4.9 流量制限機能
Webサーバへのアクセスの増加や,業務アプリケーションなどの影響でWebサーバの負荷が高くなった場合に,Webサイトにアクセスするユーザ数を制限するなどして,Webサービスの処理効率を維持する機能を流量制限機能といいます。
HTTP Serverにmod_hws_qosモジュールを組み込めば,流量制限機能を使用できます。流量制限機能を使用すると,次に示すことができます。なお,以降の記述の「サーバプロセス数」は,UNIX版のworker MPMモジュールの場合およびWindows版の場合「サーバスレッド数」のことです。
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リクエスト処理を実施するサーバプロセス数を制限すれば,Webサイトに同時にアクセスするユーザ数を制限できます。高負荷時には,制限値を超えたリクエストに対してすぐに拒否レスポンスを返したり,ほかのWebサーバへリダイレクトさせたりすれば,レスポンスタイムを維持できます。
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クッキーを使用したセション管理によって,高負荷時,新しいセションを拒否し,すでにアクセスしているユーザのレスポンスタイムを維持できます。
十分なWebサービスを提供するには,同時にアクセスするユーザ数を満たすだけのサーバプロセス数が必要です。Webサーバが1台で不十分なら,複数台用意し,負荷分散機でアクセスを分散させるなどしてWebサービスを保証できるように運用設計してください。
このようにWebサービスの資源を用意しても,一時的に過負荷状態が発生する場合に備えて,流量制限機能を使用してください。mod_hws_qosによる流量制限機能の概要を次に示します。