Replication Manager ユーザーズガイド
Exchange Serverのレプリカの運用時の前提条件および注意事項を示します。運用前に確認してください。
Exchange ServerおよびSQL Serverのレプリカ運用時に共通する注意事項については,「6.1.3 レプリカの運用時の注意事項(Exchange ServerおよびSQL Server)」を参照してください。
- この項の構成
- (1) レプリカの運用時の前提条件
- (2) レプリカの運用時の注意事項
- (3) 複数のストレージグループおよびインフォメーションストアに対するレプリカの運用時の注意事項
- (4) データベースサーバの構成変更時の注意事項
Exchange Serverのデータベースを構成するファイルは,コピーペアとして定義されたボリュームに格納してください。
レプリカの作成元となる,Exchange Serverのデータベースを構成するファイル(ストレージグループまたはインフォメーションストアの対象ファイル)を次に示します。
- データファイル(Exchange Serverのインフォメーションストア)(拡張子:*.edb)
- トランザクションログファイル(拡張子:*.log※)
- チェックポイントファイル(拡張子:*.chk※)
注※ トランザクションログファイルとチェックポイントファイルは,データファイルと同じボリュームに格納することはできません。
レプリカの作成,リストアなど,レプリカを運用する場合の注意事項を次に示します。
- Exchange Serverのストレージグループ名およびインフォメーションストア名には,次の文字は指定できません。
= ; ¥ / " ,- ストレージグループまたはインフォメーションストアを指定するときに,回復用ストレージグループまたはインフォメーションストアは指定しないでください。
回復用ストレージグループまたはインフォメーションストアを構成するファイルおよびフォルダは,レプリカの作成元となるストレージグループまたはインフォメーションストアとは別のファイルシステムに置く必要があります。- レプリカの作成元となるストレージグループのインフォメーションストアは,すべてマウントされている必要があります。また,マウント中にストレージグループ名またはインフォメーションストア名を変更した場合は,該当するストレージグループ配下のすべてのインフォメーションストア,または該当するインフォメーションストアを一度ディスマウントしてから,再度マウントする必要があります。
- レプリカの作成時に,副ボリュームのルートディレクトリに「DRMVSSMETADATA_<バックアップID>」という名称のフォルダが作成されます。このフォルダには,リストアするときに必要なバックアップメタデータファイルが格納されているため削除しないでください。リストア後に自動でフォルダが削除されます。
- トランザクションログを作成する分のドライブ容量が足りない状態でレプリカを作成すると,Replication Managerサーバからの応答がなくなる場合があります。この状況を回避するために,トランザクションログを定期的に削除してください。レプリカ作成ウィザードの[2. オプション設定]画面で,[Exchangeのトランザクションログファイルを削除する]チェックボックスを選択すると,自動で削除できます。
- DAGを構成している場合,GUIではDAGとホストの対応関係に関する情報は表示されません。DAGのメンバホストを参照したいときは,Exchange Server 2010,Exchange Server 2013,またはExchange Server 2016を使用して参照してください。
- DAGを構成している場合,パッシブメールボックスデータベースコピーのバックアップをPoint-in-timeリストアしたとき,バックアップコマンド実行時点のアクティブメールボックスデータベースコピーの内容より過去の状態にリストアされるおそれがあります。この状況を回避する場合は,次の手順を実行してください。
- データベースコピーの停止。
- データベースの再シード。
- パッシブメールボックスデータベースコピーのバックアップ。
- DAGを構成している場合,Exchange Server 2013またはExchange Server 2016の自動再シード機能は使用できません。
(3) 複数のストレージグループおよびインフォメーションストアに対するレプリカの運用時の注意事項
レプリカの情報は,コピーペアをキーにして管理されています。レプリカの作成のしかたによっては,副ボリュームにバックアップデータがあってもリストアできなくなる場合があります。別々のボリュームに格納された次の2つのオブジェクト(ストレージグループまたはインフォメーションストア)を例に説明します。
- オブジェクトA
- オブジェクトB
次のようにレプリカ作成を実施したとします。
- オブジェクトA,オブジェクトBを一括してレプリカを作成する。
- オブジェクトAだけレプリカを作成する。
手順2のように,オブジェクトAだけのレプリカを作成するとき,オブジェクトAが含まれる古いレプリカ情報は消去されます。つまり,オブジェクトBのレプリカ情報も消去されるので,オブジェクトBは副ボリュームにバックアップデータがあっても,リストアできなくなります。
オブジェクトBをリストアする場合,手順1で作成したレプリカからオブジェクトBをリストアしたあと,手順2で作成したレプリカからオブジェクトAのデータをリストアしてください。
次のどれかの操作を実施してアプリケーションの構成を変更した場合は,アプリケーションビューで該当するデータベースサーバを選択して[ホスト情報更新]ボタンをクリックし,情報を更新してください。レプリカの対象かどうかに関係なく,アプリケーションの構成変更時には,情報を更新する必要があります。
- Replication Manager以外のアプリケーションを使用してRAID Managerの構成定義ファイルを変更した場合
- データベースサーバ上のマウントポイント(ドライブ文字)を変更した場合
- ハードディスクを追加したり,取り外したりしてディスクの構成を変更した場合
- アプリケーション(Exchange Server)のデータベースの構成を変更した場合
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