Hitachi

 Hitachi Application Server V10 ユーザーズガイドWindows®用)


9.2.2 サーバテンプレートを使用してWebサーバの設定を変更する

Webサーバで標準プロパティー以外の設定値を変更するには、サーバテンプレートを使用します。サーバテンプレートには、Webサーバの運用に必要な設定を記述しています。Webサーバの設定を変更する場合は、拡張プロパティーを設定するか、またはディレクティブをサーバテンプレートに直接記述するかのどちらかを実施します。サーバテンプレートを編集する場合は、拡張プロパティーを設定する方法をお勧めします。

前提条件

想定ユーザー

サーバテンプレートの格納先とファイル名

サーバテンプレートのファイル名を次に示します。

初回のドメイン起動時、サーバテンプレートの各ファイルは、Application Serverのインストールディレクトリー/javaee/glassfish/domains/ドメイン名/server_templates/webserver/confに展開されます。

サーバテンプレートの編集方法

サーバテンプレートは、次の方法で編集できます。

拡張プロパティーを設定するために、VTL構文を記述すると、asadminユーティリティーコマンドのsetサブコマンドでWebサーバの設定を変更し、getサブコマンドで変更内容を確認できるようになります。

サーバテンプレートは、asadminユーティリティーコマンドのcreate-webserverサブコマンド、およびstart-webserverサブコマンド実行時にドメイン管理サーバによって読み込まれ、Webサーバが読み込む定義ファイルに設定が反映されます。

操作手順

  1. ハードウェアロードバランサーを使用している場合は、ハードウェアロードバランサーを閉塞します。

    閉塞の方法は、使用しているハードウェアロードバランサーのマニュアルを参照してください。

    パフォーマンストレーサー、サーバインスタンス、およびWebサーバが停止していない場合は、手順2に進んでください。

    パフォーマンストレーサー、サーバインスタンス、およびWebサーバがすでに停止している場合は、手順1〜手順5を省略してください。

  2. asadminユーティリティーコマンドのstop-serversサブコマンドを実行して、パフォーマンストレーサー、サーバインスタンス、およびWebサーバを一括停止します。

    asadmin stop-servers

    コマンドの実行結果を次に示します。

    Command stop-servers executed successfully.
  3. asadminユーティリティーコマンドのlist-prfsサブコマンドを実行して、パフォーマンストレーサーの一覧を表示します。

    asadmin list-prfs

    コマンドの実行結果を次に示します。パフォーマンストレーサーのステータスがnot runningになっていることを確認してください。

    パフォーマンストレーサー名 not running
    Command list-prfs executed successfully.
  4. asadminユーティリティーコマンドのlist-instancesサブコマンドに--longオプションを指定して実行し、サーバインスタンスの一覧を表示します。

    asadmin list-instances --long=true

    コマンドの実行結果を次に示します。サーバインスタンスのステータスがnot runningになっていることを確認してください。

    サーバインスタンス名 ホスト名 ポート番号 プロセスID クラスター名 not running
    Command list-instances executed successfully.
    
    • クラスター名は、複数のJava EEサーバを配置するクラスター構成の場合だけ表示されます。

  5. asadminユーティリティーコマンドのlist-webserversサブコマンドを実行して、Webサーバの一覧を表示します。

    asadmin list-webservers

    コマンドの実行結果を次に示します。Webサーバのステータスがnot runningになっていることを確認してください。

    Webサーバ名 not running
    Command list-webservers executed successfully.
  6. 拡張プロパティーを設定するために、VTL構文を記述する場合は、次の手順で設定します。

    reverse_proxy.confProxyPreserveHostディレクティブを設定する例で、手順を説明します。

    1. テキストエディターなどを利用して、サーバテンプレートのファイル(reverse_proxy.conf@.vtl)を開いて、拡張プロパティーのVTL構文を記述します。

      拡張プロパティーは、接頭辞にex_を付加した名称で設定します。

      ProxyPreserveHostディレクティブの場合、拡張プロパティーはex_ProxyPreserveHost.valueで設定します。

      ProxyPreserveHost ${property.ex_ProxyPreserveHost.value}
    2. サーバテンプレートのファイルを保存します。

    3. asadminユーティリティーコマンドのsetサブコマンドを実行して、Webサーバのコンフィグに対して、拡張プロパティー ex_ProxyPreserveHost.valueの値にOn を設定します。

      asadmin set 
      hitachi-webservers.hitachi-webserver.Webサーバ名.property.ex_ProxyPreserveHost=
      On

      コマンドの実行結果を次に示します。

      hitachi-webservers.hitachi-webserver.Webサーバ名.property.ex_ProxyPreserveHost=On
      Command set executed successfully.
    4. asadminユーティリティーコマンドのgetサブコマンドを実行して、拡張プロパティー ex_ProxyPreserveHost.valueの値が設定したとおりになっているかを確認します。

      asadmin get 
      hitachi-webservers.hitachi-webserver.Webサーバ名.property.ex_ProxyPreserveHost

      コマンドの実行結果を次に示します。

      hitachi-webservers.hitachi-webserver.Webサーバ名.property.ex_ProxyPreserveHost=On
      Command get executed successfully.
      
  7. ディレクティブを直接記述する場合は、次の手順で直接記述します。

    1. テキストエディターなどを利用して、サーバテンプレートのファイルを開いて、Web Serverのディレクティブを直接記述します。

      ディレクティブをコメントとする場合は、先頭の#の直後に半角スペースを入れて記述します。

    2. サーバテンプレートのファイルを保存します。

      ここで変更作業を完了する場合は、手順8に進んでください。

      次の環境定義を変更する場合は、Application Serverを一括起動しないで、それぞれの環境定義を実施してください。

      Application Serverの設定

      JavaVMオプション

      asadminユーティリティーコマンドのプロセスに適用する環境変数

  8. asadminユーティリティーコマンドのstart-serversサブコマンドを実行して、Application Serverを一括で起動します。

    asadmin start-servers

    コマンドの実行結果を次に示します。

    Command start-servers executed successfully.
  9. asadminユーティリティーコマンドのlist-prfsサブコマンドを実行して、パフォーマンストレーサーの一覧を表示します。

    asadmin list-prfs

    コマンドの実行結果を次に示します。パフォーマンストレーサーのステータスがrunningになっていることを確認してください。

    パフォーマンストレーサー名 running
    Command list-prfs executed successfully.
  10. asadminユーティリティーコマンドのlist-instancesサブコマンドに--longオプションを指定して実行し、サーバインスタンスの一覧を表示します。

    asadmin list-instances --long=true

    コマンドの実行結果を次に示します。サーバインスタンスのステータスがrunningになっていることを確認してください。

    サーバインスタンス名 ホスト名 ポート番号 プロセスID クラスター名 running
    Command list-instances executed successfully.
    
    • クラスター名は、複数のJava EEサーバを配置するクラスター構成の場合だけ表示されます。

    • サーバインスタンスの起動に成功したかどうかは、Java EEサーバ(サーバインスタンス)のメッセージログにKDKD20031-Iが出力されているかどうか、またはAdministration ConsoleのJava EEサーバ(サーバインスタンス)のステータスでも確認できます。

  11. asadminユーティリティーコマンドのlist-webserversサブコマンドを実行して、Webサーバの一覧を表示します。

    asadmin list-webservers

    コマンドの実行結果を次に示します。Webサーバのステータスがrunningになっていることを確認してください。

    Webサーバ名   running
    Command list-webservers executed successfully.
  12. ハードウェアロードバランサーを使用している場合は、ハードウェアロードバランサーの閉塞を解除します。

    閉塞を解除する方法は、使用しているハードウェアロードバランサーのマニュアルを参照してください。