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Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Linux®用)


2.7 ロードバランスによる負荷分散

LUに対して複数のパスが接続されている構成の場合,複数のパスを使用してI/Oを発行することで,パスに掛かる負荷を分散します。この機能をロードバランスと呼びます。この機能によって,1つのパスに負荷が偏ってシステム全体の性能が劣化することを防げます。

ただし,HDLMが管理するI/Oには,パスごとに分配できるI/Oと分配できないI/Oがあります。したがって,ロードバランス機能を使用してもパスごとにI/Oが均等に割り振られない場合があります。

ロードバランス機能を使用していないときのI/Oの流れを「図2‒7 ロードバランス機能を使用していない場合のI/Oの流れ」に,ロードバランス機能を使用しているときのI/Oの流れを「図2‒8 ロードバランス機能を使用している場合のI/Oの流れ」に示します。どちらの図も,複数のアプリケーションから同一のLUにI/Oが発行された場合の例です。

図2‒7 ロードバランス機能を使用していない場合のI/Oの流れ
[図データ]

ロードバランス機能を使用していない場合,(A)のパスにI/Oが集中して発行されます。(A)のパスへの負荷がボトルネックとなり,システム全体の性能が劣化する場合があります。

図2‒8 ロードバランス機能を使用している場合のI/Oの流れ
[図データ]

ロードバランス機能を使用している場合,I/Oは(A),(B),(C),(D)のパスへ分散して発行されます。1つのパスに負荷が偏ってシステム全体の性能が劣化することを防げます。

〈この節の構成〉