Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Linux®用)
ここでは,インストール情報設定ファイルの編集方法について説明します。
- この項の構成
- (1) インストール情報設定ファイルの記述規則
- (2) インストール情報設定ファイルの定義内容
インストール情報設定ファイルを編集する場合の記述規則を次に示します。
- インストール情報設定ファイルに記載するキーは,サンプルファイル(sample_installhdlm.conf)に記載してあるキーの順番で記載してください。
- キーと設定値は,1行につき1つの情報を記載してください。
- キー名=設定値の形式で記載してください。
- コメント行を入れる場合は,行の頭に「#」を記載してください。
- キーの設定値に定義できる内容以外を指定した場合は,KAPL09212-EおよびKAPL09228-Wのメッセージが出力されます。
インストール情報設定ファイルで定義する内容について,次に示します。
installhdlmユティリティの動作情報を定義します。このセクション名はインストール情報設定ファイルの先頭行に指定してください。ただし,セクション[INSTALLATION_SETTINGS]の前に空行またはコメント行が存在してもかまいません。
セクション[INSTALLATION_SETTINGS]で定義するキーの一覧を次の表に示します。
表7-11 セクション[INSTALLATION_SETTINGS]のキー
キー名 説明 定義の要否 指定できる長さ
(文字)新規インストール アップグレードインストールまたは再インストール licensekeyfile※1 ライセンスキーファイルが「*.plk」形式で提供されている場合,ファイル名を絶対パス名称で指定します。
デフォルトは「/var/tmp/hdlm_license」です。
なお,ライセンスを更新しないでアップグレードインストールまたは再インストールを行う場合は,licensekeyfileキーと設定値を削除してください。省略可※2 省略可※2 1024 licensekey※1 ライセンスキーファイルを次のコマンドで作成した場合,ファイル名を絶対パス名称で指定します。
# echo "ライセンスキー" > "ライセンスキーファイル"
デフォルトは「/etc/opt/DynamicLinkManager/dlm.lic_key」です。
なお,ライセンスを更新しないでアップグレードインストールまたは再インストールを行う場合は,licensekeyキーと設定値を削除してください。省略可※2 省略可※2 1024 driver_config HDLMドライバのロードおよびHDLMデバイスの構成を行うかどうかを,次の値で指定します。
y:HDLMドライバのロードおよびHDLMデバイスの構成を行います(デフォルト)。
n:HDLMドライバのロードおよびHDLMデバイスの構成を行いません。省略可 省略可 1 restart インストール終了後に,ホストの再起動を行うかどうかを,次の値で指定します。
y:再起動します。
n:再起動しません(デフォルト)。
IP-SAN環境にインストールする場合は,「n」を指定してください。省略可 省略可 1
- (凡例)
- 省略可:キーと設定値を記載しない場合は,デフォルト値を使用します。
- ただし,アップグレードインストールまたは再インストールの場合,licensekeyfileキーとlicensekeyキーは以前のライセンス情報が引き継がれます。
- 注※1
- どちらにも値を指定しなかった場合は,次に示すファイルが順に読み込まれます。
- ライセンスキーファイル(/var/tmp/hdlm_license)
- ライセンスキーが記載されたファイル(/etc/opt/DynamicLinkManager/dlm.lic_key)
- なお,新規インストールの場合でこれらのファイルが存在しないときは,KAPL09011-EおよびKAPL09212-Eのメッセージが出力されます。
- licensekeyキーまたはlicensekeyfileキーを指定した場合,指定したファイルはinstallhdlmユティリティの実行後に削除されません。どちらにも値を指定しなかった場合,ライセンスキーファイル(/var/tmp/hdlm_license)またはライセンスキーが記載されたファイル(/etc/opt/DynamicLinkManager/dlm.lic_key)はinstallhdlmユティリティの実行後に削除されます。
- 注※2
- HDLMを新規インストールする場合,またはライセンスの有効期限が過ぎている状態でアップグレードインストールする場合は,ライセンスキーファイルを用意してください。
HDLMの設定情報を定義します。このセクションは省略できます。このセクションの定義を省略した場合,次のようになります。
- 新規インストールの場合は,次の「表7-12 セクション[ENVIRONMENT_SETTINGS]のキー」に示す各キーのデフォルト値が適用されます。
- アップグレードまたは再インストールの場合は,以前のHDLMの設定情報が引き継がれます。
セクション[ENVIRONMENT_SETTINGS]で定義するキーの一覧を次の表に示します。
表7-12 セクション[ENVIRONMENT_SETTINGS]のキー
キー名※1 説明※2 定義の要否 指定できる長さ
(文字)新規インストール アップグレードインストール
または再インストールload_balance ロードバランス機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。
on:有効(デフォルト)
off:無効省略可 省略可 3 load_balance_type ロードバランスのアルゴリズムを,次の値で指定します。
rr:ラウンドロビン
exrr:拡張ラウンドロビン
lio:最少I/O数
exlio:拡張最少I/O数(デフォルト)
lbk:最少ブロック数
exlbk:拡張最少ブロック数省略可 省略可 5 load_balance_same_path_use_times ロードバランスのアルゴリズムに,ラウンドロビン(rr),最少I/O数(lio),または最少ブロック数(lbk)を適用する場合,I/Oに同一のパスを使用する回数を指定します。
回数は,「0~999999」の値を設定できます。デフォルトは「32」です。省略可 省略可 6 lbex_usetimes_limit ロードバランスのアルゴリズムに,拡張ラウンドロビン(exrr),拡張最少I/O数(exlio),または拡張最少ブロック数(exlbk)を適用する場合,シーケンシャルI/Oに同一のパスを使用する回数を指定します。
回数は,「0~999999」の値を設定できます。デフォルトは「100」です。省略可 省略可 6 lbex_random_io_usetimes_limit ロードバランスのアルゴリズムに,拡張ラウンドロビン(exrr),拡張最少I/O数(exlio),または拡張最少ブロック数(exlbk)を適用する場合,ランダムI/Oに同一のパスを使用する回数を指定します。
回数は,「0~999999」の値を設定できます。デフォルトは「1」です。省略可 省略可 6 error_log_level 障害ログとして採取する障害情報のレベルを設定します。
レベルは,「0~4」が設定できます。デフォルトは「3」です。省略可 省略可 1 error_log_size 障害ログファイル(dlmmgr[1-16].log)のサイズをKB単位で設定します。
サイズは,「100~2000000」の値を設定できます。デフォルトは「9900」です。省略可 省略可 7 error_log_number 障害ログファイル(dlmmgr[1-16].log)の数を設定します。
ファイル数は,「2~16」の値を設定できます。デフォルトは「2」です。省略可 省略可 2 trace_level トレースの出力レベルを設定します。
レベルは,「0~4」が設定できます。デフォルトは「0」です。省略可 省略可 1 trace_file_size トレースファイル(hdlmtr[1-64].log)のサイズをKB単位で設定します。
サイズは,「100~16000」の値を設定できます。デフォルトは「1000」です。省略可 省略可 5 trace_file_number トレースファイル(hdlmtr[1-64].log)の数を設定します。
ファイル数は,「2~64」の値を設定できます。デフォルトは「4」です。省略可 省略可 2 path_health_check パスヘルスチェック機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。
on:有効(デフォルト)
off:無効省略可 省略可 3 path_health_check_interval パスヘルスチェックのチェック間隔を,分単位で指定します。
チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。デフォルトは「30」です。省略可 省略可 4 auto_failback 障害パスの自動フェイルバック機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。
on:有効
off:無効(デフォルト)省略可 省略可 3 auto_failback_interval パスの状態確認の終了から,次回のパスの状態確認を開始するまでのチェック間隔を,分単位で指定します。
チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。デフォルトは「1」です。省略可 省略可 4 intermittent_error_monitor※3 間欠障害監視を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。
on:有効
off:無効(デフォルト)省略可 省略可 3 intermittent_error_monitor_interval 間欠障害の監視時間を分単位で指定します。
チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。
デフォルトは「30」です。省略可 省略可 4 intermittent_error_monitor_number 障害の発生回数を指定します。
発生回数は,「1~99」の値を設定できます。
デフォルトは「3」です。省略可 省略可 2 dynamic_io_path_control ダイナミックI/Oパスコントロール機能を有効,または無効にするかを次の値で指定します。なお,この機能を設定するとストレージシステム単位またはLU単位の設定はクリアされます。
on:有効
off:無効(デフォルト)省略可 省略可 3 dynamic_io_path_control_interval ダイナミックI/Oパスコントロール機能の,ストレージシステム側で行われるコントローラ切り替え情報の見直しチェック間隔を,分単位で指定します。※4
チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。デフォルトは「10」です。省略可 省略可 4
- (凡例)
- 省略可:キーと設定値を記載しない場合は,デフォルト値を使用します。
- 注※1
- アップグレードインストールまたは再インストールする場合にキーが指定されていないときは,設定値が引き継がれます。
- 注※2
- 設定する機能の詳細については,「6.6 set 動作環境を設定する」を参照してください。
- 注※3
- 次に示す場合だけ,キーを指定できます。
- 新規インストールの場合
インストール情報設定ファイルのauto_failbackキーに「on」を指定している。- アップグレードインストールまたは再インストールの場合
インストール情報設定ファイルのauto_failbackキーに「on」を指定しているか,またはインストール前の設定で,自動フェイルバック機能を有効にしている。
- 注※4
- ダイナミックI/Oパスコントロール機能の有効,または無効に関わらずチェック間隔を設定できます。
インストール情報設定ファイルの編集例を,次に示します。
[INSTALLATION_SETTINGS] licensekeyfile=/var/tmp/hdlm_license licensekey=/etc/opt/DynamicLinkManager/dlm.lic_key driver_config=y restart=n [ENVIRONMENT_SETTINGS] load_balance=on load_balance_type=exlio load_balance_same_path_use_times=32 lbex_usetimes_limit=100 lbex_random_io_usetimes_limit=1 error_log_level=3 error_log_size=9900 error_log_number=2 trace_level=0 trace_file_size=1000 trace_file_number=4 path_health_check=on path_health_check_interval=30 # auto_failback=off # auto_failback_interval=1 # intermittent_error_monitor=off # intermittent_error_monitor_interval=210 # intermittent_error_monitor_number=3 # dynamic_io_path_control=off # dynamic_io_path_control_interval=10
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