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TPBroker Version 5 トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker 運用ガイド


7.2.5 複製先コンピュータのセットアップ

ディスク複製インストール後,次の設定を行ってください。

〈この項の構成〉

(1) 環境変数の設定(JP1/ServerConductor/Deployment Managerまたは仮想化プラットフォーム)

次の表に示す環境変数を確認し,値を再設定してください。

表7‒1 環境変数の一覧(JP1/ServerConductor/Deployment Managerまたは仮想化プラットフォーム)

項番

環境変数名

設定内容

1

OSAGENT_PORT

マスタコンピュータとORBのドメインが異なる場合,ドメインを構成するポート番号を指定します。

2

OSAGENT_CLIENT_HANDLER_PORT

複製先コンピュータの環境に合わせます。

3

OSAGENT_ADDR

複製先コンピュータの環境に合わせます。

(2) 定義の設定(JP1/ServerConductor/Deployment Managerまたは仮想化プラットフォーム)

ORB機能,およびADM機能に設定されている定義を確認し,値を再設定してください。

(a) ORB機能の設定(JP1/ServerConductor/Deployment Managerまたは仮想化プラットフォーム)

ORB機能に関する定義ファイル,およびプロパティを確認し,値を再設定してください。

再設定する定義ファイルを次の表に示します。

表7‒2 定義ファイルの設定の一覧

項番

定義ファイル

ファイルの格納場所

設定内容

1

agentaddrファイル

次のどちらかです。

  • $VBROKER_ADM/agentaddr(%VBROKER_ADM%\agentaddr)

  • $OSAGENT_ADDR_FILE(%OSAGENT_ADDR_FILE%),またはプロパティvbroker.agent.addrFileに指定されたファイル

複製先コンピュータの連携先のosagentのIPアドレスに合わせます。

2

localaddrファイル

次のどちらかです。

  • $VBROKER_ADM/localaddr(%VBROKER_ADM%\localaddr)

  • $OSAGENT_ADDR_FILE(%OSAENT_LOCAL_FILE%),またはプロパティvbroker.agent.localFileに指定されたファイル

複製先コンピュータの環境(自IPアドレス)に合わせます。

3

htc.clienthandleraddrファイル

次のどちらかです。

  • $VBROKER_ADM/htc.clienthandleraddr(%VBROKER_ADM%\htc.clienthandleraddr)

  • $HVI_OSAGENT_CLIENTHANDLERADDR_FILE(%HVI_OSAGENT_CLIENTHANDLERADDR_FILE%)に指定されたファイル

複製先コンピュータの環境(自IPアドレス)に合わせます。

再設定するプロパティを次の表に示します。

なお,プロパティvbroker.orb.propStorage(ORBpropStorage)で指定した定義ファイルに次の表に示すプロパティが指定されている場合は,定義ファイルの内容も変更する必要があります。

表7‒3 プロパティの設定の一覧

項番

オプション

設定内容

1

vbroker.se.<xxx>.host※1

複製先コンピュータの自IPアドレスを指定します。

2

vbroker.se.<xxx>.proxyHost※1

複製先コンピュータで解決できるIPアドレスを指定します。

3

vbroker.se.<xxx>x.scm.<yyy>.listener.port※1,※2

複製先コンピュータの自ポート番号を指定します。

4

vbroker.agent.addr

複製先コンピュータから接続するosagentのIPアドレスを指定します。

5

vbroker.agent.port

マスタコンピュータとORBのドメインが異なる場合,ドメインを構成するポート番号を指定します。

注※1

xxxはサーバエンジンを示します。

注※2

yyyはサーバコネクションマネージャを示します。

(b) システム環境定義の設定(JP1/ServerConductor/Deployment Managerまたは仮想化プラットフォーム)

OTS機能,およびADM機能を使用している場合は,システム環境定義を設定します。

コマンドの実行例を次に示します。

  1. TPBrokerをセットアップします。

    tssetup

  2. システム環境定義の値を設定します。

    tsdefvalue /ADM set_conf_mode -s "MANUAL"

    設定する値については,事前に取得したシステム環境定義のバックアップに従います。詳細は,「7.2.2(2) TPBrokerのシステム環境定義のバックアップ」を参照してください。

    また,次の表に示すシステム環境定義をマスタコンピュータで設定していた場合は,複製先コンピュータの環境に合わせて,再設定してください。マスタコンピュータで設定していなかった場合は,設定する必要はありません。

    表7‒4 システム環境定義の設定

    項番

    システム環境定義

    設定内容

    1

    /OTS/completion_process_ipaddr_info

    複製先コンピュータ上の決着デーモンが使用するホスト名に変更します。

    2

    /OTS/set_ipaddr_info

    複製先コンピュータ上のOTSのデーモンが使用するホスト名に変更します。

(3) ADM機能の設定(JP1/ServerConductor/Deployment Managerまたは仮想化プラットフォーム)

ADM機能を使用している場合は,ADM機能の設定をします。

コマンドの実行例を次に示します。

  1. プロセス監視定義ファイルを変更します。

    再設定したシステム環境定義の値に合わせて,プロセス監視定義ファイルの値を変更します。

    この手順は再設定したシステム環境定義の値が,プロセス監視定義ファイルでも設定されている場合にだけ必要です。再設定したシステム環境定義の値については,「(2) 定義の設定(JP1/ServerConductor/Deployment Managerまたは仮想化プラットフォーム)」を参照してください。

  2. TPBrokerの実行環境のセットアップをします。

    admsetup -c c:\admconf.cf

(4) サービスの開始(JP1/ServerConductor/Deployment Managerまたは仮想化プラットフォーム)

ADM機能を使用する場合は,ADM機能のサービスを開始します。この手順は,Windowsだけ必要です。

コマンドの実行例を次に示します。

  1. TPBrokerのADM機能のサービスを開始します。

    net start TPBroker