Hitachi Dynamic Link Manager EX ユーザーズガイド(AIX用)

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3.5.6 HDLMのアップグレードまたは再インストール

ここでは,古いバージョンからのアップグレードインストール,またはHDLM EX の再インストールの手順について説明します。

HDLM 05-63以前またはHDLM 05-80以降からHDLM EXにはアップグレードインストールできないので,移行を実施する必要があります。移行については,「3.5.8 HDLM 05-63以前またはHDLM 05-80以降からHDLM EXへの移行」を参照してください。

HDLMをアップグレードまたは再インストールした場合に引き継がれるファイルの一覧を次の表に示します。

表3-14 アップグレードまたは再インストール時に引き継がれるファイル一覧

ファイル ファイル内容
/usr/DynamicLinkManager/config/dlmmgr.xml HDLMの機能設定ファイル
/var/DynamicLinkManager/log/dlmmgr[1-16].log HDLMマネージャのログファイル
/var/DynamicLinkManager/log/dlminquiry[1-2].log HDLM Inquiry情報のログファイル
/usr/DynamicLinkManager/config/dlmwebagent.properties 共通エージェントコンポーネントの設定ファイル
/var/DynamicLinkManager/log/hdlmtr[1-64].log トレースファイル
/var/DynamicLinkManager/log/dlmconfig[1-2].log 構成ログファイル
/var/DynamicLinkManager/log/mmap/hdlmtr.mm トレース管理ファイル
/var/DynamicLinkManager/log/dlmwebagent[1-16].log 共通エージェントコンポーネントのログファイル
/var/DynamicLinkManager/log/dlmutil[1-2].log HDLMユティリティのログファイル
/var/DynamicLinkManager/log/mmap/dlmutil.mm HDLMユティリティのログトレース管理ファイル
/var/DynamicLinkManager/log/installhdlm.log サイレントインストール実行ログ
この項の構成
(1) ローカルブートディスク環境にインストールする場合(HDLMデバイスを削除,または定義済みの場合)
(2) ローカルブートディスク環境にインストールする場合(使用可能状態のHDLMデバイスを残した場合)
(3) ブートディスク環境にインストールする場合(HDLMデバイスを削除,または定義済みの場合)
(4) ブートディスク環境にインストールする場合(使用可能状態のHDLMデバイスを残した場合)
(5) 代替ディスクへインストールする場合
(6) multibos環境にインストールする場合
(7) nimadmコマンドを使用してOSマイグレーションと同時にHDLMをアップグレードインストールする場合

(1) ローカルブートディスク環境にインストールする場合(HDLMデバイスを削除,または定義済みの場合)

JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合,HDLMをインストールするすべてのホストに対して手順1から手順15を実行してから,手順16に進んでください。

  1. AIXに,root権限を持つユーザでログインします。
    バーチャルI/Oサーバを使用している場合は,バーチャルI/Oサーバのマニュアルを参照してAIXにログインしてください。
  2. HDLMの設定情報をバックアップします。
    アップグレードまたは再インストールに失敗すると,AIXが自動的にHDLMをアンインストールするので,HDLMの設定情報が消去されてしまいます。
    その場合に備えて,この手順で設定情報を保存しておきます。
    アップグレードまたは再インストールに失敗した場合は,新規インストールを行ってください。そのあと,バックアップした設定情報を基に再度設定してください。
    • HDLMの環境設定情報を保存します。
      # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -sys > 任意のファイル名
      ライセンスの期限が切れていないか確認してください。
    • HDLM動作ODMの設定を保存します。
      # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmodmset -o > 任意のファイル名
    次にHDLMデバイスを構成し直します。バーチャルI/OサーバでHDLMデバイスと仮想ターゲットデバイスのマッピングをしている場合は,手順3へ進んでください。 バーチャルI/OサーバでHDLMデバイスを仮想ターゲットデバイスとしてマッピングしていなく,かつ,構成し直すために必要なアンマウント処理や,ボリュームグループの活動状態を変更する処理などを自動で実行したい場合は手順9に進んでください。それらを手動で実行したい場合は手順10へ進んでください。
  3. クライアント論理区画でHDLMデバイスに接続しているhdiskにアクセスする,すべてのアプリケーションのプロセスを終了します。
  4. クライアント論理区画でHDLMデバイスに接続しているhdiskにファイルシステムをマウントしている場合は,ファイルシステムをアンマウントします。
    # umount ファイルシステムのマウントポイント
     
  5. クライアント論理区画で次に示すコマンドを実行して,活動化状態のボリュームグループをすべて表示させます。
    # lsvg -o
     
  6. 表示されたボリュームグループから,HDLMデバイスに接続しているhdiskで使用しているボリュームグループを非活動化します。
    # varyoffvg ボリュームグループ名
     
  7. 既存のhdiskの構成を引き継がない場合は,hdiskを削除します。
  8. バーチャルI/OサーバでHDLMデバイスと仮想ターゲットデバイスのマッピングを解除します。
    バーチャルI/Oクライアントのhdisk構成を引き継ぐ場合は,仮想ターゲットデバイスとHDLMデバイスのマッピングを引き継いでください。
    • 仮想ターゲットデバイスとHDLMデバイスのマッピングを引き継ぐ場合
      $ rmdev -dev 仮想ターゲットデバイス名 -ucfg
    • 仮想ターゲットデバイスとHDLMデバイスのマッピングを引き継がない場合
      $ rmdev -dev 仮想ターゲットデバイス名
  9. HDLMドライバ削除ユティリティ(dlmrmdev)-Aパラメタを指定して実行します。
    既存のhdiskの構成を引き継ぎたい場合は,dlmrmdevユティリティに-eパラメタを指定します。-eパラメタを指定しない場合,既存のhdiskは削除されます。
    バーチャルI/Oサーバで仮想ターゲットデバイスとHDLMデバイスのマッピングを引き継ぐ場合,既存のhdisk の構成を引き継ぐ必要があるため,必ず-eパラメタを指定してください。
    なお,既存のhdiskの構成を引き継ぎたい場合で,インストールされているHDLMが6.2より前のバージョンのときは,インストールするHDLMのDVD-ROMに格納されたdlmrmdevユティリティを使用してください。
    dlmrmdevユティリティを実行すると,処理を続行するかどうか確認するメッセージが表示されます。このメッセージに対して「y」を入力し,処理を継続させてください。
    既存のhdiskの構成を引き継ぐ場合で,バージョン6.2より前のHDLMがインストールされているときの実行例を次に示します。
     
    # /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ/HDLM_AIX/hdlmtool/dlmrmdev -e -A
    KAPL10528-I The volume group will be made inactive, and the file system that is using HDLM will be unmounted. Is this OK? [y/n]:y
    KAPL10526-I An attempt to unmount the file system has succeeded. (file system = /mnt/fs01)
    KAPL10527-I An attempt to inactivate the volume group has succeeded. (volume group = vg01)
    hdisk7 定義済み
    hdisk8 定義済み
    hdisk9 定義済み
    hdisk10 定義済み
    KAPL10531-I The status of all of the HDLM drivers was changed to "Defined".
     
    既存のhdiskの構成を引き継ぐ場合で,バージョン6.2以降のHDLMがインストールされているときの実行例を次に示します。
     
    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmrmdev -e -A
    KAPL10528-I The volume group will be made inactive, and the file system that is using HDLM will be unmounted. Is this OK? [y/n]:y
    KAPL10526-I An attempt to unmount the file system has succeeded. (file system = /mnt/fs01)
    KAPL10527-I An attempt to inactivate the volume group has succeeded. (volume group = vg01)
    hdisk7 定義済み
    hdisk8 定義済み
    hdisk9 定義済み
    hdisk10 定義済み
    KAPL10531-I The status of all of the HDLM drivers was changed to "Defined".
     
    既存のhdiskの構成を引き継がない場合の実行例を次に示します。
     
    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmrmdev -A
    KAPL10528-I The volume group will be made inactive, and the file system that is using HDLM will be unmounted. Is this OK? [y/n]:y
    hdisk7 を削除しました
    hdisk8 を削除しました
    hdisk9 を削除しました
    hdisk10 を削除しました
    KAPL09012-I All HDLM drivers were removed.
     
    • 既存のhdiskの構成を正しく引き継げた場合,KAPL10531-Iのメッセージが表示されます。
      KAPL10531-Iのメッセージが表示されない場合,HDLMの管理対象パスを使用しているプロセス,サービス,ファイルシステム,およびボリュームグループがないことを確認してから,手順9を再実行してください。
    • 既存のhdiskが正常に削除できた場合,KAPL09012-Iのメッセージが表示されます。
      KAPL09012-Iのメッセージが表示されない場合,HDLMの管理対象パスを使用しているプロセス,サービス,ファイルシステム,およびボリュームグループがないことを確認してから,手順9を再実行してください。
    dlmrmdevユティリティが正しく実行できたら,手順14に進んでください。
  10. 次に示すコマンドを実行して,HDLMで使用しているファイルシステムをアンマウントします。
    # umount ファイルシステムのマウントポイント
     
  11. 次に示すコマンドを実行して,活動化状態のボリュームグループをすべて表示させます。
    # lsvg -o
     
  12. 表示されたボリュームグループから,HDLMで使用しているボリュームグループを非活動化します。
    # varyoffvg ボリュームグループ名
     
  13. dlmrmdevユティリティを実行して,動作中のカーネルからHDLM管理対象デバイスとして認識されているhdiskの状態を変更し,HDLMマネージャを停止します。
    既存のhdiskの構成を引き継ぎたい場合は,インストールするHDLMのDVD-ROMに格納されたdlmrmdevユティリティに-eパラメタを指定して実行します。-eパラメタを指定しない場合,既存のHDLMデバイスは削除されます。
    バーチャルI/Oサーバで仮想ターゲットデバイスとHDLMデバイスのマッピングを引き継ぐ場合,既存のhdisk の構成を引き継ぐ必要があるため,必ず-eパラメタを指定してください。
    /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ/HDLM_AIX/hdlmtool/dlmrmdev
     
    • 既存のhdiskの構成を引き継ぐ場合
      既存のhdiskの構成を正しく引き継げた場合,KAPL10531-Iのメッセージが表示されます。
      KAPL10531-Iのメッセージが表示されない場合,HDLMの管理対象パスを使用しているプロセス,サービス,ファイルシステム,およびボリュームグループがないことを確認してから,手順13を再実行してください。
    • 既存のhdiskを削除する場合
      既存のhdiskが正常に削除できた場合,KAPL09012-Iのメッセージが表示されます。
      KAPL09012-Iのメッセージが表示されない場合,HDLMの管理対象パスを使用しているプロセス,サービス,ファイルシステム,およびボリュームグループがないことを確認してから,手順13を再実行してください。
  14. 次に示すコマンドを実行して,HDLM管理対象デバイスとして認識されているhdiskの状態を確認します。
    # lsdev -Cc disk
     
    • 既存のhdiskが削除されるようにdlmrmdevユティリティを実行した場合,hdiskが削除されていることを確認します。
    • 既存のhdiskの構成が引き継がれるようにdlmrmdevユティリティを実行した場合,hdiskの状態が「定義済み」であることを確認します。
      hdisk0 使用可能 1S-08-00-8,0    16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ
      hdisk1 使用可能 1S-08-00-9,0    16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ
      hdisk2 使用可能 1S-08-00-10,0   16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ
      hdisk3 定義済み 1H-08-02        Hitachi Disk Array (Fibre)
      hdisk4 定義済み 1H-08-02        Hitachi Disk Array (Fibre)
      ...
       
  15. ライセンスの期限が切れている場合は,ライセンスキーまたはライセンスキーファイルの準備をします。
    ライセンスの期限が切れていない場合は,手順16に進んでください。
    • ライセンスキーが提供されている場合
      /var/DLMディレクトリを作成し,ライセンスキーファイル(dlm.lic_key)/var/DLMディレクトリに作成します。ライセンスキーが「123456789ABCDEF」の場合の操作例を次に示します。
      # mkdir /var/DLM
      # echo "123456789ABCDEF" > /var/DLM/dlm.lic_key
    • ライセンスキーファイルが提供されている場合
      /var/tmp/ディレクトリの直下に,ライセンスキーファイルを「hdlm_license」という名称で格納します。
      /var/tmp/hdlm_license
    なお,hdlm_licenseファイルとdlm.lic_keyファイルは,インストールが正常終了したあとで削除されます。
  16. JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合は,HDLMのパッケージを登録した配布管理システムで,次のコマンドを実行します。
     
    # rdsdmind -x
     
    配布指令で指定したすべてのホストにHDLMがインストールされます。
    インストールが完了したら手順20に進んでください。手順20以降の操作は,HDLMをインストールしたすべてのホストに対して実施してください。
  17. HDLMをリモートインストールしない場合は,DVD-ROMをセットし,マウントしてください。
    DVD-ROMをコピーしたディレクトリからインストールする場合は,この手順を実行する必要はありません。
  18. アップグレードインストールの場合,次に示すコマンドを実行します。
    • DVD-ROMからHDLMをインストールするとき
      # /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ名/installux.sh
      または
      # installp -aXgd /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ名/HDLM_AIX all
    • DVD-ROMをコピーしたディレクトリからHDLMをインストールするとき
      # /DVD-ROMをコピーしたディレクトリ名/installux.sh
      または
      # installp -aXgd DVD-ROMをコピーしたディレクトリ名/HDLM_AIX all
    インストール中にホストの再起動を求めるメッセージが表示されますが,再起動する必要はありません。
    手順9または手順13でdlmrmdevユティリティに-eパラメタを指定しないで実行した場合で,KAPL09048-Eメッセージが出力されたときは,HDLM管理対象予定デバイスのhdiskが残っています。
    また,手順9または手順13で-eパラメタを指定した場合で,KAPL09048-Eメッセージが出力されたときは,HDLM管理対象予定デバイスが「使用可能」で残っています。手順9を再実行してください。
    インストール中に,KAPL09241-Wのメッセージが出力される場合があります。この場合,HDLMのインストールは続行されますが,HDLMコンポーネントのインストールに失敗しています。HDLMのインストール後,適宜KAPL09241-Wメッセージの対処を実行してください。
  19. 再インストールの場合,次に示すコマンドを実行します。
    • DVD-ROMからHDLMをインストールするとき
      # /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ名/installux.sh
      または
      # installp -aXFd /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ名/HDLM_AIX all
    • DVD-ROMをコピーしたディレクトリからHDLMをインストールするとき
      # /DVD-ROMをコピーしたディレクトリ名/installux.sh
      または
      # installp -aXFd DVD-ROMをコピーしたディレクトリ名/HDLM_AIX all
    インストール中にホストの再起動を求めるメッセージが表示されますが,再起動する必要はありません。
    手順9または手順13でdlmrmdevユティリティに-eパラメタを指定しないで実行した場合で,KAPL09048-Eメッセージが出力されたときは,HDLM管理対象予定デバイスのhdiskが残っています。
    また,手順9または手順13で-eパラメタを指定した場合で,KAPL09048-Eメッセージが出力された場合は,HDLM管理対象予定デバイスが「使用可能」で残っています。手順9を再実行してください。
    インストール中に,KAPL09241-Wのメッセージが出力される場合があります。この場合,HDLMのインストールは続行されますが,HDLMコンポーネントのインストールに失敗しています。HDLMのインストール後,適宜KAPL09241-Wメッセージの対処を実行してください。
  20. 次に示すコマンドを実行して,パッケージがインストールされていることを確認します。
     
    # lslpp -la DLManager.mpio.rte
     
    出力されたリストのファイルセット項目にDLManager.mpio.rteがあり,かつ,表示されている状態がCOMMITTEDだけであることを確認してください。
    表示されている状態に1つでもBROKENがあった場合,HDLMをアンインストールしてから,インストールを再度実行してください。
  21. 次に示すコマンドを実行して,hdiskを構成します。
     
    # cfgmgr
     
  22. 次に示すコマンドを実行して,hdiskの状態が「使用可能」であることを確認します。
    # lsdev -Cc disk
    hdisk0 使用可能 1S-08-00-8,0    16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ
    hdisk1 使用可能 1S-08-00-9,0    16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ
    hdisk2 使用可能 1S-08-00-10,0   16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ
    hdisk3 使用可能 1H-08-02        Hitachi Disk Array (Fibre)
    hdisk4 使用可能 1H-08-02        Hitachi Disk Array (Fibre)
    ...
     
    表示されるHDLM関連のデバイスがすべて「使用可能」であることを確認します。
    hdisk0~2は,ホストの内蔵ディスクの物理デバイスファイル名です。
    hdisk3以降は,ストレージシステムの物理ボリュームに対応した論理デバイスファイル名です。
  23. HDLMで使用するボリュームグループを活動化します。
    # varyonvg ボリュームグループ名
     
  24. HDLMで使用するファイルシステムをマウントします。
    # mount ファイルシステムのマウントポイント
     
  25. HDLMコマンドのviewオペレーションを実行して,各プログラムの状態を表示します。
    コマンドの実行例を,次に示します。
    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -sys
    HDLM Version                 : x.x.x-xx
    Service Pack Version         : 
    Load Balance                 : on(rr)
    Support Cluster              :
    Elog Level                   : 3
    Elog File Size (KB)          : 9900
    Number Of Elog Files         : 2
    Trace Level                  : 0
    Trace File Size(KB)          : 1000
    Number Of Trace Files        : 4
    Path Health Checking         : on(30)
    Auto Failback                : off
    Intermittent Error Monitor   : off
    Dynamic I/O Path Control     : off(10)
    HDLM Manager Ver         WakeupTime
    Alive        x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    HDLM Alert Driver Ver         WakeupTime          ElogMem Size
    Alive             x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss 4000
    HDLM Driver Ver         WakeupTime
    Alive       x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    License Type Expiration
    Permanent    -
    KAPL01001-I The HDLM command completed normally. Operation name = view, completion time = yyyy/mm/dd  hh:mm:ss
     
    クラスタソフトウェアを使用していても,「Support Cluster」にはソフトウェア名が表示されません。この状態でもクラスタ対応機能は問題なく動作します。
  26. viewオペレーションの実行結果からインストールされたHDLMのバージョンを確認します。
    HDLM Version」に「x.x.x-xx」が表示されていれば,正しいバージョンがインストールされています。「x.x.x-xx」はインストールされたHDLMのバージョンです。
  27. viewオペレーションの実行結果からプログラムが正常に動作しているか確認します。
    HDLM Manager」,「HDLM Alert Driver」,「HDLM Driver」がすべて「Alive」であれば,プログラムが正常に動作しています。
    バーチャルI/Oサーバを使用していない場合,これでHDLMのアップグレードまたは再インストールは終了です。
    HDLMをアップグレードまたは再インストールした場合に引き継がれるファイル一覧については,「表3-14 アップグレードまたは再インストール時に引き継がれるファイル一覧」を参照してください。
  28. バーチャルI/Oサーバを使用している場合は,hdiskを仮想ターゲットデバイスとして定義します。
    バーチャルI/Oサーバで,次のコマンドを実行します。

    hdiskを仮想ターゲットデバイスとして作成する場合
    $ mkvdev -vdev hdisk名 -vadapter 仮想SCSIサーバ・アダプタ名

    論理ボリュームを仮想ターゲットデバイスとして作成する場合
    $ mkvdev -vdev 論理ボリューム名 -vadapter 仮想SCSIサーバ・アダプタ名
  29. クライアント論理区画で次のコマンドを実行して,デバイスを再構成します。
    # cfgmgr
     
  30. クライアント論理区画で次のコマンドを実行して,物理ボリュームがhdiskとして認識されていることを確認します。
    次の実行例で示すように表示されれば,正しく認識されています。
    # lsdev -Cc disk
    hdisk1 Available  Virtual SCSI Disk Drive
     

(2) ローカルブートディスク環境にインストールする場合(使用可能状態のHDLMデバイスを残した場合)

  1. AIXに,root権限を持つユーザでログインします。
    バーチャルI/Oサーバを使用している場合は,バーチャルI/Oサーバのマニュアルを参照してAIXにログインしてください。
  2. HDLMの設定情報をバックアップします。
    アップグレードまたは再インストールに失敗すると,AIXが自動的にHDLMをアンインストールするので,HDLMの設定情報が消去されてしまいます。
    その場合に備えて,この手順で設定情報を保存しておきます。
    アップグレードまたは再インストールに失敗した場合は,新規インストールを行ってください。そのあと,バックアップした設定情報を基に再度設定してください。
    • HDLMの環境設定情報を保存します。
      # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -sys > 任意のファイル名
    • HDLM動作ODMの設定を保存します。
      # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmodmset -o > 任意のファイル名
    バーチャルI/OサーバでHDLMデバイスと仮想ターゲットデバイスのマッピングをしている場合は,手順3へ進んでください。
    バーチャルI/OサーバでHDLMデバイスを仮想ターゲットデバイスとしてマッピングしていない場合は,手順7へ進んでください。
  3. バーチャルI/Oサーバでのリブートが必要なため,クライアント論理区画でHDLMデバイスに接続しているhdiskにアクセスする,すべてのアプリケーションのプロセスを終了します。
  4. クライアント論理区画でHDLMデバイスに接続しているhdiskにファイルシステムをマウントしている場合は,ファイルシステムをアンマウントします。
    # umount ファイルシステムのマウントポイント
     
  5. クライアント論理区画で次に示すコマンドを実行して,活動化状態のボリュームグループをすべて表示させます。
    # lsvg -o
     
  6. 表示されたボリュームグループから,HDLMデバイスに接続しているhdiskで使用しているボリュームグループを非活動化します。
    # varyoffvg ボリュームグループ名
     
  7. ライセンスの期限が切れている場合は,ライセンスキーまたはライセンスキーファイルの準備をします。
    ライセンスの期限が切れていない場合は,手順8に進んでください。
    • ライセンスキーが提供されている場合
      /var/DLMディレクトリを作成し,ライセンスキーファイル(dlm.lic_key)/var/DLMディレクトリに作成します。ライセンスキーが「123456789ABCDEF」の場合の操作例を次に示します。
      # mkdir /var/DLM
      # echo "123456789ABCDEF" > /var/DLM/dlm.lic_key
    • ライセンスキーファイルが提供されている場合
      /var/tmp/ディレクトリの直下に,ライセンスキーファイルを「hdlm_license」という名称で格納します。
      /var/tmp/hdlm_license
    なお,hdlm_licenseファイルとdlm.lic_keyファイルは,インストールが正常終了したあとで削除されます。
  8. JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合は,HDLMのパッケージを登録した配布管理システムで,次のコマンドを実行します。
     
    # rdsdmind -x
     
    配布指令で指定したすべてのホストにHDLMがインストールされます。
    インストールが完了したら手順12に進んでください。手順12以降の操作は,HDLMをインストールしたすべてのホストに対して実施してください。
  9. HDLMをリモートインストールしない場合は,DVD-ROMをセットし,マウントしてください。
    DVD-ROMをコピーしたディレクトリからインストールする場合は,この手順を実行する必要はありません。
  10. アップグレードインストールの場合,次に示すコマンドを実行します。
    • DVD-ROMからHDLMをインストールするとき
      # /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ名/installux.sh
      または
      # installp -aXgd /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ名/HDLM_AIX all
    • DVD-ROMをコピーしたディレクトリからHDLMをインストールするとき
      # /DVD-ROMをコピーしたディレクトリ名/installux.sh
      または
      # installp -aXgd DVD-ROMをコピーしたディレクトリ名/HDLM_AIX all
    インストール中に,ホストの再起動が必要であることを通知するKAPL09312-Wのメッセージが出力される場合があります。このとき,HDLMのインストールは続行され物理ボリュームを使用することはできますが,ホスト再起動を実施するまでの間,HDLMコマンドやHDLMのパスヘルスチェック機能などの実行はできません。
    インストール中に,KAPL09241-Wのメッセージが出力される場合があります。この場合,HDLMのインストールは続行されますが,HDLMコンポーネントのインストールに失敗しています。HDLMのインストール後,適宜KAPL09241-Wメッセージの対処を実行してください。
  11. 再インストールの場合,次に示すコマンドを実行します。
    • DVD-ROMからHDLMをインストールするとき
      # /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ名/installux.sh
      または
      # installp -aXFd /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ名/HDLM_AIX all
    • DVD-ROMをコピーしたディレクトリからHDLMをインストールするとき
      # /DVD-ROMをコピーしたディレクトリ名/installux.sh
      または
      # installp -aXFd DVD-ROMをコピーしたディレクトリ名/HDLM_AIX all
    インストール中に,ホストの再起動が必要であることを通知するKAPL09312-Wのメッセージが出力される場合があります。このとき,HDLMのインストールは続行され物理ボリュームを使用することはできますが,ホスト再起動を実施するまでの間,HDLMコマンドやHDLMのパスヘルスチェック機能などの実行はできません。
    インストール中に,KAPL09241-Wのメッセージが出力される場合があります。この場合,HDLMのインストールは続行されますが,HDLMコンポーネントのインストールに失敗しています。HDLMのインストール後,適宜KAPL09241-Wメッセージの対処を実行してください。
  12. 次に示すコマンドを実行して,パッケージがインストールされていることを確認します。
     
    # lslpp -la DLManager.mpio.rte
     
    出力されたリストのファイルセット項目にDLManager.mpio.rteがあり,かつ,表示されている状態がCOMMITTEDだけであることを確認してください。
    表示されている状態に1つでもBROKENがあった場合,手順13実行後,HDLMをアンインストールしてから,インストールを再度実行してください。
  13. 次に示すコマンドを実行して,ホストを再起動します。
     
    # shutdown -Fr
     
  14. 次に示すコマンドを実行して,hdiskの状態が「使用可能」であることを確認します。
    # lsdev -Cc disk
    hdisk0 使用可能 1S-08-00-8,0    16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ
    hdisk1 使用可能 1S-08-00-9,0    16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ
    hdisk2 使用可能 1S-08-00-10,0   16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ
    hdisk3 使用可能 1H-08-02        Hitachi Disk Array (Fibre)
    hdisk4 使用可能 1H-08-02        Hitachi Disk Array (Fibre)
    ...
     
    表示されるHDLM関連のデバイスがすべて「使用可能」であることを確認します。
    hdisk0~2は,ホストの内蔵ディスクの物理デバイスファイル名です。
    hdisk3以降は,ストレージシステムの物理ボリュームに対応した論理デバイスファイル名です。
  15. HDLMコマンドのviewオペレーションを実行して,各プログラムの状態を表示します。
    コマンドの実行例を,次に示します。
    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -sys
    HDLM Version                 : x.x.x-xx
    Service Pack Version         : 
    Load Balance                 : on(rr)
    Support Cluster              :
    Elog Level                   : 3
    Elog File Size (KB)          : 9900
    Number Of Elog Files         : 2
    Trace Level                  : 0
    Trace File Size(KB)          : 1000
    Number Of Trace Files        : 4
    Path Health Checking         : on(30)
    Auto Failback                : off
    Intermittent Error Monitor   : off
    Dynamic I/O Path Control     : off(10)
    HDLM Manager Ver         WakeupTime
    Alive        x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    HDLM Alert Driver Ver         WakeupTime          ElogMem Size
    Alive             x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss 4000
    HDLM Driver Ver         WakeupTime
    Alive       x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    License Type Expiration
    Permanent    -
    KAPL01001-I The HDLM command completed normally. Operation name = view, completion time = yyyy/mm/dd  hh:mm:ss
     
    クラスタソフトウェアを使用していても,「Support Cluster」にはソフトウェア名が表示されません。この状態でもクラスタ対応機能は問題なく動作します。
  16. viewオペレーションの実行結果からインストールされたHDLMのバージョンを確認します。
    HDLM Version」に「x.x.x-xx」が表示されていれば,正しいバージョンがインストールされています。「x.x.x-xx」はインストールされたHDLMのバージョンです。
  17. viewオペレーションの実行結果からプログラムが正常に動作しているか確認します。
    HDLM Manager」,「HDLM Alert Driver」,「HDLM Driver」がすべて「Alive」であれば,プログラムが正常に動作しています。

(3) ブートディスク環境にインストールする場合(HDLMデバイスを削除,または定義済みの場合)

JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合,HDLMをインストールするすべてのホストに対して手順1から手順14を実行してから,手順15に進んでください。

  1. AIXに,root権限を持つユーザでログインします。
    バーチャルI/Oサーバを使用している場合は,バーチャルI/Oサーバのマニュアルを参照してAIXにログインしてください。
  2. HDLMの設定情報をバックアップします。
    アップグレードまたは再インストールに失敗すると,AIXが自動的にHDLMをアンインストールするので,HDLMの設定情報が消去されてしまいます。
    その場合に備えて,この手順で設定情報を保存しておきます。
    アップグレードまたは再インストールに失敗した場合は,新規インストールを行ってください。そのあと,バックアップした設定情報を基に再度設定してください。
    • HDLMの環境設定情報を保存します。
      # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -sys > 任意のファイル名
      ライセンスの期限が切れていないか確認してください。
    • HDLM動作ODMの設定を保存します。
      # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmodmset -o > 任意のファイル名
    バーチャルI/OサーバでHDLMデバイスと仮想ターゲットデバイスのマッピングをしている場合は,手順3へ進んでください。
    バーチャルI/OサーバでHDLMデバイスを仮想ターゲットデバイスとしてマッピングしていない場合は,手順9に進んでください。
  3. バーチャルI/OクライアントでHDLMデバイスに接続しているhdiskにアクセスする,すべてのアプリケーションのプロセスを終了します。
  4. バーチャルI/OクライアントでHDLMデバイスに接続しているhdiskにファイルシステムをマウントしている場合は,ファイルシステムをアンマウントします。
    # umount ファイルシステムのマウントポイント
     
  5. バーチャルI/Oクライアントで次に示すコマンドを実行して,活動化状態のボリュームグループをすべて表示させます。
    # lsvg -o
     
  6. 表示されたボリュームグループから,HDLMデバイスに接続しているhdiskで使用しているボリュームグループを非活動化します。
    # varyoffvg ボリュームグループ名
     
  7. 既存のhdiskの構成を引き継がない場合は,hdiskを削除します。
  8. バーチャルI/OサーバでHDLMデバイスと仮想ターゲットデバイスのマッピングを解除します。バーチャルI/Oクライアントのhdisk構成を引き継ぐ場合は,仮想ターゲットデバイスとHDLMデバイスのマッピングを引き継いでください。
    • 仮想ターゲットデバイスとHDLMデバイスのマッピングを引き継ぐ場合
      $ rmdev -dev 仮想ターゲットデバイス名 -ucfg
    • 仮想ターゲットデバイスとHDLMデバイスのマッピングを引き継がない場合
      $ rmdev -dev 仮想ターゲットデバイス名
  9. 次に示すコマンドを実行して,HDLMで使用しているファイルシステムをアンマウントします。
    # umount ファイルシステムのマウントポイント
     
  10. 次に示すコマンドを実行して,活動化状態のボリュームグループをすべて表示させます。
    # lsvg -o
     
  11. 表示されたボリュームグループから,HDLMで使用しているボリュームグループを非活動化します。
    # varyoffvg ボリュームグループ名
     
  12. 次に示すユティリティを実行して,動作中のカーネルからHDLM管理対象デバイスとして認識されているhdiskの状態を変更し,HDLMマネージャを停止します。
    既存のhdiskの構成を引き継ぎたい場合は,dlmrmdevユティリティに-eパラメタを指定して実行してください。
    バーチャルI/Oサーバで仮想ターゲットデバイスとHDLMデバイスのマッピングを引き継ぐ場合,既存のhdisk の構成を引き継ぐ必要があるため,必ず-eパラメタを指定してください。
    なお,インストールされているHDLMが6.2より前の場合で,既存のhdiskの構成を引き継ぎたい場合は,インストールするHDLMのDVD-ROMに格納されたdlmrmdevユティリティを使用してください。
    /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ/HDLM_AIX/hdlmtool/dlmrmdev
     
    • 既存のhdiskを削除する場合
      既存のhdiskが正常に削除できた場合,KAPL09012-Iのメッセージが表示されます。
      KAPL09012-Iのメッセージが表示されない場合,HDLMの管理対象パスを使用しているプロセス,サービス,ファイルシステム,およびボリュームグループがないことを確認してから,この手順12を再実行してください。なお,ブートディスクのhdiskは削除されません。
    • 既存のhdiskの構成を引き継ぐ場合
      既存のhdiskの構成を正しく引き継げた場合,KAPL10531-Iのメッセージが表示されます。
      KAPL10531-Iのメッセージが表示されない場合,HDLMの管理対象パスを使用しているプロセス,サービス,ファイルシステム,およびボリュームグループがないことを確認してから,この手順12を再実行してください。なお,ブートディスクのhdiskの状態は変わりません。
  13. 次に示すコマンドを実行して,HDLM管理対象デバイスとして認識されているhdiskの状態を確認します。
    # lsdev -Cc disk
     
    • 既存のhdiskが削除されるようにdlmrmdevユティリティを実行した場合,hdiskが削除されていることを確認します。
    • 既存のhdiskの構成が引き継がれるようにdlmrmdevユティリティに-eパラメタを指定して実行した場合,hdiskの状態が「定義済み」であることを確認します。
      hdisk0 使用可能 1S-08-00-8,0    16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ
      hdisk1 使用可能 1S-08-00-9,0    16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ
      hdisk2 使用可能 1S-08-00-10,0   16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ
      hdisk3 定義済み 1H-08-02        Hitachi Disk Array (Fibre)
      hdisk4 定義済み 1H-08-02        Hitachi Disk Array (Fibre)
      ...
       
  14. ライセンスの期限が切れている場合は,ライセンスキーまたはライセンスキーファイルの準備をします。
    ライセンスの期限が切れていない場合は,手順15に進んでください。
    • ライセンスキーが提供されている場合
      /var/DLMディレクトリを作成し,ライセンスキーファイル(dlm.lic_key)/var/DLMディレクトリに作成します。ライセンスキーが「123456789ABCDEF」の場合の操作例を次に示します。
      # mkdir /var/DLM
      # echo "123456789ABCDEF" > /var/DLM/dlm.lic_key
    • ライセンスキーファイルが提供されている場合
      /var/tmp/ディレクトリの直下に,ライセンスキーファイルを「hdlm_license」という名称で格納します。
      /var/tmp/hdlm_license
    なお,hdlm_licenseファイルとdlm.lic_keyファイルは,インストールが正常終了したあとで削除されます。
  15. JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合は,HDLMのパッケージを登録した配布管理システムで,次のコマンドを実行します。
     
    # rdsdmind -x
     
    配布指令で指定したすべてのホストにHDLMがインストールされます。
    インストールが完了したら手順19に進んでください。手順19以降の操作は,HDLMをインストールしたすべてのホストに対して実施してください。
  16. HDLMをリモートインストールしない場合は,DVD-ROMをセットし,マウントしてください。
    DVD-ROMをコピーしたディレクトリからインストールする場合は,この手順を実行する必要はありません。
  17. アップグレードインストールの場合,次に示すコマンドを実行します。
    • DVD-ROMからHDLMをインストールするとき
      # /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ名/installux.sh
      または
      # installp -aXgd /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ名/HDLM_AIX all
    • DVD-ROMをコピーしたディレクトリからHDLMをインストールするとき
      # /DVD-ROMをコピーしたディレクトリ名/installux.sh
      または
      # installp -aXgd DVD-ROMをコピーしたディレクトリ名/HDLM_AIX all
    インストール中にホストの再起動を求めるメッセージが表示されますが,再起動する必要はありません。
    手順12でdlmrmdevユティリティに-eパラメタを指定しないで実行した場合で,KAPL09172-Eメッセージが出力されたときは,HDLM管理対象予定デバイスのhdiskが残っています。
    また,手順12で-eパラメタを指定した場合で,KAPL09172-Eメッセージが出力されたときは,HDLM管理対象予定デバイスが「使用可能」で残っています。手順12を再実行してください。
    なお,アップグレードインストールがエラー終了すると,HDLMがアンインストールされるおそれがあります。HDLMがアンインストールされた場合,手順20に進んでください。
    インストール中に,ホストの再起動が必要であることを通知するKAPL09312-Wのメッセージが出力される場合があります。このとき,HDLMのインストールは続行され物理ボリュームを使用することはできますが,ホスト再起動を実施するまでの間,HDLMコマンドやHDLMのパスヘルスチェック機能などの実行はできません。
    インストール中に,KAPL09241-Wのメッセージが出力される場合があります。この場合,HDLMのインストールは続行されますが,HDLMコンポーネントのインストールに失敗しています。HDLMのインストール後,適宜KAPL09241-Wメッセージの対処を実行してください。
  18. 再インストールの場合,次に示すコマンドを実行します。
    • DVD-ROMからHDLMをインストールするとき
      # /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ名/installux.sh
      または
      # installp -aXFd /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ名/HDLM_AIX all
    • DVD-ROMをコピーしたディレクトリからHDLMをインストールするとき
      # /DVD-ROMをコピーしたディレクトリ名/installux.sh
      または
      # installp -aXFd DVD-ROMをコピーしたディレクトリ名/HDLM_AIX all
    インストール中にホストの再起動を求めるメッセージが表示されますが,再起動する必要はありません。
    手順12でdlmrmdevユティリティに-eパラメタを指定しないで実行した場合で,KAPL09172-Eメッセージが出力されたときは,HDLM管理対象予定デバイスのhdiskが残っています。
    また,手順12で-eパラメタを指定した場合で,KAPL09172-Eメッセージが出力された場合は,HDLM管理対象予定デバイスが「使用可能」で残っています。手順12を再実行してください。
    なお,再インストールがエラー終了すると,HDLMがアンインストールされるおそれがあります。HDLMがアンインストールされた場合,手順20に進んでください。
    インストール中に,ホストの再起動が必要であることを通知するKAPL09312-Wのメッセージが出力される場合があります。このとき,HDLMのインストールは続行され物理ボリュームを使用することはできますが,ホスト再起動を実施するまでの間,HDLMコマンドやHDLMのパスヘルスチェック機能などの実行はできません。
    インストール中に,KAPL09241-Wのメッセージが出力される場合があります。この場合,HDLMのインストールは続行されますが,HDLMコンポーネントのインストールに失敗しています。HDLMのインストール後,適宜KAPL09241-Wメッセージの対処を実行してください。
  19. 次に示すコマンドを実行して,パッケージがインストールされていることを確認します。
    # lslpp -la DLManager.mpio.rte
     
    出力されたリストのファイルセット項目にDLManager.mpio.rteがあり,かつ,表示されている状態がCOMMITTEDだけであることを確認してください。
    表示されている状態に1つでもBROKENがあった場合,HDLMをアンインストールしてから,手順20に進んでHDLMの新規インストールを実行してください。
  20. HDLMが正しくアップグレードまたは再インストールされなかった場合,HDLMを新規インストールします。
    次のコマンドを実行してホストを再起動したあと,「3.5.4 HDLMの新規インストール」の「(2) ブートディスク環境にインストールする場合」の手順を実施します。
    # shutdown -Fr
    HDLMの新規インストール後,手順2でバックアップした設定情報を基に,再度HDLMの設定をしてください。
  21. 次に示すコマンドを実行して,ホストを再起動します。
     
    # shutdown -Fr
     
  22. 次に示すコマンドを実行して,hdiskドライバが動作中のカーネルに組み込まれ,使用できる状態であることを確認します。
     
    # lsdev -Cc disk
    hdisk0 使用可能 1S-08-00-8,0  16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ
    hdisk1 使用可能 1S-08-00-9,0  16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ
    hdisk2 使用可能 1S-08-00-10,0 16ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ
    hdisk3 使用可能 1H-08-02      Hitachi Disk Array (Fibre)
    hdisk4 使用可能 1H-08-02      Hitachi Disk Array (Fibre)
    ...
     
    表示されるHDLM関連のデバイスがすべて「使用可能」であることを確認します。
    hdisk0~2は,ホストの内蔵ディスクの物理デバイスファイル名です。
    hdisk3以降は,ストレージシステムの物理ボリュームに対応した論理デバイスファイル名です。
    また,lspvコマンドを実行して,rootvgを構成しているhdisk以外のhdiskがない場合は,手順21から再実行してください。
  23. HDLMコマンドのviewオペレーションを実行して,各プログラムの状態を表示します。
    コマンドの実行例を,次に示します。
    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -sys
    HDLM Version                 : x.x.x-xx
    Service Pack Version         : 
    Load Balance                 : on(rr)
    Support Cluster              :
    Elog Level                   : 3
    Elog File Size (KB)          : 9900
    Number Of Elog Files         : 2
    Trace Level                  : 0
    Trace File Size(KB)          : 1000
    Number Of Trace Files        : 4
    Path Health Checking         : on(30)
    Auto Failback                : off
    Intermittent Error Monitor   : off
    Dynamic I/O Path Control     : off(10)
    HDLM Manager Ver         WakeupTime
    Alive        x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    HDLM Alert Driver Ver         WakeupTime          ElogMem Size
    Alive             x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss 4000
    HDLM Driver Ver         WakeupTime
    Alive       x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    License Type Expiration
    Permanent    -
    KAPL01001-I The HDLM command completed normally. Operation name = view, completion time = yyyy/mm/dd  hh:mm:ss
     
    クラスタソフトウェアを使用していても,「Support Cluster」にはソフトウェア名が表示されません。この状態でもクラスタ対応機能は問題なく動作します。
  24. viewオペレーションの実行結果からインストールされたHDLMのバージョンを確認します。
    HDLM Version」に「x.x.x-xx」が表示されていれば,正しいバージョンがインストールされています。「x.x.x-xx」はインストールされたHDLMのバージョンです。
    KAPL01012-Eのメッセージが出力された場合は,HDLMデバイスが構成されていません。手順21から再実行してください。
  25. viewオペレーションの実行結果からプログラムが正常に動作しているか確認します。
    HDLM Manager」,「HDLM Alert Driver」,「HDLM Driver」がすべて「Alive」であれば,プログラムが正常に動作しています。
    バーチャルI/Oサーバを使用していない場合,これでHDLMのアップグレードまたは再インストールは終了です。
    HDLMをアップグレードまたは再インストールした場合に引き継がれるファイル一覧については,「表3-14 アップグレードまたは再インストール時に引き継がれるファイル一覧」を参照してください。
  26. バーチャルI/Oサーバを使用している場合は,hdiskを仮想ターゲットデバイスとして定義します。
    バーチャルI/Oサーバで,次のコマンドを実行します。

    hdiskを仮想ターゲットデバイスとして作成する場合
    $ mkvdev -vdev hdisk名 -vadapter 仮想SCSIサーバ・アダプタ名

    論理ボリュームを仮想ターゲットデバイスとして作成する場合
    $ mkvdev -vdev 論理ボリューム名 -vadapter 仮想SCSIサーバ・アダプタ名
  27. クライアント論理区画で次のコマンドを実行して,デバイスを再構成します。
    # cfgmgr
     
  28. クライアント論理区画で次のコマンドを実行して,物理ボリュームがhdiskとして認識されていることを確認します。
    次の実行例で示すように表示されれば,正しく認識されています。
    # lsdev -Cc disk
    hdisk1 Available  Virtual SCSI Disk Drive
     

(4) ブートディスク環境にインストールする場合(使用可能状態のHDLMデバイスを残した場合)

  1. AIXに,root権限を持つユーザでログインします。
    バーチャルI/Oサーバを使用している場合は,バーチャルI/Oサーバのマニュアルを参照してAIXにログインしてください。
  2. HDLMの設定情報をバックアップします。
    アップグレードまたは再インストールに失敗すると,AIXが自動的にHDLMをアンインストールするので,HDLMの設定情報が消去されてしまいます。
    その場合に備えて,この手順で設定情報を保存しておきます。
    アップグレードまたは再インストールに失敗した場合は,新規インストールを行ってください。そのあと,バックアップした設定情報を基に再度設定してください。
    • HDLMの環境設定情報を保存します。
      # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -sys > 任意のファイル名
    • HDLM動作ODMの設定を保存します。
      # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlmodmset -o > 任意のファイル名
    バーチャルI/OサーバでHDLMデバイスと仮想ターゲットデバイスのマッピングをしている場合は,手順3へ進んでください。
    バーチャルI/OサーバでHDLMデバイスを仮想ターゲットデバイスとしてマッピングしていない場合は,手順7へ進んでください。
  3. バーチャルI/Oサーバでのリブートが必要なため,クライアント論理区画でHDLMデバイスに接続しているhdiskにアクセスする,すべてのアプリケーションのプロセスを終了します。
  4. クライアント論理区画でHDLMデバイスに接続しているhdiskにファイルシステムをマウントしている場合は,ファイルシステムをアンマウントします。
    # umount ファイルシステムのマウントポイント
     
  5. クライアント論理区画で次に示すコマンドを実行して,活動化状態のボリュームグループをすべて表示させます。
    # lsvg -o
     
  6. 表示されたボリュームグループから,HDLMデバイスに接続しているhdiskで使用しているボリュームグループを非活動化します。
    # varyoffvg ボリュームグループ名
     
  7. ライセンスの期限が切れている場合は,ライセンスキーまたはライセンスキーファイルの準備をします。
    ライセンスの期限が切れていない場合は,手順8に進んでください。
    • ライセンスキーが提供されている場合
      /var/DLMディレクトリを作成し,ライセンスキーファイル(dlm.lic_key)/var/DLMディレクトリに作成します。ライセンスキーが「123456789ABCDEF」の場合の操作例を次に示します。
      # mkdir /var/DLM
      # echo "123456789ABCDEF" > /var/DLM/dlm.lic_key
    • ライセンスキーファイルが提供されている場合
      /var/tmp/ディレクトリの直下に,ライセンスキーファイルを「hdlm_license」という名称で格納します。
      /var/tmp/hdlm_license
    なお,hdlm_licenseファイルとdlm.lic_keyファイルは,インストールが正常終了したあとで削除されます。
  8. JP1/NETM/DMを使用してHDLMをリモートインストールする場合は,HDLMのパッケージを登録した配布管理システムで,次のコマンドを実行します。
     
    # rdsdmind -x
     
    配布指令で指定したすべてのホストにHDLMがインストールされます。
    インストールが完了したら手順13に進んでください。手順12以降の操作は,HDLMをインストールしたすべてのホストに対して実施してください。
  9. HDLMをリモートインストールしない場合は,DVD-ROMをセットし,マウントしてください。
    DVD-ROMをコピーしたディレクトリからインストールする場合は,この手順を実行する必要はありません。
  10. アップグレードインストールの場合,次に示すコマンドを実行します。
    • DVD-ROMからHDLMをインストールするとき
      # /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ名/installux.sh
      または
      # installp -aXgd /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ名/HDLM_AIX all
    • DVD-ROMをコピーしたディレクトリからHDLMをインストールするとき
      # /DVD-ROMをコピーしたディレクトリ名/installux.sh
      または
      # installp -aXgd DVD-ROMをコピーしたディレクトリ名/HDLM_AIX all
    インストール中に,ホストの再起動が必要であることを通知するKAPL09312-Wのメッセージが出力される場合があります。このとき,HDLMのインストールは続行され物理ボリュームを使用することはできますが,ホスト再起動を実施するまでの間,HDLMコマンドやHDLMのパスヘルスチェック機能などの実行はできません。
    インストール中に,KAPL09241-Wのメッセージが出力される場合があります。この場合,HDLMのインストールは続行されますが,HDLMコンポーネントのインストールに失敗しています。HDLMのインストール後,適宜KAPL09241-Wメッセージの対処を実行してください。
  11. 再インストールの場合,次に示すコマンドを実行します。
    • DVD-ROMからHDLMをインストールするとき
      # /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ名/installux.sh
      または
      # installp -aXFd /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ名/HDLM_AIX all
    • DVD-ROMをコピーしたディレクトリからHDLMをインストールするとき
      # /DVD-ROMをコピーしたディレクトリ名/installux.sh
      または
      # installp -aXFd DVD-ROMをコピーしたディレクトリ名/HDLM_AIX all
    インストール中に,ホストの再起動が必要であることを通知するKAPL09312-Wのメッセージが出力される場合があります。このとき,HDLMのインストールは続行され物理ボリュームを使用することはできますが,ホスト再起動を実施するまでの間,HDLMコマンドやHDLMのパスヘルスチェック機能などの実行はできません。
    インストール中に,KAPL09241-Wのメッセージが出力される場合があります。この場合,HDLMのインストールは続行されますが,HDLMコンポーネントのインストールに失敗しています。HDLMのインストール後,適宜KAPL09241-Wメッセージの対処を実行してください。
  12. 次に示すコマンドを実行して,パッケージがインストールされていることを確認します。
    # lslpp -la DLManager.mpio.rte
     
    出力されたリストのファイルセット項目にDLManager.mpio.rteがあり,かつ,表示されている状態がCOMMITTEDだけであることを確認してください。
    表示されている状態に1つでもBROKENがあった場合,HDLMをアンインストールしてから,手順13に進んでHDLMの新規インストールを実行してください。
  13. HDLMが正しくアップグレードまたは再インストールされなかった場合,HDLMを新規インストールします。
    次のコマンドを実行してホストを再起動したあと,「3.5.4 HDLMの新規インストール」の「(2) ブートディスク環境にインストールする場合」の手順を実施します。
    # shutdown -Fr
    HDLMの新規インストール後,手順2でバックアップした設定情報を基に,再度HDLMの設定をしてください。
  14. 次に示すコマンドを実行して,ホストを再起動します。
     
    # shutdown -Fr
     
  15. 次に示すコマンドを実行して,hdiskの状態が「使用可能」であることを確認します。
    # lsdev -Cc disk
    hdisk0 使用可能 1S-08-00-8,0    16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ
    hdisk1 使用可能 1S-08-00-9,0    16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ
    hdisk2 使用可能 1S-08-00-10,0   16 ビット LVD SCSI ディスク・ドライブ
    hdisk3 使用可能 1H-08-02        Hitachi Disk Array (Fibre)
    hdisk4 使用可能 1H-08-02        Hitachi Disk Array (Fibre)
    ...
     
    表示されるHDLM関連のデバイスがすべて「使用可能」であることを確認します。
    hdisk0~2は,ホストの内蔵ディスクの物理デバイスファイル名です。
    hdisk3以降は,ストレージシステムの物理ボリュームに対応した論理デバイスファイル名です。
  16. HDLMコマンドのviewオペレーションを実行して,各プログラムの状態を表示します。
    コマンドの実行例を,次に示します。
    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -sys
    HDLM Version                 : x.x.x-xx
    Service Pack Version         : 
    Load Balance                 : on(rr)
    Support Cluster              :
    Elog Level                   : 3
    Elog File Size (KB)          : 9900
    Number Of Elog Files         : 2
    Trace Level                  : 0
    Trace File Size(KB)          : 1000
    Number Of Trace Files        : 4
    Path Health Checking         : on(30)
    Auto Failback                : off
    Intermittent Error Monitor   : off
    Dynamic I/O Path Control     : off(10)
    HDLM Manager Ver         WakeupTime
    Alive        x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    HDLM Alert Driver Ver         WakeupTime          ElogMem Size
    Alive             x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss 4000
    HDLM Driver Ver         WakeupTime
    Alive       x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    License Type Expiration
    Permanent    -
    KAPL01001-I The HDLM command completed normally. Operation name = view, completion time = yyyy/mm/dd  hh:mm:ss
     
    クラスタソフトウェアを使用していても,「Support Cluster」にはソフトウェア名が表示されません。この状態でもクラスタ対応機能は問題なく動作します。
  17. viewオペレーションの実行結果からインストールされたHDLMのバージョンを確認します。
    HDLM Version」に「x.x.x-xx」が表示されていれば,正しいバージョンがインストールされています。「x.x.x-xx」はインストールされたHDLMのバージョンです。
  18. viewオペレーションの実行結果からプログラムが正常に動作しているか確認します。
    HDLM Manager」,「HDLM Alert Driver」,「HDLM Driver」がすべて「Alive」であれば,プログラムが正常に動作しています。

(5) 代替ディスクへインストールする場合

ローカルブートディスク環境またはブートディスク環境で,HDLMを代替ディスクへインストールする場合,次の手順を実施してください。代替ディスクへのインストールは,アップグレードインストールおよび再インストールだけをサポートしています。

  1. AIXに,root権限を持つユーザでログインします。
    バーチャルI/Oサーバを使用している場合は,バーチャルI/Oサーバのマニュアルを参照してAIXにログインしてください。
  2. ライセンスの期限が切れている場合は,ライセンスキーまたはライセンスキーファイルの準備をします。
    ライセンスの期限が切れていない場合は,手順3に進んでください。
    • ライセンスキーが提供されている場合
      /var/DLMディレクトリを作成し,ライセンスキーファイル(dlm.lic_key)/var/DLMディレクトリに作成します。ライセンスキーが「123456789ABCDEF」の場合の操作例を次に示します。
      # mkdir /var/DLM
      # echo "123456789ABCDEF" > /var/DLM/dlm.lic_key
    • ライセンスキーファイルが提供されている場合
      /var/tmp/ディレクトリの直下に,ライセンスキーファイルを「hdlm_license」という名称で格納します。
      /var/tmp/hdlm_license
    なお,hdlm_licenseファイルとdlm.lic_keyファイルは,インストールが正常終了したあとで削除されます。
  3. DVD-ROMをセットし,マウントしてください。
    DVD-ROMをコピーしたディレクトリからインストールする場合や,nimコマンドを使用する場合は,この手順を実行する必要はありません。
  4. アップグレードインストールの場合,次に示すコマンドを実行します。
    • DVD-ROMからHDLMを代替ディスクへインストールするとき
      # alt_disk_copy -d hdisk名 hdisk名 ... -w DLManager.mpio.rte -l /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ名/HDLM_AIX
    • DVD-ROMをコピーしたディレクトリからHDLMを代替ディスクへインストールするとき
      # alt_disk_copy -d hdisk名 hdisk名 ... -w DLManager.mpio.rte -l DVD-ROMをコピーしたディレクトリ名/HDLM_AIX
    • NIMサーバからnimコマンドを使用してHDLMをNIMクライアントの代替ディスクへインストールするとき
      NIMサーバとは,ネットワーク経由でソフトウェアのインストールやアップグレードインストールなどを管理するマシンです。NIMクライアントとは,NIMサーバによってソフトウェアのインストール状況を管理されているマシンです。
      # nim -o alt_disk_install -a source=rootvg -a disk=hdisk名 hdisk名 ... -a filesets=DLManager.mpio.rte -a installp_bundle=HDLMが含まれるNIMリソース NIMクライアント名
    alt_disk_copyコマンドおよびnimコマンドの詳細については,AIXのマニュアルを参照してください。
  5. 再インストールの場合,次に示すコマンドを実行します。
    • DVD-ROMからHDLMを代替ディスクへインストールするとき
      # alt_disk_copy -d hdisk名hdisk名 ... -I aXF -w DLManager.mpio.rte -l /DVD-ROMをマウントしたディレクトリ名/HDLM_AIX
    • DVD-ROMをコピーしたディレクトリからHDLMを代替ディスクへインストールするとき
      # alt_disk_copy -d hdisk名 hdisk名 ... -I aXF -w DLManager.mpio.rte -l DVD-ROMをコピーしたディレクトリ名/HDLM_AIX
    • NIMサーバからnimコマンドを使用してHDLMをNIMクライアントの代替ディスクへインストールするとき
      NIMサーバとは,ネットワーク経由でソフトウェアのインストールやアップグレードインストールなどを管理するマシンです。NIMクライアントとは,NIMサーバによってソフトウェアのインストール状況を管理されているマシンです。
      # nim -o alt_disk_install -a source=rootvg -a disk=hdisk名 hdisk名 ... -a filesets=DLManager.mpio.rte -a installp_bundle=HDLMが含まれるNIMリソース -a installp_flags=aXF NIMクライアント名
    alt_disk_copyコマンドおよびnimコマンドの詳細については,AIXのマニュアルを参照してください。
  6. 代替ディスクから再起動したあと,HDLMコマンドのviewオペレーションを実行して,各プログラムの状態を表示します。
    コマンドの実行例を,次に示します。
    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -sys
    HDLM Version                 : x.x.x-xx
    Service Pack Version         : 
    Load Balance                 : on(rr)
    Support Cluster              :
    Elog Level                   : 3
    Elog File Size (KB)          : 9900
    Number Of Elog Files         : 2
    Trace Level                  : 0
    Trace File Size(KB)          : 1000
    Number Of Trace Files        : 4
    Path Health Checking         : on(30)
    Auto Failback                : off
    Intermittent Error Monitor   : off
    Dynamic I/O Path Control     : off(10)
    HDLM Manager Ver         WakeupTime
    Alive        x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    HDLM Alert Driver Ver         WakeupTime          ElogMem Size
    Alive             x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss 4000
    HDLM Driver Ver         WakeupTime
    Alive       x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    License Type Expiration
    Permanent    -
    KAPL01001-I The HDLM command completed normally. Operation name = view, completion time = yyyy/mm/dd  hh:mm:ss
     
    クラスタソフトウェアを使用していても,「Support Cluster」にはソフトウェア名が表示されません。この状態でもクラスタ対応機能は問題なく動作します。
  7. viewオペレーションの実行結果からインストールされたHDLMのバージョンを確認します。
    HDLM Version」に「x.x.x-xx」が表示されていれば,正しいバージョンがインストールされています。「x.x.x-xx」はインストールされたHDLMのバージョンです。
  8. viewオペレーションの実行結果からプログラムが正常に動作しているか確認します。
    HDLM Manager」,「HDLM Alert Driver」,「HDLM Driver」がすべて「Alive」であれば,プログラムが正常に動作しています。

(6) multibos環境にインストールする場合

AIXのmultibosコマンドを使用して,新規に作成するスタンバイBOS,または作成済みのスタンバイBOSにHDLMをアップグレードインストールできます。multibos環境へのHDLMのインストールは,アップグレードインストールだけをサポートしています。HDLMをアップグレードインストールするに当たっては,あらかじめHDLMのライセンス期限を確認してください。ライセンスの期限が切れている場合は,有効なライセンスキーまたはライセンスキーファイルを準備してください。

  1. AIXに,root権限を持つユーザでログインします。
    バーチャルI/Oサーバを使用している場合は,バーチャルI/Oサーバのマニュアルを参照してAIXにログインしてください。ライセンス期限が有効である場合は手順6に進んでください。ライセンスキーまたはライセンスキーファイルを用意した場合はそれぞれ次の手順に進んでください。
    • ライセンスキーを用意して,HDLMのアップグレードインストール先を新規作成のスタンバイBOSにする場合,手順2に進んでください。
    • ライセンスキーファイルを用意して,HDLMのアップグレードインストール先を新規作成のスタンバイBOSにする場合,手順3に進んでください。
    • ライセンスキーを用意して,HDLMのアップグレードインストール先を作成済みのスタンバイBOSにする場合,手順4に進んでください。
    • ライセンスキーファイルを用意して,HDLMのアップグレードインストール先を作成済みのスタンバイBOSにする場合,手順5に進んでください。
  2. 用意したライセンスキーを規定の場所に格納します。/var/DLMディレクトリを作成し,ライセンスキーファイル(dlm.lic_key)を/var/DLMディレクトリに作成します。
    ライセンスキーが「123456789ABCDEF」の場合のコマンドの実行例を次に示します。
    # mkdir /var/DLM
    # echo "123456789ABCDEF" > /var/DLM/dlm.lic_key
    dlm.lic_keyファイルは,HDLMのアップグレードインストールが正常終了したあとで自動的に削除されます。手順6に進んでください。
  3. 用意したライセンスキーファイルを規定の場所に格納します。/var/tmp/ディレクトリの直下に,ライセンスキーファイルを「hdlm_license」という名称で格納します。
    コマンドの実行例を次に示します。
    /var/tmp/hdlm_license
    hdlm_licenseファイルは,HDLMのアップグレードインストールが正常終了したあとで自動的に削除されます。手順6に進んでください。
  4. 作成済みスタンバイBOSのファイルシステムをマウントして,用意したライセンスキーを規定の場所に格納します。/bos_inst/var/DLMディレクトリを作成し,ライセンスキーファイル(dlm.lic_key)を/bos_inst/var/DLMディレクトリに作成します。その後,スタンバイBOSのファイルシステムをアンマウントします。
    ライセンスキーが「123456789ABCDEF」の場合のコマンドの実行例を次に示します。
    # multibos -Xm
    # mkdir /bos_inst/var/DLM
    # echo "123456789ABCDEF" > /bos_inst/var/DLM/dlm.lic_key
    # multibos -Xu
    dlm.lic_keyファイルは,HDLMのアップグレードインストールが正常終了したあとで自動的に削除されます。手順6に進んでください。
  5. 作成済みスタンバイBOSのファイルシステムをマウントして,用意したライセンスキーファイルを規定の場所に格納します。/bos_inst/var/tmp/ディレクトリの直下に,ライセンスキーファイルを「hdlm_license」という名称で格納します。その後,スタンバイBOSのファイルシステムをアンマウントします。
    コマンドの実行例を次に示します。
    # multibos -Xm
    /bos_inst/var/tmp/hdlm_license
    # multibos -Xu
    hdlm_licenseファイルは,HDLMのアップグレードインストールが正常終了したあとで自動的に削除されます。手順6に進んでください。
  6. インストールバンドルとしてHDLMをインストールする場合,HDLMの構文が記載されたバンドルファイルを作成します。/tmp/hdlm_bandleというバンドルファイルにHDLMの構文を追記する操作例を次に示します。
    # echo "I:DLManager.mpio.rte" > /tmp/hdlm_bandle
  7. DVD-ROM をセットし,マウントします。
    DVD-ROM をコピーしたディレクトリからインストールする場合は,この手順を実行する必要はありません。
  8. 次に示すコマンドを実行して,HDLMをアップグレードインストールします。

    スタンバイBOSの作成と同時にHDLMをアップグレードインストールする場合
    • DVD-ROMまたはDVD-ROMをコピーしたディレクトリから,HDLMをインストールするコマンドの実行例
      # multibos -Xs -a -l DVD-ROMをマウントまたはコピーしたディレクトリ名/HDLM_AIX
    • DVD-ROMまたはDVD-ROMをコピーしたディレクトリから,インストールバンドルとしてHDLMをインストールするコマンドの実行例
      # multibos -Xs -b HDLMの構文が記載されたバンドルファイル名 -l /DVD-ROMをマウントまたはコピーしたディレクトリ名/HDLM_AIX

    作成済みのスタンバイBOSにHDLMをアップグレードインストールする場合
    • DVD-ROMまたはDVD-ROMをコピーしたディレクトリから,HDLMをインストールするコマンドの実行例
      # multibos -Xc -a -l DVD-ROMをマウントまたはコピーしたディレクトリ名/HDLM_AIX
    • DVD-ROMまたはDVD-ROMをコピーしたディレクトリから,インストールバンドルとしてHDLMをインストールするコマンドの実行例
      # multibos -Xc -b HDLMの構文が記載されたバンドルファイル名 -l /DVD-ROMをマウントまたはコピーしたディレクトリ名/HDLM_AIX
    multibosコマンドの詳細については,AIXのマニュアルを参照してください。
  9. スタンバイBOSで再起動したあと,次に示すコマンドを実行して,パッケージがインストールされていることを確認します。
    # lslpp -la DLManager.mpio.rte
    出力されたリストのファイルセット項目にDLManager.mpio.rteがあり,表示されている状態がCOMMITTEDだけであることを確認してください。
    表示されている状態に1つでもBROKENがあった場合,HDLMをアンインストールしてから新規インストールの手順を実行するか,スタンバイBOSを削除してから,スタンバイBOSを再作成してください。
  10. HDLM コマンドのviewオペレーションを実行して,各プログラムの状態を表示します。
    コマンドの実行例を,次に示します。
    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -sys
    HDLM Version                 : x.x.x-xx
    Load Balance                 : on(rr)
    Support Cluster              :
    Elog Level                   : 3
    Elog File Size (KB)          : 9900
    Number Of Elog Files         : 2
    Trace Level                  : 0
    Trace File Size(KB)          : 1000
    Number Of Trace Files        : 4
    Path Health Checking         : on(30)
    Auto Failback                : off
    Intermittent Error Monitor   : off
    Dynamic I/O Path Control     : off(10)
    HDLM Manager Ver         WakeupTime
    Alive        x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    HDLM Alert Driver Ver         WakeupTime          ElogMem Size
    Alive             x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss 4000
    HDLM Driver Ver         WakeupTime
    Alive       x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    License Type Expiration
    Permanent    -
    KAPL01001-I The HDLM command completed normally. Operation name = view, completion time = yyyy/mm/dd  hh:mm:ss
     
    クラスタソフトウェアを使用していても,「Support Cluster」にはソフトウェア名が表示されません。この状態でもクラスタ対応機能は問題なく動作します。
  11. viewオペレーションの実行結果からインストールされたHDLMのバージョンを確認します。
    HDLM Version」に「x.x.x-xx」が表示されていれば,正しいバージョンがインストールされています。「x.x.x-xx」はインストールされたHDLMのバージョンです。
  12. viewオペレーションの実行結果からプログラムが正常に動作しているか確認します。
    HDLM Manager」,「HDLM Alert Driver」,「HDLM Driver」がすべて「Alive」であれば,プログラムが正常に動作しています。

(7) nimadmコマンドを使用してOSマイグレーションと同時にHDLMをアップグレードインストールする場合

nimadmコマンドを使用してNIMクライアントのHDLMをアップグレードインストールする場合,NIMマスターから次の手順を実施してください。

NIMマスターとは,ネットワーク経由でソフトウェアのインストールやアップグレードインストールなどを管理するマシンです。NIMクライアントとは,NIMサーバによってソフトウェアのインストール状況を管理されているマシンです。

NIMクライアントのHDLMをアップグレードインストールするに当たっては,あらかじめHDLMのライセンス期限を確認してください。ライセンスの期限が切れている場合は,有効なライセンスキーまたはライセンスキーファイルを準備してください。

nimadmコマンドでHDLMをアップグレードインストールする場合は,次に示す条件をすべて満たしている必要があります。

  1. NIMクライアントのHDLMのライセンス期限が切れている場合は,ライセンスを更新してください。
    ライセンスの期限が切れていない場合は,手順2に進んでください。
    • ライセンスキーが提供されている場合
      NIMクライアントでHDLMコマンドのsetオペレーションに-licパラメタを指定して実行し,ライセンスキーを入力してください。
      # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr set -lic
      KAPL01049-I オペレーションを開始します。オペレーション名 = set。よろしいですか? [y/n] : y
      KAPL01083-I ライセンスキーファイルがありません。ファイル名 = /var/tmp/hdlm_license
      KAPL01068-I ライセンスキーを入力して下さい:*************
      KAPL01071-I 永久ライセンスがインストールされました。
      #
      
    • ライセンスキーファイルが提供されている場合
      NIMクライアントの/var/tmp/ディレクトリの直下に,ライセンスキーファイルを「hdlm_license」という名称で格納します。
      /var/tmp/hdlm_license
      NIMクライアントでHDLMコマンドのsetオペレーションに-licパラメタを指定して実行してください。
      # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr set -lic
      KAPL01049-I オペレーションを開始します。オペレーション名 = set。よろしいですか? [y/n] : y
      KAPL01071-I 永久ライセンスがインストールされました。
      #
      
    ライセンスキーの種別およびsetオペレーションについては,「6.6 set 動作環境を設定する」を参照してください。
  2. NIMマスターに,root権限を持つユーザでログインします。
  3. NIMマスターで次に示すnimadmコマンドを実行します。
    # nimadm -c NIMクライアント名 -l HDLMが含まれるNIMリソース -s NIM SPOT名 -d NIMクライアントターゲットディスク... -Y
    上記のコマンドには,-jフラグを指定することもできます。
    nimadmコマンドの詳細については,AIXのマニュアルを参照してください。
  4. NIMクライアントを代替ディスクから再起動したあと,次に示すコマンドをNIMクライアントで実行して,パッケージがインストールされていることを確認します。
    # lslpp -la DLManager.mpio.rte
    出力されたリストのファイルセット項目にDLManager.mpio.rteがあり,表示されている状態がCOMMITTEDだけであることを確認してください。
    表示されている状態に1つでもBROKENがあった場合,HDLMをアンインストールしてから新規インストールの手順を実行するか,代替ディスクを再作成してください。
  5. NIMクライアントでHDLMコマンドのviewオペレーションを実行して,各プログラムの状態を表示します。
    コマンドの実行例を,次に示します。
    # /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -sys
    HDLM Version                 : x.x.x-xx
    Load Balance                 : on(rr)
    Support Cluster              :
    Elog Level                   : 3
    Elog File Size (KB)          : 9900
    Number Of Elog Files         : 2
    Trace Level                  : 0
    Trace File Size(KB)          : 1000
    Number Of Trace Files        : 4
    Path Health Checking         : on(30)
    Auto Failback                : off
    Intermittent Error Monitor   : off
    Dynamic I/O Path Control     : off(10)
    HDLM Manager Ver         WakeupTime
    Alive        x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    HDLM Alert Driver Ver         WakeupTime          ElogMem Size
    Alive             x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss 4000
    HDLM Driver Ver         WakeupTime
    Alive       x.x.x-xx    yyyy/mm/dd hh:mm:ss
    License Type Expiration
    Permanent    -
    KAPL01001-I The HDLM command completed normally. Operation name = view, completion time = yyyy/mm/dd  hh:mm:ss
     
    クラスタソフトウェアを使用していても,「Support Cluster」にはソフトウェア名が表示されません。この状態でもクラスタ対応機能は問題なく動作します。
  6. viewオペレーションの実行結果からインストールされたHDLMのバージョンを確認します。
    HDLM Version」に「x.x.x-xx」が表示されていれば,正しいバージョンがインストールされています。「x.x.x-xx」はインストールされたHDLMのバージョンです。
  7. viewオペレーションの実行結果からプログラムが正常に動作しているか確認します。
    HDLM Manager」,「HDLM Alert Driver」,「HDLM Driver」がすべて「Alive」であれば,プログラムが正常に動作しています。