Hitachi

 Hitachi Dynamic Link Manager EX ユーザーズガイド(AIX用)


3.5.7 HDLM 05-63以前またはHDLM 05-80以降からHDLM EXへの移行

HDLM EXへ移行すると,HDLMドライバで制御できる論理デバイスファイルが,HDLMデバイス(dlmfdrvn)からhdiskに変わります。ユーザーアプリケーションがHDLMで管理するLUを扱っている場合,適宜ユーザーアプリケーションを修正してください。

  1. AIXに,root権限を持つユーザでログインします。

    • バーチャルI/Oサーバを使用している場合は,バーチャルI/Oサーバのマニュアルを参照してAIXにログインしてください。

    • バーチャルI/Oサーバを使用していない場合は,手順10に進んでください。

  2. 適用されている仮想SCSIディスク認識方式を確認します。

    HDLM動作ODM設定ユティリティdlmodmset)を実行して,unique_idの値を確認します。

    HDLM 05-63がインストールされている場合の実行例を次に示します。

    # dlmodmset -o
    Inquiry Log             : on
    Inquiry Log File Size   : 1000
    hdisk error check flag  : on
    HDLM pbuf count         : 16384
    Lun Reset               : off
    unique_id               : off
    HDLM Subclass           : node
    KAPL10800-I The dlmodmset utility completed normally.
    #

    unique_idがonの場合はunique_id方式が適用されています。offの場合はPVID方式が適用されています。unique_id方式が適用されている場合は手順8に進んでください。

  3. 次のコマンドを実行して,HDLM管理対象hdiskの仮想SCSIディスクを使用しているボリュームグループを活動化します。

    # varyonvg ボリュームグループ名
  4. 次に示すコマンドを実行して,クライアント論理区画上でボリュームグループ配下のファイルシステムをマウントします。

    # mount ファイルシステムのマウントポイント
  5. 次に示すコマンドを実行して,クライアント論理区画上でボリュームグループをバックアップします。

    # savevg -i -f 任意のファイル名またはデバイス名 ボリュームグループ名
  6. 次に示すコマンドを実行して,クライアント論理区画上でファイルシステムをアンマウントします。

    # umount ファイルシステムのマウントポイント
  7. 次に示すコマンドを実行して,クライアント論理区画上でボリュームグループを削除します。

    # reducevg -df ボリュームグループ名 hdisk名
  8. 次に示すコマンドを実行して,クライアント論理区画上の仮想SCSIディスクを削除します。

    # rmdev -dl hdisk名
  9. 次に示すコマンドを実行して,バーチャルI/Oサーバ上の仮想ターゲットデバイスを削除します。

    $ rmdev -dev vtscsin
  10. DVD-ROMをセットします。

  11. DVD-ROMをマウントするディレクトリがない場合は,DVD-ROMをマウントするディレクトリを作成します。

    # mkdir /cdrom

    cdromは任意のディレクトリ名です。以降は,名称を変えないでcdromとして説明します。

  12. DVD-ROMをマウントします。

    # mount -r -v cdrfs /dev/cd0 /cdrom

    /dev/cd0の部分はシステムによって変わります。

  13. HDLMの設定情報をバックアップします。

    HDLMを移行したあとに設定情報が正しく引き継がれたかどうかを確認するため,設定情報を個別のファイルに保存してください。

    • HDLMの環境設定情報を保存します。

      # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -sys > 任意のファイル名
    • HDLM動作ODMの設定を保存します。

      # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmodmset -o > 任意のファイル名
  14. HDLMの設定をバックアップします。

    HDLM移行支援ユティリティdlmmigsts)を実行して,HDLMの環境設定情報とHDLM動作ODMの設定情報を保存します。dlmmigstsティリティについては,「7.5 dlmmigsts HDLM移行支援ユティリティ」を参照してください。

    # /cdrom/HDLM_AIX/hdlmtool/dlmmigsts -b -odm /tmp/任意のディレクトリー/odm環境設定ファイル名 -set /tmp/任意のディレクトリー/set環境設定ファイル名

    また,必要に応じて,使用しているアプリケーションの情報をバックアップしてください。

  15. HDLMをアンインストールします。

    アンインストールするバージョンのHDLMマニュアルを参照してください。

    また,HDLM EXではhdiskの削除が必要なので,手順17を行う前にデバイス構成(cfgmgrコマンド)は行わないでください。

  16. HDLM EXを新規インストールします。

    3.5.3 HDLMの新規インストール」の(1) ローカルブートディスク環境にインストールする場」の手順4~手順10を行ってください。なお,手順2~3を実行する必要はありません。

  17. dlmmigstsティリティを実行して,手順14で保存したHDLMの環境設定情報とHDLM動作ODMの設定情報を元に戻します。

    # /cdrom/HDLM_AIX/hdlmtool/dlmmigsts -r -odm /tmp/任意のディレクトリー/odm環境設定ファイル名 -set /tmp/任意のディレクトリー/set環境設定ファイル名

    dlmmigstsティリティについては,「7.5 dlmmigsts HDLM移行支援ユティリティ」を参照してください。

  18. 次に示すコマンドを実行して,デバイスを構成します。

    # cfgmgr
  19. HDLMの設定情報が正しく引き継がれていることを確認します。

    • HDLMの環境設定情報が正しく引き継がれたことを確認します。

      次に示すコマンドを実行して,手順13で保存したHDLMの設定情報と比較してください。

      # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -sys
    • HDLM動作ODMの設定情報が正しく引き継がれたことを確認します。

      次に示すコマンドを実行して,手順13で保存したHDLM動作ODMの設定情報と比較してください。

      # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmodmset -o

    HDLMの設定情報が正しく引き継がれていた場合は,手順21に進んでください。

  20. HDLMの設定情報が正しく引き継がれていない場合は,次に示すコマンドを実行します。

    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmrmdev

    odm環境設定ファイル名およびset環境設定ファイル名を確認してください。それから,正しいファイル名を指定して再度手順17から実行してください。

  21. odm環境設定ファイルおよびset環境設定ファイルを削除します。

    # rm -r /tmp/odm環境設定ファイルを格納した任意のディレクトリー
    # rm -r /tmp/set環境設定ファイルを格納した任意のディレクトリー
  22. 3.5.3 HDLMの新規インストール」の(1) ローカルブートディスク環境にインストールする場」の手順15以降の操作を行います。

  23. 手順5を行った場合,バックアップしたボリュームグループをリストアします。

    # restvg -f 任意のファイル名またはデバイス名 hdisk名
  24. 3.6 パス構成の確認 」に記述されている手順に従ってパス構成を確認してください。

  25. DVD-ROMをアンマウントします。

    # umount /cdrom
  26. 手順11でマウントディレクトリを作成した場合は,作成したマウントディレクトリを削除します。

    # rm -r /cdrom