Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Solaris用)

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A.1 8.7.6-03以降と8.7.6-03より前のバージョンとの機能差異

Solaris11.3以降ではOSがコントローラ番号c10を予約するようになりました。

8.7.6-03より前のバージョンではHDLMでコントローラ番号c10を使用する可能性がありましたが,8.7.6-03以降ではc10を使用しないようにしました。

8.7.6-03より前のバージョンから更新インストールをされた場合で,HDLMでc10を使用していた場合は次の手順で別のコントローラ番号に変更してください。

ただし,HDLMのブートディスクのコントローラ番号がc10の場合は,コントローラ番号の変更は行わず,そのままご使用ください。

この節の構成
A.1.1 HDLMでコントローラ番号c10を使用しているかどうかを確認する方法
A.1.2 コントローラ番号をc10から別の番号に変更する手順

A.1.1 HDLMでコントローラ番号c10を使用しているかどうかを確認する方法

次のコマンドを実行します。

# ls -l /dev/cfg/c10
lrwxrwxrwx 1 root root 37 Apr  8 13:58 /dev/cfg/c10 -> ../../devices/pseudo/dlmndrv@3:devctl

リンク先のファイルパスにdlmndrvという文字列が含まれている場合はHDLMでc10を使用しています。

A.1.2 コントローラ番号をc10から別の番号に変更する手順

この手順を実行すると,現在使用中のHDLMデバイス名が変更されます。

この手順を実行した後に,上位アプリケーションに設定しているHDLMデバイス名の変更が必要です。

  1. コントローラ番号c10のHDLMデバイスを使用している上位アプリケーションを停止する。/etc/vfstabにHDLMデバイスに対するオートマウントの定義がある場合は外しておく。
  2. コントローラ番号c10のHDLMデバイスに対応したLUをマッピング解除やスイッチ操作などによりサーバから見えなくする。
  3. 再構成リブートを伴う構成変更を実施する。
    コントローラ番号c10のHDLMデバイスを以下のコマンドを実行して削除する。
    # /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmsetconf
    # reboot -- -r
    
  4. HDLMが使用しているc10以降のコントローラ番号を,使用中のコントローラ番号の最大値+2以降に変更する。
    HDLMが作成した/dev/cfg配下のcNファイルを変更する。
    HDLMがc10を作成していると,/dev/cfg配下に作成されているcNの最大値+1は使用できないため,最大値+2以降に変更する。このとき,変更後のコントローラ番号が変更前と同じ順序になるようにする。
    次にコントローラ番号の変更例を示す。この例のように,コントローラ番号をc10以外に変更する。

    HDLMがc10,c11,c12,c13を使用している場合の例(この例では,c11c12c13はHDLMの副パスに対応しているため,c11,c12,c13のHDLMデバイスは存在しません。)
    # ls -la /dev/cfg
    …
    lrwxrwxrwx 1 root root 63 Mar 29 10:26 c6 -> ../../devices/pci@8100/pci@4/pci@0/pci@9/qlc@0,2/fp@0,0:fc
    lrwxrwxrwx 1 root root 64 Mar 29 10:26 c7 -> ../../devices/pci@8100/pci@4/pci@0/pci@9/qlc@0,12/fp@0,0:fc
    lrwxrwxrwx 1 root root 57 Mar 29 10:26 c8 -> ../../devices/pci@8100/pci@4/pci@0/pci@1/emlx@0/fp@0,0:fc
    lrwxrwxrwx 1 root root 59 Mar 29 10:26 c9 -> ../../devices/pci@8100/pci@4/pci@0/pci@1/emlx@0,1/fp@0,0:fc
    lrwxrwxrwx 1 root root 37 Apr  8 13:58 c10 -> ../../devices/pseudo/dlmndrv@3:devctl
    lrwxrwxrwx 1 root root 37 Apr  8 13:58 c11 -> ../../devices/pseudo/dlmndrv@4:devctl
    lrwxrwxrwx 1 root root 37 Apr  8 13:58 c12 -> ../../devices/pseudo/dlmndrv@5:devctl
    lrwxrwxrwx 1 root root 37 Apr  8 13:58 c13 -> ../../devices/pseudo/dlmndrv@6:devctl
    
    # mv /dev/cfg/c10 /dev/cfg/c15
    # mv /dev/cfg/c11 /dev/cfg/c16
    # mv /dev/cfg/c12 /dev/cfg/c17
    # mv /dev/cfg/c13 /dev/cfg/c18
    
    # ls -la /dev/cfg
    …
    lrwxrwxrwx 1 root root 63 Mar 29 10:26 c6 -> ../../devices/pci@8100/pci@4/pci@0/pci@9/qlc@0,2/fp@0,0:fc
    lrwxrwxrwx 1 root root 64 Mar 29 10:26 c7 -> ../../devices/pci@8100/pci@4/pci@0/pci@9/qlc@0,12/fp@0,0:fc
    lrwxrwxrwx 1 root root 57 Mar 29 10:26 c8 -> ../../devices/pci@8100/pci@4/pci@0/pci@1/emlx@0/fp@0,0:fc
    lrwxrwxrwx 1 root root 59 Mar 29 10:26 c9 -> ../../devices/pci@8100/pci@4/pci@0/pci@1/emlx@0,1/fp@0,0:fc
    lrwxrwxrwx 1 root root 37 Apr  8 13:58 c15 -> ../../devices/pseudo/dlmndrv@3:devctl
    lrwxrwxrwx 1 root root 37 Apr  8 13:58 c16 -> ../../devices/pseudo/dlmndrv@4:devctl
    lrwxrwxrwx 1 root root 37 Apr  8 13:58 c17 -> ../../devices/pseudo/dlmndrv@5:devctl
    lrwxrwxrwx 1 root root 37 Apr  8 13:58 c18 -> ../../devices/pseudo/dlmndrv@6:devctl
    
  5. 手順2でサーバから見えなくしたLUを元に戻す。また,次のコマンドを実行してLUをデバイスとして認識させる。
    # cfgadm -al
  6. 次のコマンドを実行して、追加したLUのHDLMデバイスを構成する。
    # /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmsetconf
    # reboot -- -r
    
  7. コントローラ番号c10のHDLMデバイスを使用していたアプリケーションで,変更後のコントローラ番号のHDLMデバイスを使用するように変更する。
    手順4の実行例の場合,コントローラ番号がc10からc15に変更されたので,コントローラ番号c15のHDLMデバイスを使用するように変更する。
  8. HDLMデバイスを使用するアプリケーションを起動する。