2.2.2 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)
(1) 形式
次のようにキーを指定します。
<キー名称> = <値>
- 指定方法
-
-
改行までが値になります。
-
#で始まる行はコメントとみなされます。
-
値が存在しない行を定義した場合,その行は無視されます。
-
値の後ろには,空白やコメントなどの文字列は追加できません。追加した場合,不正な値と解釈されます。
(例) <キー名称> = <値> #<コメント>
-
実行時の文字エンコーディングと異なる文字エンコーディングでは記述できません。
-
(2) ファイルの格納先
-
Windowsの場合
<Application Serverのインストールディレクトリ>\CC\server\usrconf\ejb\<サーバ名称>\
-
UNIXの場合
/opt/Cosminexus/CC/server/usrconf/ejb/<サーバ名称>/
(3) 機能
J2EEサーバを実行するJavaVMの起動オプションを指定します。
J2EEサーバの稼働中に,このファイルの内容を変更した場合,変更した内容は次にJ2EEサーバを起動したときに反映されます。
(4) 指定できるキー
指定できるキーとデフォルト値を次の表に示します。「VR」とは,パラメタが導入・変更されたアプリケーションサーバのバージョンです。
キー名称 |
内容 |
デフォルト |
VR |
---|---|---|---|
指定されたオプションを使ってJavaVMを起動します。 なお,システムプロパティを指定したい場合は,"-D"を利用しないで,usrconf.propertiesファイルに指定します。 複数のオプションを指定する場合,同じキー名称を使用して,次のように複数回指定してください。 (指定例) add.jvm.arg= -Xms256m add.jvm.arg= -Xmx512m なお,次のように複数のオプションを指定できません。指定をした場合,JavaVMの初期化に失敗します。 (指定例) add.jvm.arg=-Xms256m -Xmx512m add.jvm.argで指定できるJavaVMのオプションについては,「14.1 JavaVM拡張オプションの一覧」および「14.5 Application Serverで指定できるJava HotSpot VMのオプション」を参照してください。 |
デフォルト値については「2.2.2(5) J2EEサーバでのJavaVMオプションのデフォルト値」を参照してください。 |
− |
|
コンテナ拡張ライブラリ用のクラスパスを指定します。 なお,スペースを含むパスを指定する場合,パスをダブルクォーテーション(")で囲む必要はありません。 また,ダブルクォーテーションでの指定は有効となりません。 |
なし |
− |
|
JNI用の共有ライブラリを指定します。コンテナ拡張ライブラリがJNIを利用する場合だけ指定します。 |
なし |
− |
|
プロセス内で使用するlibstdc++ライブラリのバージョンを指定します。なお,このキーは,Linux用です。 指定できる文字列を次に示します。
09-00以降では,設定できるのは「6」だけです。 このキーはRed Hat Enterprise Linux以外のプラットフォームで設定しても無効です。 |
6 |
− |
|
指定されたディレクトリをJ2EEサーバの作業ディレクトリとしてJ2EEサーバを開始します。J2EEサーバのカレントディレクトリを次に示します。
ディレクトリ名称は絶対パスで指定してください。指定できる文字は,半角英数字,アンダースコア「_」,またはハイフン「-」です。パス長は,アプリケーションサーバの作業ディレクトリの見積もり式で算出した範囲内で指定できます。J2EEサーバの作業ディレクトリについては,マニュアル「アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」の「付録C.1 J2EEサーバの作業ディレクトリ」を参照してください。 |
|
− |
|
J2EEサーバ再起動時に残すcoreファイルの数を0〜16の整数で指定します。なお,このキーは,UNIX用です。 次の対象coreファイルのうち,作成日時が新しいものから指定した数のファイルを残し,それ以外のファイルは削除されます。通常はJ2EEサーバダウン時に出力するcoreファイル数の1を指定します。
対象coreファイルのうち,上書き,または削除される可能性のあるcoreファイルについては再起動時にリネームされます。
<coreファイル作成日時>の形式は,yymmddHHMMSSです。 なお,coreファイルのリネーム,または削除に失敗した場合はメッセージKDJE40047-Eを出力し,J2EEサーバ起動処理を中止して異常終了します。 また,次のことに注意してください。
|
1 |
− |
|
指定されているディレクトリをログファイル※2の出力先として使用します。パス長は,1〜200バイトで指定します。Windowsの場合,UNC名を含むパスは指定できません。UNIXの場合,nfsマウントされたディスク上へのパスは指定できません。 このキーを指定する場合,サーバ開始前にログ出力先ディレクトリを作成してください。存在しないディレクトリが指定された場合は,J2EEサーバ開始時にKDJE40024-Eのメッセージが出力され,異常終了します。 ほかのJ2EEサーバやWebコンテナサーバ(互換機能),バッチサーバ,Managerとログ出力先が,同じディレクトリにならないように注意してください。同じディレクトリを指定した場合,動作は保証されません。 なお,このキーを指定して,作業ディレクトリ以外にログを出力する場合,変更先ディレクトリ下のログファイルはサーバをアンセットアップする時に削除されません。ログファイルを削除したい場合には,手動で削除してください。 |
|
− |
|
cjstdout.logファイルのサイズの上限値を4096〜2147483647の範囲(単位:バイト)の整数で指定します。 |
1048576 |
− |
|
cjstderr.logファイルのサイズの上限値を4096〜2147483647の範囲(単位:バイト)の整数で指定します。 |
1048576 |
− |
|
使用するJavaVMのタイプを指定します。指定できる値は次のどちらかです。
J2EEサーバ,またはJ2EEアプリケーションの開始および停止の頻度が高い開発環境などでは,"client"を指定することで性能が向上する場合があります。指定値に誤りがあった場合は,"server"→"client"の順でJavaVMを検索します。なお,このときKDJE40020-Wメッセージが出力されます。 |
server |
− |
ログの種類 |
内容 |
ログ取得ディレクトリおよびログファイル名 |
---|---|---|
メッセージログ |
稼働ログ |
|
ログ稼働ログ |
|
|
ユーザログ |
Webサーブレットログ |
|
ユーザ出力ログ |
|
|
ユーザエラーログ |
|
|
JavaVMの保守情報およびGCのログ |
|
|
イベントログ |
JavaVMの明示管理ヒープ機能イベントログ |
|
例外ログ |
障害発生時の例外情報 |
|
リソースアダプタの保守用ログ |
− |
|
TPBrokerのトレース |
TPBrokerのトレース情報 |
|
(5) J2EEサーバでのJavaVMオプションのデフォルト値
J2EEサーバでのJava VMオプションのデフォルト値を示します。
(a) V9互換モードの場合
JDK11を使用する場合
-
-Xms256m
-
-Xmx512m
-
-XX:MetaspaceSize=128m
-
-XX:MaxMetaspaceSize=128m
-
-XX:SurvivorRatio=8
-
-XX:HitachiJavaLog:<ejb.server.log.directory>
-
-XX:HitachiJavaLogFileSize=4m
-
-XX:+HitachiOutOfMemoryStackTrace
-
-XX:-HitachiThreadDumpToStdout
-
-XX:+HitachiOutOfMemoryAbort
-
-XX:+HitachiJavaClassLibTrace
-
-XX:HitachiJavaClassLibTraceLineSize=1024
-
-XX:+HitachiLocalsSimpleFormat
-
-XX:+HitachiTrueTypeInLocals
-
-XX:+HitachiLocalsInStackTrace
-
-XX:+HitachiVerboseGC
-
-XX:+HitachiVerboseGCPrintCause
-
-XX:+HitachiOutputMilliTime
-
-XX:+HitachiUseExplicitMemory
-
-XX:HitachiExplicitHeapMaxSize=64m
-
-XX:HitachiExplicitMemoryLogLevel:normal
-
-XX:HitachiExplicitMemoryJavaLog:<ejb.server.log.directory>
-
-XX:HitachiExplicitMemoryJavaLogFileSize=4m
-
-XX:-HitachiAutoExplicitMemory
-
-XX:+HitachiExplicitMemoryAutoReclaim
-
-XX:-HitachiExplicitMemoryCompatibleToV8
-
-XX:+HitachiOutOfMemoryHandling
(b) 推奨モードの場合
JDK11を使用する場合
-
-Xms256m
-
-Xmx512m
-
-XX:MetaspaceSize=128m
-
-XX:MaxMetaspaceSize=128m
-
-XX:SurvivorRatio=8
-
-XX:HitachiJavaLog:<ejb.server.log.directory>
-
-XX:HitachiJavaLogFileSize=4m
-
-XX:+HitachiOutOfMemoryStackTrace
-
-XX:-HitachiThreadDumpToStdout
-
-XX:+HitachiOutOfMemoryAbort
-
-XX:+HitachiJavaClassLibTrace
-
-XX:HitachiJavaClassLibTraceLineSize=1024
-
-XX:+HitachiLocalsSimpleFormat
-
-XX:+HitachiTrueTypeInLocals
-
-XX:+HitachiLocalsInStackTrace
-
-XX:+HitachiVerboseGC
-
-XX:+HitachiVerboseGCPrintCause
-
-XX:+HitachiOutputMilliTime
-
-XX:+HitachiUseExplicitMemory
-
-XX:HitachiExplicitHeapMaxSize=64m
-
-XX:HitachiExplicitMemoryLogLevel:normal
-
-XX:HitachiExplicitMemoryJavaLog:<ejb.server.log.directory>
-
-XX:HitachiExplicitMemoryJavaLogFileSize=4m
-
-XX:-HitachiAutoExplicitMemory
-
-XX:+HitachiExplicitMemoryAutoReclaim
-
-XX:-HitachiExplicitMemoryCompatibleToV8
-
-XX:+HitachiOutOfMemoryHandling
-
-XX:ReservedCodeCacheSize=240M
JDK17以降を使用する場合
-
-Xms1g
-
-Xmx1g
-
-XX:MetaspaceSize=128m
-
-XX:MaxMetaspaceSize=128m
-
-XX:SurvivorRatio=8
-
-XX:HitachiJavaLog:<ejb.server.log.directory>
-
-XX:HitachiJavaLogFileSize=4m
-
-XX:+HitachiOutOfMemoryStackTrace
-
-XX:-HitachiThreadDumpToStdout
-
-XX:+HitachiOutOfMemoryAbort
-
-XX:+HitachiJavaClassLibTrace
-
-XX:HitachiJavaClassLibTraceLineSize=1024
-
-XX:+HitachiLocalsSimpleFormat
-
-XX:+HitachiTrueTypeInLocals
-
-XX:+HitachiLocalsInStackTrace
-
-XX:+HitachiVerboseGC
-
-XX:+HitachiVerboseGCPrintCause
-
-XX:+HitachiOutputMilliTime
-
-XX:+HitachiOutOfMemoryHandling
-
-XX:ReservedCodeCacheSize=240M
(6) 記述例
-
Windowsの場合
# java vm options add.jvm.arg=-Xms256m add.jvm.arg=-Xmx512m add.jvm.arg=-XX:MetaspaceSize=128m add.jvm.arg=-XX:MaxMetaspaceSize=128m add.jvm.arg=-XX:+HitachiVerboseGC add.jvm.arg=-XX:HitachiVerboseGCIntervalTime=600 # ejb public directory ejb.public.directory=c:\workdir # ejb.server.log.directory ejb.server.log.directory=c:\logdir\servername
-
UNIXの場合
# java vm options add.jvm.arg=-Xms256m add.jvm.arg=-Xmx512m add.jvm.arg=-XX:MetaspaceSize=128m add.jvm.arg=-XX:MaxMetaspaceSize=128m add.jvm.arg=-XX:+HitachiVerboseGC add.jvm.arg=-XX:HitachiVerboseGCIntervalTime=600 # ejb public directory ejb.public.directory=/opt/workdir # ejb.server.log.directory ejb.server.log.directory=/CClogs/server/servername # ejb.server.corefilenum ejb.server.corefilenum=3
(7) 注意事項
-
コマンドプロンプトで設定されているCLASSPATH環境変数は,J2EEサーバには渡りませんが,そのほかの環境変数(PATHなど)は渡ります。
-
OSのロケールと異なる文字エンコーディングで記述しないでください。また,OSのロケールにUTF-8を使用する場合,BOM付きUTF-8では記述しないでください。
-
usrconf.propertiesとusrconf.cfgのadd.jvm.argの-Dに同じキーが指定されている場合は,usrconf.propertiesの値が優先されます。
-
usrconf.cfgで設定されていないJavaVMのオプションはJavaVMのデフォルト値になります。
-
次に示すプロパティは"-D"で指定できません。
-
java.endorsed.dirs
-
java.security.policy
-
java.class.path
-
java.library.path
-
java.locale.providers
-
-
add.class.pathキーに指定されている値の中に,<cosminexus.home>タグを使用してコンテナ拡張ライブラリ用のJARを指定しているものがあります。これはApplication Serverのインストール先を意味しているため,add.class.pathキーの記述内容を変更する必要はありません。なお,add.class.pathキーにコンテナ拡張ライブラリを追加する場合は,インストールおよびアンインストール時の動作を保証できなくなるおそれがあるので,<cosminexus.home>タグを使用しないでください。
-
add.jvm.argキーで--add-modules,および--module-pathオプションを指定しないでください。指定した場合は,動作を保証しません。
-
-XX:SoftRefLRUPolicyMSPerMBオプションは,開発環境でMetaspace 領域が圧迫された場合にだけ指定してください。このオプションに0を指定すると,すべてのソフト参照が無効になります。ソフト参照は,性能向上のためのキャッシュとして使用されることが多いため,このオプションの指定によってアプリケーションの性能が劣化するおそれがあります。