Replication Manager ユーザーズガイド
プールボリュームの設定手順について説明します。
- この項の構成
- (1) プールボリュームとは
- (2) プールボリュームの要件
- (3) プールボリュームの最大数
- (4) プール使用率のしきい値
- (5) プールの作成ウィザードの概要
プールには,次の2つがあります。
- 正ボリュームからの差分データを格納する領域
Copy-on-Write Snapshot,Thin Image,またはTrueCopy Extended Distanceで使用するプールです。Replication Managerではボリューム複製機能を使用する前に,このプールを設定する必要があります。- 将来的に必要とされる容量の予測に基づいて,仮想ストレージの容量を割り当てる領域
実ボリュームから構成されているDPプールボリュームを登録する領域としてのプール(DPプール)です。ホストからDPボリューム(DPプールから作成された仮想ボリューム)へ書き込まれる際に,そのデータがDPプールボリュームへ格納されます。
DPプールについては,マニュアル「Hitachi Command Suite ユーザーズガイド」を参照してください。各プールのオプションとして,警告状態に変わるときの値を表すプール使用率のしきい値を設定できます。
重要
- Replication ManagerでThin Imageのプールを削除すると,プールに使用されているプールボリュームが自動的にフォーマットされます。プールボリュームをフォーマットしている間は,ほかのユーザーやプログラムからストレージシステムの設定を変更できません。また,外部ボリュームがプールボリュームに使用されている場合,フォーマットに時間が掛かることがあります。
- フォーマットしないでプールを削除したい場合は,Hitachi Command Suite製品以外のストレージシステム運用管理ソフトウェア(Storage Navigatorなど)を使用してください。
重要
- HUS100シリーズで,Copy-on-Write SnapshotまたはTrueCopy Extended Distanceを使用する場合,ボリュームのレプリケーションを実施するために必要な正ボリュームからの差分データおよび管理領域は,DPプールに作成されるため,プールボリュームを設定する必要はありません。
- Replication Managerでは,HUS100シリーズで,Copy-on-Write SnapshotまたはTrueCopy Extended Distanceの場合,正ボリュームからの差分データと管理領域は同じDPプールに作成されます。正ボリュームからの差分データと管理領域を異なるDPプールに作成したい場合は,Hitachi Command Suite製品以外のストレージシステム運用管理ソフトウェア(Storage Navigator Modularなど)を使用して設定してください。
Replication Managerでは,次の条件をすべて満たす場合にプールを設定できます。
- オープン系システムである。
- ストレージシステムがVSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,Virtual Storage Platform,Universal Storage Platform V/VM,Hitachi USP,VSP E990,VSP Gx00モデル,VSP Fx00モデル,HUS VM,Hitachi AMS2000またはHitachi AMS/WMSである。
- Copy-on-Write Snapshot,Thin Image,またはTrueCopy Extended Distanceのライセンスが,ストレージシステムに登録されている。
プールボリュームとして使用するボリュームは,各ストレージシステム種別に応じた条件を満たす必要があります。プールボリュームとして設定するためのボリュームの要件を,エンタープライズクラスストレージとミッドレンジストレージについて,それぞれ次の表に示します。
表4-1 プールボリュームとして設定するためのボリュームの要件(エンタープライズクラスストレージ,VSP E990,VSP Gx00モデル,VSP Fx00モデルまたはHUS VMの場合)
要件 VSP 5000シリーズ VSP G1000
VSP G1500
VSP F1500Virtual Storage Platform Universal Storage Platform V/VM Hitachi USP VSP E990 VSP Gx00モデル
VSP Fx00モデルHUS VM 容量 8GB~4TB 8GB~4TB 8GB~4TB 8GB~4TB - 8GB~4TB 8GB~4TB 8GB~4TB ペアボリュームでない ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ジャーナルボリュームでない ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ コマンドデバイスでない ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ エミュレーションタイプがOPEN-Vである ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ LUSEボリュームを構成していない - - ○ ○ ○ ○ ○ ○ V-VOLでない ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ GUARDでない ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ボリュームマイグレーションで使用するための予約ボリュームでない ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ オンデマンドボリュームでない - - - - ○ - - - パスが設定されていない ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ システムドライブでない ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 状態がnormalまたはnormal (Quick Format)である ○ ○ ○ - - ○ ○ ○ 状態がnormalである - - - ○ ○ - - - FCとSATAが混在していない(編集時) - - - - ○ - - - 設定するボリュームが内部ボリュームのとき,FC,SATA,SSDが混在していない(編集時) - - - ○ - - - - 選択されたプールと同じCLPRである(編集時) - - ○ ○ ○ ○ ○ ○ DPボリュームでない ○ ○ ○ ○ - ○ ○ ○ DPプールボリュームでない ○ ○ ○ ○ - ○ ○ ○ Quorumドライブでない ○ ○ ○ ○ - ○ ○ ○ 暗号化ボリュームと非暗号化ボリュームが混在していない(編集時) ○ ○ ○ ○ - ○ ○ ○ すでに設定されているプールボリュームとRAIDレベルが同一である - - ○※ - - ○ ○ - PoolOnly属性が有効になったボリュームでない ○ ○ - - - ○ ○ - Data Direct Mapping属性が有効になったボリュームでない ○ ○ - - - ○ ○ - ドライブタイプがFMC,かつ容量拡張が有効なパリティグループから作成されたボリュームでない ○ ○ - - - ○ ○ -
- (凡例)
- ○:該当する
- -:該当しない
- 注※
- Copy-on-Write Snapshotの場合,該当します。
表4-2 プールボリュームとして設定するためのボリュームの要件(ミッドレンジストレージの場合)
要件 Hitachi AMS2000 Hitachi AMS/WMS 容量 - 20GB以上 ペアボリュームでない ○ ○ プールボリュームでない ○ ○ コマンドデバイスでない ○ ○ LUSEボリュームを構成していない - ○ V-VOLでない ○ ○ FCとSATAが混在していない(編集時) - ○ SASとSATAが混在していない(編集時) ○ - DPプールボリュームでない ○ -
- (凡例)
- ○:該当する
- -:該当しない
プール作成時に指定可能なプールボリュームの最大数を次の表に示します。
ストレージシステム種別 プールボリュームの最大数 VSP 5000シリーズ 1024 VSP G1000 VSP G1500 VSP F1500 Virtual Storage Platform Universal Storage Platform V/VM Hitachi USP VSP E990 VSP Gx00モデル VSP Fx00モデル HUS VM Hitachi AMS2000 64 Hitachi AMS/WMS
プール使用率のしきい値は,次の表に示す範囲で設定してください。
表4-4 プールオプションに指定できる警告状態の使用率のしきい値
ストレージシステム種別 指定できるしきい値の範囲 VSP 5000シリーズ 20~95% VSP G1000 VSP G1500 VSP F1500 Virtual Storage Platform Universal Storage Platform V/VM Hitachi USP VSP E990 VSP Gx00モデル VSP Fx00モデル HUS VM Hitachi AMS2000 50~80% Hitachi AMS/WMS
Replication Managerには,プールボリュームを登録するためのプールの作成ウィザードが用意されています。
プールの作成ウィザードでは,次の機能を使用できます。
- 新規プールに割り当てるプールIDを選択するためのプールIDドロップダウンリスト
- プールボリュームとして登録するボリュームを絞り込むためのフィルター
- プールボリュームとして登録できるボリューム
- プールボリュームとして登録されるボリュームの一覧
- プール容量使用率の警告用しきい値を設定するためのプールオプション
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