Hitachi

Cosminexus V11 アプリケーションサーバ システム設計ガイド


8.4 Enterprise Beanの呼び出し方法を最適化する

この節では,Enterprise Beanの呼び出し方を最適化する方法について説明します。

通常,Enterprise Beanは,リモートインタフェースを使用してRMI-IIOP経由で呼び出されます。しかし,この方法の場合,同じJ2EEアプリケーションや同じJ2EEサーバ内で動作しているEnterprise Beanから呼び出すときにも,リモート接続と同じオーバーヘッドが掛かってしまいます。

これに対して,Enterprise Beanの呼び出し方を最適化してスループットの向上を図るために,次の呼び出し方法が使用できます。

これらの呼び出し方法には,それぞれ,次の表に示す特徴があります。この表では,標準仕様に準拠しているか(標準仕様),性能は向上するか(性能),位置透過性はあるか(位置透過),保守性に優れているか(保守性)の四つの特徴で比較しています。アプリケーションやシステムの特徴に応じて使い分けてください。

表8‒17 Enterprise Beanの呼び出し方法の特徴

呼び出し方法の種類

標準仕様

性能

位置透過

保守性

ローカルインタフェース

×

リモートインタフェースのローカル呼び出し

リモートインタフェースの参照渡し

×

×

(凡例)

○:対応している。/優れている。

△:対応しているが,一部制限がある。/やや悪い。

×:対応していない。/悪い。

なお,ローカルインタフェースの詳細については,EJBの仕様を参照してください。

リモートインタフェースのローカル呼び出しおよびリモートインタフェースの参照渡しの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(EJBコンテナ)」の「2.13 EJBのリモートインタフェースの呼び出し」を参照してください。

〈この節の構成〉