Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Linux®用)
ロードバランス機能を使用したときに適用されるパスについて,ストレージシステムごとに説明します。
- この項の構成
- (1) Hitachi AMS/TMS/WMSシリーズを使用している場合
- (2) Hitachi AMS/TMS/WMSシリーズ以外を使用している場合
- (3) VSP G1000シリーズおよびVSP Gx00モデルでglobal-active deviceを使用している場合
(1) Hitachi AMS/TMS/WMSシリーズを使用している場合
ロードバランスはオーナパス同士,またはノンオーナパス同士で行われます。オーナパスとは,ストレージシステム側のLUのオーナコントローラに設定した,CHAを経由するパスです。オーナコントローラはLUごとに異なるので,オーナパスもLUごとに異なります。ノンオーナパスとは,オーナコントローラ以外のCHA(ノンオーナコントローラ)を経由するパスです。使用するパスは,オーナパス,ノンオーナパスの順で選択されます。システム全体の性能劣化を避けるために,オーナパスとノンオーナパスとの間でのロードバランスは行いません。障害などで,一部のオーナパスが使用できなくなった場合,残りの使用できるオーナパスの間でロードバランスが行われます。すべてのオーナパスが使用できなくなった場合,ノンオーナパスの間でロードバランスが行われます。
「図2-9 ロードバランス」の例で,LUのオーナコントローラがCHA0であるとします。このとき,LUにアクセスする場合のロードバランスは,(A)と(B)のパスの間(オーナパス同士)で行われます。障害などで,(A)のパスが使用できなくなった場合,(B)のパスだけでLUにアクセスします。(A)と(B)のパスが使用できなくなった場合,(C)と(D)のパスの間(ノンオーナパス同士)で行われます。
(2) Hitachi AMS/TMS/WMSシリーズ以外を使用している場合
すべてのパスがオーナパスになります。したがって,同じLUにアクセスするすべてのパスの間でロードバランスが行われます。障害などで,一部のパスが使用できなくなった場合,残りの使用できるパスの間でロードバランスが行われます。
「図2-8 ロードバランス機能を使用している場合のI/Oの流れ」の例で,LUにアクセスする場合のロードバランスは,(A),(B),(C),(D)のパスの間で行われます。障害などで,どれかのパスが使用できなくなった場合,残りのパスの間でロードバランスが行われます。
- 注
- 対象となるストレージシステムを次に示します。
- Hitachi USPシリーズ
- Universal Storage Platform V/VMシリーズ
- Virtual Storage Platformシリーズ
- VSP G1000シリーズ
- VSP Gx00モデル
- VSP Fx00モデル
- Hitachi AMS2000シリーズ※
- Hitachi SMSシリーズ※
- HUS100シリーズ※
- HUS VM
- 注※ ダイナミックI/Oパスコントロール機能を無効にしているときに対象になります。
(3) VSP G1000シリーズおよびVSP Gx00モデルでglobal-active deviceを使用している場合
ストレージシステムのデフォルトの設定では,すべてのパスがオーナパスになり,global-active deviceペアを構成する正副ボリュームにアクセスするすべてのパスの間でロードバランスが行われます。
しかし,正サイトと副サイトの距離が長距離の場合,ホストと異なるサイトにI/Oを発行したときにI/O性能が低下することがあります。その場合は,ホストと異なるサイトのストレージシステムでnon-preferred path optionを設定してください。non-preferred path optionを設定したパスはノンオーナパスとなり,すべてのオーナパスが使用できなくなるまで使用されません。
HDLMデバイス構成済み状態でストレージシステムでnon-preferred path optionを設定した場合は,HDLMコマンドのrefreshオペレーションを実行するか,またはホストを再起動してください。
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