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TPBroker Version 5 トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker 運用ガイド


付録B 用語解説

(英字)

ADM

TPBrokerが提供する,システム運用時のアプリケーションの起動,停止,監視,および再起動を制御する運用支援機能のことです。

C++ ORB

VisiBrokerを用いてC++言語で作成されたプログラムに有効になるORB機能のことです。

VisiBrokerが提供するosagentやネーミングサービスなどのデーモンやコマンドのうち,C++ ORBは,osagentの機能があります。

CORBA

分散オブジェクト技術の標準化を目的として,OMGが策定する業界標準です。

Cosminexus

アプリケーションサーバを中核とした,性能や信頼性の高い業務アプリケーションを開発・実行するためのシステム構築基盤製品です。

Cosminexus TPBroker

Cosminexus用のTPBrokerです。J2EEサーバ上での分散トランザクション処理を実現します。

ただし,CORBAアプリケーションを開発・実行する機能はありません。

GIOP

CORBA環境で使用される汎用的な上位プロトコルです。データ送受信時の変換復元規則,メッセージフォーマットなどが規定されています。特定のトランスポートプロトコルには依存しません。

HAモニタ

HAクラスタシステムを実現するクラスタソフトウェアです。

HAとはHigh Availabilityの略で,高可用性,つまりシステムを連続して稼働できることを意味します。HAクラスタシステムとは,高可用性を実現するシステム構成のことです。

Java ORB

VisiBrokerを用いてJava言語で作成されたプログラムに有効になるORB機能のことです。

VisiBrokerが提供するosagentやネーミングサービスなどのデーモンやコマンドのうち,Java ORBは,ネーミングサービスなどのデーモンやコマンドの機能があります。

JP1/ServerConductor/Deployment Manager

日立アドバンストサーバHA8000シリーズを一括管理するためのソフトウェアです。

資産管理機能,障害管理機能,遠隔操作機能,およびプログラム連携機能があります。

Management Server

運用管理ドメインを構成するサーバプログラムです。運用管理ドメイン単位に一つ配置します。

Management Serverは運用管理ドメイン内の各ホストに配置した運用管理エージェントに指示を出して,運用管理ドメイン全体の運用管理を実行します。

Microsoft Cluster Service

Microsoft社が提供するクラスターサービスのことです。

OAD

インプリメンテーションリポジトリを実現する,オブジェクト活性化デーモンのことです。

インプリメンテーションリポジトリは,サーバがサポートしているクラス,実体化されているオブジェクトとそれらに関する情報をランタイム時にリポジトリとして提供します。また,OADはクライアントがオブジェクトを参照するときにインプリメンテーションを自動的に活性化する目的にも使用されます。

OMG

オブジェクト指向技術の普及と標準化のために設立された非営利団体です。

ORB

TPBrokerが提供する,分散オブジェクト同士が通信するためのソフトウェア・バス(通信ミドルウェア)です。すべてのオブジェクトはORBを介して通信します。

通信プロトコル(通信データ形式),通信形態の違いをORBが吸収するため,システムの拡張や変更が簡単にできます。

osagent

Visibrokerが提供するスマートエージェントのことです。

スマートエージェントとは,クライアントアプリケーションとオブジェクトインプリメンテーションの両方に機能を提供する動的な分散ディレクトリサービスです。ネットワークで使用できるオブジェクトを管理し,起動時にクライアントアプリケーションが要求するオブジェクトを探します。

OTS

CORBAが提供するサービスの一つで,トランザクションを制御する機能を持ちます。

QoS

各ポリシーを利用して,クライアントアプリケーションとそれに接続されているサーバとのコネクションの定義と管理を行うサービスです。

TPBroker

OMGが策定したCORBAの機能を提供する分散オブジェクト基盤です。オブジェクト管理やオブジェクト間通信の制御機能(ORB),トランザクション制御機能(OTS),および運用支援機能(ADM)があります。

(ア行)

アウトプロセス

プロセスの起動のしかたです。アウトプロセスで起動させると,J2EEサーバのプロセス外で実行します。アウトプロセスでネーミングサービスを使用する場合,ネーミングサービスはユーザが起動する必要があります。

アンマーシャリング

ORBの共通フォーマットに変換されたリクエストの内容を,サーバで処理できる形式に変換することです。

インプロセス

プロセスの起動のしかたです。インプロセスで起動させると,J2EEサーバのプロセス内で実行するように最適化されるので,パフォーマンスの高いシステムが実現できます。

Application Serverでは,トランザクションサービスをJ2EEサーバのインプロセスで起動できます。インプロセスでトランザクションサービスを起動すると,トランザクション処理をJ2EEサーバのプロセス内で実行するように最適化されるので,パフォーマンスの高いシステムを実現できます。

(カ行)

系切り替え

業務を実行しているシステム(系)やサーバに障害が発生した場合に,待機しているシステム(系)やサーバに業務を引き継ぐ機能のことです。

系には,実行系,待機系があります。

(サ行)

シナリオ

JP1/ServerConductor/Deployment Managerで,Linuxパッチファイルの適用,バックアップ,およびリストアなどの実行に使用する設定ファイルです。

(タ行)

トラブルシュートファイル

ORBのトラブルシュート機能で出力できるファイルのことです。トラブルシュートファイルには次に示すファイルがあります。

  • モジュールトレース

  • エラーログ

  • 通信トレース

  • メッセージログ

  • バーボースログ

  • スタックトレース

  • ネーミングサービス名前空間情報ログ

トランザクションサービス

グローバルトランザクションを使用する場合に,トランザクションを管理するサービスです。TPBroker OTSによって提供されるサービス全体を表します。トランザクションサービスは,J2EEサーバのインプロセスで起動されます。

(ナ行)

名前空間

インタフェース名などの名前(識別子)の重複を回避するための仕組みのことです。インタフェース名が重複した場合に,moduleキーワードを用いて,名前空間を定義することで,インタフェース名の重複を避けることができます。

ネーミングサービス

Application Serverで,リモートオブジェクトの格納場所を管理するためのサービスであり,CORBA 2.5の仕様に従って実装されています。Cosminexus TPBrokerによって提供される機能です。

(ハ行)

プライマリIPアドレス

gethostname()またはsysinfo()を利用して得られるホスト名を使用して,gethostbyname()を発行して得られたIPアドレスのことをいいます。

(マ行)

マーシャリング

クライアントごとに個別に処理されたリクエストの内容を,ORBの共通フォーマットに変換することです。

マルチホーム

インターネットに接続するときに,複数のネットワークインタフェースから,複数のネットワークに接続されることです。負荷分散や障害対策を目的とします。