cmx_start_target(Webシステムまたはサービスユニットの開始)
形式
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Webシステムを開始する場合
cmx_start_target [共通引数] [-s <Webシステム名>] [-unit <サービスユニット名>] -mode { ALL|READY } [-strict]
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Webシステムに関連づいていない論理サーバを含むシステムを開始する場合
cmx_start_target [共通引数] -ns
機能
システムの開始をします。Webシステムを開始する場合と,Webシステムに関連づいていない論理サーバを含むシステムを開始する場合で動作が異なります。それぞれの場合の動作について説明します。
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Webシステムを開始する場合
指定されたモードに応じて,開始対象のサービスユニットの状態を稼働状態または準備状態にします。稼働状態とは,サービスユニット中の全論理サーバが稼働中で負荷分散機からリクエストが振り分けられる状態です。準備状態とは,サービスユニット中の全論理サーバが稼働中で,負荷分散機からのリクエスト振り分けが抑止されている状態です。
コマンドのオプションで,サービスユニットが指定されていれば特定のサービスユニットが,省略されていればWebシステム中の全サービスユニットが,開始の対象となります。
サービスユニットの状態は,cmx_list_statusコマンドで参照できます。サービスユニットの状態の種類,およびサービスユニットの状態の参照方法については,「cmx_list_status」を参照してください。
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Webシステムに関連づいていない論理サーバを含むシステムを開始する場合
開始対象のシステムに含まれるすべての論理サーバを起動して,稼働状態にします。すでに稼働中の論理サーバは,引き続き稼働状態が保たれ,この操作によって再起動されることはありません。
運用管理ポータルで論理サーバの起動順序を設定している場合は,その順序に従って起動されます。
Webシステムに関連づいていない論理サーバの状態は,cmx_list_statusコマンドに-nsオプションを指定することで参照できます。論理サーバの状態の種類,および論理サーバの状態の参照方法については,「cmx_list_status」を参照してください。
引数
- -s <Webシステム名>
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Webシステム名を指定します。
このオプションを省略した場合は,.cmxrcファイルまたはcmxclient.propertiesファイルのcmx.websystem.nameキーで設定した値が仮定されます。なお,.cmxrcファイルおよびcmxclient.propertiesファイルのcmx.websystem.nameキーを省略している場合に,このオプションを省略してコマンドを実行したときは,エラーになります。
- -unit <サービスユニット名>
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サービスユニット名を指定します。
- -mode { ALL|READY }
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開始モードを指定します。
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ALL
停止状態,閉塞状態,準備状態を稼働状態に引き上げます。
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READY
停止状態,閉塞状態を準備状態に引き上げます。
稼働状態のサービスユニットを準備状態に引き下げることはできません。
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- -strict
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論理サーバの起動に失敗した場合に,以降の論理サーバの起動を中断するときに指定します。
このオプションを省略してコマンドを実行した場合,論理サーバの起動に失敗したとき,以降の論理サーバの起動を継続します。
- -ns
-
Webシステムに関連づいていない論理サーバを含むシステムを起動する場合に指定します。
入力例
cmx_start_target -s sample-system -unit unit1 -mode ALL
戻り値
- 0:
-
正常終了しました。
- 1:
-
警告終了しました。
- 64:
-
異常終了しました。
戻り値の詳細を次の表に示します。
戻り値 |
サービスユニットが一つの場合 |
サービスユニットが複数の場合 |
---|---|---|
0 |
すべての論理サーバの起動に成功しました。 |
すべてのサービスユニットの起動に成功※1しました。 |
1 |
− |
一部のサービスユニットの起動に失敗※2しました。 |
64 |
一部の論理サーバの起動に失敗しました。 |
すべてのサービスユニットの起動に失敗※2しました。 |
注意事項
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-unitオプションでCTM用または統合ネーミングスケジューラサーバ用のサービスユニットを指定する場合,-modeオプションにREADYを指定したときはエラーになります。-unitオプションを省略している場合に,-modeオプションにREADYを指定した場合,Webシステムに属するCTM用および統合ネーミングスケジューラサーバ用のサービスユニットの状態は,稼働状態に引き上げられます。
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開始対象のサービスユニットに含まれている論理ユーザサーバは,-modeオプションの指定に関係なく,起動されます。開始対象のサービスユニットに論理ユーザサーバが含まれている場合に,論理ユーザサーバの起動に失敗したときは,サービスユニットの開始も失敗したとみなされます。この場合,-unitオプションを指定したコマンドは異常終了し,-unitオプションを省略したコマンドは警告終了します。
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複数のJ2EEサーバを配置したCTM用のサービスユニットを起動する場合,一部のJ2EEサーバで起動処理を失敗しても,すべてのJ2EEサーバに対して起動処理を実行します。この場合,コマンドは異常終了します。
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サービスユニットを一括起動すると,サービスユニットを構成する論理サーバは,論理サーバごとに設定した起動順序の昇順に従って起動されます。Smart Composer機能では,一括起動処理中に論理サーバの起動に失敗しても,そのまま処理を続行します。ただし,Webシステムに関連づいていない論理サーバを含むシステムの場合は,論理サーバの起動に失敗すると一括起動処理を中断します。論理サーバの起動に失敗していると,リクエストの受け付けを開始できない,受け付けたリクエストを処理できないなどの障害が発生します。一括起動時に-strictオプションを指定すると,論理サーバの起動に失敗した場合に,サービスユニットの一括起動処理を中断できます。
次に示す起動順序で論理J2EEサーバの起動に失敗した場合を例に,それぞれのシステムの処理について説明します。
論理サーバの起動順序
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論理パフォーマンストレーサ
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論理J2EEサーバ
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論理Webサーバ
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一括起動を続行したときのシステムの処理
論理Webサーバを起動してリクエストを受け付けます。論理J2EEサーバの起動に失敗しているため,受け付けたリクエストを処理できません。
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一括起動を中断したときのシステムの処理
論理Webサーバを起動しません。このため,リクエストを受け付けません。
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