SCSIデバイスを使ったシングルパス構成のブートディスクの環境に,HDLMを新規インストールしてから,マルチパスのブートディスク環境を設定する方法について説明します。
HDLMブートディスク環境構築ユティリティ(dlmbootstart)を使用しないで,手動で設定する場合は「付録C. 手動でのブートディスク環境の設定」を参照してください。
設定を誤ると,OSが起動できなくなることがあるので,注意してください。HDLMデバイスからのOSの起動に失敗した場合の対処については,「3.7.5 HDLMデバイスからのOSの起動に失敗した場合の対処」を参照してください。
- Linuxに,root権限を持つユーザでログインします。
- HDLMをインストールします。
「3.6.3 HDLMの新規インストール」を参照して手順2,手順4から手順13を実行して,HDLMデバイスを作成してください。
- swapoffコマンドを使って,swapを無効にします。
すべてのswapを無効にする場合のコマンドの実行例を次に示します。
# /sbin/swapoff -a
次の条件をすべて満たす環境で,swapを有効にしたまま手順を実施すると,ホストの停止に時間が掛かる場合があります。
必ずswapを無効にしてから手順を実施してください。
- 次に示すどれかのOSである。
- Red Hat Enterprise Linux 7
- Red Hat Enterprise Linux 8
- Oracle Linux 7
- Oracle Linux 8
- SUSE LINUX Enterprise Server 12
- SUSE LINUX Enterprise Server 15
- HDLM管理対象デバイスが,swapとして有効になっている。
- HDLMブートディスク環境構築ユティリティ(dlmbootstart)を実行して,HDLMを使用したブートディスク環境を構築します。
Red Hat Enterprise Linux 7,Oracle Linux 7およびOracle Unbreakable Enterprise Kernel 7の場合は,HDLM ブートディスク環境構築ユティリティ(dlmbootstart)を実行する前に,/etc/lvm/lvm.confファイルのallow_changes_with_duplicate_pvs行が0でないことを確認してください。0が設定されている場合は1に変更してください。以下のように,allow_changes_with_duplicate_pvs の行をコメントアウトし,下線部を追加します。
- 変更前
devices {
:
allow_changes_with_duplicate_pvs = 0
:
}
- 変更後
devices {
:
# allow_changes_with_duplicate_pvs = 0
allow_changes_with_duplicate_pvs = 1
:
}
# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmbootstart -set hdlm
- 注意事項
- dlmbootstartユティリティの実行中にホストマシンの電源をOFFにしないでください。また,dlmbootstartユティリティを強制的に終了させたあとで,ホストマシンの電源をOFFにしないでください。
- ホストマシンの電源をOFFにすると,OS が起動できなくなることがあります。OSが起動できない場合,HDLM 障害情報収集ユティリティ(DLMgetras)で取得した情報を, HDLM の購入元会社,またはHDLM の保守契約があれば保守会社に連絡してください。
- ホストを停止します。
次に示すコマンドを実行して,ホストを停止します。
# shutdown -h now
- LU(システムディスク)へのパスを追加して,シングルパス構成からマルチパス構成に変更します。
- ホストを起動します。
- HDLMのブートディスク環境に設定できたことを確認します。
/proc/mountsを参照して,ルート(/)にマウントされているデバイスを確認します。 次のコマンドを実行して,ルートの情報を出力してデバイスを確認してください。
# /bin/cat /proc/mounts | /bin/grep -w / | /bin/grep -v rootfs
出力されたデバイスを基に次の確認をします。
- /dev/{HDLMデバイス}が出力された場合
HDLMのブートディスク環境です。
- その他のデバイスが出力された場合
- /usr/bin/readlink -f {出力されたファイル名} コマンドを実行します。
ファイルがフルパスで出力されます。
- /bin/ls -l {出力されたファイル名} コマンドを実行します。
通常ファイルではファイルサイズが表示される位置に(major, minor)が表示されます。
- 表示されたmajorを引数に次のコマンドを実行します。
# /bin/cat /proc/devices | /bin/grep -w {major}
- 出力内容にsddlmfdrvが含まれていればHDLMのブートディスク環境です。
- 出力内容にdevice-mapperが含まれている場合
/sbin/dmsetup ls --treeを実行して,b.で表示された(major,minor)を 持つデバイスに関連付けされたデバイスの(major,minor)を確認します。
表示例
# /sbin/dmsetup ls --tree
system-usr (252:3)
|- (251:2)
system-var (252:4)
|- (251:2)
system-swap (252:1)
|- (251:2)
system-root (252:0)
|- (251:2)
system-tmp (252:2)
|- (251:2)
#
上記の例では,b.で表示された(major,minor)が(252,0)の場合,関連付けられたデバイスは(251:2)=(251, 2)=(major, minor)になります。
majorを引数に次のコマンドを実行します。
/bin/cat /proc/devices | /bin/grep -w {major}
出力内容にsddlmfdrvが含まれていればHDLMのブートディスク環境です。
含まれていなければHDLMのブートディスク環境ではありません。
- その他のデバイスが出力された場合
HDLMのブートディスク環境ではありません。
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