Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Solaris用)

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3.5.8 HDLMのアップグレードまたは再インストール

HDLMの再インストール時に,KAPL09142-EがErrorCode=31,2で出力された場合は,以下の操作を実行してください。lsコマンドの結果がNo such file or directoryの場合は,JDKをインストールしたあと,HDLMを再インストールしてください。

# cat /opt/HDVM/HBaseAgent/agent/config/server.properties | grep JRE
server.agent.JRE.location=JDKインストール先ディレクトリ

# ls -l JDKインストール先ディレクトリ
JDKインストール先ディレクトリ : No such file or directory

lsコマンドの結果がNo such file or directoryとなった場合は,JDKがインストールされていません。

HDLM 05-00以降がインストールされているホストには,アップグレードインストールできます。05-00より前のHDLMを使用している場合,「3.18 HDLMの設定解除」を参照してアンインストールしてから,HDLMを新規インストールしてください。

05-40より前のバージョンのHDLMをアップグレードインストールする場合,またはライセンスの有効期限が切れている場合は,ライセンスキーファイル,またはライセンスキーの入力が必要です。

Solaris11.3以降でHDLMを8.8.0より前のバージョンからアップグレードする場合は,「A.1 8.7.6-03以降と8.7.6-03より前のバージョンとの機能差異」を参照してください。

JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合,手順1から手順2までを,HDLMをインストールするすべてのホストに対して実行してから,手順3に進んでください。

注意事項
  • アップグレードまたは再インストール中はHDLMマネージャが停止するため,障害ログは出力されません。また,HDLMの機能の設定もできなくなります。アップグレードまたは再インストール後は,すぐにホストを再起動してください。
  • アップグレードまたは再インストールは中断しないでください。
  • HDLM性能情報表示ユティリティ(dlmperfinfo)を実行中の場合は,[Ctrl]+[C]でdlmperfinfoユティリティを中止してからアップグレードまたは再インストールを実行してください。

  1. ライセンスキーファイルがある場合は,/var/tmp/直下にライセンスキーファイルを「hdlm_license」という名称で格納します。
     
    /var/tmp/hdlm_license
     
    ライセンスの更新が必要な状態で,/var/tmp/hdlm_licenseファイルがない場合,手順6でライセンスキーの入力が要求されます。
    JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合は,手順2に進んでください。HDLMをリモートインストールしない場合は,手順3に進んでください。

    注意事項
    • ライセンスはライセンスキーまたはライセンス キーファイルで提供されます。提供されたライセンスキーファイルを編集しないでください。
      提供されたライセンスキーをライセンスキーファイルに格納しても,有効なライセンスキーファイルにはなりません。
    • JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合を除いて,ユーザ任意のディレクトリ,ファイル名でライセンスキーファイルを格納できます。ただし,そのライセンスキーファイルはインストールが終了しても削除されないため,不要な場合はインストール終了後に手動で削除してください。
    • ライセンスキーファイルの絶対パスとして入力可能な文字列(半角)は次のとおりです。
      大小英字,数字,一部の特殊文字(/ ! # + - . = @ _ ~
    • HDLMをサイレントインストールする場合を除いて,ユーザ任意のライセンスキーファイルを指定するときに/var/tmp/hdlm_licenseと入力したときは,そのライセンスキーファイルはインストール終了後に削除されます。
  2. JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合は,HDLMのパッケージを登録した配布管理システムで,次のコマンドを実行します。
     
    # rdsdmind -x
     
    配布指令で指定したすべてのホストにHDLMがインストールされます。
    インストールが完了したら手順6に進んでください。手順6以降の操作は,HDLMをインストールしたすべてのホストに対して実施してください。
  3. HDLMをリモートインストールしない場合は,Solarisにroot権限を持つユーザでログインします。
  4. DVD-ROMをセットします。
    数秒後にDVD-ROMが自動的にマウントされ,ファイル一覧にDVD-ROMのマウントポイントが表示されます。
    DVD-ROMが自動的にマウントされなかった場合は,次に示すコマンドを実行して,DVD-ROMをマウントしてください。
     
    # mount -F hsfs -o ro DVD-ROMのデバイス名 DVD-ROMのマウントポイント
     
    コマンドの実行例を次に示します。
     
    # mkdir /cdrom/cdrom0
    # mount -F hsfs -o ro /vol/dev/dsk/c0t6d0/DVD-ROMのボリューム名 /cdrom/cdrom0
     
  5. インストールを実行します。
    • HDLMをサイレントインストールしない場合は,次に示すインストールコマンドを実行します。
      # DVD-ROMのマウントポイント/HDLM_Solaris/installhdlm

      installux.shスクリプトを実行する場合
      # DVD-ROMのマウントポイント/installux.sh
    • HDLMをサイレントインストールする場合は,-fパラメタでインストール情報設定ファイルを設定してください。
      # DVD-ROMのマウントポイント/HDLM_Solaris/installhdlm -f /任意のディレクトリ/インストール情報設定ファイル

      installux.shスクリプトを実行する場合
      # DVD-ROMのマウントポイント/installux.sh -f /任意のディレクトリ/インストール情報設定ファイル
      問題がない場合は,KAPL09211-Iのメッセージが出力されます。
      KAPL09211-Iのメッセージが出力されたら,インストール情報設定ファイルを削除してください。
      # rm -r /任意のディレクトリ/インストール情報設定ファイル
      インストール情報設定ファイルのrestartキーで,n(再起動しない)を指定した場合は,手順8へ進んでください。
      インストール情報設定ファイルのrestartキーで,y(再起動する)を指定した場合は,手順9へ進んでください。
  6. ライセンスキーファイルがない場合は,インストール実行中にライセンスキーについてのメッセージが表示されるので,メッセージに従って操作してください。
    ライセンスの更新が必要な状態で,あらかじめ/var/tmp/hdlm_licenseという名称でライセンスキーファイルを格納していない場合は,ユーザ任意のライセンスキーファイルを格納しているかどうかのメッセージが出力されます。格納している場合は「1」を,直接ライセンスキーを入力する場合は「2」を入力してください。
    • 「1」または「2」以外を3回入力するとインストールが中止されるので,注意してください。
    「1」を入力した場合はユーザ任意のライセンスキーファイルを絶対パスで指定します。
    • 絶対パスの入力を3回失敗するとインストールが中止されるので,注意してください。
    「2」を入力した場合,ライセンスキーの入力を促すメッセージが表示されるので,ライセンスキーを入力してください。
    • ライセンスキーを入力すると,ライセンスがインストールされた旨のメッセージが表示されます。
    • ライセンスキーの入力に3回失敗するとインストールが中止されるので,注意してください。
  7. 次に示すコマンドを実行して,パッケージがインストールされていることを出力結果のバージョン番号で確認します。
    コマンドの実行例を次に示します。

    Solaris 10の場合
     
    # pkginfo -l DLManager
       PKGINST:  DLManager
          NAME:  Dynamic Link Manager
      CATEGORY:  system
          ARCH:  sparc
       VERSION:  xx.x.x.xxxx
       BASEDIR:  /
        VENDOR:  
        ...
    #
     

    Solaris 11の場合
     
    # pkg info DLManager
     Name: DLManager
     Summary: Dynamic Link Manager
     State: Installed
     Publisher: Hitachi
     Version: x.x.x.x
     Build Release: 5.11
     ...
    #
     
  8. 次に示すHDLMドライバ構成定義ファイル作成ユティリティ(dlmsetconf)を実行して,HDLMドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.conf)とHDLMドライバ非構成定義ファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/dlmfdrv.unconf)を作成します。
     
    # /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmsetconf
    KAPL10242-I To configure HDLM, device files of sd/ssd devices managed by HDLM are removed after reboot.
                Do you want to continue? [y/n]:y
    KAPL10204-I dlmsetconf completed successfully. 
    dlmsetconfユティリティを実行するとKAPL10242-Iのメッセージが出力されるので,「y」を入力してください。
    HDLMドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.conf)には,物理パスがアクセスするLUの情報が定義されます。HDLMドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.conf)は,編集しないでください。

    注※
    パスの構成が変更されていない場合,dlmsetconfユティリティを実行する必要はありません。ただし,7.2.0以前のHDLMをアップグレードインストールした環境では,パスの構成が変更されていない場合でも,dlmsetconfユティリティを実行してください。
  9. 再構成オプションを指定して,ホストを再起動します。

    Solaris Clusterを使用していない場合
    次に示すコマンドのうち,どちらかを実行してください。
    • # reboot -- -r
    • okプロンプトで,boot -r

    Solaris Clusterを使用している場合
    任意の1台のノードで,次のコマンドを実行してください。
    # /usr/cluster/bin/cluster shutdown -g0 -y
    
    そのあと,すべてのノードで次に示すコマンドを実行してください。
     
    okプロンプトで,boot -r
     

    注意事項
    ホストの再起動は,アップグレードまたは再インストールが正常に行われたことを確認したあと,すぐに実施してください。
  10. HDLMコマンドのviewオペレーションを実行して,各プログラムの状態を表示します。
    コマンドの実行例を,次に示します。
     
    # /opt/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -sys
    HDLM Version                 : x.x.x-xx
    Service Pack Version         : 
    Load Balance                 : on(rr)
    Support Cluster              :
    Elog Level                   : 3
    Elog File Size (KB)          : 9900
    Number Of Elog Files         : 2
    Trace Level                  : 0
    Trace File Size(KB)          : 1000
    Number Of Trace Files        : 4
    Path Health Checking         : on(30)
    Auto Failback                : off
    Intermittent Error Monitor   : off
    Dynamic I/O Path Control     : off(10)
    HDLM Manager Ver         WakeupTime
    Alive        x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    HDLM Alert Driver Ver         WakeupTime          ElogMem Size
    Alive             x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss 4096
    HDLM Driver Ver         WakeupTime
    Alive       x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    License Type Expiration
    Permanent    -
    KAPL01001-I The HDLM command completed normally. Operation name = view, completion time = yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    #
     
    • 各機能の設定値は,更新前のものが引き継がれます。
      HDLM 05-00またはHDLM 05-01をアップグレードインストールした場合,アップグレード前のロードバランスの設定値が「on」のときは「on」,アルゴリズムは「rr」(ラウンドロビン)になります。HDLM 05-02以降をアップグレードインストールした場合,アップグレード前のロードバランスの設定値が「on」のときは,ロードバランスの設定値とアルゴリズムを引き継ぎます。ロードバランスのアルゴリズムには,ラウンドロビンのほかに拡張ラウンドロビン,最少I/O数,拡張最少I/O数,最少ブロック数,および拡張最少ブロック数があります。「3.11.2 機能の設定」を参照して,必要に応じてロードバランスのアルゴリズムを選択してください。
    • クラスタソフトウェアを使用していても,「Support Cluster」には表示されません。しかし,クラスタ対応機能は問題なく動作します。
  11. viewオペレーションの実行結果からインストールされたHDLMのバージョンを確認します。
    HDLM Version」に「x.x.x-xx」が表示されていれば,正しいバージョンがインストールされています。x.x.x-xxにはインストールされたHDLMのバージョンが表示されます。
  12. viewオペレーションの実行結果からプログラムが正常に動作しているか確認します。
    HDLM Manager」,「HDLM Alert Driver」,「HDLM Driver」がすべて「Alive」であれば,プログラムが正常に動作しています。