Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Linux®用)
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3.5.2 Linuxに関する注意事項
- HDLMのインストール時は,/var/tmpディレクトリ下のプログラムの実行を制限する設定※は,実施しないでください。
- 注※
- noexecオプション
/var/tmpディレクトリにnoexecオプションが指定されている場合は,mountコマンドで確認できます。
コマンドの実行例を次に示します。
# mount
/dev/mapper/vg_uma-lv_rhel73_tmp on /var/tmp type xfs (rw,nosuid,noexec,relatime,attr2,inode64,noquota)
#
また,HDLMのインストールが完了したら,/var/tmpディレクトリ下のプログラムの実行を制限する設定を実施してもHDLMの動作には影響ありません。
- /etc/lvm/lvm.confファイル内の項目のうち,次に示す項目は,このマニュアル内に記載にしている記述方法だけをサポートしています。各項目の記述方法については,「3.7.3 マルチパス構成のブートディスク環境の設定」,「3.7.4 ブートディスク環境でのHDLMのアップグレードインストール」,「3.10.1 LVM2を使用する場合の注意事項」などを参照してください。その他の項目は,OSのデフォルト値だけをサポートしています。
- filter
- global_filter
- types
- write_cache_state
- md_component_detection
- use_lvmetad
- allow_changes_with_duplicate_pvs
- HDLMをインストールおよびアンインストールする場合は,シングルユーザモードおよびマルチユーザモードの環境で可能です。
- Oracle Linux 8 Update 4またはOracle Linux 8.4 Unbreakable Enterprise Kernelの場合,HDLMのインストールおよびアンインストール時に,OSのバグにより以下のログが出ることがあります。このログは無視しても問題ありません。
KAPL09044-I The remove of HDLM-8.8.1.0.944-1 completed successfully.
/sbin/ldconfig: /etc/ld.so.conf.d/kernel-5.4.17-2102.201.3.el8uek.x86_64.conf:6: hwcap directive ignored
- Oracle Linux 8 Update 4またはOracle Linux 8.4 Unbreakable Enterprise Kernelの場合,dracutコマンド実行時およびdlmbootstartユティリティ実行時に,以下のログが出ることがあります。このログは無視しても問題ありません。
/sbin/ldconfig: /etc/ld.so.conf.d/kernel-5.4.17-2102.201.3.el8uek.x86_64.conf:6: hwcap directive ignored.
- /varディレクトリをルートディレクトリ「/」と別パーティションに設定した場合,OS起動時に実行される/varディレクトリのマウント処理が完了するまで,ログが/var/log/messagesファイルに出力されなくなります。
- 同じホスト内の物理的または論理的に異なるディスクに対して複数のOSがある場合,それぞれのOSに対してHDLMをインストールできます。また,1つのOSに複数のカーネルがある場合は,HDLMをインストールしたカーネルが起動された場合だけ,HDLMを使用できます。
ただしRed Hat Enterprise Linux 6,Red Hat Enterprise Linux 7またはRed Hat Enterprise Linux 8の場合は,HDLMをインストールしたカーネル以外を起動したときに,そのままHDLMを使用できます。この場合,必要な設定はありません。
- Red Hat Enterprise Linux(Red Hat Enterprise Linux 7およびRed Hat Enterprise Linux 8を除く)の場合,HDLMをインストールした状態でinitscriptsパッケージを更新してOSを再起動したあとに,/etc/rc.d/rc.sysinitファイルにHDLMの情報がないときは,システムスクリプト更新ユティリティ(dlmupdatesysinit)を実行してください。
HDLMの情報の有無は,次に示すコマンドで確認してください。
# grep DLM /etc/rc.d/rc.sysinit
コマンドを実行したあとに何も出力されない場合,HDLMの情報がありません。
dlmupdatesysinitユティリティについては,「7.11 dlmupdatesysinit システムスクリプト更新ユティリティ」を参照してください。
- SUSE LINUX Enterprise Server 11を使用している場合,HDLMをインストールした状態でaaa_baseパッケージ,raidtoolsパッケージ,mdadmパッケージ,またはlvm2パッケージを更新してOSを再起動したあとに,次に示す現象が発生したときはdlmupdatesysinitユティリティを実行してください。
- 自動マウントの設定をしているHDLMデバイスがマウントされていない場合
- HDLMデバイス上に構築したmdデバイスが活性化されていない場合
- HDLMデバイス上に構築したLVMが活性化されていない場合
- /etc/init.d/boot.localfsファイル,/etc/init.d/boot.mdファイル,および/etc/init.d/lvm2ファイルのどれかにHDLMの情報がない場合,またはすべてのファイルにHDLMの情報がない場合
HDLMの情報は次に示すコマンドで確認してください。
# grep Required-Start /etc/init.d/boot.localfs
# grep Required-Start /etc/init.d/boot.md
# grep Required-Start /etc/init.d/boot.lvm
コマンドを実行したあとに「boot.hdlm」の記述が出力されない場合,HDLMの情報がありません。
dlmupdatesysinitユティリティについては,「7.11 dlmupdatesysinit システムスクリプト更新ユティリティ」を参照してください。
- Red Hat Enterprise Linux 8のWebコンソール上にある[マルチパスの開始]は,Device-Mapperマルチパスのサービスを起動するためのボタンであるため,押さないでください。
- Red Hat Enterprise Linux 7またはRed Hat Enterprise Linux 8の場合,HDLMが管理するLUとDevice-Mapperマルチパスが管理するLUを分ける設定を行うことで,ホストが認識しているLUの一部をDevice-Mapperマルチパス機能でも管理することができます。ただし,Device-Mapperマルチパスをブートディスクとする場合は対象外です。
HDLMが管理するLUとDevice-Mapperマルチパスが管理するLUに分ける手順を,次に示します。
HDLMデバイスをブートディスクとした環境の場合
- Device-Mapperマルチパスで管理しないLU(HDLMから管理するLU)とHDLMデバイスを/etc/multipath.confのblacklistに設定します。
/etc/multipath.confのblacklistの設定例を次に示します。
次の例では,360060e8010027810049714c100000025のWWIDを持つLU(Device-Mapperマルチパスで管理しないLU)とHDLMデバイスの正規表現をblacklistに登録する設定ファイルの行を示しています。
blacklist {
wwid 360060e8010027810049714c100000025
devnode "^sddlm[a-z]*"
}
- 手順1で変更した/etc/multipath.confを初期RAMディスクイメージファイルに取り込みます。
/etc/multipath.confを初期RAMディスクイメージファイルに取り込む設定例を次に示します。
次の例では,稼働しているカーネルが3.10.0-514.el7.x86_64の場合を示しています。
- 必要に応じて初期RAMディスクイメージファイルをバックアップします。
# /bin/cp -a /boot/initramfs-3.10.0-514.el7.x86_64.img /boot/initramfs-3.10.0-514.el7.x86_64.img_backup
- /etc/opt/DynamicLinkManager/hdlm.confに定義されている「hdlm_dracut=n」の記述を,「hdlm_dracut=y」に変更します。
- dracutコマンドを実行します。
# /usr/sbin/dracut --force --add multipath --include /etc/multipath /etc/multipath /boot/initramfs-3.10.0-514.el7.x86_64.img `uname -r`
- ホストを再起動します。
# shutdown -r now
- Device-Mapperマルチパスで管理しないLUが正しく設定されていることを確認します。
multipath -lコマンドを使用して,手順1でblacklistに登録したLUがDevice-Mapperマルチパスから管理されていないことを確認します。
multipath -lコマンドの出力メッセージにblacklistに登録したLUが表示されていなければ,Device-Mapperマルチパスで管理しないLUが正しく設定されています。
# /usr/sbin/multipath -l
- HDLMで管理しないLU(Device-Mapperマルチパスから管理するLU)を管理対象外にします。
LUとHDLMデバイスの対応関係は次のコマンドで確認できます。
# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -lu
HDLMで管理しないLUを管理対象外する設定例を次に示します。
次の例では,/dev/sddlmabをHDLMの管理対象外にしています。
# /sbin/dlmcfgmgr -o /dev/sddlmab
- HDLMで管理しないLUが正しく設定されていることを確認します。
dlmcfgmgr -vコマンドを使用して,手順5で管理対象外にしたLUがHDLMから管理されていないことを確認します。
dlmcfgmgr -vコマンドの出力メッセージで管理対象外にしたLUのManagement状態がunconfiguredであれば,HDLMで管理しないLUが正しく設定されています。
# /sbin/dlmcfgmgr -v
HDevName Management Device Host Channel Target Lun
/dev/sddlmab unconfigured /dev/sdc 1 0 0 1
HDLMデバイスをブートディスクとしていない環境の場合
- Device-Mapperマルチパスで管理しないLU(HDLMから管理するLU)とHDLMデバイスを/etc/multipath.confのblacklistに設定します。
/etc/multipath.confのblacklistの設定例を次に示します。
次の例では,360060e8010027810049714c100000025のWWIDを持つLU(Device-Mapperマルチパスで管理しないLU)とHDLMデバイスの正規表現をblacklistに登録する設定ファイルの行を示しています。
blacklist {
wwid 360060e8010027810049714c100000025
devnode "^sddlm[a-z]*"
}
- 初期RAMディスクイメージファイルにDevice-Mapperマルチパスを取り込んでいる場合,手順1で変更した/etc/multipath.confを初期RAM ディスクイメージファイルに取り込みます。取り込んでいない場合は手順3に進みます。
次の例では,稼働しているカーネルが3.10.0-514.el7.x86_64の場合を示しています。
- 必要に応じて初期RAMディスクイメージファイルをバックアップします。
# /bin/cp -a /boot/initramfs-3.10.0-514.el7.x86_64.img /boot/initramfs-3.10.0-514.el7.x86_64.img_backup
- dracutコマンドを実行します。
# /usr/sbin/dracut --force --add multipath --include /etc/multipath /etc/multipath /boot/initramfs-3.10.0-514.el7.x86_64.img `uname -r`
- ホストを再起動します。
# shutdown -r now
- Device-Mapperマルチパスで管理しないLUが正しく設定されていることを確認します。
multipath -lコマンドを使用して,手順1でblacklistに登録したLUがDevice-Mapperマルチパスから管理されていないことを確認します。
multipath -lコマンドの出力メッセージにblacklistに登録したLUが表示されていなければ,Device-Mapperマルチパスで管理しないLUが正しく設定されています。
# /usr/sbin/multipath -l
- HDLMで管理しないLU(Device-Mapperマルチパスから管理するLU)を管理対象外にします。
LUとHDLMデバイスの対応関係は次のコマンドで確認できます。
# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -lu
HDLMで管理しないLUを管理対象外する設定例を次に示します。
次の例では,/dev/sddlmabをHDLMの管理対象外にしています。
# /sbin/dlmcfgmgr -o /dev/sddlmab
- HDLMで管理しないLUが正しく設定されていることを確認します。
dlmcfgmgr -vコマンドを使用して,手順5で管理対象外にしたLUがHDLMから管理されていないことを確認します。
dlmcfgmgr -vコマンドの出力メッセージで管理対象外にしたLUのManagement状態がunconfiguredであれば,HDLMで管理しないLUが正しく設定されています。
# /sbin/dlmcfgmgr -v
HDevName Management Device Host Channel Target Lun
/dev/sddlmab unconfigured /dev/sdc 1 0 0 1
- Red Hat Enterprise Linux 7またはRed Hat Enterprise Linux 8以外の場合,HDLMとDevice-Mapperマルチパス機能を併用することはできません。
Device-Mapperマルチパス機能が有効になっているかどうかは,device-mapper-multipathがインストールされていて,かつマルチパスデバイスが有効になっているかどうかで確認できます。
device-mapper-multipathがインストールされていて,かつマルチパスデバイスが有効になっている場合は,マルチパスデバイスを無効化してください。 マルチパスデバイスの無効化については,device-mapper-multipathのマニュアルを参照してください。device-mapper-multipathのインストール有無の確認と,マルチパスデバイスが有効または無効になっているかの確認方法の例を次に示します。
- マルチパスデバイスが有効な場合の実行例を次に示します。
# rpm -q device-mapper-multipath
device-mapper-multipath-0.8.4-10.el8.x86_64
#
# /sbin/multipath -l
mpathe (360060e80089988000050998800000be1) dm-4 HITACHI,OPEN-V
size=2.0G features='0' hwhandler='0' wp=rw
`-+- policy='service-time 0' prio=0 status=active
|- 7:0:1:1 sdm 8:192 active undef running
`- 9:0:1:1 sdi 8:128 active undef running
mpathd (360060e80089988000050998800000be0) dm-3 HITACHI,OPEN-V
size=2.0G features='0' hwhandler='0' wp=rw
`-+- policy='service-time 0' prio=0 status=active
|- 7:0:1:0 sdk 8:160 active undef running
`- 9:0:1:0 sdh 8:112 active undef running
:
:
- マルチパスデバイスが無効な場合な場合の実行例を次に示します。
/sbin/multipath -lコマンド実行して,何も表示されないことを確認します。
# /sbin/multipath -l
#
- Red Hat Enterprise Linux 7の環境で,日立製HBAドライバ(Hitachi FIVE-EX based Fibre Channel to PCIe HBA)を使用している場合は,ドライバがロードされた状態で,初期RAMディスクイメージファイルを作成してください。また,日立製HBAドライバの再インストールやアップグレードインストールを実施した場合は,初期RAMディスクイメージファイルを再作成してください。
- QLogic 8400シリーズ(FCoE)環境の場合,OSを起動中に,HDLMデバイスを正しく構成できないことがあります。
パスの状態がOnline(E)またはOffline(E)になった場合は,/etc/opt/DynamicLinkManager/hdlm.confファイルのfcoe_boot_delayの値を大きくしてください。
fcoe_boot_delayの値には,秒単位で0~86400を指定します。
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