Replication Manager ユーザーズガイド
Exchange ServerのレプリカおよびSQL Serverのレプリカを運用するどちらの場合にも必要な注意事項を示します。運用前に確認してください。
Exchange ServerおよびSQL Serverのレプリカを運用する場合,それぞれに必要な注意事項については,「6.2.1 レプリカの運用時の前提条件および注意事項(Exchange Server)」または「6.3.1 レプリカの運用時の前提条件および注意事項(SQL Server)」を参照してください。
- この項の構成
- (1) レプリカの運用時の注意事項(Exchange ServerおよびSQL Server)
- (2) レプリカ作成時の注意事項
- (3) レプリカの操作中に使用できないコマンドや処理
- (4) バックアップサーバの構成変更時の注意事項
- (5) Application AgentのCLIとReplication ManagerのGUIを使用する場合の注意事項
- (6) ShadowImageとTrueCopyのコピーペアを混在させる場合の注意事項
(1) レプリカの運用時の注意事項(Exchange ServerおよびSQL Server)
レプリカの作成,リストアなど,レプリカを運用する場合の注意事項を次に示します。
- バックアップサーバのOSがWindows Server 2008またはWindows Server 2012の場合,副ボリュームは「オフライン」に設定してください。
- データベースサーバおよびバックアップサーバの時刻を現在の時刻に設定しておいてください。時刻が合っていない場合,レプリカ管理操作に関するタスクの状態が正しく更新されません。
データベースサーバおよびバックアップサーバのタイムゾーンを変更した場合は,[エクスプローラ]メニューの[管理者メニュー]-[情報取得元]から該当のサーバを選択して[Agent情報更新]ボタンをクリックし,情報を更新してください。- RAID Managerが提供するコマンドなど,Replication Manager以外の方法でコピーペアの構成を変更した場合は,構成を更新したコピーペアを含むストレージシステム情報を更新したあと,データベースサーバについて,アプリケーション構成情報を更新してください。構成情報の更新およびアプリケーション構成情報の更新については,「3.3 最新の構成情報の取得」を参照してください。
- 副ボリュームを参照するシステムを再起動した場合など,レプリカ作成やリストアに使用する副ボリュームが自動的にマウントされたときは,Replication Managerでレプリカを運用する前に,OSが提供するディスク管理機能を使用して手動でアンマウントしてください。
- データベースサーバおよびバックアップサーバで,あらかじめ「新しいボリュームの自動マウント」を無効にしておいてください。
次の手順で現在の状態を確認し,「新しいボリュームの自動マウント」が有効になっていた場合は無効にしてください。
- コマンドプロンプトでdiskpartコマンドを実行します。
- automountと入力して,現在の状態を表示します。
- 「新しいボリュームの自動マウントが有効です。」と表示された場合,automount disableと入力して自動マウントを無効にします。
- exitと入力してdiskpartコマンドを終了します。
- Hitachi Dynamic Link Managerを使用する場合,Replication Managerで特定の操作を実行すると,副ボリュームが隠ぺいされてOSが副ボリュームからのパスを削除するため,パス障害を示すメッセージ(KAPL08019-E,KAPL08022-EまたはKAPL08026-E)がWindowsイベントログに出力されることがありますが,運用上の問題はありません。Application Agentの動作に影響がないイベントログおよび発生条件については,マニュアル「Hitachi Command Suite Replication Manager システム構成ガイド」を参照してください。
- Windowsの共有フォルダのシャドウコピー機能を有効にしたボリュームおよびシャドウコピーの記憶域として指定したボリュームに対して,レプリカを作成しないでください。レプリカを作成した場合,データの整合性は保証できません。
レプリカを作成する場合の注意事項について次に示します。
- レプリカの作成元となるボリューム上のフォルダに別のボリュームをマウントしないでください。マウントした場合,副ボリュームのマウントやリストアの処理で失敗するおそれがあります。
- レプリカの作成先の副ボリュームにLUN#0は使用できません。LUN#0のディスクを使用した場合,ほかのディスクが認識されなくなることがあります。
- 異なる論理ボリュームを「M:\」と「M:\MNT」のような階層関係にあるマウントポイントにそれぞれマウントしている場合,より下位の層にディレクトリマウントポイントを持つマウントポイント(この場合「M:\」)はレプリカ対象に指定しないでください。
上記を指定した場合は,レプリカ作成が失敗し,エラーメッセージ(KAVX0006-E,DRM-10062)が出力されます。
レプリカ対象に指定できるのは最下位層のマウントポイントだけになります。レプリカ対象にしたい複数のマウントポイント(ディレクトリマウントポイントを含む)の間では階層関係がない構成にしてください。- VSSバックアップで,バックアップサーバがWindows Server 2008またはWindows Server 2012で稼働している場合,レプリカ作成に失敗したとき,「オンライン」のままになることがあります。この場合,次の手順で,バックアップサーバの副ボリュームのディスク状態を「オフライン」にしてください。
- RAID Managerのinqraid $Phys -CLIコマンドを実行して,レプリカ対象となるすべての副ボリュームのディスク番号を確認します。
「DEVICE_FILE」列の数字がディスク番号です。- diskpartコマンドを実行します。
- 現在のディスク状態を表示するために,list diskと入力します。
サーバに接続されたディスクの一覧が表示されます。「Disk ###」列の数字がディスク番号です。
ディスク番号が副ボリュームと一致するディスクの「Status」列に「オンライン」と表示されているかどうかを確認してください。- ディスク状態が「オンライン」であるすべての副ボリュームに次の操作を繰り返します。
1. select disk <ディスク番号>と入力します。
「<ディスク番号>が選択されました。」と表示されます。
2. offline diskと入力します。
「DiskPart は選択されたディスクをオフラインにしました。」と表示されます。- 現在のディスク状態を表示するために,list diskと入力します。
副ボリュームのディスクの「Status」列が「オフライン」に変更されていることを確認します。- exitと入力してdiskpartコマンドを終了します。
レプリカを操作中に使用できないコマンドまたは処理について次に示します。
- Replication Managerでレプリカ管理の操作を実行している間は,RAID Managerのコマンドを実行しないでください。
- ほかのアプリケーションからの正ボリュームまたは副ボリュームへのアクセスと,レプリカ作成,リストア処理の実行とが衝突しないよう,ほかのアプリケーションは時間を調整して起動してください。
レプリカの作成,リストアの処理の実行中に,ほかのアプリケーションで正ボリュームまたは副ボリュームを使用していると,RAID Managerの動作不正,マウントやアンマウントの失敗,データ不整合などの問題が起こるおそれがあります。ほかのアプリケーションが,サービスからバックグラウンドで実行されている場合についても考慮してください。同時実行のおそれがあるアプリケーションの例を次に示します。
- ディスク管理機能
- CHKDSKコマンド
- ディスクのデフラグ
- パフォーマンスログ
- ウィルスチェック
- ドライブ内のディレクトリとファイルを追跡するプログラム(インデックスサービスやDLCサービスなど)
- ディスク操作を実行するアプリケーション(Application Agent以外のバックアップ製品など)
- Windowsのインデックスサービス(SearchIndexer.exe)について,次の点に注意してください。
- インデックスサービスのマスタ結合が動作中でないことを確認してください。
インデックスサービスによるファイルアクセスと,Replication Managerによるファイル操作が競合し,インデックスサービスのマスタ結合が失敗したり,レプリカ作成やリストア処理が失敗したりすることがあります。- インデックスサービスのカタログの保存場所となっているボリュームを,レプリカ作成やリストアの対象にしないでください。
リストア操作によってインデックスサービスのカタログも同時にリストアされるため,インデックスサービスが予期しない動作をするおそれがあります。- バージョン6.4以前のProvisioning Managerと併用する場合には,次の点に注意してください。
データベースサーバまたはバックアップサーバに対して,Provisioning Managerからのホストの設定操作またはホストの更新操作の実行中,および操作終了後10分間は,そのデータベースサーバまたはバックアップサーバに対してReplication Managerからの操作を実施しないでください。
Replication Managerからの操作がエラー終了するおそれがあります。Provisioning Managerの操作が終了して10分以上経ってから操作を実施してください。
データベースサーバのApplication Agentの設定でバックアップサーバを変更する場合は,バックアップサーバを変更する前に既存のレプリカタスクを削除して,バックアップサーバを変更したあとにレプリカタスクを再作成してください。既存のレプリカタスクが残っている場合,これらのレプリカタスクが変更前のバックアップサーバに対して実行されることがあります。
(5) Application AgentのCLIとReplication ManagerのGUIを使用する場合の注意事項
Application AgentのCLIを使用してレプリカを管理するときは,次のことに注意してください。
- Application AgentのCLIを使用してレプリカを作成した場合,GUIにはこの情報が表示されません。GUIで最新のレプリカ情報を確認するには,バックアップを取得したホストを選択して,[ホスト情報更新]ボタンをクリックしてください。
- Application AgentのCLIを使用してレプリカを作成している場合,GUIのデータ保護状態には正しい状態が表示されません。想定される最新のレプリカを決定するために必要なスケジュールをReplication Managerが把握していないためです。この運用では,レプリカ作成の対象となるデータベースをデータ保護状態の監視対象から除外することを推奨します。
(6) ShadowImageとTrueCopyのコピーペアを混在させる場合の注意事項
ShadowImageとTrueCopyのコピーペアを混在させる構成で,ShadowImageのコピーペアをリストアする場合,TrueCopyのコピーペアをsimplexまたはsuspend状態にしてください。TrueCopyのコピーペアがsync状態のままでShadowImageのコピーペアをリストアすると,コピーグループの状態が不正であることを表すエラーメッセージが出力され,リストアに失敗します。
ShadowImageとTrueCopyのコピーペアを混在させる場合のシステム構成を次の図に示します。
図6-2 ShadowImageの正ボリュームとTrueCopyの正ボリュームが同じLDEVの例
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