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Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Linux®用)


2.9.3 間欠障害監視の動作

間欠障害の監視は,パスごとに実施されます。間欠障害監視は,自動フェルバックによってパスが障害から回復した時点で開始されます。

ここでは,間欠障害監視の動作を,次の場合に分けて説明します。

〈この項の構成〉

(1) 間欠障害が発生していると見なす場合

指定した監視時間内に指定した回数の障害がパスに発生した場合,間欠障害が発生していると見なし,該当するパスの監視を終了します。そして,そのパスを自動フェルバックの対象から外します。自動フェルバックの対象から外されたパスは,ユーザによるオンライン操作が成功するまで,障害状態のままです。ただし,一定の条件を満たす場合は,自動的に稼働状態(Online)になります。条件については,「図2‒11 パスの状態遷移」を参照してください。

パスに間欠障害が発生していると見なす場合の間欠障害監視の動作を次の図に示します。30分以内に3回以上障害が発生した場合に間欠障害と見なす設定をしているときの例です。時間を示す矢印上に,1つのパスに発生するイベントを記載しています。

図2‒12 パスに間欠障害が発生していると見なす場合の動作
[図データ]

(2) 間欠障害が発生していないと見なす場合

指定した監視時間内に指定した回数の障害がパスに発生しない場合,間欠障害は発生していないと見なします。その場合,監視時間が終了した段階で該当するパスの監視を終了し,カウントした障害発生回数を0に初期化します。そのあとでパスに障害が発生し,自動フェルバックによってパスが障害から回復した場合,その時点から監視を再開します。

長い間隔を置いて発生する障害を間欠障害と見なすためには,障害監視時間を延ばすか,または障害発生回数を減らしてください。

パスに間欠障害が発生していないと見なす場合の間欠障害監視の動作を次の図に示します。30分以内に3回以上障害が発生した場合に間欠障害と見なす設定をしているときの例です。時間を示す矢印上に,1つのパスに発生するイベントを記載しています。

図2‒13 パスに間欠障害が発生していないと見なす場合の動作
[図データ]

障害発生回数は,障害が発生するとカウントされます。通常は「図2‒13 パスに間欠障害が発生していないと見なす場合の動作」に示すように,間欠障害監視中に自動フェルバックによって稼働状態に回復してから,障害が発生するごとに障害発生回数がカウントされます。

(3) 間欠障害の監視中に間欠障害と見なす条件を変更した場合

間欠障害の監視中に,間欠障害と見なす条件(障害監視時間または障害発生回数)を変更した場合,それまでにカウントされた障害発生回数,および監視を開始してから経過した時間が0に初期化されます。監視は終了されないで,変更した時点から,変更後の条件での監視が開始されます。

監視時間外に条件を変更した場合,次に自動フェルバックによってパスが障害から回復した時点で,変更後の条件で監視が開始されます。

間欠障害の監視中に,間欠障害と見なす条件を変更した場合の間欠障害監視の動作を次の図に示します。間欠障害と見なす障害の発生条件を,「30分以内に3回以上」から,「40分以内に3回以上」に変更した場合の例です。時間を示す矢印上に,1つのパスに発生するイベントを記載しています。

図2‒14 間欠障害の監視中に間欠障害と見なす条件を変更した場合の動作
[図データ]

(4) 間欠障害の監視中にすべてのパスで障害が発生した場合

断線などの障害によってすべてのパスがOffline(E),Online(E)またはOffline(C)となっているLUに対してI/Oを継続して行った場合,自動フェルバックでパスが回復していなくても,間欠障害監視での障害発生回数(dlnkmgr view -path -iemコマンド実行結果のIEP欄の値)が加算されることがあります。また,これによって間欠障害が発生していなくても,間欠障害とみなし自動フェルバック対象外となる場合があります。障害回復後,該当するパスが自動フェルバック対象外となっており,オンライン状態とする場合には手動でオンライン操作を実施してください。