9.10.2 Stateless Session Beanの実行時プロパティの設定
アプリケーションを構成する個々のStateless Session Beanに対して,アプリケーション実行時のプロパティを設定します。
(1) 編集する属性ファイル
Session Bean属性ファイル
(2) 編集する属性ファイルの取得と属性の設定
-
属性ファイルの取得
次に示すコマンドを実行してSession Bean属性ファイルを取得します。
- 実行形式
cjgetappprop [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] -name <J2EEアプリケーション名> -type ejb -resname <EJB-JAR表示名>/<Stateless Session Bean表示名> -c <Session Bean属性ファイルパス>
- 実行例
cjgetappprop MyServer -name adder -type ejb -resname adder/MyAdder -c C:\home\MyAdder.xml
-
属性の設定
次に示すコマンドを実行して,Session Bean属性ファイルの値を反映します。
- 実行形式
cjsetappprop [<サーバ名称>] [-nameserver <プロバイダURL>] -name <J2EEアプリケーション名> -type ejb -resname <EJB-JAR表示名>/<Stateless Session Bean表示名> -c <Session Bean属性ファイルパス>
- 実行例
cjsetappprop MyServer -name adder -type ejb -resname adder/MyAdder -c C:\home\MyAdder.xml
(3) 編集する属性設定項目
Stateless Session Beanの実行時プロパティは,次の三つに分けられます。
-
Session Bean共通の実行時属性
-
Stateless Session Bean固有の属性
-
CTM連携の実行時属性
ぞれぞれの設定項目を次に示します。
(a) Session Bean共通の実行時属性
Session Bean共通の実行時属性(<runtime>)のプロパティ設定項目を,次に示します。
項目 |
必須 |
対応するタグ名 |
---|---|---|
Enterprise Beanのルックアップ名※1 |
○ |
<lookup-name> |
リモートインタフェースを持つEnterprise Bean名の別名※1 |
△ |
<optional-name> |
ローカルインタフェースを持つEnterprise Bean名の別名※1 |
△ |
<local-optional-name> |
セッション最大数※2 |
△ |
<maximum-sessions> |
スケジューリングの設定※3 |
△ |
<enable-scheduling> |
参照渡しの設定※4 |
△ |
<pass-by-reference> |
プロパティの設定項目については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「3.4.1 Session Bean属性ファイルの指定内容」を参照してください。
(b) Stateless Session Bean固有の属性
Stateless Session Bean固有の実行時属性(<runtime> - <stateless>)のプロパティ設定項目を,次に示します。
項目 |
必須 |
対応するタグ名 |
---|---|---|
プール内のインスタンスの最小値 |
○ |
<pooled-instance> - <minimum> |
プール内のインスタンスの最大値 |
○ |
<pooled-instance> - <maximum> |
(凡例) ○:必須
プロパティの設定項目については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「3.4.1 Session Bean属性ファイルの指定内容」を参照してください。
プロパティ項目の設定と動作について,次に説明します。
- プール内のインスタンスの最小値
-
J2EEアプリケーション起動時にここで指定した数のStateless Session Beanが生成され,プーリングされます。プーリングされるStateless Session Beanの数は,EJBクライアントアプリケーションからのアクセス量に応じて,最大数と最小数の間になります。プール内のインスタンスの最小値に「0」を指定した場合は,J2EEアプリケーション起動時にStateless Session Beanが生成されません。
この値は,アプリケーションが開始されたときに作成するStateless Session Beanインスタンスの数も指定します。
- プール内のインスタンスの最大値
-
生成されたStateless Session Beanは,method-readyでプーリングされます。プーリングされたStateless Session Beanは,EJBクライアントアプリケーションからアクセスされた時点ですでに実行できるようになっています。プール内のインスタンスの最大値に,プーリングされるStateless Session Beanの最大数を指定します。この値は,複数のEJBクライアントアプリケーションからアクセスされたときに,すぐに実行開始できるStateless Session Beanの最大数です。プール内のインスタンスの最大値に0を指定した場合は,プーリングされるStateless Session Beanの数に制限はありません。
(c) CTM連携の実行時属性
CTM連携の実行時属性(<runtime> - <scheduling>)のプロパティ設定項目を,次に示します。
項目 |
必須 |
対応するタグ名 |
---|---|---|
キュー名 |
○ |
<queue-name> |
スレッド数 |
○ |
<parallel-count> |
プロパティの設定項目については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「3.4.1 Session Bean属性ファイルの指定内容」を参照してください。
CTMのスケジューリングについては,「9.14 CTMのスケジューリング」を参照してください。
(4) 注意事項
-
クライアント側からアクセスできるStateless Session Beanの上限数をチェックする機能は動作しません。代わりに<プール内のインスタンスの最大値>で設定します。
-
プーリングされるStateless Session Beanの最小数とプーリングされるStateless Session Beanの最大数は,次の条件を満たすように指定してください。
プーリングされるStateless Session Beanの最小数≦プーリングされるStateless Session Beanの最大数
また,プーリングされるStateless Session Beanの最大数を指定した場合,プーリングされるStateless Session Beanの最小数も指定する必要があります。