Cosminexus ビジネスプロセス管理/エンタープライズサービスバス V8 サービスプラットフォーム 開発ガイド

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22.1.3 FTPプロトコルトレース(FTPインバウンドアダプタ)

FTPプロトコルトレースでは,FTPクライアントと送受信を行ったFTPプロトコルメッセージのトレースが出力されます。ここでは,FTPインバウンドアダプタでのFTPプロトコルトレースについて説明します。

<この項の構成>
(1) FTPプロトコルトレースの出力形式と出力される内容
(2) FTPプロトコルトレースの出力先
(3) FTPプロトコルトレースの出力例

(1) FTPプロトコルトレースの出力形式と出力される内容

(a) 出力形式

FTPプロトコルトレースの出力形式を次に示します。

<日付> <時刻> <pid> <tid> <転送ID> <送受信方向> <プロトコルメッセージ>
(b) 出力される内容

FTPプロトコルトレースに出力される内容を次の表に示します。

表22-6 FTPプロトコルトレースに出力される内容(FTPインバウンドアダプタ)

項目 内容
日付 プロトコルメッセージの送受信日付がyyyy/mm/ddの形式で出力されます。
  • yyyy:西暦
  • mm:月
  • dd:日
時刻 プロトコルメッセージの送受信時刻がhh:mm:ss.SSSの形式で出力されます。
  • hh:時
  • mm:分
  • ss:秒
  • SSS:ミリ秒
pid プロセスを識別するためのIDが出力されます。
tid スレッドを識別するためのIDが出力されます。
転送ID 転送IDが出力されます。ただし,最初のコネクション接続時のトレースには出力されません。
送受信方向 プロトコルメッセージの送受信方向が出力されます。
--->:FTPクライアントから受信した場合
<---:FTPクライアントへ送信した場合
プロトコルメッセージ プロトコルメッセージの内容が出力されます。
PASSコマンドの引数であるパスワードの文字列がFTPプロトコルトレースに出力される場合,パスワードの文字列の代わりに「*****」が表示されます。

注※
転送IDが出力されているレコードから,該当する処理スレッド(tid)がわかります。tidを検索することで,転送処理に対する一連のFTPプロトコルトレースを参照できます。

(2) FTPプロトコルトレースの出力先

FTPプロトコルトレースの出力先およびトレースファイル名を次の表に示します。

表22-7 FTPプロトコルトレースの出力先およびファイル名(FTPインバウンドアダプタ)

トレースファイルの出力先パス トレースファイル名
<J2EEサーバの作業ディレクトリ>\ejb\<J2EEサーバ名>\logs\csc\inbound-adapter\ftp\FTP_Inbound_Resource_Adapter

現用ファイル
protocol.log

バックアップファイル
protocol<面数>.log

注※
現用ファイルのサイズが1面当たりのファイルサイズを超えた場合,バックアップファイルにリネームされます。バックアップファイル名には,バックアップファイルの面数が含まれます。新しいログファイルの方が小さい番号となります。

<J2EEサーバの作業ディレクトリ>は,usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)のejb.public.directoryキーで変更できます。デフォルトは,<Cosminexusのインストールディレクトリ>\CC\server\publicです。FTPプロトコルトレースの出力先はejb.server.log.directoryキーでは変更できないため注意してください。usrconf.cfgの詳細は,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.3 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。

なお,RARファイルの属性を設定するConnector属性ファイルの次のプロパティで,FTPプロトコルトレースの出力レベル,ファイルのサイズ,およびファイル面数を変更できます。

RARファイルの属性を取得してConnector属性ファイルを生成するには,cjgetrarpropコマンドを実行します。cjgetrarpropコマンドについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「2.4 J2EEサーバで使用するリソース操作コマンド」を参照してください。また,Connector属性ファイルについては,マニュアル「Cosminexus アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照してください。

(3) FTPプロトコルトレースの出力例

RETRコマンドを実行して,サーバからファイルを取得する場合のFTPプロトコルトレースの出力例を次に示します。

2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid>                     ---> connection from 10.209.12.244
2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid> <転送ID>            ---> OPENED
2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid> <転送ID>            <--- 220 Service ready for new user.
2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid> <転送ID>            ---> USER admin
2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid> <転送ID>            <--- 331 User name okay, need password for admin.
2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid> <転送ID>            ---> PASS *****
2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid> <転送ID>            <--- 230 User logged in, proceed.
2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid> <転送ID>            ---> TYPE A
2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid> <転送ID>            <--- 200 Command TYPE okay.
2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid> <転送ID>            ---> PORT 10,209,12,244,17,28
2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid> <転送ID>            <--- 200 Command PORT okay.
2010/10/29 21:50:15.346    <pid>    <tid> <転送ID>            ---> RETR /sample1/hoge.txt
2010/10/29 21:50:15.361    <pid>    <tid> <転送ID>            <--- 150 Opening ASCII mode data connection for 
/sample1/hoge.txt.
2010/10/29 21:50:15.533    <pid>    <tid> <転送ID>            <--- 226 Transfer Complete.
2010/10/29 21:50:15.533    <pid>    <tid> <転送ID>            ---> QUIT
2010/10/29 21:50:15.533    <pid>    <tid> <転送ID>            <--- 221 Goodbye.
2010/10/29 21:50:15.533    <pid>    <tid> <転送ID>            ---> CLOSED