1.15.11 GADペアの削除
GADペアを保持する必要がなくなった場合は、GADペアを削除します。GADペアを削除すると、そのペアについてのすべてのコピー操作を停止してプライマリボリュームとセカンダリボリュームを単一のボリュームへと変更します。なお、ボリュームのデータは削除されません。
プライマリボリュームを指定してGADペアを削除すると、セカンダリボリュームの仮想LDEV IDが削除されます。GADペアを削除したあとで、プライマリボリュームで業務を続ける場合は、プライマリボリュームを指定してGADペアを削除します。プライマリボリュームのペア状態がPSUSまたはPSUEで、I/Oモードがローカルの場合だけ、プライマリボリュームを指定してGADペアを削除できます。
セカンダリボリュームを指定してGADペアを削除すると、プライマリボリュームの仮想LDEV IDが削除されます。GADペアを削除したあとで、セカンダリボリュームで業務を続ける場合は、セカンダリボリュームを指定してGADペアを削除します。セカンダリボリュームのペア状態がSSWSで、I/Oモードがローカルの場合だけ、セカンダリボリュームを指定してGADペアを削除できます。
Storage Navigatorでのペアの削除には、次の3種類があります。
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通常削除
GADペアを削除したいときは、通常、正サイトのストレージシステムからGADペアを削除します。
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強制削除(ペアが組まれている場合)
プライマリボリュームとセカンダリボリュームのI/Oモードが両方ともブロックのときに使用します。
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強制削除(ペアが組まれていない場合)
ペアが組まれていないボリュームであるにも関わらず、ボリュームにペアの情報が残ってしまっているときに使用します。
(1) GADペアを削除する(通常削除)
背景
GADペアを削除する手順を次に示します。
- 注意
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副サイトのストレージシステムからGADペアを削除する場合、セカンダリボリュームとプライマリボリュームが同一(例えば、同じボリュームラベル)であることを確認し、ボリュームの重複によるシステムの問題を発生させないように注意してください。
前提条件
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必要なロール:ストレージ管理者(プロビジョニング)ロール
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[リモートレプリケーション]画面または[ペアプロパティ参照]画面で、ペアの[状態]および[I/Oモード]が、次のどれかであること。
ペア状態が[PSUS]、かつI/Oモードが[ローカル]
ペア状態が[PSUE]、かつI/Oモードが[ローカル]
ペア状態が[SSWS]
操作手順
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次のどちらかの方法で、[リモートレプリケーション]画面を表示します。
Hitachi Command Suiteを使用する場合:
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[リソース]タブで[ストレージシステム]ツリーを展開します。ローカルストレージシステムを右クリックし、[リモートレプリケーション]を選択します。
Storage Navigatorを使用する場合:
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[ストレージシステム]ツリーから[レプリケーション]‐[リモートレプリケーション]を選択します。
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[GADペア]タブで削除したいペアのチェックボックスを選択し、次のどちらかの方法で[ペア削除]画面を表示します。
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[他のタスク]‐[ペア削除]をクリックします。
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[アクション]メニューから[リモートレプリケーション]‐[ペア削除]を選択します。
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[選択したペア]テーブルに削除したいペアが表示されていることを確認します。
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[削除モード]で[通常]を選択します。
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[完了]をクリックします。
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[設定確認]画面で設定内容を確認し、[タスク名]にタスク名を入力します。
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[適用]をクリックして設定をストレージシステムに適用します。
設定した内容はタスクとしてキューイングされ、順に実行されます。
- ヒント
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ウィザードを閉じたあとに[タスク]画面を自動的に表示するには、ウィザードで[「適用」をクリックした後にタスク画面を表示]を選択して、[適用]をクリックします。
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[タスク]画面で、操作結果を確認します。
実行前であれば、[タスク]画面でタスクを一時中断したりキャンセルしたりできます。
ペアを削除したら、[リモートレプリケーション]画面で、削除したGADペアが表示されないことを確認します。
ペア削除操作の状況を確認するには、Storage Navigatorメイン画面の右上にある更新ボタンをクリックして[リモートレプリケーション]画面の情報を更新するか、[ペアプロパティ参照]画面で詳細な状態情報を表示してください。
(2) GADペアを強制的に削除する(ペアが組まれている場合)
背景
GADペアを強制削除強制削除する手順を次に示します。
- 注意
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副サイトのストレージシステムからGADペアを削除する場合、セカンダリボリュームとプライマリボリュームが同一(例えば、同じボリュームラベル)であることを確認し、ボリュームの重複によるシステムの問題を発生させないように注意してください。
- 注意
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[削除モード]で[強制]を指定する場合は、正サイトと副サイトのストレージシステムの両方で、GADペアの削除が必要です。サーバから両方のボリュームへアクセスできる状態で、[ボリュームアクセス]に[有効]を指定してペアを強制削除すると、ボリュームの内容が一致せず、データ不正を引き起こすおそれがあります。そのため、次の順序でペアを強制削除してください。
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サーバから片方のボリュームへのアクセスを停止します。
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サーバからのアクセスを停止したボリュームについて、[ボリュームアクセス]に[無効]を指定してペアを強制削除します。
[無効]を指定して強制削除したボリュームからは、仮想LDEV IDが削除され、仮想属性にGAD予約が割り当てられます。仮想属性にGAD予約が割り当てられると、サーバからそのボリュームへアクセスできなくなります。
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サーバからのアクセスを継続するボリュームについて、[ボリュームアクセス]に[有効]を指定してペアを強制削除します。
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- メモ
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GADペアとUniversal Replicator(UR)ペアとがボリュームを共有している場合、GADペアを強制的に削除するときは、URペアおよびデルタリシンク用URペアを先に削除してください。
前提条件
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必要なロール:ストレージ管理者(プロビジョニング)ロール
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[リモートレプリケーション]画面または[ペアプロパティ参照]画面で、プライマリボリュームとセカンダリボリュームの[I/O モード]が[ブロック]であること。
- 注意
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プライマリボリュームとセカンダリボリュームのI/Oモードが両方ともブロックのときだけ、[強制]を選択してください。I/Oモードがブロック以外の場合で、GADペアを強制削除したいときは、お問い合わせください。
操作手順
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次のどちらかの方法で、[リモートレプリケーション]画面を表示します。
Hitachi Command Suiteを使用する場合:
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[リソース]タブで[ストレージシステム]ツリーを展開します。ローカルストレージシステムを右クリックし、[リモートレプリケーション]を選択します。
Storage Navigatorを使用する場合:
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[ストレージシステム]ツリーから[レプリケーション]‐[リモートレプリケーション]を選択します。
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[GADペア]タブで削除したいペアのチェックボックスを選択し、次のどちらかの方法で[ペア削除]画面を表示します。
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[他のタスク]‐[ペア削除]をクリックします。
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[アクション]メニューから[リモートレプリケーション]‐[ペア削除]を選択します。
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[選択したペア]テーブルに削除したいペアが表示されていることを確認します。
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[削除モード]で[強制]を選択します。
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[ボリュームアクセス]で、ペアを削除したあとでサーバからアクセスさせるかどうかを選択します。
ローカルストレージシステムのボリュームの仮想LDEV IDを残し、サーバからアクセスさせるときは[有効]を、ローカルストレージシステムのボリュームの仮想LDEV IDを削除し、サーバからアクセスさせないときは[無効]を選択します。
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[完了]をクリックします。
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[設定確認]画面で設定内容を確認し、[タスク名]にタスク名を入力します。
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[適用]をクリックして設定をストレージシステムに適用します。
設定した内容はタスクとしてキューイングされ、順に実行されます。
- ヒント
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ウィザードを閉じたあとに[タスク]画面を自動的に表示するには、ウィザードで[「適用」をクリックした後にタスク画面を表示]を選択して、[適用]をクリックします。
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[タスク]画面で、操作結果を確認します。
実行前であれば、[タスク]画面でタスクを一時中断したりキャンセルしたりできます。
ペアを削除したら、[リモートレプリケーション]画面で、削除したGADペアが表示されないことを確認します。
ペア削除操作の状況を確認するには、Storage Navigatorメイン画面の右上にある更新ボタンをクリックして[リモートレプリケーション]画面の情報を更新するか、[ペアプロパティ参照]画面で詳細な状態情報を表示してください。
(3) GADペアを強制的に削除する(ペアが組まれていない場合)
背景
次の場合は、[ペア強制削除(GAD)]画面を使用して、GADペアを強制的に削除します。
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ペアが組まれていないボリュームであるにも関わらず、ボリュームにペアの情報が残ってしまっていて、ほかのペアのボリュームとして使用できない。
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通信エラーでリモートストレージシステムへ接続できない。
- 注意
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[ペア強制削除(GAD)]画面で強制的にGADペアを削除した場合、ローカルストレージシステムにあるGADペアのボリュームの仮想LDEV IDは削除されます。仮想LDEV IDが削除されたボリュームは、サーバからアクセスできなくなります。
- メモ
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強制的に削除するボリュームがGADペアのボリュームとして使用されていないことを確認してください。
[リモートレプリケーション]画面の[GADペア]タブには、GADペアに使用されているボリュームが表示されます。右上にある更新ボタンをクリックして、強制的に削除するボリュームが表示されていないことを確認してください。強制的に削除するボリュームがGADペアのボリュームとして使用されているときは、[ペア削除]画面で[削除モード]に[強制]を指定して、ペアを強制的に削除してください。
- メモ
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通信エラーでリモートストレージシステムへ接続できない場合でも、ペアが組まれているときは、[ペア削除]画面で[削除モード]に[強制]を指定して、ペアを強制的に削除してください。
通信エラーでリモートストレージシステムへ接続できない場合は、リモートストレージシステムでもペアを強制的に削除してください。
前提条件
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必要なロール:ストレージ管理者(プロビジョニング)ロール
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ペアが組まれていないボリュームであること。
操作手順
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次のどちらかの方法で、[論理デバイス]画面を表示します。
Hitachi Command Suiteを使用する場合:
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[リソース]タブで[ストレージシステム]ツリーを展開します。ローカルストレージシステムの配下の[ボリューム]を右クリックし、[System GUI]を選択します。
Storage Navigatorを使用する場合:
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[ストレージシステム]ツリーから[論理デバイス]を選択します。
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-
[LDEV]タブで強制削除したいボリュームのチェックボックスを選択します。
-
次のどちらかの方法で、[ペア強制削除(GADペア)]画面を表示します。
-
[他のタスク]‐[ペア強制削除(GADペア)]をクリックします。
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[アクション]メニューから[リモートレプリケーション]‐[ペア強制削除(GADペア)]を選択します。
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ペアの情報を削除したいボリュームが[選択したLDEV]テーブルに表示されていることを確認します。
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[タスク名]にタスク名を入力します。
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[適用]をクリックして設定をストレージシステムに適用します。
設定した内容はタスクとしてキューイングされ、順に実行されます。
- ヒント
-
ウィザードを閉じたあとに[タスク]画面を自動的に表示するには、ウィザードで[「適用」をクリックした後にタスク画面を表示]を選択して、[適用]をクリックします。
-
[タスク]画面で、操作結果を確認します。
実行前であれば、[タスク]画面でタスクを一時中断したりキャンセルしたりできます。