7.1 ユティリティ概要

HDLMは，次に示すユティリティを提供します。

HDLM障害情報収集ユティリティ（DLMgetras）
障害発生時に，HDLMの購入元会社，または保守会社に連絡する必要がある情報を持つファイルを収集します。DLMgetrasユティリティについては，「7.2 DLMgetras HDLM障害情報収集ユティリティ」を参照してください。
HDLMデフォルト設定変更ユティリティ（dlmchpdattr）
hdiskの属性のデフォルト値を変更します。dlmchpdattrユティリティについては，「7.3 dlmchpdattr HDLMデフォルト設定変更ユティリティ」を参照してください。
HDLMインストール障害情報収集ユティリティ（dlmgetrasinst）
HDLMのインストール時に障害が発生した場合，HDLMの購入元会社，または保守会社に連絡する必要がある情報を持つファイルを収集します。dlmgetrasinstユティリティについては，「7.4 dlmgetrasinst HDLMインストール障害情報収集ユティリティ」を参照してください。
HDLMコンポーネントインストールユティリティ（dlminstcomp）
「3.1.1 HDLMがサポートするホストとOS」の「Global Link Managerと連携する場合に必要なJDK」に示したJDKのバージョン要件を満たしていない環境にHDLMをインストールした場合，このユティリティを実行してHDLMのインストールを補完します。
dlminstcompユティリティについては，「7.5 dlminstcomp HDLMコンポーネントインストールユティリティ」を参照してください。
HDLM移行支援ユティリティ（dlmmigsts）
HDLM 05-63以前またはHDLM 05-80以降からHDLM EXへ移行するとき，このユティリティを実行すると，ODMとHDLMの設定情報を引き継ぐことができます。dlmmigstsユティリティについては，「7.6 dlmmigsts HDLM移行支援ユティリティ」を参照してください。
HDLM動作ODM設定ユティリティ（dlmodmset）
HDLMの動作を規定するためのODMを設定および表示します。dlmodmsetユティリティについては，「7.7 dlmodmset HDLM動作ODM設定ユティリティ」を参照してください。
HDLM性能情報表示ユティリティ（dlmperfinfo）
HDLMで管理しているパスの性能情報を収集して表示，またはファイルに出力します。dlmperfinfoユティリティについては，「7.8 dlmperfinfo HDLM性能情報表示ユティリティ」を参照してください。
HDLMリストア支援ユティリティ（dlmpostrestore）
HDLM管理対象デバイスを含むmksysbイメージから，システムの複製（クローン）を作成する場合，作成先のシステム環境に合わせてHDLMの情報を更新します。
dlmpostrestoreユティリティについては，「7.9 dlmpostrestore HDLMリストア支援ユティリティ」を参照してください。
HDLMパーシステントリザーブ解除ユティリティ（dlmpr）
PowerHAを使用したクラスタ構成でなく，複数のホストでボリュームグループを共有している場合に，何らかの要因でLUのパーシステントリザーブが解除されないとき，Reservation Keyをクリアしてパーシステントリザーブを解除します。dlmprユティリティについては，「7.10 dlmpr HDLMパーシステントリザーブ解除ユティリティ」を参照してください。
HDLM mkcd事前準備ユティリティ（dlmpremkcd）
HDLMのインストール中にKAPL09292-Wのメッセージが出力された場合に実行するユティリティです。dlmpremkcdユティリティについては，「7.11 dlmpremkcd HDLM mkcd事前準備ユティリティ」を参照してください。
HDLMアンインストール事前実行ユティリティ（dlmpreremove）
ブートディスクとして認識されているhdiskをHDLMの管理対象から外します。HDLMをアンインストールする前に実行します。dlmpreremoveユティリティについては，「7.12 dlmpreremove HDLMアンインストール事前実行ユティリティ」を参照してください。
HDLMドライバ削除ユティリティ（dlmrmdev）
パラメタの設定に従ってhdiskを削除します。HDLM管理対象デバイスとして認識されているhdiskの削除がすべて成功した場合，HDLMマネージャを停止します。なお，ブートディスクとして認識されているhdiskは削除されません。dlmrmdevユティリティについては，「7.13 dlmrmdev HDLMドライバ削除ユティリティ」を参照してください。
HDLMパーシステントリザーブ（共用ホスト方式）解除ユティリティ（dlmrmprshkey）
dlmrmprshkeyユティリティは，指定した物理ボリュームからパーシステントリザーブ（共用ホスト方式）を解除します。dlmrmprshkeyユティリティについては，「7.14 dlmrmprshkey HDLMパーシステントリザーブ（共用ホスト方式）解除ユティリティ」を参照してください。
HDLMインストールユティリティ（installhdlm）
HDLMの新規インストール，アップグレードまたは再インストールする場合に，サイレントインストールを実行します。installhdlmユティリティについては，「7.15 installhdlm HDLMインストールユティリティ」を参照してください。サイレントインストールの手順については，「3.5.10 HDLMのサイレントインストール」を参照してください。
HDLM共通インストーラユティリティ（installux.sh）
インストール先のOSを判別してDVD-ROMからOSに対応したHDLMをインストールします。また，パラメタを指定することでサイレントインストールも実行できます。installux.shユティリティについては，「7.16 installux.sh HDLM共通インストーラユティリティ」を参照してください。このユティリティを使ったインストールの手順については，「3.5.4 HDLMの新規インストール」，「3.5.6 HDLMのアップグレードまたは再インストール」，または「3.5.10 HDLMのサイレントインストール」を参照してください。

注意事項

ユティリティは，root権限を持つユーザで実行してください。
ホストの起動時間およびユティリティの実行時間は，LU数とパス数に依存します。

ホスト起動時間とHDLMのユティリティの実行時間の例を次の表に示します。

動作	1LU当たりのパス数/総全パス数（本）^※2	実行時間^※1※3
ホスト起動時のデバイス構成時間（HDLMがインストールされている場合）	4/1024	42秒
	8/2048	42秒
	16/4096	43秒
ホスト起動時のデバイス構成時間（HDLMがインストールされていない場合）	4/1024	32秒
	8/2048	38秒
	16/4096	1分37秒
`cfgmgr`の実行	4/1024	53秒
	8/2048	1分14秒
	16/4096	1分51秒
`dlmrmdev`の実行	4/1024	1分15秒
	8/2048	1分27秒
	16/4096	1分51秒
`view -path`の実行	4/1024	0.42秒
	8/2048	1.51秒
	16/4096	3.41秒

注※1

ホスト起動時間およびユティリティ実行時間は，次の条件で変動することがあります。

ハードウェア構成（ファイバチャネルスイッチの有無など）
ディレクトリ /dev 下に作成されたhdiskの数

注※2: LUは256個です。

注※3: 実行環境は下記のとおりです。; CPU：Power4 1200MHz × 2