Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 解説

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4.10.2 デバッグ情報の出力例

ここでは,バイナリデータの読込処理(バイナリ→DOMの変換)で,入力データの不正によってエラーになった場合のデバッグ情報の出力例について説明します。

<この項の構成>
(1) データ変換の定義内容と入力データの内容
(2) デバッグ情報の出力内容

(1) データ変換の定義内容と入力データの内容

この例で使用するデータ変換のマッピング定義,変換元および変換先のバイナリフォーマット定義の設定値,変換するバイナリデータは次のとおりです。

●データ変換のマッピング定義

[図データ]

●変換元および変換先のバイナリフォーマット定義の設定値

[図データ]

●変換するバイナリデータ

[図データ]

(2) デバッグ情報の出力内容

(1)で示した内容でデータ変換を実行した場合,バイナリデータの読込処理(バイナリ→DOMの変換)で,入力データが短いため,エラー(KDEC40200-E)が発生します。

この場合のデバッグ情報の出力内容を次に示します。

(a) デバッグ情報として出力するDOMの出力内容

デバッグ情報として出力するDOMの出力内容を次の図に示します。なお,次の図は,見やすさのためスペースと改行を挿入しています。

[図データ]

説明
2つ目の複合内容要素の子要素(simple03)のバイナリデータの読み込みでエラーが発生するため,ノードの値は出力されません。

次にトレース開始部の付加情報を示します。

 
DataType = DOM, Node = /root/complex01[2]/simple03, RootApInfo = XX.XXX.XXX.XXX/9496/0x0000000000001cb0
 

「XX.XXX.XXX.XXX」の部分にはIPアドレスが表示されます。

説明
トレース開始部の付加情報からは,次のことがわかります。
  • 2つ目の複合内容要素の子要素(simple03)の入力データ読み込み時にエラーが発生したこと
  • ルートアプリケーション情報からメッセージログのエラー原因のメッセージ出力個所
(b) デバッグ情報として出力するバイナリデータの出力内容

読み込んだ位置までのバイナリデータが出力されます。

デバッグ情報として出力するバイナリデータの出力内容を次の図に示します。

[図データ]

次にトレース開始部の付加情報を示します。

 
DataType = Binary, InputDataSize = 17, Offset = 17, RootApInfo = XX.XXX.XXX.XXX/9496/0x0000000000001cb0
 

「XX.XXX.XXX.XXX」の部分にはIPアドレスが表示されます。

説明
トレース開始部の付加情報からは,次のことがわかります。
  • 入力データサイズの合計が18バイトではなく17バイトしかないこと
  • ルートアプリケーション情報からメッセージログのエラー原因のメッセージ出力個所
(c) 詳細情報メッセージの出力内容

(1)で示した内容でデータ変換を実行した場合,データ変換でエラーになり,詳細情報メッセージが出力されます。詳細情報メッセージの出力例を次に示します。

[図データ]

「XX.XXX.XXX.XXX」の部分にはIPアドレスが表示されます。

説明
既存のエラーメッセージ(KDEC40200-E)では3バイト中,2バイト読み込んだ際にエラーが発生したことがわかります。
詳細情報メッセージ(KDEC40312-I)からは,次のことがわかります。
  • 入力データサイズの合計が18バイトではなく17バイトしかないこと
  • 2つ目の複合内容要素の子要素(simple03)の入力データ読み込み時にエラーが発生したこと