Hitachi

 ボリュームミラーリング クイックリファレンス 


1.8.13 Quorumディスクの障害から回復する手順例(サーバからGADペアのボリュームの両方にアクセスできない場合)

Quorumディスクに障害が発生し、サーバからGADペアのボリュームの両方にアクセスできない場合は、いったんすべてのペアを削除してから、URの副サイトにあるボリュームを使用して障害から回復します。

障害回復の流れ

  1. URペアを削除します。

    コマンド例:pairsplit -g oraREMOTE -S -IH0

  2. デルタリシンク用URペアを削除します。

    コマンド例:pairsplit -g oraDELTA -S -IH1

  3. GADペアを削除します。

    プライマリボリュームとセカンダリボリュームのI/O モードが両方ともブロックのときは、GADペアを強制削除します。プライマリボリュームとセカンダリボリュームに対して、次のとおりにGADペアの強制削除コマンドを実行します。

    1. セカンダリボリュームを指定して、GADペアを強制削除します。仮想LDEV IDも同時に削除します。

      コマンド例:pairsplit -g oraHA -RF -IH1

    2. セカンダリボリュームの仮想LDEV IDが、GAD予約になっていることを確認する。

      コマンド例:

      raidcom get ldev -ldev_id 0x2222 -fx -IH2
      (略)
      LDEV : 2222
      VIR_LDEV : ffff
      (略)
      

      VIR_LDEV : ffffは、GAD予約を示しています。

    3. プライマリボリュームを指定して、GADペアを強制削除します。ただし、仮想LDEV IDは残します。

      コマンド例:pairsplit -g oraHA -SFV -IH0

    4. プライマリボリュームの仮想LDEV IDが残っていることを確認します。

      コマンド例:

      raidcom get ldev -ldev_id 0x1111 -fx -IH1
      (略)
      LDEV : 1111
      (略)
      

      VIR_LDEVの情報は、LDEVの情報と同じ場合表示されません。

    I/Oモードがブロック以外の場合で、GADペアを強制削除したいときは、お問い合わせください。

    メモ

    Storage NavigatorGADペアを強制削除する場合は、[ペア削除]画面で、[削除モード]に[強制]を選択します。

  4. URの副サイトと正サイトの間で、URペアを作成します。

    コマンド例:paircreate -g oraREMOTE -f async -vl -jp 0 -js 0 -IH2

    この時点で、URの副サイトにあるプライマリボリュームを使用して業務を再開できます。

    [図データ]
  5. Quorumディスクの障害を取り除きます。

  6. セカンダリボリュームを指定してURペアを分割(スワップサスペンド)します。

    コマンド例:pairsplit -g oraREMOTE -RS -IH0

    この時点で、正サイトにあるセカンダリボリュームを使用して業務を再開できます。

    [図データ]
  7. セカンダリボリュームを指定してURペアを再同期(スワップリシンク)します。

    コマンド例:pairresync -g oraREMOTE -swaps -IH0

    正サイトのストレージシステムのボリュームがプライマリボリューム、URの副サイトのストレージシステムのボリュームがセカンダリボリュームに変わります。

    [図データ]
  8. URペアを削除します。

    コマンド例:pairsplit -g oraREMOTE -S -IH0

  9. GADペアを再作成します。

    コマンド例:paircreate -g oraHA -fg never 2 -vl -jq 0 -IH0

  10. デルタリシンク用URペアを再作成します。

    コマンド例:paircreate -g oraDELTA -f async -vl -jp 0 -js 0 -nocsus -IH1

  11. URペアを再作成します。

    コマンド例:paircreate -g oraREMOTE -f async -vl -jp 0 -js 0 -IH0