Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Solaris用)

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3.7.4 ZFSブートディスク環境の作成(Solaris 10およびSolaris 11の場合)

Solaris 10およびSolaris 11.0~11.4 の場合に,HDLM ZFSブートディスク環境移行ユティリティ(dlmmkboot)を使用してZFSブートディスク環境を作成する手順について説明します。

図3-22 ZFSブートディスク環境構築の流れ(Solaris 10およびSolaris 11の場合)

[図]

  1. ブートディスク環境を作成する準備をします。
  2. ZFS上にある ローカルブートディスク環境をストレージシステム上のLU(HDLMデバイス)に移行します。

注意事項
  • 移行先デバイスに対し動的パス削除を行っている場合,再構成リブートを行ったあとにブートディスク環境の構築を行ってください。
    # reboot -- -r
  • ベリファイドブートの設定がenforceの場合は,HDLMドライバがロードされないため,ブートディスク環境が構築できません。また,ブートディスク環境を運用しているときに,ベリファイドブートの設定をenforceにした場合は,再起動すると,HDLMドライバがロードできないため,カーネルパニックが発生します。この場合は,ベリファイドブートの設定をnoneまたはwarningにするか,もしくは,「3.17 ベリファイドブートを適用しているシステムの設定」の手順に従って,HDLMドライバの証明書をシステムに設定してください。
  • dlmmkbootユティリティを実行すると,移行前のブートディスクをブートデバイスに再設定しても,移行前のディスクから起動することはできません。ZFSブートディスク構築を作成する前に,移行前のブートディスク環境のバックアップをarchiveadmコマンドなどで必ず取得してください。
この項の構成
(1) ブートディスク環境を作成する準備をする
(2) ローカルブートディスク環境をストレージシステムのLU上(HDLMデバイス)に移行する

(1) ブートディスク環境を作成する準備をする

ローカルブートディスク環境をストレージシステムのLU上(HDLMデバイス)に移行する前に,次の準備をしてください。

  1. ローカルブートディスクと同じ容量のブートディスク用のLUが1つ必要となります。あらかじめ,ストレージシステム上に作成します。
  2. 手順1で用意したLUをHDLMの管理下にします。
  3. Solaris 11の場合は,「3.17 ベリファイドブートを適用しているシステムの設定」の手順に従って,ベリファイドブートに関するHDLMドライバの証明書をシステムに設定します。

(2) ローカルブートディスク環境をストレージシステムのLU上(HDLMデバイス)に移行する

dlmmkbootユティリティを使用して,ローカルブートディスク環境をストレージシステムのLU上(HDLMデバイス)に移行します。dlmmkbootユティリティについては,「7.5 dlmmkboot HDLM ZFSブートディスク環境移行ユティリティ」を参照してください。

  1. dlmmkbootユティリティを実行して,ブートディスク環境を移行します。
    /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmmkboot -d HDLMデバイス名
    ブートディスク用のHDLMデバイス名をc6t50060E8010027A80d7とした場合の例を次に示します。
    # /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmmkboot -d c6t50060E8010027A80d7
     
    -rを指定してdlmmkbootユティリティを実行した場合,ホストを再起動して,移行後の環境からブートします。
    -sを指定しないでdlmmkbootユティリティを実行した場合,途中でコマンド実行の確認メッセージが表示されます。確認メッセージに対して,コマンドを実行する場合は「y」を,実行しない場合は「n」を入力してください。
    あとからZFSブートディスク環境名を確認する手順については,「3.6.2 ブートディスク環境の構築の手順」の「(5) 移行後の環境を構築する」手順11を参照してください。
    また,dlmmkbootユティリティは,zpool attachコマンドを実行して移行前と移行後のディスクをミラー化します。このユティリティは,再同期化(resilver)が完了すると,zpool detachコマンドを実行して移行前のディスクを切り離します。再同期化が完了するまでには,数分から十数分掛かります。
  2. 再同期化の進捗状況を確認する場合は,dlmmkbootユティリティを実行している端末とは別の端末で,zpool statusコマンドを実行します。zpool statusコマンドで進捗状況を確認する場合の実行例については,「7.5.4 ユティリティの実行状況の確認」の「(2) 別の端末でzpool statusコマンドを実行した場合の出力例」を参照してください。
  3. dlmmkbootユティリティをリブートしない指定(-rを省略)で実行した場合は,initコマンドを実行して,ホストを再起動します。
     
    # init 6
     
    ホストを再起動するとき,rebootコマンドは使わないでください。