Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Linux®用)
次の条件をすべて満たす場合,アプリケーションを実行させたままHBAを交換できます。
- ホストのOSが次のどちらかである※。
- Red Hat Enterprise Linux 5
- Red Hat Enterprise Linux 6
- 注※
- Oracle Enterprise Linux 5,Oracle Unbreakable Enterprise Kernel 5,およびOracle Unbreakable Enterprise Kernel 6はサポートしていません。
- HBAが交換できるホストを使用していて,同じ機種のHBAに交換する。
- 複数のHBAを運用していて,それらのHBAを経由するパスが同じLUに接続されている。
- LUに対して複数の稼働状態のパスがある。
- BladeSymphony環境である。
HBAの交換手順については,「(2) HBAの交換」を参照してください。
- この項の構成
- (1) HBAを交換する前の準備
- (2) HBAの交換
- (3) ホスト再起動後のパス情報の更新
HBAを交換する前に次の手順を実行して,acpiphpモジュールがロードされていることを確認してください。
- OSのlsmodコマンドを実行します。
# /sbin/lsmod | grep acpiphp acpiphp 58713 0acpiphpモジュールがロードされている場合は,「(2) HBAの交換」の手順に従って,HBAを交換してください。
acpiphpモジュールがロードされていない場合は,手順2に進んでください。- acpiphp.modulesを作成します。
次に示すコマンドを実行してください。# vi /etc/sysconfig/modules/acpiphp.modulesacpiphp.modulesの編集内容を次に示します。#/bin/bash /sbin/modprobe acpiphp編集内容を保存したら,OSのchmodコマンドで実行権限を設定してください。# chmod 755 /etc/sysconfig/modules/acpiphp.moduleschmodコマンドを実行したら,実行権限が次の下線部のとおりに設定されていることを確認してください。# ls -l /etc/sysconfig/modules/acpiphp.modules -rwxr-xr-x 1 root root 35 mm dd hh:mm /etc/sysconfig/modules/acpiphp.modules- acpiphpモジュールをロードします。
手順2で作成した,acpiphp.modulesを実行します。# /etc/sysconfig/modules/acpiphp.modulesコマンドを実行したら,acpiphpモジュールがロードされていることを確認してください。# /sbin/lsmod | grep acpiphp acpiphp 58713 0
HBAの交換では,あらかじめ交換するHBAを経由するパスを閉塞状態にしておく必要があります。HBAの交換手順を次に示します。
- 交換するHBAのポートWWN情報を確認します。
次に示すコマンドを実行します。# /opt/hitachi/drivers/hba/hfcmgr -g Time:yyyy/mm/dd hh:mm:ss : : Model : HFC0402-E Parts Number : 3HAC82101-A Firmware : 260803 WWPN:2400000047010278 Device:hfcldd0 [LinkUp] WWPN:240000004701027a Device:hfcldd1 [LinkUp] Model : HFC0402-E Parts Number : 3HAC82101-A Firmware : 260803 WWPN:2400000047010270 Device:hfcldd2 [LinkUp] WWPN:2400000047010272 Device:hfcldd3 [LinkUp]WWPNのあとに表示される数字が,HBAのポートWWN情報です。
以降,下線部で示すポートWWN情報を持つHBAを交換対象として説明します。- HDLMコマンドのviewオペレーション(dlnkmgr view -path -hbaportwwn)を実行して,交換するHBAを経由するパスの情報を確認します。
手順1で確認したHBAのポートWWN情報と,実行結果に表示されたHBAPortWWNを参照して,PathNameに表示されたホストポート番号とバス番号を確認します。
PathNameのうち,左端の番号がホストポート番号です。ホストポート番号の右側にあるピリオドから2番目のピリオドの番号までが,バス番号です。
ホストポート番号とバス番号は,手順3でパスをOffline(C)状態にするときに指定します。
この実行例の場合,交換するHBAのポートWWN情報(下線部)に対応するホストポート番号とバス番号は,網掛けの部分です。- HDLMコマンドのofflineオペレーション(dlnkmgr offline -hba)を実行して,手順2で確認したHBAポートを通るすべてのパスをOffline(C)状態にします。
-hbaパラメタには,手順2で確認したホストポート番号とバス番号を,ピリオドで区切って指定します。
ホストポート番号が0000,バス番号が0000のパスをOffline(C)状態にする場合の実行例を次に示します。# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr offline -hba 0000.0000offlineオペレーションを実行したら,HDLMコマンドのviewオペレーション(dlnkmgr view -path -hbaportwwn)を実行して,交換するHBAを経由するパスのStatusがすべてOffline(C)状態になっていることを確認してください。# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -path -hbaportwwn- HBAを交換します。
- dlmcfgmgrユティリティ(dlmcfgmgr -r)を実行して,HDLMデバイスを再構成します。
# dlmcfgmgr -r- HDLMコマンドのviewオペレーション(dlnkmgr view -path -hbaportwwn)を実行して,新しいパスが追加されていることを確認します。
網掛けの部分に,新しいパスが追加されています。
HBAの交換前にOffline(C)状態にした古いパスの情報(下線部)が残っていますが,これは手順8を実行することで削除されます。- dlmcfgmgrユティリティ(dlmcfgmgr -v)を実行して,新しいSCSIデバイスが追加されていることを確認します。
網掛けの部分に,新しいSCSIデバイスが追加されています。
HBAを交換する前の古いSCSIデバイスの情報(下線部)が残っていますが,これは手順8を実行することで削除されます。- dlmcfgmgrユティリティ(dlmcfgmgr -u)を実行して,古いパスおよびSCSIデバイスの情報を削除します。
-uパラメタには,手順7で参照した,古いSCSIデバイスの情報が含まれているHDevNameを指定します。古いSCSIデバイスの情報が含まれているすべてのHDevNameに対して,dlmcfgmgrユティリティを実行してください。
HDevNameが/dev/sddlmaaの場合の実行例を次に示します。# dlmcfgmgr -u /dev/sddlmaa- HDLMコマンドのviewオペレーション(dlnkmgr view -path -hbaportwwn)を実行して,Offline(C)状態だった古いパスの情報がすべて削除されたことを確認します。
# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -path -hbaportwwn- dlmcfgmgrユティリティ(dlmcfgmgr -v)を実行して,古いSCSIデバイスの情報がすべて削除されたことを確認します。
# dlmcfgmgr -v以上で,HBAの交換は終了です。
HBAの交換後にホストを再起動した場合は,「(3) ホスト再起動後のパス情報の更新」に示す手順を実行して,パスの情報を更新してください。
HBAの交換後にホストを再起動すると,HCTL情報のホストポート番号が再設定されます。このため,HBAを交換したときに存在していたパスの情報が古くなり,Offline(E)状態となって残ります。これを解消するには,次の手順を実行して,古くなったパスの情報を削除してください。
- HDLMコマンドのviewオペレーション(dlnkmgr view -path -hbaportwwn)を実行して,パスの状態を確認します。
HBAを交換したときに存在していたパスが,Offline(E)状態となって残っています。- dlmcfgmgrユティリティ(dlmcfgmgr -v)を実行して,HDLMデバイスの状態を確認します。
HBAを交換したときに存在していたパスがOffline(E)状態のため,Deviceに「-」(ハイフン)が表示されています。- dlmcfgmgrユティリティ(dlmcfgmgr -u)を実行して,古いパスおよびSCSIデバイスの情報を削除します。
-uパラメタには,手順2で参照した,Deviceに「-」(ハイフン)が表示されているHDevNameを指定します。Deviceに「-」(ハイフン)が表示されているすべてのHDevNameに対して,dlmcfgmgrユティリティを実行してください。
HDevNameが/dev/sddlmaaの場合の実行例を次に示します。# dlmcfgmgr -u /dev/sddlmaa- dlmcfgmgrユティリティ(dlmcfgmgr -v)を実行して,Deviceに「-」(ハイフン)が表示された行がすべて削除されたことを確認します。
# dlmcfgmgr -v- HDLMコマンドのviewオペレーション(dlnkmgr view -path -hbaportwwn)を実行して,Offline(E)状態だったパスの情報がすべて削除されたことを確認します。
# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -path -hbaportwwn
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