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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 開発ガイド 基本開発編


2.4.3 HCSC簡易セットアップ機能でセットアップしたテスト環境の運用

HCSC簡易セットアップ機能を利用してセットアップしたテスト環境の運用方法,および運用に必要な情報について説明します。

〈この項の構成〉

(1) テスト環境の起動と停止

テスト環境の起動および停止方法について,次の表に示します。

表2‒5 テスト環境の起動および停止方法

起動・停止の対象

起動・停止方法

組み込みデータベース

起動する場合:

  1. Windowsの[スタート]メニューの[プログラム]から,[HiRDBSingleServer_CS0]−[HiRDBコマンドプロンプト]を選択します。

  2. pdstartコマンドを実行します。

停止する場合:

  1. Windowsの[スタート]メニューの[プログラム]から,[HiRDBSingleServer_CS0]−[HiRDBコマンドプロンプト]を選択します。

  2. pdstopコマンドを実行します。

組み込みデータベースのサービス

テスト環境のマシンを起動または停止すると,自動的に起動または停止されます。

  • Management Server

  • 運用管理エージェント

テスト環境のマシンを起動すると,自動的に起動されます。また,テスト環境のマシンを停止すると,自動的に停止されます。

  • Performance Tracer

  • J2EEサーバ

  • HCSCサーバ

  • 標準受付

起動する場合:

Windowsの[スタート]メニューから,[Cosminexus]−[テストサーバ起動]を選択します。

停止する場合:

Windowsの[スタート]メニューから,[Cosminexus]−[テストサーバ停止]を実行します。

注※

HCSC簡易セットアップ画面で[DBあり/RMなしモデル]または[DB/RMありモデル]を選択した場合だけ実施します。

(2) テスト環境の運用に必要な情報

HCSC簡易セットアップ機能を利用してテスト環境をセットアップした場合,必要な情報は自動的に設定されます。テスト環境を使ってテストおよびデバッグを行うには,HCSC簡易セットアップ機能でテスト環境をセットアップする際に設定される情報を知っておく必要があります。

HCSC簡易セットアップ機能を利用してセットアップしたテスト環境に設定される情報を,次に説明します。

ポイント

HCSC簡易セットアップ機能を利用してセットアップしたテスト環境に設定される情報は,テスト環境のセットアップ後にカスタマイズできます。カスタマイズの方法については,「2.4.4 テスト環境のカスタマイズ」を参照してください。

(a) ユーザIDおよびパスワードの情報

HCSC簡易セットアップ機能でセットアップしたテスト環境に設定されるユーザIDおよびパスワードの情報を次の表に示します。

表2‒6 テスト環境に設定されるユーザIDおよびパスワード

設定先

設定されるユーザIDまたはパスワード

初期値

説明

組み込みデータベース※1

ユーザID

admin※2

テーブル所有者の認可識別子(環境変数のUSRID)。

パスワード

admin※2

テーブル所有者のパスワード(環境変数のPSWD)。

Management Server

管理ユーザID

admin

Management Serverにログインするための管理ユーザID(cmx_build_system -changeコマンド※3などで使用)。

パスワード

admin

Management Serverにログインするためのパスワード(cmx_build_system -changeコマンド※3などで使用)。

HCSC-Manager

HCSC-ManagerログインユーザID

admin

HCSC-ManagerにログインするためのユーザID(cscsvstartコマンド※4などで使用)。

HCSC-Managerログインパスワード

admin

HCSC-Managerにログインするためのパスワード(cscsvstartコマンド※4などで使用)。

HCSCサーバ

HCSCサーバが使用するデータベースのユーザID

admin

HCSCサーバが使用するデータベースのユーザID(csccompodeployコマンド※4などで使用)。

HCSCサーバが使用するデータベースのパスワード

admin

HCSCサーバが使用するデータベースのパスワード(csccompodeployコマンド※4などで使用)。

注※1

HCSC簡易セットアップ画面で[DBあり/RMなしモデル]または[DB/RMありモデル]を選択した場合だけ設定されます。

注※2

組み込みデータベース内では,大文字「ADMIN」で扱われます。

注※3

このコマンドについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cmx_build_system(Webシステムの構築)」を参照してください。

注※4

cscsvstartコマンドについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「cscsvstart(HCSCサーバの起動)」を参照してください。csccompodeployコマンドについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「csccompodeploy(HCSCコンポーネントの配備)」を参照してください。

(b) ポート番号の情報

HCSC簡易セットアップ機能でセットアップしたテスト環境には,次に示すポート番号が設定されます。ポート番号は,HCSC簡易セットアップ画面で任意の値を指定できます。HCSC簡易セットアップ画面での指定値の詳細については,「表2-4 HCSC簡易セットアップ画面で入力する項目」を参照してください。

組み込みデータベース(HCSC簡易セットアップ画面で[DBあり/RMなしモデル]または[DB/RMありモデル]を選択した場合だけ)
  • DB接続ポート番号

Management Server
  • HCSCサーバ運用ポート番号

  • 論理サーバ運用ポート番号

  • 終了要求受信ポート番号

  • 内部通信ポート番号

  • インプロセスネーミングサービスポート番号

運用管理エージェント
  • エージェント接続ポート番号

J2EEサーバ
  • Webサービス/MDB(WS-R)受付ポート番号

  • SessionBean受付ポート番号

  • MDB(DBキュー)受付ポート番号

  • 稼働確認ポート番号

  • 簡易Webサーバポート番号

(c) 名称の情報

HCSC簡易セットアップ機能でセットアップしたテスト環境に設定されるホスト名やサーバ名などの情報を次の表に示します。なお,HCSC簡易セットアップ画面の[サーバ名称]タブでサーバ名称を変更した場合は,変更後の名称が設定されます。

表2‒7 テスト環境に設定される名称

設定先

設定される名称

初期値

説明

組み込みデータベース※1

ホスト名

localhost

組み込みデータベースのホスト名(環境変数のDB_HOST)。

Management Server

ホスト名

localhost

Management Serverのホスト名(cmx_build_system -changeコマンド※2などで使用)。

HCSC-Manager

Manager名

Manager

HCSC-ManagerがManagerを認識するためのHCSC-Manager独自の識別名(cscsvstartコマンド※3などで使用)。

PRF

サーバ名

PRF

PRFのサーバ名称。

J2EEサーバ

サーバ名

J2EEServer

接続先J2EEサーバの名称(cjstartsvコマンド※2などで使用)。

ホスト名

localhost

接続先J2EEサーバのホスト名。

Reliable Messagingが連携するシステム全体で一意なシステム名

RM

Reliable Messagingが連携するシステム全体で一意なシステム名(環境変数のHRM_SYSTEM_NAME)。

リソースアダプタ名

Reliable Messaging

対象となるRARファイルの表示名(cjdeployrarコマンド※2などで使用)。

DB_Connector_for_HiRDB_Type4

DB_Connector_for_HiRDB_Type4_Cosminexus_RM

クラスタ

クラスタ名

Cluster

クラスタの名称。

HCSCサーバ

HCSCサーバ名

HCSC

HCSCサーバの名称(cscsvstartコマンド※3などで使用)。

注※1

HCSC簡易セットアップ画面で[DBあり/RMなしモデル]または[DB/RMありモデル]を選択した場合だけ設定されます。

注※2

cmx_build_system -changeコマンドについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cmx_build_system(Webシステムの構築)」を参照してください。cjstartsvコマンドについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cjstartsv(J2EEサーバの開始)」を参照してください。cjdeployrarコマンドについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cjdeployrar(リソースアダプタのデプロイ)」を参照してください。

注※3

このコマンドについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「cscsvstart(HCSCサーバの起動)」を参照してください。

(d) そのほかの情報

組み込みデータベース(HCSC簡易セットアップ画面で[DBあり/RMなしモデル]または[DB/RMありモデル]を選択した場合だけ)

HCSC簡易セットアップ画面で[DBあり/RMなしモデル]または[DB/RMありモデル]を選択した場合,HCSC簡易セットアップ機能でセットアップしたテスト環境の組み込みデータベースには,次の情報が設定されます。

データ(RDエリア)格納先

RDエリア格納先の情報は,HCSC簡易セットアップ画面で任意の値を指定できます。HCSC簡易セットアップ画面での指定値の詳細については,「表2-4 HCSC簡易セットアップ画面で入力する項目」を参照してください。

構築するデータベースの領域サイズ

構築するデータベースの領域サイズ(環境変数のDB_SIZE)が設定されます。

初期値は「2GB」です。

J2EEサーバの互換モード

J2EEサーバでV9互換モードを使用するかどうか,HCSC簡易セットアップ画面で選択できます。HCSC簡易セットアップ画面の詳細については,「表2-4 HCSC簡易セットアップ画面で入力する項目」を参照してください。初期値は「推奨モード」(V9互換モードを使用しない)です。

(3) 組み込みデータベースの運用

HCSC簡易セットアップ機能を利用して設定した組み込みデータベースは,定期的にデータベースの未使用領域を確認する必要があります。未使用領域が少ない場合は,空きページおよび空きセグメントを解放したり,不要な実行履歴を削除したりします。詳細については,「2.5 HCSC簡易セットアップ機能でセットアップした組み込みデータベースの運用」を参照してください。

(4) 障害対策

HCSC簡易セットアップ機能を利用して,HCSCサーバのセットアップやアンセットアップ,HCSCコンポーネントの配備や削除,およびリクエストを送信し続けると,組み込みデータベース内で未使用のセグメントが不足するおそれがあります。

未使用のセグメントが不足した場合,次の対策を実施してください。

方法1:組み込みデータベース内の空きセグメントを解放する
  1. 組み込みデータベース内の表をHiRDB SQL Executerで検索します。

    表の検索方法については,マニュアル「HiRDB SQL Executer オンラインヘルプ」のpdsqlコマンドを参照してください。

  2. 手順1.で検索した結果から,「CSC」および「RM」で始まるすべての表に対して,pdreclaimコマンドを発行し,空きページを解放して再利用します。

    pdreclaimコマンドの詳細については,マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」を参照してください。

方法2:組み込みデータベース内の表を再編成する
  1. 組み込みデータベース内の表をHiRDB SQL Executerで検索します。

    表の検索方法については,マニュアル「HiRDB SQL Executer オンラインヘルプ」のpdsqlコマンドを参照してください。

  2. 手順1.で検索した結果から,「CSC」および「RM」で始まるすべての表に対してpdrorgコマンドを発行し,表を再編成します。

    表を再編成する方法については,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」の表の再編成に関する内容を参照してください。

    pdrorgコマンドの詳細については,マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」を参照してください。

方法3:HCSC簡易セットアップ機能で構築したテスト環境を再セットアップする

HCSC簡易セットアップ機能で構築したテスト環境をいったんアンセットアップし,再度セットアップします。この作業を行うと,組み込みデータベースが再生成されます。

ただし,再セットアップすると,作成したサービスアダプタやビジネスプロセスなども削除されます。そのため,あらかじめリポジトリをエクスポートしてから,再セットアップし,再セットアップ後にリポジトリをインポートしてください。

(5) テスト環境マシンのIPアドレスまたはホスト名を変更する場合の運用

HCSC簡易セットアップ機能を利用してテスト環境をセットアップした場合,テスト環境マシンのIPアドレスまたはホスト名の変更後にテスト環境を再度セットアップする必要はありません。

ただし,テスト環境を起動している場合は再起動してください。