Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Solaris用)

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3.7.1 ZFSファイルシステムを使用したブートディスク環境について

HDLMは,ZFSファイルシステムのブートディスクをストレージシステム上に構築した環境をサポートします。このようなブートディスク環境を,ZFSブートディスク環境と表記します。

ここでは,ZFSファイルシステム上のブートディスク環境を構築する3とおりの手順の概要について説明します。移行前のブートディスクがローカルディスクではなく,ストレージシステム上のHDLM管理対象外のディスクでも,同じ手順でHDLMが管理するZFSブートディスク環境に移行することができます。

この項の構成
(1) Solaris 10のコマンドを使用する手順
(2) HDLM ZFSブートディスク環境構築支援ユティリティ(dlmzfsboot)を使用する手順
(3) HDLM ZFSブートディスク環境移行ユティリティ(dlmmkboot)を使用する手順

(1) Solaris 10のコマンドを使用する手順

対象OS:Solaris 10

手順の概要:

  1. HDLMデバイス上に移行後のルートプールを作成します。
  2. dlmpresanbootユティリティを実行します。
  3. lucreateコマンドを実行して,移行前のブート環境をHDLMデバイスにコピーします。
  4. dlmpostsanbootユティリティを実行します。
  5. HDLMデバイスをブートデバイスに設定します。
  6. ホストを再起動します。
  7. 移行後のブートディスク環境を構築します。
    移行前の/exportおよび/export/homeディレクトリ下のデータを移行後の環境にコピーします。

手順の詳細については,「3.7.2 ZFSブートディスク環境の作成(Solaris 10の場合)」を参照してください。

(2) HDLM ZFSブートディスク環境構築支援ユティリティ(dlmzfsboot)を使用する手順

対象OS:Solaris 11.0 ~11.3

Solaris 11.4では,beadmコマンドで移行前のブート環境をHDLMデバイスにコピーできないため,この手順は使用できません。「(3) HDLM ZFSブートディスク環境移行ユティリティ(dlmmkboot)を使用する手順」を使用してください。

手順の概要:

  1. HDLMデバイス上に移行後のルートプールを作成します。
  2. dlmzfsbootユティリティを実行します。
    dlmzfsbootユティリティを実行すると,次の処理が自動で実行されます。
    • dlmpresanbootユティリティを実行します。
    • beadmコマンドを実行して,移行前のブート環境をHDLMデバイスにコピーします。
    • dlmpostsanbootユティリティを実行します。
    • HDLMデバイスをブートデバイスに設定します。
  3. ホストを再起動します。
  4. 移行後のブートディスク環境を構築します。
    • スワップデバイスおよびダンプデバイスをZFSブートディスク環境に移行します。
    • 移行前の/exportおよび/export/homeディレクトリ下のデータを移行後の環境にコピーします。

手順の詳細については,「3.7.3 ZFSブートディスク環境の作成(Solaris 11.0~11.3の場合)」を参照してください。

(3) HDLM ZFSブートディスク環境移行ユティリティ(dlmmkboot)を使用する手順

対象OS:Solaris 10,Solaris 11.0 ~11.4

Solaris 11.4では,この手順を使用してください。Solaris 10およびSolaris 11.0~11.3でも,この手順でブートディスク環境を構築できます。

手順の概要:

  1. dlmmkbootユティリティを実行します。
    dlmmkbootユティリティを実行すると,次の処理が自動で実行されます。
    • dlmpresanbootユティリティを実行します。
    • zpool attachコマンドを実行して,移行前のディスクとHDLMデバイスをミラー化します。
    • zpool detachコマンドを実行して,ミラーから移行前のディスクを切り離します。
    • dlmpostsanbootユティリティを実行します。
    • HDLMデバイスをブートデバイスに設定します。
  2. ホストを再起動します。

手順の詳細については,「3.7.4 ZFSブートディスク環境の作成(Solaris 10およびSolaris 11の場合)」を参照してください。

Solaris 10のコマンドを使用する手順およびdlmzfsbootユティリティを使用する手順との相違点: