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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ Webサービス開発ガイド


10.9.1 Webサービスの初期化

Webサービス側のJAX-WSエンジンでは,J2EEアプリケーションがJ2EEサーバによって開始されるときに,Webサービスを初期化します。具体的には次の処理が実行されます。

Webサービスの初期化の開始時に,ログおよび標準出力にKDJW40001-Iのメッセージが出力されます。Webサービスの初期化が正常に終了した場合,ログおよび標準出力にKDJW40003-Iのメッセージが出力されます。Webサービスの初期化でエラーが発生し,初期化に失敗した場合,ログおよび標準エラー出力にKDJW40002-Eのメッセージとエラーの原因となったエラーメッセージが出力されます。

Webサービスの初期化でエラーが発生した場合,ログにエラーが出力されますが,J2EEアプリケーションの開始自体は継続され,正常終了します。ただし,初期化に失敗しているので,デプロイされたWebサービスは動作しません。この場合,KDJW40002-Eのメッセージが出力されたかどうかを確認し,エラーが出力された場合には問題を修正し,再度Webサービスをデプロイしてください。

J2EEサーバの開始時に,デプロイされているJ2EEアプリケーションが自動的に開始される場合など,どのJ2EEアプリケーションに含まれるWebサービスの初期化に失敗したのか,調査が困難なことがあります。そのようなときは,「39.3.1 ログの種類」で示すログ,およびJ2EEサーバの稼働ログを確認することで,J2EEアプリケーション名とコンテキストルート名を特定できます。

"com.cosminexus.xml.ws.transport.http.servlet.WSServletContextListener"を含む,KDJE39103-Eメッセージの出力内容を確認する例を次に示します。

0095 2009/12/18 13:48:36.471     HEJB             0125FEFA 004413EE KDJE39103-E           An exception javax.xml.ws.WebServiceException was raised in notification of the listener class com.cosminexus.xml.ws.transport.http.servlet.WSServletContextListener. (J2EE application = Sample_application_fromwsdl, context root = /fromjava)

上記のようなログが出力されている場合,J2EEアプリケーション"Sample_application_fromwsdl"に含まれる,コンテキストルート名"fromjava"に関連づけられたWARファイル内のWebサービスの初期化が失敗しています。

ユーザプログラムに問題がある場合,基本的にKDJE39103-Eのメッセージのエラーが発生します。ただし,必要に応じて次のエラーメッセージについても確認してください。

J2EEサーバの稼働ログについては,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「5.2 アプリケーションサーバのログ」を参照してください。また,上記のメッセージについては,マニュアル「アプリケーションサーバ メッセージ(構築/運用/開発用)」の「7.2 KDJE30000からKDJE39999までのメッセージ」を参照してください。