4.4.1 Component Containerのログの取得(バッチアプリケーションを実行するシステム)
Component Containerのログの種類とログの出力先について説明します。Component Containerのログには,次の2種類のログがあります。
-
バッチサーバ・サーバ管理コマンド・バッチアプリケーションのログ
-
運用管理エージェント・運用監視エージェント・Management Serverのログ
それぞれのログの出力先について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) バッチサーバ・サーバ管理コマンド・バッチアプリケーションのログの取得
バッチサーバ,サーバ管理コマンド,およびバッチアプリケーションのログの取得方法について説明します。
また,Component Containerでは,これらのログに加えて,移行コマンドのログが出力されます。また,リソース枯渇監視機能を使用している場合はリソース枯渇監視ログが出力されます。
-
バッチサーバのログには,メッセージログ,ユーザログ,例外ログ,および保守用ログの4種類があります。なお,バッチサーバでは,これらのログに加えて,起動,停止および異常終了時にイベントログまたはsyslogを出力します。
-
サーバ管理コマンドのログには,メッセージログ,例外ログ,および保守用ログの3種類があります。
-
バッチアプリケーションのログは,メッセージログの1種類です。
-
リソースアダプタのバージョンアップコマンド(cjrarupdate)のログには,メッセージログ,例外ログ,および保守用ログの3種類があります。
-
移行コマンドのログには,メッセージログ,例外ログ,および保守用ログの3種類があります。
次にそれぞれのログについて説明します。
- メッセージログ
-
バッチサーバ,サーバ管理コマンド,移行コマンドなどの稼働状態が出力されます。各種サーバおよびコマンドの稼働監視の情報として使用します。
- ユーザログ
-
アプリケーション中で出力される標準出力および標準エラー出力の情報が出力されます。アプリケーションの開発時の動作確認用に使用します。なお,java.security.debugプロパティを指定してサーバを起動した場合,標準出力および標準エラー出力の情報はユーザログに出力されません。JavaVMのメモリ関連ログも含みます。
- 例外ログ
-
システムでトラブルが発生したときのComponent Containerの例外情報が出力されます。なお,例外ログは日常的な運用で監視する必要はありません。ログにメッセージが出力された場合に,例外情報を参照するときにご利用ください。
- 保守用ログ
-
システムでトラブルが発生したときのComponent Containerの障害保守情報が出力されます。保守員がComponent Containerの障害解析用に使用します。
- イベントログ(Windowsの場合)
-
バッチサーバが起動,停止または異常終了したことを示す情報が出力されます。出力先はWindowsのイベントログの設定によって異なります。
なお,イベントログは,バッチサーバの停止のしかたによっては,出力されません。次の場合は,正しくログが出力されないことがあります。
-
バッチサーバが動作しているJavaVM自体に問題が発生した場合
-
バッチサーバのプロセスをTerminateProcessによって外部から停止した場合
-
JavaVMの起動オプションとして-XX:+HitachiOutOfMemoryAbortオプションを指定している場合にメモリ不足によってバッチサーバが異常終了したとき
なお,-XX:+HitachiOutOfMemoryAbortオプションは,デフォルトで設定されているオプションです。
-
- syslog(UNIXの場合)
-
バッチサーバが起動,停止または異常終了したことを示す情報が出力されます。出力先はUNIXのsyslogの設定によって異なります。
なお,syslogは,バッチサーバの停止のしかたによっては,出力されません。次の場合は,正しくログが出力されないことがあります。
-
バッチサーバが動作しているJavaVM自体に問題が発生した場合
-
バッチサーバのプロセスをSIGKILLシグナル(kill -9など)によって外部から停止した場合
-
JavaVMの起動オプションとして-XX:+HitachiOutOfMemoryAbortオプションを指定している場合にメモリ不足によってバッチサーバが異常終了したとき
-XX:+HitachiOutOfMemoryAbortオプションは,デフォルトで設定されているオプションです。
-
- リソース枯渇監視ログ
-
リソース枯渇監視機能を使用している場合に,監視対象のリソースについてのリソース枯渇監視情報が出力されます。リソースの使用率または使用数がしきい値を超えた場合の原因調査に使用します。
ログは,若い面番号の付いたログファイルから順に記録されます。一つのログファイルのサイズが1面当たりの最大サイズに達すると,ログは次の面番号の付いたログファイルに記録されます。最後のログファイル(面数の番号が付いたログファイル)のサイズが1面当たりの最大サイズに達すると,面の番号1のログファイルを空にし,そこへログを記録していきます。以降,ログファイルを空にしながら,面番号の順にログファイルへログを記録していきます。
ログの出力先のデフォルトを次の表に示します。Component Containerのログは,サーバ単位またはコマンド単位に取得できます。
ログの出力先に示す<作業ディレクトリ>は,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に,ejb.public.directoryパラメタで指定したディレクトリを指します。デフォルト値は,<Application Serverのインストールディレクトリ>\CC\server\public(Windowsの場合),または/opt/Cosminexus/CC/server/public(UNIXの場合)です。
(a) バッチサーバのログ
分類 |
内容 |
ログ出力先およびログファイル名※1 |
デフォルトのサイズ×面数 |
チャネル名 |
---|---|---|---|---|
メッセージログ |
稼働ログ |
|
1MB×2 |
MessageLogFile |
ログ稼働ログ※3 |
|
1MB×2 |
− |
|
バッチサーバにデプロイして使用するリソースアダプタの稼働ログ※4 |
|
1MB×2 |
− |
|
ユーザログ |
ユーザ出力ログ |
|
1MB×2 |
UserOutLogFile |
ユーザエラーログ |
|
1MB×2 |
UserErrLogFile |
|
JavaVMの保守情報およびGCのログ |
|
4MB×4 |
− |
|
明示管理ヒープ機能のイベントログ |
|
4MB×4 |
− |
|
例外ログ |
障害発生時の例外情報 |
|
1MB×2 |
ExceptionLogFile |
保守用ログ |
保守情報 |
|
16MB×4 |
MaintenanceLogFile |
コンソールメッセージ |
|
1MB×2 |
ConsoleLogFile |
|
EJBコンテナの保守情報 |
|
1MB×2 |
EJBContainerLogFile |
|
起動プロセス標準出力情報※5 |
|
− |
− |
|
起動プロセス標準エラー情報※5 |
|
− |
− |
|
終了プロセス情報 |
|
4KB×2※6 |
− |
|
イベントログ |
バッチサーバの起動,停止または異常終了を示すログ |
Windowsのイベントビューアのアプリケーションログ※7 |
− |
− |
syslog |
バッチサーバの起動,停止または異常終了を示すログ |
UNIXのsyslogの設定に依存します。※8 |
− |
− |
(b) サーバ管理コマンドのログ
分類 |
内容 |
ログ出力先およびログファイル名※1 |
デフォルトのサイズ×面数 |
チャネル名 |
---|---|---|---|---|
メッセージログ |
稼働ログ※2,※3 |
|
1024KB×3 |
MessageLogFile |
ログ稼働ログ※2 |
|
1024KB×2 |
− |
|
例外ログ |
障害発生時の例外情報※2,※3 |
|
1024KB×6 |
ExceptionLogFile |
保守用ログ |
保守情報※2 |
|
1024KB×3 |
MaintenanceLogFile |
コンソールメッセージ※2 |
|
32KB×3 |
ConsoleLogFile |
|
サーバ管理コマンドの保守情報※2 |
|
32KB×3 |
ServerAdminLogFile |
サーバ管理コマンドのメッセージログに出力されるメッセージには,メッセージIDフィールドが空白で,メッセージテキストフィールドにメッセージID(KDJEnnnnn-Yなど)が含まれる場合があります。それらはサーバ側で発生したメッセージで,前後に出力されるメッセージの付加情報となります。
(c) バッチアプリケーションのログ
分類 |
内容 |
ログ出力先およびログファイル名※1 |
デフォルトのサイズ×面数 |
---|---|---|---|
メッセージログ |
cjexecjobコマンド,cjkilljobコマンドおよびcjlistjobコマンドの稼働ログ |
|
1MB×2 |
(d) リソースアダプタバージョンアップコマンド(cjrarupdate)のログ
分類 |
内容 |
ログ出力先およびログファイル名※ |
デフォルトのサイズ×面数 |
---|---|---|---|
メッセージログ |
稼働ログ |
|
1MB×2 |
例外ログ |
障害発生時の例外情報 |
|
1MB×2 |
保守用ログ |
保守情報 |
|
1MB×2 |
(e) 移行コマンド(cjenvupdate)のログ
分類 |
内容 |
ログ出力先およびログファイル名※ |
デフォルトのサイズ×面数 |
---|---|---|---|
メッセージログ |
cjenvupdateコマンドの稼働ログ |
|
4MB×4 |
例外ログ |
cjenvupdateコマンドの例外情報 |
|
4MB×4 |
保守用ログ |
cjenvupdateコマンドの保守情報 |
|
4MB×4 |
(f) リソース枯渇監視のログ
監視対象 リソース |
ログ取得場所およびログファイル名※1 |
デフォルトのサイズ×面数 |
チャネル名 |
---|---|---|---|
メモリ |
|
1MB×2 |
MemoryWatchLogFile |
ファイルディスクリプタ |
|
1MB×2 |
FileDescriptorWatchLogFile |
スレッド |
|
1MB×2 |
ThreadWatchLogFile |
スレッドダンプ |
|
1MB×2 |
ThreaddumpWatchLogFile |
HTTPリクエスト実行待ちキュー |
|
1MB×2 |
RequestQueueWatchLogFile |
HTTPセッション数 |
|
1MB×2 |
HttpSessionWatchLogFile |
コネクションプール |
|
1MB×2 |
ConnectionPoolWatchLogFile |
リソース枯渇監視ログファイルに出力される情報やログファイルの出力形式については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」の「4.3 リソース枯渇監視機能とリソース枯渇監視情報の出力」を参照してください。
(g) ログの出力先を設定するユーザ定義ファイル
バッチサーバおよびサーバ管理コマンドのログの出力先を変更している場合は,次の表に示す,ログの出力先を設定するユーザ定義ファイルを参照して出力先を確認してください。なお,ログの出力先を変更した場合,変更後の出力先はsnapshotログの一括収集時に収集対象外となります。必要に応じてsnapshotログの収集先を変更してください。
分類 |
ユーザ定義ファイルの指定個所 |
---|---|
バッチサーバ |
簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に指定する,ejb.server.log.directoryパラメタ。 デフォルトは,「<Application Serverのインストールディレクトリ>\CC\server\public\ejb\<サーバ名称>\logs」(Windowsの場合),または「/opt/Cosminexus/CC/server/public/ejb/<サーバ名称>/logs」(UNIXの場合)です。 |
サーバ管理コマンド |
サーバ管理コマンドのusrconf.bat(Windowsの場合),またはusrconf(UNIXの場合)のejbserver.log.directoryキー。 キーのデフォルトは,「<Application Serverのインストールディレクトリ>\CC\admin\logs」(Windowsの場合),または「/opt/Cosminexus/CC/admin/logs」(UNIXの場合)です。 Management Serverリモート管理機能から操作した場合は,サーバ管理コマンドのログ出力先は変更できません。 |
ログの出力先の変更方法など,トラブルシューティングの資料取得の設定については,「3. トラブルシューティングのための準備」を参照してください。
(2) 運用管理エージェント・運用監視エージェント・Management Serverのログの取得
ここでは,運用管理エージェント,運用監視エージェント,およびManagement Serverのログの出力先について説明します。
運用管理エージェント・運用監視エージェント・Management Serverのログには,個別に取得する以外に,統合ログとしてまとめて取得できるものがあります。
運用管理エージェント・運用監視エージェント・Management Serverのログを統合ログとしてまとめて取得する場合,および個別に取得する場合の出力先については,「4.3.1(2) 運用管理エージェント・運用監視エージェント・Management Serverのログの取得」を参照してください。
(3) ログ以外に取得が必要な情報
ログ以外に取得する必要がある情報については,「4.3.1(6) ログ以外に取得が必要な情報」を参照してください。