Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Solaris用)

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3.5.9 Solaris 11.3から11.4へバージョンアップする際のHDLMのアップグレードインストール手順

Solaris 11.3からSolaris 11.4へバージョンアップする際に,HDLMをアップグレードインストールできます。アップグレードインストールすることで,HDLMの設定情報が引き継げます。HDLMのアップグレードの手順について説明します。ブートディスク環境の場合でもこの手順で実施できます。

この項の構成
(1) 事前準備
(2) HDLMのアップグレードインストール

(1) 事前準備

OSをSolaris 11.3からSolaris 11.4へバージョンアップします。

  1. 次のコマンドを実行して,OSを更新します。
    # pkg update --accept
    
  2. beadm listコマンドを実行して,Solaris 11.4用のBE(ブート環境)が作成されたことを確認します。
    # beadm list
    BE               Flags Mountpoint Space  Policy Created
    --               ----- ---------- -----  ------ -------
    solaris          -     -          10.83M static 2018-06-15 16:37
    solaris-1        N     /          49.86M static 2019-01-24 12:42
    solaris-2        R     -          15.62G static 2019-01-31 09:37
    solaris-backup-1 -     -          95.51M static 2018-06-15 16:59
    solaris-backup-2 -     -          98.02M static 2018-11-28 15:11
    
    Solaris 11.4用のBEのフラグが「R」になっています。「R」はリブート時にアクティブになることを示します。OSをリブートすると,「R」のBEが使用され,OSが起動します。フラグが「N」のBEは現在アクティブになっているBEです。

    注意事項
    このあと,HDLMをアップグレードインストールする前にOSのリブートを行わないでください。Solaris 11.4でHDLMを使用するためには,Solaris 11.4用のHDLMドライバをインストールする必要があります。HDLMをアップグレードインストールしないでOSをリブートした場合,HDLMデバイスが作成されません。

(2) HDLMのアップグレードインストール

  1. beadm createコマンドを実行して,Solaris 11.4用のBEを複製します。「(1) 事前準備」で作成されたSolaris 11.4用のBE名をsolaris-2,複製先のBE名をsolaris-3とした場合のコマンド実行例を次に示します。BE名はあとでbeadm renameコマンドで変更できます。
    # beadm create -e solaris-2 solaris-3
    
  2. beadm listコマンドを実行し,BEが複製されたことを確認します。
    # beadm list
    BE               Flags Mountpoint Space  Policy Created
    --               ----- ---------- -----  ------ -------
    solaris          -     -          10.83M static 2018-06-15 16:37
    solaris-1        N     /          9.89M  static 2019-01-24 12:42
    solaris-2        R     -          15.76G static 2019-02-08 15:31
    solaris-3        -     -          87.70M static 2019-02-08 15:50
    solaris-backup-1 -     -          95.51M static 2018-06-15 16:59
    solaris-backup-2 -     -          98.02M static 2018-11-28 15:11
    
  3. installhdlmまたはinstallux.shユティリティを-eパラメタを指定して実行し,複製先のBEにHDLMをアップグレードインストールします。
    複製先のBE名としてsolaris-3を指定した場合の,コマンドの実行例を次に示します。

    installhdlmユティリティを使用する場合
    # /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ/HDLM_Solaris/installhdlm -e solaris-3
    

    installux.shユティリティを使用する場合
    # /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ/installux.sh -e solaris-3
    
  4. beadm activateコマンドを実行して,HDLMをアップグレードインストールしたBEを次回のリブート時にアクティブにします。
    # beadm activate solaris-3
    
  5. beadm listコマンドを実行して,BEの状態を表示します。HDLMをアップグレードインストールしたBEのフラグが「R」であることを確認します。
    # beadm list
    BE               Flags Mountpoint Space  Policy Created
    --               ----- ---------- -----  ------ -------
    solaris          -     -          10.83M static 2018-06-15 16:37
    solaris-1        N     /          9.89M  static 2019-01-24 12:42
    solaris-2        -     -          57.0K  static 2019-02-08 15:31
    solaris-3        R     -          15.93G static 2019-02-08 15:50
    solaris-backup-1 -     -          95.51M static 2018-06-15 16:59
    solaris-backup-2 -     -          98.02M static 2018-11-28 15:11
    
  6. OSをリブートします。 Solaris 11.4用のHDLMがインストールされた状態でOSが起動します。
  7. Global Link Managerと連携している場合は,OS が起動したあとにHDLMコンポーネントインストールユティリティ(dlminstcomp)を実行してください。dlminstcompユティリティについては,「7.4 dlminstcomp HDLMコンポーネントインストールユティリティ」を参照してください。

注意事項
操作をやり直す場合は,solaris-1のBEを使用してSolaris 11.3に戻したあと,solaris-2とsolaris-3を削除し,再度,「(1) 事前準備」から実施してください。
コマンドの実行例を次に示します。
# beadm activate solaris-1
# reboot
OSがリブートしたら,次のコマンドを実行します。
# beadm destroy solaris-2
# beadm destroy solaris-3