Cosminexus V9 アプリケーションサーバ 仮想化システム構築・運用ガイド

[目次][用語][索引][前へ][次へ]

6.2.1 管理ユニットのスケールアウトとスケールイン

スケールアウトは,稼働する仮想サーバの台数を増やす機能です。スケールインは,稼働する仮想サーバの台数を減らす機能です。管理ユニットで稼働する仮想サーバの台数を変更して,処理性能を向上させたり,リソースの使用効率を向上させたりできます。

ここでは,管理ユニット「gyoumu_a」に,仮想サーバグループ「vmgroup_2」内の仮想サーバ(仮想サーバ識別子が「192.168.1.102」で業務用IPアドレスが「192.168.2.102」)と,仮想サーバグループ「vmgroup_3」内の仮想サーバ(仮想サーバ識別子が「192.168.1.103」で業務用IPアドレスが「192.168.2.103」)をスケールアウト・スケールインする場合の例を示します。

管理ユニットのスケールアウト

管理ユニットをスケールアウトする手順について説明します。

ポイント
作業を実施するユーザ:システム構築者,リソース管理者
  1. システム構築者は,メールなどを利用して,管理ユニットに増やす仮想サーバの手配をリソース管理者に依頼します。
    管理ユニットで使用する仮想サーバの台数(2台),「5.2.1 仮想サーバのテンプレートの作成と初期設定」で作成した仮想サーバのテンプレートなどの情報をリソース管理者に連絡します。
  2. リソース管理者は,仮想サーバのテンプレートから指定された台数分の仮想サーバの複製を作成します。複製した仮想サーバの情報をシステム構築者に報告します。
  3. システム構築者は,管理用端末マシンから仮想化システム管理用サーバマシンにリモート接続します。
  4. システム構築者は,手順2.でリソース管理者から提供された仮想サーバの情報を基に,仮想サーバグループ情報ファイルを作成します。
    仮想サーバ情報ファイルの作成例を次に示します。ここでは,仮想サーバグループ情報ファイル「virtualserver-scaleout.xml」にスケールアウトする仮想サーバグループだけを定義するとします。
    <?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
    <virtualserver-info xmlns="http://www.cosminexus.com/mngsvr/schema/VirtualServerInfo-1.0">
      <group name="vmgroup_2">
        <virtualserver tier="combined-system01" ip="192.168.1.102" port="20580" serviceip="192.168.2.102"/>
      </group>
      <group name="vmgroup_3">
        <virtualserver tier="combined-system01" ip="192.168.1.103" port="20580" serviceip="192.168.2.103"/>
      </group>
    </virtualserver-info>
  5. システム構築者は,vmiunitコマンドのサブコマンド「attach」を使用して,手順4.で作成した仮想サーバグループ情報ファイルを指定して仮想サーバグループを管理ユニットへ登録します。
    コマンドの実行例を次に示します。
    vmiunit attach -unit gyoumu_a -f virtualserver-scaleout.xml
  6. 仮想サーバの電源がOFFの場合,システム構築者は,管理用端末マシンから仮想サーバにリモート接続して,仮想サーバの電源をONにします。
    仮想サーバとともにリソース管理者から提供された利用に関するドキュメントなどを参考にして,電源をONにします。
  7. システム構築者は,管理用端末マシンから仮想化システム管理用サーバマシンにリモート接続します。
  8. システム構築者は,vmiunitコマンドのサブコマンド「update」を使用して,管理ユニットに登録済みの定義ディレクトリを,手順5.で追加した仮想サーバに一括して反映します。
    管理ユニットに属する仮想サーバすべてに定義ディレクトリを反映します。同じ定義ディレクトリが反映済みの仮想サーバに対しては,反映処理をスキップします。定義ディレクトリが反映されると,仮想サーバ上にアプリケーションサーバが構築されます。コマンドの実行例を次に示します。
    vmiunit update -unit gyoumu_a
  9. システム構築者は,手順5.で追加した仮想サーバグループを起動します。
    仮想サーバグループ内の仮想サーバを起動して業務を開始します。
    仮想サーバグループの起動手順については,「6.1.2 仮想サーバグループの起動と停止」を参照してください。
    なお,スケールアウトする仮想サーバグループが複数ある場合は,この手順を複数回実施します。
管理ユニットのスケールイン

管理ユニットをスケールインする手順について説明します。

ポイント
作業を実施するユーザ:システム構築者
  1. 管理用端末マシンから仮想化システム管理用サーバマシンにリモート接続します。
  2. 管理ユニットから削除する仮想サーバグループを停止します。
    仮想サーバグループの停止手順については,「6.1.2 仮想サーバグループの起動と停止」を参照してください。なお,スケールインする仮想サーバグループが複数ある場合は,この手順を複数回実施します。
  3. vmiunitコマンドのサブコマンド「detach」を使用して,手順2.で停止した仮想サーバグループを管理ユニットから登録解除します。
    スケールインする仮想サーバグループが複数ある場合は,この手順を複数回実施します。コマンドの実行例を次に示します。
    vmiunit detach -unit gyoumu_a -group vmgroup_2
    vmiunit detach -unit gyoumu_a -group vmgroup_3
  4. メールなどを利用して,手順3.で登録解除した仮想サーバグループ内の仮想サーバの返却をリソース管理者に依頼します。