Cosminexus V9 アプリケーションサーバ 仮想化システム構築・運用ガイド
ここでは,定義ディレクトリに格納する定義ファイルの作成方法について説明します。
仮想サーバ上のWebシステムの定義は,簡易構築定義ファイル(DefModel.xml)で設定します。
次の制限事項および注意事項に従った簡易構築定義ファイルを作成します。なお,定義ディレクトリの取り込み,登録済み定義ディレクトリの内容変更または登録済み定義ディレクトリとの比較を実行すると,作成規則に従っていない簡易構築定義ファイルの場合はエラーとなります。
複数のティアを管理している管理ユニットで,ティア間の関連づけをする場合に,関連元のティアの簡易構築定義ファイルでは,関連先のティアで使用される仮想サーバに関する情報を置換文字列で記述できます。置換文字列で記述できる仮想サーバに関する情報を次に示します。
これらの情報を置換文字列で記述した場合,仮想サーバグループ情報ファイルから読み込まれます。
置換文字列の記述形式,記述内容および記述例を次に示します。
###<ティア識別子>:<パラメタ>###
: <tier> <tier-type>http-tier</tier-type> <configuration> <logical-server-type>web-server</logical-server-type> <param> <param-name>worker.worker_A.host</param-name> <param-value>###j2ee-tier-01:serviceip###</param-value> </param> :
: <group name="set_001"> <virtualserver tier="http-tier" ip="111.111.111.101" port="20580" serviceip="111.111.155.101"/> <virtualserver tier="j2ee-tier-01" ip="111.111.222.101" port="20580" serviceip="111.111.166.101"/> </group> <group name="set_002"> <virtualserver tier="http-tier" ip="111.111.111.102" port="20580" serviceip="111.111.155.102"/> <virtualserver tier="j2ee-tier-01" ip="111.111.222.102" port="20580" serviceip="111.111.166.102"/> </group> :
表5-2 http-tierの簡易構築定義ファイルに指定するパラメタ
パラメタ | 説明 | 指定例 | j2ee-tierの簡易構築定義ファイルとの対応 |
---|---|---|---|
worker.list | 一つまたは複数のワーカ名のリストを指定します。 | worker01 | 対応なし |
worker.<ワーカ名>.host | ワーカ(論理J2EEサーバ)のホスト名またはIPアドレスを指定します。 | 192.168.0.101 | <agent-host>タグ |
worker.<ワーカ名>.type | ワーカのタイプ(ajp13)を指定します。 | ajp13 | 対応なし |
worker.<ワーカ名>.port | ワーカのタイプ(ajp13)のポート番号を指定します。 | 8007 | 論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内のwebserver.connector.ajp13.portパラメタ |
JkMount | URLパターンと,worker.listで指定されているワーカのどれかとの組み合わせを指定します。 | /* worker01 | 対応なし |
注 運用管理ポータルの「論理サーバの環境設定」で,論理Webサーバの定義の次に示す画面は操作しないでください。
tier.properties(ティア別プロパティファイル)で,管理ユニットに属する仮想サーバのうち,ティアに割り当てられている仮想サーバのOS種別と起動順序を設定します。
tier.propertiesを作成する場合,テンプレートファイルを使用できます。テンプレートファイルの格納場所については,「8.1 仮想化システムの構築・運用時に使用するファイル」を参照してください。
VirtualServerの名称やポート,接続情報の設定個所など負荷分散機と接続するために必要なティアごとの設定を次に示します。
負荷分散機を使用する場合,システム構築者は,これらの情報をtier.properties(ティア別プロパティファイル)で設定します。ただし,Webサーバを含まないティアに対して設定しても,その設定は無視されます。
負荷分散機の接続情報は,負荷分散機接続設定プロパティファイル(<LB接続情報の識別名>.propertiesまたはtierlb.properties)で設定します。どちらの接続情報を使用するかは,tier.propertiesのlb.useキーで指定します。lb.useキーの指定値と負荷分散機接続設定プロパティファイルの設定有無による動作を次の表に示します。
表5-3 lb.useキーの指定値と負荷分散機接続設定プロパティファイルの要否
lb.useキーの指定値 | 負荷分散機接続設定プロパティファイルの設定有無 | 動作 | |
---|---|---|---|
<LB接続情報の識別名>.properties | tierlb.properties | ||
空文字 | − | − | 負荷分散機を使用しません。 |
<LB接続情報の識別名> | なし | − | ファイルがないため,次のタイミングでエラーになります。
|
あり | − | 仮想サーバマネージャで定義している接続情報(<LB接続情報の識別名>.properties)で負荷分散機を使用します。 | |
:unit: | − | なし | ファイルがないため,管理ユニットに属する仮想サーバへの定義ディレクトリを反映するタイミングでエラーになります。 |
− | あり | ティアで定義している接続情報(tierlb.properties)で負荷分散機を使用します。 |
(凡例)−:ファイルの設定があってもなくてもよいことを示します。
管理ユニットの操作時に負荷分散機を利用する場合,使用する負荷分散機の種類,接続方式など,負荷分散機へのアクセスに必要な接続情報を仮想サーバマネージャまたは管理ユニットで定義できます。管理ユニット操作時に負荷分散機へ依頼する処理(リクエスト振り分けや閉塞など)については,「7.6 仮想サーバマネージャから負荷分散機を制御するための機能(負荷分散機連携機能)」を参照してください。
管理ユニットで負荷分散機の接続情報を定義する場合,システム構築者は,管理ユニットで管理するティアごとに,tierlb.properties(負荷分散機接続設定プロパティファイル)で接続情報を設定します。ただし,Webサーバを含まないティアに対して設定しても,その設定は無視されます。
ここでは,AX2000を設定する場合の設定例を示します。APIを使用した直接接続を使用する負荷分散機の設定例については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 セキュリティ管理機能編」の「8.6.2 負荷分散機の接続情報を管理ユニットで定義するための設定」を参照してください。
lb.type=ACOS lb.host=192.168.2.12 lb.protocol=telnet lb.port=23 lb.user=user01 lb.password=user01pw lb.timeout=10 lb.ACOS.privilegedexec.password=adminpw |
ここで設定した負荷分散機の接続情報を使用する場合は,tier.properties(ティア別プロパティファイル)のlb.useキーに「:unit:」を指定します。
仮想化システムで使用できるデータベースは,HiRDB,OracleまたはSQL Server(Windowsの場合)です。
データベースと接続するためには,リソースアダプタとしてDB Connectorを使用します。DB Connectorを使用する場合,データベース製品のインストールおよび初期設定が終了したあとにConnector属性ファイルのテンプレートを取得して,データベースへの接続の設定など必要な項目を編集してください。テンプレートファイルの名称は変更しないでください。データベースごとのテンプレートファイルの名称を次に示します。
なお,J2EEサーバを含まないティアに対してConnector属性ファイルを設定しても,そのファイルは無視されます。
DB Connectorでのデータベース接続については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「3.6.1 DB Connectorによる接続の概要」を参照してください。
「5.2.1(7) 定義ファイルの取得」で任意のディレクトリにコピーしたファイルを編集します。
定義ファイルを編集する場合の注意事項を次に示します。
version.properties(インタフェースバージョン定義ファイル)で,定義ディレクトリに登録するファイル群のフォーマットのバージョンを管理するための設定をします。意図しないバージョンのアプリケーションサーバが,仮想サーバ上に構築されることを防ぎます。
version.propertiesを作成する場合,テンプレートファイルを使用できます。テンプレートファイルの格納場所については,「8.1 仮想化システムの構築・運用時に使用するファイル」を参照してください。
version.propertiesの設定例を次に示します。
vm.interface.version=090000 vm.target.edition=standard |
必要に応じて,vmsetup.propertiesで,仮想サーバ上で動作するManagement Serverの管理ユーザアカウント,Component Container管理者,Component Container管理者グループおよびManagement Server管理グループを設定します。Component Container管理者,Component Container管理者グループおよびManagement Server管理グループの設定は,ゲストOSがLinuxの場合にだけ有効になります。ゲストOSがWindowsの場合,設定は無視されます。
vmsetup.propertiesを作成する場合,テンプレートファイルを使用できます。テンプレートファイルの格納場所については,「8.1 仮想化システムの構築・運用時に使用するファイル」を参照してください。
vmsetup.propertiesの設定例を次に示します。ここでは,Management Serverの管理ユーザアカウントを「usera」,パスワードを「userapwd」,Component Container管理者を「userb」,Component Container管理者グループとManagement Server管理グループを「groupA」とします。
setup.mng.administrator.userid=usera setup.mng.administrator.password=userapwd setup.CC.user=userb setup.CC.group=groupA setup.manager.group=groupA |
管理者を設定する場合の注意事項を次に示します。
JP1連携を自動設定する場合,JP1製品(JP1/IM,JP1/PFM)の環境設定を自動化する処理を,フックスクリプトのテンプレートファイルを使用して作成します。また,必要に応じて,仮想サーバマネージャが定義ディレクトリを反映する際に初期構築の仮想サーバ上で実行する処理を,ユーザが作成したスクリプト(フックスクリプト)で設定します。
フックスクリプトのファイル名は固定で,作成できるファイルは一つです。複数の処理を設定する場合も一つのファイルで作成してください。フックスクリプトのファイル名,ファイルの記述形式および格納場所を次の表に示します。
表5-4 フックスクリプトのファイル名,ファイルの記述形式および格納場所
ゲストOSの種類 | ファイル名 | 記述形式 | 格納場所 |
---|---|---|---|
Windows | pre-setup.bat | バッチ形式 | <定義ディレクトリ>\<ティア別定義ディレクトリ>\hook\ |
Linux | pre-setup | シェル形式 | <定義ディレクトリ>/<ティア別定義ディレクトリ>/hook/ |
フックスクリプトを作成する場合の注意事項を次に示します。
詳細は,「7.7 仮想サーバの初期構築時に実行する処理を設定するための機能(フックスクリプト機能)」を参照してください。なお,JP1連携を自動設定する場合のフックスクリプトの作成方法については,「7.7.2 フックスクリプトを利用したJP1連携の自動設定」を参照してください。
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