Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド

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5.7.1 ロードバランスクラスタ構成での運用

ロードバランスクラスタ構成での運用の開始および終了について説明します。また,運用中にロードバランスクラスタを構成するHCSCサーバを追加,変更,および削除する方法についても説明します。

<この項の構成>
(1) 運用の開始
(2) 運用の終了
(3) ロードバランスクラスタへのHCSCサーバの追加・削除
(4) ロードバランスクラスタへのサービスアダプタの追加・削除
(5) ロードバランスクラスタへのビジネスプロセスの追加・削除
(6) ロードバランスクラスタ構成でのサービスアダプタの変更
(7) ロードバランスクラスタ構成でのビジネスプロセスの変更
(8) 障害に備えたHCSCサーバの準備

(1) 運用の開始

環境構築とセットアップが終了したあと,ロードバランスクラスタ構成のシステムの運用を開始できます。運用を開始するには,次の作業を実施します。

  1. 実行環境の構成要素の状態の確認
    ロードバランスクラスタ構成のシステムの運用を開始するには,すべてのロードバランスクラスタ内で,次に示す実行環境の構成要素が開始状態である必要があります。
    • 運用管理エージェント
    • Management Server
    • PRF
    • スマートエージェント
    • CTM(CTMを使用する場合)※1
    • J2EEサーバ※2
    • HCSCサーバ※3
    • HTTP Server(HTTP Serverを使用する場合)
    注※1
    CTMドメインマネジャおよびCTMデーモンも開始状態である必要があります。
    注※2
    Reliable Messagingなどのアプリケーションの状態を一致させておく必要があります。なお,Reliable Messagingのシステム名は,ロードバランスクラスタ内のそれぞれのHCSCサーバでユニーク名称を指定する必要があります。
    注※3
    配備されているサービスアダプタとビジネスプロセス,および標準受付の状態を一致させておく必要があります。
  2. サービスリクエスタへの送信制御
    セットアップ時に,サービスリクエスタ用のネットワークを切断するなどして,サービス部品の実行要求を受け付けられない状態にしたサービスリクエスタを,ネットワークを接続するなどして,サービス部品の実行要求を受け付けられる状態にします。

(2) 運用の終了

ロードバランスクラスタ構成のシステムの運用を終了する場合,次の作業を実施します。

  1. サービスリクエスタへの送信制御
    サービスリクエスタ用のネットワークを切断するなどして,HCSCサーバでサービス部品の実行要求を受け付けられない状態にします。その際,現在処理中の実行要求がないことを確認してください。
  2. 実行環境の構成要素の停止
    次の順序で,すべてのロードバランスクラスタ内の実行環境の構成要素を停止します。
    • HTTP Server(HTTP Serverを使用する場合)
    • HCSCサーバ
    • J2EEサーバ
    • CTM(CTMを使用する場合)
    • スマートエージェント
    • PRF
    • Management Server
    • 運用管理エージェント

(3) ロードバランスクラスタへのHCSCサーバの追加・削除

運用を停止しないで,ロードバランスクラスタを構成するHCSCサーバを追加および削除できます。汎用ロードバランサの場合は,動的にIPアドレスを追加および削除する機能があるときだけ,運用を停止しないで,HCSCサーバを追加および削除できます。ロードバランスクラスタを構成するHCSCサーバを追加および削除する方法を次に示します。

(a) HCSCサーバの追加
  1. 追加するHCSCサーバの実行環境をセットアップします。
    実行環境のセットアップ方法については,「2.5.2(2) 実行環境のセットアップ」を参照してください。
    また,HCSCサーバ構成定義ファイルおよびHCSCサーバセットアップ定義ファイルを設定する場合,次の値をロードバランスクラスタ内のすべてのHCSCサーバで同じ設定にしてください。
    HCSCサーバ構成定義ファイル
    • クラスタ表示名
    • クラスタ種別
    • 呼び出し種別
    HCSCサーバセットアップ定義ファイル
    • rm-systemnameプロパティおよびnaming-service-hostnameプロパティ以外のすべてのプロパティ
      なお,rm-systemnameプロパティには,ロードバランスクラスタ内のそれぞれのHCSCサーバでユニークなReliable Messagingシステム名を指定してください。naming-service-hostnameプロパティには,それぞれのHCSCサーバをセットアップしたJ2EEサーバに設定されているネーミングサービスのホスト名称を指定してください。
  2. HCSCサーバを起動します。
    HCSCサーバの起動方法については,「5.3.4 HCSCサーバを起動する」を参照してください。
  3. サービスアダプタを配備します。
    サービスアダプタの配備方法については,「3.1.8 サービスアダプタを配備する」を参照してください。
  4. ビジネスプロセスを配備します。
    ビジネスプロセスの配備方法については,「3.1.13 ビジネスプロセスを配備する」を参照してください。
  5. サービスアダプタを開始します。
    サービスアダプタの開始方法については,「5.3.6 サービスアダプタを開始する」を参照してください。
  6. ビジネスプロセスを開始します。
    ビジネスプロセスの開始方法については,「5.3.7 ビジネスプロセスを開始する」を参照してください。
  7. 標準受付を開始します。
    標準受付の開始方法については,「5.3.9 標準受付を開始する」を参照してください。
  8. ロードバランサを設定します。
    追加するHCSCサーバに,動的にサービス部品の実行要求を送信するように設定します。
    CTMを使用する場合,すべてのHCSCサーバでCTMドメインマネジャ名およびスマートエージェントのポート番号を同じ値に設定する必要があります。
    汎用ロードバランサの設定方法については,使用する汎用ロードバランサのドキュメントを参照してください。
    注意
    CTMを使用する場合,追加するHCSCサーバの標準受付を開始した段階で,HCSCサーバにサービス部品の実行要求を振り分けます。
(b) HCSCサーバの削除
  1. ロードバランサを設定します。
    削除するHCSCサーバにサービス部品の実行要求を送信しないように設定します。その際,現在処理中の実行要求がすべて完了していることを確認してください。
    CTMを使用する場合,対象となるJ2EEサーバにサービス部品の実行要求を送信するキューを閉塞します。CTMを使用する場合のキューの閉塞については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」の「3.7.4 スケジュールキューの閉塞制御」を参照してください。
    汎用ロードバランサの設定方法については,使用する汎用ロードバランサのドキュメントを参照してください。
  2. 標準受付を停止します。
    標準受付の停止方法については,「5.3.33 標準受付を停止する」を参照してください。
  3. ビジネスプロセスを停止します。
    ビジネスプロセスの停止方法については,「5.3.36 ビジネスプロセスを停止する」を参照してください。
  4. サービスアダプタを停止します。
    サービスアダプタの停止方法については,「5.3.35 サービスアダプタを停止する」を参照してください。
  5. ビジネスプロセスを削除します。
    ビジネスプロセスの削除方法については,「3.3.2 ビジネスプロセスを削除する」を参照してください。
  6. サービスアダプタを削除します。
    サービスアダプタの削除方法については,「3.3.1 サービスアダプタを削除する」を参照してください。
  7. 削除するHCSCサーバを停止します。
    HCSCサーバの停止方法については,「5.3.38 HCSCサーバを停止する」を参照してください。
  8. HCSCサーバを削除します。
    HCSCサーバの削除方法については,「3.3.5 HCSCサーバをアンセットアップする」を参照してください。

(4) ロードバランスクラスタへのサービスアダプタの追加・削除

HCSCサーバに配備済みのサービスアダプタを停止しないで,新たなサービスアダプタを追加および削除できます。サービスアダプタを追加および削除する手順を次に示します。

(a) サービスアダプタの追加
  1. ロードバランスクラスタを構成するすべてのHCSCサーバに,追加するサービスアダプタを配備します。
    サービスアダプタの配備方法については,「3.1.8 サービスアダプタを配備する」を参照してください。
  2. 追加したサービスアダプタを開始します。
    サービスアダプタの開始方法については,「5.3.6 サービスアダプタを開始する」を参照してください。
  3. 追加したサービスアダプタを呼び出すように設定します。
    注意
    ロードバランスクラスタを構成するすべてのHCSCサーバに,サービスアダプタを配備し開始してから,追加したサービスアダプタを呼び出すように設定してください。
(b) サービスアダプタの削除
  1. 削除するサービスアダプタを呼び出さないように設定します。
  2. 削除するサービスアダプタを停止します。
    サービスアダプタの停止方法については,「5.3.35 サービスアダプタを停止する」を参照してください。
  3. ロードバランスクラスタを構成するすべてのHCSCサーバからサービスアダプタを削除します。
    サービスアダプタの削除方法については,「3.3.1 サービスアダプタを削除する」を参照してください。
    注意
    削除するサービスアダプタを呼び出さないように設定してから,サービスアダプタを削除してください。

(5) ロードバランスクラスタへのビジネスプロセスの追加・削除

すでにHCSCサーバに配備済みのビジネスプロセスを停止しないで,新たなビジネスプロセスを追加および削除できます。ビジネスプロセスを追加および削除する手順を次に示します。

(a) ビジネスプロセスの追加
  1. ロードバランスクラスタを構成するすべてのHCSCサーバに,追加するビジネスプロセスを配備します。
    ビジネスプロセスの配備方法については,「3.1.13 ビジネスプロセスを配備する」を参照してください。
  2. 追加したビジネスプロセスを開始します。
    ビジネスプロセスの開始方法については,「5.3.7 ビジネスプロセスを開始する」を参照してください。
  3. 追加したビジネスプロセスを呼び出すように設定します。
    注意
    ロードバランスクラスタを構成するすべてのHCSCサーバに,ビジネスプロセスを配備し開始してから,追加したビジネスプロセスを呼び出すように設定してください。
(b) ビジネスプロセスの削除
  1. 削除するビジネスプロセスを呼び出さないように設定します。
  2. 削除するビジネスプロセスを停止します。
    ビジネスプロセスの停止方法については,「5.3.36 ビジネスプロセスを停止する」を参照してください。
  3. ロードバランスクラスタを構成するすべてのHCSCサーバからビジネスプロセスを削除します。
    ビジネスプロセスの削除方法については,「3.3.2 ビジネスプロセスを削除する」を参照してください。
    注意
    削除するビジネスプロセスを呼び出さないように設定してから,ビジネスプロセスを削除してください。

(6) ロードバランスクラスタ構成でのサービスアダプタの変更

HCSCサーバに配備済みのサービスアダプタを停止しないで,サービスアダプタを変更できます。サービスアダプタを変更する手順を次に示します。

  1. 変更するサービスアダプタを呼び出さないように設定します。
  2. 変更するサービスアダプタを停止します。
    サービスアダプタの停止方法については,「5.3.35 サービスアダプタを停止する」を参照してください。
  3. ロードバランスクラスタを構成するすべてのHCSCサーバから変更するサービスアダプタを削除します。
    サービスアダプタの削除方法については,「3.3.1 サービスアダプタを削除する」を参照してください。
  4. 変更したサービスアダプタの情報が保存されたリポジトリをインポートします。
    インポートの方法については,「4.3 リポジトリのインポート」を参照してください。
  5. ロードバランスクラスタを構成するすべてのHCSCサーバに,変更したサービスアダプタを配備します。
    サービスアダプタの配備方法については,「3.1.8 サービスアダプタを配備する」を参照してください。
  6. 変更したサービスアダプタを開始します。
    サービスアダプタの開始方法については,「5.3.6 サービスアダプタを開始する」を参照してください。
  7. 変更したサービスアダプタを呼び出すように設定します。
    注意
    変更するサービスアダプタを呼び出さないように設定してから,サービスアダプタを変更してください。

(7) ロードバランスクラスタ構成でのビジネスプロセスの変更

すでにHCSCサーバに配備済みのビジネスプロセスを停止しないで,ビジネスプロセスを変更できます。ビジネスプロセスを変更する方法を次に示します。

  1. 変更するビジネスプロセスを呼び出さないように設定します。
  2. 変更するビジネスプロセスを停止します。
    ビジネスプロセスの停止方法については,「5.3.36 ビジネスプロセスを停止する」を参照してください。
  3. ロードバランスクラスタを構成するすべてのHCSCサーバから変更するビジネスプロセスを削除します。
    ビジネスプロセスの削除方法については,「3.3.2 ビジネスプロセスを削除する」を参照してください。
  4. 変更したビジネスプロセスの情報が保存されたリポジトリをインポートします。
    リポジトリのインポート方法については,「4.3 リポジトリのインポート」を参照してください。
  5. ロードバランスクラスタを構成するすべてのHCSCサーバにビジネスプロセスを配備します。
    ビジネスプロセスの配備方法については,「3.1.13 ビジネスプロセスを配備する」を参照してください。
  6. 変更したビジネスプロセスを開始します。
    ビジネスプロセスの開始方法については,「5.3.7 ビジネスプロセスを開始する」を参照してください。
  7. 変更したビジネスプロセスを呼び出すように設定します。
    注意
    変更するビジネスプロセスを呼び出さないように設定してから,ビジネスプロセスを変更してください。

(8) 障害に備えたHCSCサーバの準備

ロードバランスクラスタを構成しているHCSCサーバの障害に備え,ロードバランスクラスタに余裕をもった台数のHCSCサーバを準備することを推奨します。詳細については,「7.9.2(1) ロードバランスクラスタ構成での障害と復旧」を参照してください。