18.7.4 相互系切り替えシステムをメンテナンスする場合の起動と停止
相互系切り替えシステムをメンテナンスする場合の,起動と停止の手順を次に示します。
ここでは,次の三つの場合の停止手順について説明します。
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再起動が不要なメンテナンスの場合
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再起動が必要なメンテナンスの場合(両方の系を同時に停止する方法)
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再起動が必要なメンテナンスの場合(両方の系を同時に停止しない方法)
なお,これらの手順は,すでに実行系の仮想ホストが両方とも起動している場合の手順です。
- 〈この項の構成〉
(1) 再起動が不要なメンテナンスの場合
再起動が不要なメンテナンスの場合の起動と停止の手順を次に示します。
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実行系の仮想ホスト(現用系の仮想ホスト)で,動作中のJ2EEアプリケーションとリソースアダプタを停止します。
バッチサーバの場合は,バッチアプリケーションが実行中でないことを確認してからリソースアダプタを停止してください。
停止方法については,次のマニュアルを参照してください。
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J2EEアプリケーションを実行するシステムの場合
マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「4.1.3 システムの停止手順」およびマニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「4.1.4 システムの停止方法」を参照してください。
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バッチアプリケーションを実行するシステムの場合
マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「6.1.3 システムの停止手順」およびマニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「6.1.4 システムの停止方法」を参照してください。
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サーバ管理コマンドを使用してメンテナンス処理を実行します。
サーバ管理コマンドでの操作については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「3. サーバ管理コマンドの基本操作」を参照してください。
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手順1.で停止したJ2EEアプリケーションとリソースアダプタを開始します。
J2EEサーバの場合はJ2EEアプリケーションとリソースアダプタを開始します。また,バッチサーバの場合はリソースアダプタを開始します。
開始方法については,次のマニュアルを参照してください。
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J2EEアプリケーションを実行するシステムの場合
マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「4.1.1 システムの起動手順」およびマニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「4.1.2 システムの起動方法」を参照してください。
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バッチアプリケーションを実行するシステムの場合
マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「6.1.1 システムの起動手順」およびマニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「6.1.2 システムの起動方法」を参照してください。
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必要に応じてJ2EEアプリケーションとリソースアダプタの動作確認をします。
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実行系の仮想ホスト(現用系の仮想ホスト)に対して,monswapコマンドを実行して,系を切り替えます。
# monswap サーバの識別名
下線部分には,実行系の仮想ホストが配置されているアプリケーションサーバの,serversファイルのオペランド「alias」に指定されている実行系の仮想ホストのサーバの識別名を指定します。
実行系の仮想ホスト(現用系の仮想ホスト)が待機系の仮想ホストに切り替わり,待機系だった仮想ホスト(予備系の仮想ホスト)が実行系の仮想ホストになります。
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切り替え後の実行系の仮想ホスト(予備系の仮想ホスト)で手順1.〜手順4.を実行します。
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切り替え後の実行系のホスト(予備系の仮想ホスト)で,必要に応じて,再度monswapコマンドを実行します。
# monswap サーバの識別名
下線部分には,手順5.でmonswapコマンドの引数に指定したサーバの識別名と同じサーバの識別名を指定します。
現用系の仮想ホストを実行系に戻す場合に実行してください。
これで,メンテナンス時の起動と停止の手順は完了です。
(2) 再起動が必要なメンテナンスの場合(両方の系を同時に停止する方法)
再起動が必要なメンテナンスの場合の起動と停止の手順を次に示します。
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実行系の仮想ホストに対してmonendコマンドを実行して,システムを停止します。
# monend サーバの識別名
下線部分には,実行系の仮想ホストが配置されているアプリケーションサーバの,serversファイルのオペランド「alias」に指定されている実行系の仮想ホストのサーバの識別名を指定します。
実行系の仮想ホストが停止します。また,HAモニタによって待機系に自動的に停止指示が出され,待機系の仮想ホストも停止します。
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現用系と予備系の両方の仮想ホストに対して,定義ファイルの変更など,メンテナンス作業を実行します。
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現用系の仮想ホストに対して,monbeginコマンドを実行します。
# monbegin サーバの識別名
下線部分には,手順1.でmonendコマンドの引数に指定したサーバの識別名と同じサーバの識別名を指定します。
これによって,現用系の仮想ホストが,実行系として起動します。
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予備系の仮想ホストに対して,monbeginコマンドを実行します。
# monbegin サーバの識別名
下線部分には,手順1.でmonendコマンドの引数に指定したサーバの識別名と同じサーバの識別名を指定します。
これによって,予備系の仮想ホストが,待機系として起動します。
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実行系の仮想ホストで,必要に応じて,定義の変更に関連した動作確認を実行します。
- 参考
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serversファイルの定義(HAモニタでのサーバの環境設定)については,「18.5.6 サーバ対応の環境設定」を参照してください。
(3) 再起動が必要なメンテナンスの場合(両方の系を同時に停止しない方法)
再起動が必要なメンテナンスの場合の起動と停止の手順を次に示します。
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待機系の仮想ホストで,定義ファイルの変更など,メンテナンス作業を実行します。
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実行系の仮想ホストに対してmonswapコマンドを実行して,系を切り替えます。
# monswap サーバの識別名
下線部分には,実行系の仮想ホストが配置されているアプリケーションサーバの,serversファイルのオペランド「alias」に指定されている実行系の仮想ホストのサーバの識別名を指定します。
実行系の仮想ホストが停止してから,待機していた系が起動します。これによって,メンテナンス済みの仮想ホストが実行系の仮想ホストになります。
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切り替え後の実行系のホスト(予備系の仮想ホスト)に対して,必要に応じて,定義の変更に関連した動作確認を実行します。
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切り替え後の待機系のホスト(現用系の仮想ホスト)で定義ファイルの編集など,メンテナンス作業を実行します。
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切り替え後の実行系の仮想ホスト(予備系のホスト)に対して,必要に応じて,再度monswapコマンドを実行します。
# monswap サーバの識別名
下線部分には,手順2.でmonswapコマンドの引数に指定したサーバの識別名と同じサーバの識別名を指定します。
現用系の仮想ホストを実行系に戻す場合に実行してください。
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切り替え後の実行系の仮想ホスト(現用系の仮想ホスト)で,必要に応じて,定義の変更に関連した動作確認を実行します。
これで,メンテナンス時の起動と停止の手順は完了です。