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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド


7.4.5 アクティビティトレース

開発環境ではアクティビティトレースを出力できます。アクティビティトレースには,アクティビティの処理経路を出力できます。

アクティビティトレースの出力対象とタイミングを次に示します。

出力対象のビジネスプロセス

すべてのビジネスプロセスがアクティビティトレースの対象になります。特定のビジネスプロセスだけを出力対象に指定することはできません。

出力対象のアクティビティ

次に示すアクティビティを除くすべてのアクティビティが出力対象になります。

  • 分岐終了アクティビティ

  • 並列処理終了アクティビティ

アクティビティトレースの出力のタイミング

アクティビティが呼び出された時点で,アクティビティトレースを出力します。

この項では,アクティビティトレースの出力先や出力される内容,および利用方法の例について説明します。アクティビティトレースの取得方法については,「7.3.2(5) アクティビティトレースの取得方法」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) アクティビティトレースの出力先

アクティビティトレースの出力先とファイル名を次の表に示します。

表7‒54 アクティビティトレースの出力先とトレースファイル名

トレースの出力先パス

トレースファイル名

<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>\csc

cscbp_activity_trc_<HCSCサーバ名>_<面数>.log

<J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>は,usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)のejb.server.log.directoryキーで変更できます。usrconf.cfgの詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.2.2 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。

トレースファイル名の面数,ファイルサイズ,および出力する項目はHCSCサーバランタイム定義ファイルの次のプロパティで変更できます。

アクティビティトレースのプロパティについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.5.6 HCSCサーバランタイム定義ファイル」を参照してください。

(2) アクティビティトレースの出力形式と出力される内容

(a) 出力形式

アクティビティトレースの出力形式を次の図に示します。

図7‒32 アクティビティトレースの出力形式

[図データ]

(b) 出力される内容

アクティビティトレースに出力される内容を次の表に示します。

表7‒55 アクティビティトレースに出力される内容

項目

内容

番号

アクティビティトレースの出力通番が表示されます。

日付

アクティビティトレースの取得日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。

  • yyyy:西暦年

  • mm:月

  • dd:日

時刻

アクティビティトレースの取得時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。

  • hh:時

  • mm:分

  • ss:秒

  • SSS:ミリ秒

ローカル時刻でミリ秒単位の時刻を示します。

製品ID

製品を特定するための識別子として,「CSCBP」が表示されます。

pid

プロセスを識別するためのIDが出力されます。

tid

スレッドを識別するためのIDが出力されます。

ID

空白

ビジネスプロセス名

開発環境で設定したビジネスプロセス名が出力されます。

サービスID

開発環境で設定したビジネスプロセスのサービスIDが出力されます。

アクティビティ名

アクティビティ名が出力されます。

プロセスインスタンスID

プロセスインスタンスIDが出力されます。

HCSCサーバランタイム定義ファイルのbpacttrace-extend-itemプロパティに,PROCESSINSTANCEIDが指定されている場合に出力されます。

詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.5.6 HCSCサーバランタイム定義ファイル」を参照してください。

CRLF

レコードの終端符号が出力されます。

(3) アクティビティトレースの出力例

アクティビティトレースの出力例を次に示します。

[図データ]

この例では,「在庫引当結果チェック」後に右側のフローに遷移しています。

(4) アクティビティトレースの利用方法の例

アクティビティトレース内には複数のビジネスプロセスのトレースが出力されます。ここでは,アクティビティトレース内から一意のリクエストを特定する方法について説明します。

応答後にアクティビティを定義しない場合

リクエストで一意な情報はtid(スレッドを識別するためのID)です。アクティビティトレースに出力されているtidを基に,リクエストを対応付けます。

応答後にアクティビティを定義する場合

リクエストで一意な情報はプロセスインスタンスIDです。アクティビティトレースに出力されているプロセスインスタンスIDを基にリクエストを対応付けます。

アクティビティトレースにプロセスインスタンスIDを出力するには,HCSCサーバランタイム定義ファイルのbpacttrace-extend-itemプロパティにPROCESSINSTANCEIDを指定します。詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.5.6 HCSCサーバランタイム定義ファイル」を参照してください。