用語解説
(英字)
- CHA(Channel Adapter)
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ストレージシステムのチャネルを制御するアダプターです。
- CLPR(Cache Logical Partition)
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キャッシュの論理的な分割機能です。この機能を使用すると,ストレージシステム内でパリティグループ単位にキャッシュを分割するため,キャッシュ性能がほかのパリティグループの影響を受けません。
- Dev(Device)
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HDLMが制御,操作する対象で,LUを論理的に分割した単位を指します。Linuxではパーティションに相当します。
Linuxでは,各LUは複数のDevに分けて使用できます。
各Devには「Dev番号」が付けられています。
また,Devにはアクセス方式の異なるブロック型デバイスとキャラクター型デバイスの2種類があります。
(関連用語:Dev番号)
- Dev番号
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HDLMでは構成表示でのDev番号(DNum欄)を指します。
LU内の各Devに付けられる番号です。Linuxではパーティション番号と呼ばれています。
HDLMは,DevをLU単位で管理するため,「0」で固定です。
(関連用語:Dev)
- domain
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OSがXenで動作する環境です。
Xenを管理する権限があるdomainをdomain0と呼びます。domain0以外のdomainをdomainUと呼びます。
- FC-SAN(Fibre Channel - Storage Area Network)
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FCを使ったSANを指します。
- HBA(Host Bus Adapter)
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ホストと外部装置を接続するインターフェイスとなるデバイスです。
このマニュアルでは,ホストとストレージ間をFCで接続するときに,ホストに搭載するインターフェイス・カードを指します。
- HDLMアラートドライバー
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HDLMドライバーが検知した障害情報を受け取り,HDLMマネージャーに通知するプログラムです。
- HDLMドライバー
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HDLMの機能の制御,パスの管理,および障害検知をするプログラムです。
- HDLMマネージャー
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障害情報を管理するプログラムです。HDLMアラートドライバーから障害情報を受け取って,障害ログを採取します。
- IP-SAN(Internet Protocol - Storage Area Network)
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iSCSI規格を用いてホストとストレージシステムを接続する,データ転送用のネットワークです。
- KVM(Kernel-based Virtual Machine)
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Linuxのカーネル自体をハイパーバイザーとする仕組みです。QEMUを使用してゲストOSを制御します。
(関連用語:QEMU)
- LDEV(Logical Device)
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LDEVは,ストレージシステムの製品名称,シリアル番号,および内部LUを組み合わせた値で表示されます。HDLMは,この値によってLUを識別しています。
- LU(Logical Unit)
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論理ユニットです。ストレージシステム側で定義した,論理的なボリュームです。ホストからの入出力対象となります。
(関連用語:ホストLU)
- QEMU
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ホストのシステム全体を対象とした仮想エミュレーターです。
(関連用語:KVM)
- SAN(Storage Area Network)
-
ホストとストレージシステムを結ぶ高速ネットワークです。LANとは独立していて,データ転送専用に使用されます。SANを使用することで,ストレージシステムへのアクセスを高速化できます。また,大容量のデータが流れてLANの性能が劣化することを防げます。
- SCSIデバイス
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SCSIディスクのデバイスです。
- SLPR(Storage Logical Partition)
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ストレージシステムの論理的な分割機能です。この機能を使用すると,ストレージシステム内のリソース(ポート,CLPR,ボリュームなど)を分割するため,それぞれのリソースを独立して管理できます。
- Xen
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Linux上で仮想化環境を提供するソフトウェアです。
(ア行)
- エミュレーションタイプ
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ホストからアクセスできるLUの種類です。
HDLMのホストはオープン系ホスト(PC,またはUNIX)であるため,HDLMのホストからは,オープン系のエミュレーションタイプを持つLUにだけアクセスできます。
ストレージシステムがサポートするエミュレーションタイプの詳細については,各ストレージシステムの保守マニュアルを参照してください。
- オーナーパス
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次のパス以外はすべてオーナーパスになります。
・global-active deviceを使用している場合のノンオーナーパス
(関連用語:ノンオーナーパス)
(カ行)
- 間欠障害
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ケーブルの接触不良などが原因で,断続的に発生する障害です。
- クラスター
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同一のOS,またはプラットフォーム(同一のアプリケーションを動作できる環境)を持つ2台以上のホストを接続して,1つのシステムとして扱うシステムです。
(サ行)
- 自動フェールバック
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一定間隔でパスの状態を確認し,障害が発生したパスの状態が回復したときに,パスの状態を自動的に稼働状態にする機能です。
「Offline(E)」状態,または「Online(E)」状態だったパスが正常に戻った場合,パスの状態を「Online」にします。
自動フェールバックの対象となるのは,障害が原因で「Offline(E)」状態,または「Online(E)」状態になっているパスです。offlineオペレーションを実行して「Offline(C)」状態になったパスは,自動フェールバックの対象になりません。offlineオペレーションについては,「6.4 offline パスを閉塞状態にする」を参照してください。
(ナ行)
- ノード
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クラスターメンバのサーバーです。
- ノンオーナーパス
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次のパスがノンオーナーパスになります。
・global-active deviceを使用している場合に,non-preferred path optionを設定しているパス
(関連用語:オーナーパス)
(ハ行)
- パーシステントリザーブ
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リザーブと同様,あるサーバーが1つのLUを占有したい場合,そのLUに対して占有を宣言し,ほかのサーバーからそのLUにアクセスできないように保護する機能です。ただし,リザーブはパス1本を占有しますが,パーシステントリザーブは複数のパスを占有できます。
したがって,HDLMがパーシステントリザーブを支援する場合,複数のパスを占有できるため,占有した複数のパスでロードバランスができるようになります。
(関連用語:リザーブ)
- ハイパーバイザー
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ホストの仮想化を実現するソフトウェアです。
- パス
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ホストからストレージシステムへのアクセス経路です。ホスト側のHBAと,ストレージシステム側のCHAを結ぶケーブルを経由して,ストレージシステム側のLU内の領域にアクセスします。
各パスには「パス管理PATH_ID」が付けられています。
(関連用語:パス管理PATH_ID)
- パス管理PATH_ID
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HDLMがシステム起動時にパスに付けるIDです。すべてのパスが固有のパス管理PATH_IDを持ちます。
(関連用語:パス)
- パスヘルスチェック
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一定間隔でパスの状態を確認する機能です。
「Online」状態だったパスに障害が発生した場合,パスの状態を「Offline(E)」にします。パスヘルスチェックの対象となるのは,「Online」状態のパスです。
- パス名
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次に示す4つの項目をピリオドで区切って表される名前です。
・ホストポート番号(16進数)
・バス番号(16進数)
・ターゲットID(16進数)
・ホストLU番号(16進数)
パス名で物理パスを特定してください。
(関連用語:ホストLU番号)
- ブートディスク環境
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起動ディスクを,ホストではなくストレージシステムに置く環境です。
- フェールオーバー
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あるパスに障害が発生したときに,ほかの正常なパスに切り替えてシステムの運用を続ける機能です。
- フェールバック
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障害が発生していたパスが障害から回復したときに,障害から回復したパスの状態を稼働状態にして,パスを切り替える機能です。
- 物理パス
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ホストからLUまでのアクセス経路です。物理パスは,パス名で特定してください。
- ホスト
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サーバー,およびクライアントの総称です。
- ホストLU
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ホストが認識するLUです。
各ホストLUには「ホストLU番号」が付けられています。
(関連用語:LU,ホストLU番号,ホストデバイス)
- ホストLU番号
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ホストLUに付けられている番号です。パス名の一部になります。
(関連用語:ホストLU,パス名)
- ホストデバイス
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ホストLU内の領域です。
(関連用語:ホストLU,ホストデバイス名)
- ホストデバイス名
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ホストデバイスに付けられている名前です。ホストデバイス名には,HDLMデバイスの論理デバイスファイル名が割り当てられます。
(関連用語:ホストデバイス)
(ラ行)
- リザーブ
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あるホストが1つのLUを占有したい場合,そのLUに対して占有を宣言し,ほかのホストからLUにアクセスできないように保護する機能です。リザーブを発行したホストには,そのリザーブを発行したパスにLUへのアクセス許可が与えられるため,複数のパスで同時にLUにアクセスできません。そのため,ロードバランスはできません。
(関連用語:パーシステントリザーブ)
- ロードバランス
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LU内の領域にアクセスするパスが複数ある場合,それらの複数のパスを使用してI/Oを行うことで,パスに掛かる負荷を分散する機能です。
次に示す6つのアルゴリズムがあります。
・ラウンドロビン
・拡張ラウンドロビン
・最少I/O数
・拡張最少I/O数
・最少ブロック数
・拡張最少ブロック数
- 論理デバイスファイル
-
/dev下にある論理デバイスファイルです。
ただし,ここでいう「論理デバイス」は,LDEVではありません。