbreogコマンドを実行する

  2. xodbuseコマンドを実行する

  3. 出力結果からエリア再作成パラメタの値を見積もる

図4-8にxodbuseコマンドの表示例を示します。

図4-8 xodbuseコマンドの表示例

[図データ]

次に,図4-8のように表示された場合の,ユーザエリアとインデクスエリアの見積もり方法を説明します。見積もるのは,areaパラメタに指定するセグメントサイズとfileパラメタに指定する初期割り当て量です。

余裕値は,必要な値の20%が目安です。ただし,データベースの使用状況の推移から,格納しているデータ量が増大する傾向があるエリアの場合は,余裕値を50%にするなどして多く見積もる必要があります。

「見積もり例」には,図4-8の表示例から見積もった値を示します。

「セグメントサイズ=1」のエリア
セグメントサイズを変更する必要はありません。初期割り当て量は,現在のデータを格納するのに必要なページ数に余裕値を加えた値を見積もります。

見積もり例(IS_system_area_1の見積もり)
  • セグメントサイズ:1
  • 初期割り当て量:現在のデータを格納するページ「15」+余裕値

「セグメントサイズ≠1」かつ「定義タイプ数>1」のエリア
  • オブジェクト格納時の空きページサーチ効率を優先する場合
    セグメントサイズは,エリア内の各タイプの使用ページ数の最大値に余裕値を加えた値を見積もります。初期割り当て量は,タイプ数に余裕値を加えた値を見積もります。

見積もり例(IS_class_area_1の見積もり)
  • セグメントサイズ:エリア内の各タイプの使用ページの最大値「14」+余裕値
  • 初期割り当て量:タイプ数「4」+余裕値
  • スペース効率(少ないディスク所要量)を優先する場合
    各タイプには,セグメント単位でページが割り当てられます。つまり,1ページしか使用していなくても1セグメント分のページが割り当てられます。
    スペース効率を優先する場合は,セグメントサイズには各タイプの平均的な使用ページ数を見積もります。初期割り当て量には現在のデータを格納するのに必要なセグメント数に余裕値を加えた値を見積もります。
    なお,この場合はファイルの増分が起こりやすいので,定期的にデータベースの再編成を実行する必要があります。

見積もり例(IS_class_area_1の見積もり)
  • セグメントサイズ:各タイプの平均的な使用ページ数「1」
  • 初期割り当て量:現在のデータを格納するのに必要なセグメント数「17」+余裕値

「セグメントサイズ≠1」かつ「定義タイプ数=1」のエリア
現在のデータを格納するのに必要なページ数に余裕値を加えた値をセグメントサイズに見積もります。初期割り当て量は1にします。

見積もり例(WF_case_areaの見積もり)
  • セグメントサイズ:現在のデータを格納するのに必要なページ数「482」+余裕値
  • 初期割り当て量:1

セグメントサイズには,「MIN(エリア内の各インデクスの使用ページ数の最大値+余裕値,32)」を見積もります。初期割り当て量には,現在のデータを格納するのに必要なセグメント数に余裕値を加えた値を見積もります。

見積もり例(WF_index_areaの見積もり)
  • セグメントサイズ:エリア内の各インデクスの使用ページ数の最大値「17」+余裕値
  • 初期割り当て量:現在のデータを格納するのに必要なセグメント数「3」+余裕値

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