HDLMを新規にインストールする手順を,次に説明します。なお,インストール前には前提となる準備が必要です。インストール前の準備については「3.6.1 HDLMを新規インストールする前の準備」を参照してください。
JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合,HDLMをインストールするすべてのホストに対して手順1から手順2を実行してください。
- Linuxに,root権限を持つユーザでログインします。
- ライセンスキーの準備をします。
次のどちらかの方法で,所定のディレクトリにライセンスキーファイルを格納してください。
JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合は,手順3に進んでください。HDLMをリモートインストールしない場合は,手順4に進んでください。
- JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合は,HDLMのパッケージを登録した配布管理システムで,次のコマンドを実行します。
# rdsdmind -x
配布指令で指定したすべてのホストにHDLMがインストールされます。
インストールが完了したら手順8に進んでください。手順8以降の操作は,HDLMをインストールしたすべてのホストに対して実施してください。
- HDLMをリモートインストールしない場合は,DVD-ROMをセットしてマウントします。
DVD-ROMが自動的にマウントされなかったときは,mountコマンドを実行して決められたマウントポイントにDVD-ROMをマウントします。
マウントポイントが,/media/cdromの場合のコマンドの実行例を次に示します。
# mount /dev/cdrom /media/cdrom
各ディストリビューションでの決められたマウントポイントを次の表に示します。
表3-71 各ディストリビューションのマウントポイント
ディストリビューション |
マウントポイント |
Red Hat Enterprise Linux 6 Red Hat Enterprise Linux 7 Red Hat Enterprise Linux 8
|
/media/cdrom |
SUSE LINUX Enterprise Server |
/media/cdrom DVD-ROMが自動的にマウントされた場合は /media/ メディアのボリュームID ※
|
- 注1
- 上記以外のマウントポイントにマウントした場合,HDLMをインストールできません。
- 注2
- DVD-ROMの内容をコピーし,コピー先のディレクトリからインストールする場合,上記に示すマウントポイントと同じ名称のディレクトリに,DVD-ROMの内容をそのままコピーしてください。ファイルのパーミッションやディレクトリ構成が異なると,HDLMをインストールできません。
- 注※
- ISO-9660ファイルシステムでフォーマットされたメディア(CD-ROMなど)のボリューム名のことです。メディアのボリュームIDは,volnameコマンドで確認してください。
- メディアのボリュームIDが「VOL01234」の場合の実行例を次に示します。
# volname /dev/cdrom
VOL01234
- HDLMのバージョンを確認します。
HDLMのDVD-ROMに格納されているinstallux.shまたはHDLMインストールユティリティ(installhdlm)を実行して,インストールするHDLMのバージョンを確認します。
DVD-ROMのマウントポイントが,/media/cdromの場合のコマンドの実行例を次に示します。
コマンドの実行結果を次に示します。「x.x.x-xx」の部分がHDLMのバージョンです。
KAPL09177-I HDLM version: x.x.x-xx
- インストールを実行します。
HDLMのDVD-ROMに格納されているinstallux.shまたはinstallhdlmユティリティを指定して,インストールを実行します。
DVD-ROMのマウントポイントが,/media/cdromの場合のインストール実行例を次に示します。
- 新規インストールを確認するKAPL09093-Iメッセージが表示されるので,HDLMのバージョンを確認して,問題なければ「y」を入力します。
インストールが完了すると,ライセンスキーファイルは消去されます。
- HDLMがインストールされていることを確認します。
次に示すコマンドを実行して,インストールされたパッケージの詳細情報を表示します。
# rpm -qi HDLM
Name : HDLM
Version : x.x.x.x.xxx
Release : xx
:
「Version」に「x.x.x.x.xxx」が表示されていれば,正しいバージョンがインストールされています。x.x.x.x.xxxにはインストールされたHDLMのバージョンが表示されます。
- ホストとストレージシステムとの接続にIP-SANを使用している場合は,/etc/opt/DynamicLinkManager/hdlm.confファイルに定義されている「iscsi_boot=n」の記述を,「iscsi_boot=y」に変更します。
また,ホストとストレージシステムとの接続にQLogic 8400シリーズ(FCoE)を使用している場合は,/etc/opt/DynamicLinkManager/hdlm.confファイルに定義されている「fcoe_boot=n」の記述を,「fcoe_boot=y」に変更します。
- HDLMのドライバオプションを設定する場合はHDLMドライバオプション設定ユティリティ(dlmsetopt)を実行します。
詳細については「7.9 dlmsetopt HDLMドライバオプション設定ユティリティ」を参照してください。
この手順を実行した場合は,手順13に進んでください。
- ホストを再起動しないでインストールをする場合は,手順12以降を行います。再起動する場合は,手順13に進んでください。
- HDLM起動ユティリティ(dlmstart)を実行します。
詳細については「7.10 dlmstart HDLM起動ユティリティ」を参照してください。
- rootユーザが使用するシェルの環境設定ファイルのPATH環境変数に,/opt/DynamicLinkManager/binを追加します。
rootユーザの環境設定ファイルのPATH環境変数に,次の記述を追加します。これによって,HDLMコマンドやHDLMユティリティを簡潔に実行できます。
- BourneAgainシェル,またはKornシェルを使用している場合
- PATH=$PATH:/opt/DynamicLinkManager/bin ; export PATH
- Cシェルを使用している場合
- set path= ( $path /opt/DynamicLinkManager/bin )
PATH環境変数を設定しない場合は,絶対パスを指定してコマンドやユティリティを実行してください。
手順12を行っている場合は,手順15に進んでください。
- ホストを再起動します。
次に示すコマンドを実行してホストを再起動してください。
# shutdown -r now
HDLMデバイスにパスが設定されて,HDLMマネージャが起動します。
- 「3.6.1 HDLMを新規インストールする前の準備」の「(1) HDLM管理対象予定のデバイスへの操作」で/etc/fstabファイルを編集した場合は,次に示す行を追加してSCSIデバイス指定からHDLMデバイス指定に変更します。
なお,SCSIデバイスに対して「LABEL=」または「UUID=」を付けるLinuxの機能は,HDLMではサポートしていません。この機能は,使用しないでください。
/etc/fstabファイルの編集例を次に示します。
図に示した網掛けの行を追加します。
- LUKSの使用に必要な設定をします。
ホストのOSでLUKSを使用する場合に設定します。また,LUKSの設定をしたSCSIデバイスをHDLMで管理する場合は,LUKSの設定をSCSIデバイスからHDLMデバイスに移行する必要があります。
LUKSの設定については,「3.8 LUKSの設定」を参照してください。
- mdデバイスの使用に必要な設定をします。
mdデバイスを使用する場合は,マルチパス環境でmdデバイスを作成してください。
mdデバイスの設定については,「3.9 mdデバイスの設定」を参照してください。
- ボリューム管理ソフトウェアの使用に必要な設定をします。
ボリューム管理ソフトウェアで作成された論理ボリュームを,すでに使用している場合,HDLMデバイスを物理ボリュームとする論理ボリュームに置き換えます。
ボリューム管理ソフトウェアの設定については,「3.10 LVM2の設定」を参照してください。
- 仮想環境の使用に必要な設定をします。
Xenを使用する場合は,domainUでHDLMデバイスを使用するように設定します。KVMを使用する場合は,HDLMデバイスをハードウェア設定ファイルに登録します。
HDLMがサポートする仮想環境の動作環境は,「3.1.18 HDLMがサポートする仮想環境」を参照してください。仮想環境の設定については,「3.11 Xenの設定」または「3.12 KVMの設定」を参照してください。
- クラスタ構成での運用に必要な設定をします。
クラスタ構成の場合,クラスタで指定されているSCSIデバイスの論理デバイスファイル名を,HDLMデバイスの論理デバイスファイル名に書き換えます。
クラスタソフトウェアの設定については,「3.13 CLUSTERPROの設定」,「3.14 Heartbeatの設定」,「3.15 Oracleの設定」,「3.16 RHCMの設定」,または「3.17 VCSの設定」を参照してください。
- HDLMコマンドのviewオペレーションを実行して,HDLMの設定および各プログラムの状態を表示します。
コマンドの実行例を次に示します。
# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -sys
HDLM Version : x.x.x-xx
Service Pack Version :
Load Balance : on(extended lio)
Support Cluster :
Elog Level : 3
Elog File Size (KB) : 9900
Number Of Elog Files : 2
Trace Level : 0
Trace File Size(KB) : 1000
Number Of Trace Files : 4
Path Health Checking : on(30)
Auto Failback : off
Reservation Status :
Intermittent Error Monitor : off
Dynamic I/O Path Control : off(10)
HDLM Manager Ver WakeupTime
Alive x.x.x-xx yyyy/mm/dd hh:mm:ss
HDLM Alert Driver Ver WakeupTime ElogMem Size
Alive x.x.x-xx yyyy/mm/dd hh:mm:ss 1000
HDLM Driver Ver WakeupTime
Alive x.x.x-xx yyyy/mm/dd hh:mm:ss
License Type Expiration
Permanent -
KAPL01001-I HDLMコマンドが正常終了しました。オペレーション名 = view, 終了時刻 = yyyy/mm/dd hh:mm:ss
#
クラスタソフトウェアを使用していても,「Support Cluster」には何も表示されません。しかし,クラスタ機能は問題なく動作します。
- 正しいバージョンのHDLMがインストールされているか確認します。
「HDLM Version」に「x.x.x-xx」が表示されていれば,正しいバージョンがインストールされています。「x.x.x-xx」はインストールされたHDLMのバージョンです。
- プログラムが正常に動作しているか確認します。
「HDLM Manager」,「HDLM Alert Driver」,および「HDLM Driver」がすべて「Alive」であれば,プログラムが正常に動作しています。
正常に動作していない場合の対処方法については,「5.4 プログラム障害時の対処」を参照してください。
インストールが完了したら,「3.20 パス構成の確認」に記述されている手順に従って,パス構成を確認してください。
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