Cosminexus V9 アプリケーションサーバ 機能解説 互換編

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3.2.2 使用できるアプリケーションサーバの機能

サーブレットエンジンモードでの,アプリケーションサーバの各機能の使用について説明します。

なお,各項目にある表に記載していない機能は使用できません。

<この項の構成>
(1) Webコンテナの機能
(2) Webサーバ連携の機能
(3) インプロセスHTTPサーバの機能
(4) EJBコンテナの機能
(5) EJBクライアントの機能
(6) ネーミング管理の機能
(7) リソース接続とトランザクション管理の機能
(8) OpenTP1からのアプリケーションサーバを呼び出す機能(TP1インバウンド連携機能)
(9) アプリケーションサーバで使用するJPAの機能
(10) CJPAプロバイダの機能
(11) CJMSプロバイダの機能
(12) セキュリティ管理の機能
(13) アノテーションの機能
(14) J2EEアプリケーションの形式とデプロイの機能
(15) コンテナ拡張ライブラリの機能
(16) バッチアプリケーション実行時に使用する機能
(17) CTMによるEnterprise Beanのスケジューリング機能
(18) そのほかの拡張機能
(19) システムの日常運用を支援する機能
(20) システムの保守を支援する機能
(21) J2EEアプリケーションの運用機能
(22) システムの監査を支援する機能
(23) JP1連携による運用管理機能
(24) クラスタソフトウェアとの連携による系切り替え機能
(25) システムの保守のための機能
(26) JavaVMの機能

(1) Webコンテナの機能

Webコンテナの機能のサーブレットエンジンモードでの使用について次の表に示します。Webコンテナの機能については,「3.4 サーブレットエンジンモードで使用できるWebコンテナの機能」を参照してください。

表3-3 Webコンテナの機能のサーブレットエンジンモードでの使用

Webコンテナの機能 サーブレットエンジンモードでの使用
Webアプリケーションの実行機能
JSPの事前コンパイルとコンパイル結果の保持(JSP事前コンパイルを使用しない場合のJSPコンパイル結果) ◎△
セッション管理機能(セッションIDおよびCookieへのサーバIDの付加)
アプリケーションのイベントリスナ
リクエストおよびレスポンスのフィルタリング
HTTPレスポンス圧縮機能
EJBコンテナとの連携 ◎△
データベースとの接続 ◎△
Webコンテナによるスレッドの作成 ◎△
ユーザスレッドの使用
同時実行スレッド数の制御(Webコンテナ単位での同時実行スレッド数の制御)
エラーページのカスタマイズ
静的コンテンツのキャッシュ
簡易Webサーバ機能 簡易WebサーバでのIPアドレス指定(バインド先アドレス設定機能)
簡易Webサーバへのアクセスの制御 ◎△
URIのデコード機能

(凡例)
○:使用できる
◎:J2EEの機能に加えてアプリケーションサーバで拡張した機能を使用できる,またはアプリケーションサーバ独自の機能を使用できる
△:使用できる。ただし,1.4モードと機能差がある

注※
ユーザスレッドで使用できる機能のうち,サーブレットエンジンモードで使用できる機能だけが使用できます。

(2) Webサーバ連携の機能

Webサーバ連携の機能のサーブレットエンジンモードでの使用について次の表に示します。Webサーバ連携の機能については,「3.4 サーブレットエンジンモードで使用できるWebコンテナの機能」を参照してください。

表3-4 Webサーバ連携の機能のサーブレットエンジンモードでの使用

Webサーバ連携の機能 サーブレットエンジンモードでの使用
Webサーバ(リダイレクタ)によるリクエストの振り分け
通信タイムアウト(Webサーバ連携)
IPアドレスの指定(Webサーバ連携)
エラーページのカスタマイズ(Webサーバ連携)
ドメイン名指定でのトップページの表示
Webコンテナへのゲートウェイ情報の通知

(凡例)
○:使用できる
◎:J2EEの機能に加えてアプリケーションサーバで拡張した機能を使用できる,またはアプリケーションサーバ独自の機能を使用できる

(3) インプロセスHTTPサーバの機能

インプロセスHTTPサーバの機能は,サーブレットエンジンモードでは使用できません。

(4) EJBコンテナの機能

EJBコンテナの機能は,サーブレットエンジンモードでは使用できません。

(5) EJBクライアントの機能

EJBクライアントの機能は,サーブレットエンジンモードでは使用できません。

(6) ネーミング管理の機能

ネーミング管理の機能のサーブレットエンジンモードでの使用について次の表に示します。ネーミング管理の機能については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「2. ネーミング管理」を参照してください。

表3-5 ネーミング管理の機能のサーブレットエンジンモードでの使用

ネーミング管理の機能 サーブレットエンジンモードでの使用
ラウンドロビンポリシーによるCORBAネーミングサービスの検索
ネーミング管理機能でのキャッシング
CORBAネーミングサービスの切り替え

(凡例)
◎:J2EEの機能に加えてアプリケーションサーバで拡張した機能を使用できる,またはアプリケーションサーバ独自の機能を使用できる

(7) リソース接続とトランザクション管理の機能

リソース接続とトランザクション管理の機能のサーブレットエンジンモードでの使用について次の表に示します。リソース接続とトランザクション管理の機能については,「3.6 サーブレットエンジンモードでのリソース接続」を参照してください。

表3-6 リソース接続とトランザクション管理の機能のサーブレットエンジンモードでの使用

リソース接続とトランザクション管理の機能 サーブレットエンジンモードでの使用
コネクションプーリング ※1
コネクションの取得リトライ ※1
コネクションプールの情報表示 ※2
コネクションプールのクリア ※2
コネクションの強制クローズ ※3

(凡例)
◎:J2EEの機能に加えてアプリケーションサーバで拡張した機能を使用できる,またはアプリケーションサーバ独自の機能を使用できる

注※1 Webコンテナコネクションプーリング機能を利用する場合に使用できます。詳細については,「3.6.3 Webコンテナコネクションプール機能によるデータベース接続」を参照してください。

注※2 J2EEサーバモードの場合と実行するコマンドが異なります。

注※3 J2EEサーバモードの場合と実行するコマンドが異なります。コネクションの強制クローズについては,「3.6.3 Webコンテナコネクションプール機能によるデータベース接続」を参照してください。


(8) OpenTP1からのアプリケーションサーバを呼び出す機能(TP1インバウンド連携機能)

TP1インバウンド連携機能は,サーブレットエンジンモードでは使用できません。

(9) アプリケーションサーバで使用するJPAの機能

アプリケーションサーバで使用するJPAの機能は,サーブレットエンジンモードでは使用できません。

(10) CJPAプロバイダの機能

CJPAプロバイダの機能は,サーブレットエンジンモードでは使用できません。

(11) CJMSプロバイダの機能

CJMSプロバイダの機能は,サーブレットエンジンモードでは使用できません。

(12) セキュリティ管理の機能

セキュリティ管理の機能のサーブレットエンジンモードでの使用について次の表に示します。セキュリティ管理の機能については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 セキュリティ管理機能編」を参照してください。

表3-7 セキュリティ管理の機能のサーブレットエンジンモードでの使用

セキュリティ管理の機能 サーブレットエンジンモードでの使用
SSL使用による認証情報とデータの暗号化
ロールに基づくWebコンテナのユーザ認証 ◎△
SecurityManagerによるWebコンテナの実行時の保護 ◎△

(凡例)
◎:J2EEの機能に加えてアプリケーションサーバで拡張した機能を使用できる,またはアプリケーションサーバ独自の機能を使用できる
△:使用できる。ただし,1.4モードと機能差がある

(13) アノテーションの機能

アノテーションの機能は,サーブレットエンジンモードでは使用できません。

(14) J2EEアプリケーションの形式とデプロイの機能

J2EEアプリケーションの形式とデプロイの機能のサーブレットエンジンモードでの使用について次の表に示します。J2EEアプリケーションの形式とデプロイの機能については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「13. J2EEアプリケーションの形式とデプロイ」を参照してください。

表3-8 J2EEアプリケーションの形式とデプロイの機能のサーブレットエンジンモードでの使用

J2EEアプリケーションの形式とデプロイの機能 サーブレットエンジンモードでの使用
J2EEアプリケーションの入れ替え ◎△※1
Webアプリケーションの更新検知とリロード ◎△※2
リソースアダプタを含むJ2EEアプリケーションの操作

(凡例)
◎:J2EEの機能に加えてアプリケーションサーバで拡張した機能を使用できる,またはアプリケーションサーバ独自の機能を使用できる
△:使用できる。ただし,1.4モードと機能差がある

注※1 機能差については,「(21) J2EEアプリケーションの運用機能」を参照してください。

注※2 機能差については,「3.4.2 Webアプリケーションの更新検知とリロード」を参照してください。


(15) コンテナ拡張ライブラリの機能

注意
  • コンテナ拡張ライブラリのアクセス権について
    コンテナ拡張ライブラリにはアクセス権が付与されません。
    cjstartwebコマンドに-securityオプションを指定し,Webコンテナの実行時保護機能を有効にする場合は,SecurityManager定義ファイル(web.policy)に適切なアクセス権を設定してください。
  • ハンドラ関数の設定について(Windowsの場合)
    Windowsでコンテナ拡張ライブラリを使用してプロセスのハンドラ関数を設定する場合,CTRL+BREAK信号を処理するハンドラ関数では,TRUEを返したり,DLLの終了処理をしたり,ExitProcess関数などを呼び出してプロセスを終了したりしないでください。
    Webコンテナサーバ,Component Containerを利用するほかのプログラムなどが動作しなくなるおそれがあります。

コンテナ拡張ライブラリの機能のサーブレットエンジンモードでの使用について次の表に示します。コンテナ拡張ライブラリの機能については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「14. コンテナ拡張ライブラリ」を参照してください。

表3-9 コンテナ拡張ライブラリの機能のサーブレットエンジンモードでの使用

コンテナ拡張ライブラリの機能 サーブレットエンジンモードでの使用
コンテナ拡張ライブラリ
サーバ起動・停止フック機能
スマートエージェント経由でのCORBAオブジェクトの呼び出し

(凡例)
◎:J2EEの機能に加えてアプリケーションサーバで拡張した機能を使用できる,またはアプリケーションサーバ独自の機能を使用できる

(16) バッチアプリケーション実行時に使用する機能

バッチアプリケーション実行時に使用する機能は,サーブレットエンジンモードでは使用できません。

(17) CTMによるEnterprise Beanのスケジューリング機能

CTMによるEnterprise Beanのスケジューリング機能は,サーブレットエンジンモードでは使用できません。

(18) そのほかの拡張機能

そのほかの拡張機能のサーブレットエンジンモードでの使用について次の表に示します。そのほかの拡張機能については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」の「1.2.3 そのほかの拡張機能」を参照してください。

表3-10 そのほかの拡張機能のサーブレットエンジンモードでの使用

そのほかの拡張機能 サーブレットエンジンモードでの使用
統合ユーザ管理 ◎△※1
ユーザログ出力 ※2

(凡例)
◎:J2EEの機能に加えてアプリケーションサーバで拡張した機能を使用できる,またはアプリケーションサーバ独自の機能を使用できる
△:使用できる。ただし,1.4モードと機能差がある

注※1 リポジトリ管理およびリソース監視は使用できません。

注※2 Webコンテナサーバのusrconf.propertiesで,接尾辞が「.level」で終わるキーのうち,値の範囲にSEVERE,WARNING,INFO,CONFIG,FINE,およびFINEST以外を持つキーが設定された場合は,次の現象が発生します。

1. サーバ起動時,java.util.logging.LogManagerクラスがキーを読み込むときに接尾辞が「.level」で終わるキーの値をチェックします。値が範囲以外の場合は,java.util.logging.LogManagerクラスが標準エラー出力へエラーメッセージを出力します。
(例)sample.level=Error と指定されていた場合
「Bad level value for property : sample.level」と出力されます。

2. ユーザログ機能の接尾辞が「.level」で終わるキーでは値が適切でない場合,1.と同様にエラーメッセージを出力します。
 

ただし,どちらの場合もメッセージが表示されるだけで,動作上は影響ありません。


(19) システムの日常運用を支援する機能

システムの日常運用を支援する機能のサーブレットエンジンモードでの使用について次の表に示します。システムの日常運用を支援する機能については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」の「1.2.1 システムの日常運用を支援する機能」を参照してください。

表3-11 システムの日常運用を支援する機能のサーブレットエンジンモードでの使用

システムの日常運用を支援する機能 サーブレットエンジンモードでの使用
システムの起動・停止 ◎△

(凡例)
◎:J2EEの機能に加えてアプリケーションサーバで拡張した機能を使用できる,またはアプリケーションサーバ独自の機能を使用できる
△:使用できる。ただし,1.4モードと機能差がある

注※ システムの起動・停止については,「3.3.7 システムの起動および停止方法」を参照してください。


(20) システムの保守を支援する機能

システムの保守を支援する機能は,サーブレットエンジンモードで使用できません。

(21) J2EEアプリケーションの運用機能

J2EEアプリケーションの運用機能のサーブレットエンジンモードでの使用について次の表に示します。J2EEアプリケーションの運用機能については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」の「1.2.3 J2EEアプリケーションの運用機能」を参照してください。

表3-12 J2EEアプリケーションの運用機能のサーブレットエンジンモードでの使用

J2EEアプリケーションの運用機能 サーブレットエンジンモードでの使用
J2EEアプリケーションのサービスの閉塞
J2EEアプリケーションの停止(通常停止)
J2EEアプリケーションの入れ替え Webアプリケーションのサービスの部分閉塞による入れ替え ※1
リロードによるJ2EEアプリケーションの入れ替え ◎△※2

(凡例)
○:使用できる
◎:J2EEの機能に加えてアプリケーションサーバで拡張した機能を使用できる,またはアプリケーションサーバ独自の機能を使用できる
△:使用できる。ただし,1.4モードと機能差がある

注※1 WebサーバにHTTP Serverを使用している場合だけ使用できます。

注※2 機能差については,「3.4.2 Webアプリケーションの更新検知とリロード」を参照してください。


(22) システムの監査を支援する機能

システムの監査を支援する機能は,サーブレットエンジンモードでは使用できません。

(23) JP1連携による運用管理機能

JP1連携による運用管理機能は,サーブレットエンジンモードでは使用できません。

参考
サーブレットエンジンモードで動作しているサーバ(Webコンテナサーバ)はManagement Serverの管理対象にはなりません。JP1連携は,Management Serverを利用した運用をしていることが前提となる機能です。このため,サーブレットエンジンモードで動作しているサーバ(Webコンテナサーバ)はJP1連携による管理の対象にはなりません。なお,JP1連携による運用管理機能と動作モードは,直接関係ありません。

(24) クラスタソフトウェアとの連携による系切り替え機能

クラスタソフトウェアとの連携による系切り替え機能は,サーブレットエンジンモードでは使用できません。

(25) システムの保守のための機能

システムの保守のための機能のサーブレットエンジンモードでの使用について次の表に示します。

表3-13 システムの保守のための機能のサーブレットエンジンモードでの使用

システムの保守のための機能 サーブレットエンジンモードでの使用 参照先マニュアル 参照先
トラブルシューティング アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編 2章3章4章5章
性能解析トレースを使用したシステムの性能解析 7章8章

(凡例)
◎:J2EEの機能に加えてアプリケーションサーバで拡張した機能を使用できる,またはアプリケーションサーバ独自の機能を使用できる

注※ 障害検知時コマンドは使用できません。


(26) JavaVMの機能

JavaVMの機能のサーブレットエンジンモードでの使用について次の表に示します。

表3-14 JavaVMの機能のサーブレットエンジンモードでの使用

JavaVMの機能 サーブレットエンジンモードでの使用 参照先マニュアル 参照先
クラス別統計機能 アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編 9.3
インスタンス統計機能 9.4
STATICメンバ統計機能 9.5
参照関係情報出力機能 9.6
統計前のGC選択機能 9.7
Survivor領域の年齢分布情報出力機能 9.11
JITコンパイル時のCヒープ確保量の上限値設定機能 9.13
スレッド数の上限値設定機能 9.14

(凡例)
◎:J2EEの機能に加えてアプリケーションサーバで拡張した機能を使用できる,またはアプリケーションサーバ独自の機能を使用できる