Tuning Manager - Agents

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A.2 メモリー所要量

ここでは，HTM - Agentsのメモリー所要量について説明します。

注意
ここで説明するメモリーとは，実メモリー（各製品が実際に必要とする物理的なメモリー容量）とハードディスク上の一時的な領域（各製品が実際に必要とするページングファイルやスワップファイル）を組み合わせた「仮想メモリー」を指しています。十分な実メモリーが確保できない場合，処理性能に影響が出るおそれがあります。
この節の構成
A.2.1 HTM - Agent for RAIDのメモリー所要量
A.2.2 HTM - Agent for NASのメモリー所要量
A.2.3 Tuning Manager - Agent REST Application Serviceのメモリー所要量
A.2.4 TCP/IP接続を使用したパフォーマンスデータ収集プロセスのメモリー所要量
A.2.5 アラート機能使用時のメモリー所要量

A.2.1 HTM - Agent for RAIDのメモリー所要量

メモリー所要量は，HTM - Agent for RAIDの設定状況や使用状況によって変化します。

HTM - Agent for RAIDのメモリー所要量の，おおよその見積もりを次の表に示します。初期状態とは，1インスタンスで運用する場合のことを示します。

表A-1 メモリー所要量（HTM - Agent for RAIDの場合）

HTM - Agent for RAIDの状態 メモリー所要量（単位：メガバイト）
Windows Linux
初期状態での運用 a+b+c+d+e+f a+b+c+d+e+f
初期状態以外での運用 (a1+b1+c1+f1) + (a2+b2+c2+f2) + ... + (an+bn+cn+fn)+d+e (a1+b1+c1+f1) + (a2+b2+c2+f2) + ... + (an+bn+cn+fn)+d+e

（凡例）
記号 説明 参照先
a jpcagtdプロセスのメモリー所要量
インスタンス数がnの場合，各インスタンスのメモリー所要量が，a1～anに該当します。
 -
b jpcstoプロセスのメモリー所要量
インスタンス数がnの場合，各インスタンスのメモリー所要量が，b1～bnに該当します。
 -
c hpmrlcollectorプロセス※1のメモリー所要量
インスタンス数がnの場合，各インスタンスのメモリー所要量が，c1～cnに該当します。
 -
d Tuning Manager - Agent REST Web Serviceのメモリー所要量※2
1,024MB（Hybrid Storeを利用できる全OSで共通）が必要です。
 -
e Tuning Manager - Agent REST Application Serviceのメモリー所要量 「A.2.3 Tuning Manager - Agent REST Application Serviceのメモリー所要量」の「(1) HTM - Agent for RAIDの場合」
f TCP/IP接続を使用したパフォーマンスデータ収集プロセスのメモリー所要量
jpcconf inst setup（jpcinssetup）コマンドで設定するJava VM Heap Memoryの値です。
インスタンス数がnの場合，各インスタンスのメモリー所要量が，f1～fnに該当します。
 「A.2.4 TCP/IP接続を使用したパフォーマンスデータ収集プロセスのメモリー所要量」
n エージェントのインスタンス数 -

注※1
収集時刻定義ファイル（conf_refresh_times.ini）に定義したタイミングでストレージシステムの構成情報を収集する場合だけ，このプロセスのメモリー所要量を見積もる必要があります。

注※2
同一ホスト内にHybrid Storeで運用している他のAgentが存在する場合，このTuning Manager - Agent REST Web Serviceのメモリー所要量は共通で使用します。そのため，このメモリー所要量は，どれか1つのAgentの計算で加算してください。

各プロセスのメモリー所要量は，各インスタンスの監視対象ストレージシステムおよびOSによって異なります。各プロセスのメモリー所要量を「表A-2 jpcagtdプロセスのメモリー所要量」から「表A-4 hpmrlcollectorプロセスのメモリー所要量」に示します。

表A-2 jpcagtdプロセスのメモリー所要量

監視対象ストレージシステム メモリー所要量（単位：メガバイト）
Windows Linux
Hitachi AMS2000/AMS/WMS/SMSシリーズ 200 350
HUS100シリーズ 200 350
  • Hitachi USP
  • H12000
  • H10000
 240 450
Universal Storage Platform V/VMシリーズ 870 1600
Virtual Storage Platformシリーズ 1220 2000
VSP 5000シリーズ 1220 2000
VSP G1000，G1500，VSP F1500，VSP G130，G150，G350，G370，G700，G900，VSP F350，F370，F700，F900およびVSP E990 1220 2000
HUS VM 870 1600
VSP G100，G200，G400，G600，G800およびVSP F400，F600，F800 870 1600

表A-3 jpcstoプロセスのメモリー所要量

監視対象ストレージシステム メモリー所要量（単位：メガバイト）
Windows Linux
Hitachi AMS2000/AMS/WMS/SMSシリーズ 30 150
HUS100シリーズ 30 150
  • Hitachi USP
  • H12000
  • H10000
 60 180
Universal Storage Platform V/VMシリーズ 200 300
Virtual Storage Platformシリーズ 200 300
VSP 5000シリーズ 200 300
VSP G1000，G1500，VSP F1500，VSP G130，G150，G350，G370，G700，G900，VSP F350，F370，F700，F900およびVSP E990 200 300
HUS VM 120 200
VSP G100，G200，G400，G600，G800およびVSP F400，F600，F800 120 200

表A-4 hpmrlcollectorプロセスのメモリー所要量

監視対象ストレージシステム メモリー所要量（単位：メガバイト）
Windows Linux
Hitachi AMS2000/AMS/WMS/SMSシリーズ 120 180
HUS100シリーズ 120 180
  • Hitachi USP
  • H12000
  • H10000
 100 210
Universal Storage Platform V/VMシリーズ 290 600
Virtual Storage Platformシリーズ 660 1100
VSP 5000シリーズ 660 1100
VSP G1000，G1500，VSP F1500，VSP G130，G150，G350，G370，G700，G900，VSP F350，F370，F700，F900およびVSP E990 660 1100
HUS VM 220 450
VSP G100，G200，G400，G600，G800およびVSP F400，F600，F800 220 450

A.2.2 HTM - Agent for NASのメモリー所要量

メモリー所要量は，HTM - Agent for NASの設定状況や使用状況によって変化します。

HTM - Agent for NASのメモリー所要量の，おおよその見積もりを次の表に示します。初期状態とは，1インスタンスで運用する場合のことを示します。

(1) 監視対象がHitachi Virtual File Platformの場合

ここでは，次のファイルサーバの監視について，説明します。なお，これらのファイルサーバを総称して，「Hitachi Virtual File Platform」と呼びます。

表A-5 メモリー所要（監視対象がHitachi Virtual File PlatformのHTM - Agent for NASの場合）

HTM - Agent for NASの状態 メモリー所要量（単位：メガバイト）
Windows Linux
初期状態での運用 a+b+c+d a+b+c+d
初期状態以外での運用 (a1+b1) + (a2+b2) + ... + (an+bn)+c+d (a1+b1) + (a2+b2) + ... + (an+bn)+c+d

（凡例）
記号 説明 参照先
a jpcagtnプロセスのメモリー所要量
インスタンス数がnの場合，各インスタンスのメモリー所要量が，a1～anに該当します。
 -
b jpcstoプロセスのメモリー所要量
インスタンス数がnの場合，各インスタンスのメモリー所要量が，b1～bnに該当します。
 -
c Tuning Manager - Agent REST Web Serviceのメモリー所要量※
1,024MB（Hybrid Storeを利用できる全OSで共通）が必要です。
 -
d Tuning Manager - Agent REST Application Serviceのメモリー所要量 「A.2.3 Tuning Manager - Agent REST Application Serviceのメモリー所要量」の「(2) HTM - Agent for NASの場合」
n エージェントのインスタンス数 -

注※
同一ホスト内にHybrid Storeで運用している他のAgentが存在する場合，このTuning Manager - Agent REST Web Serviceのメモリー所要量は共通で使用します。そのため，このメモリー所要量は，どれか1つのAgentの計算で加算してください。

各プロセスのメモリー所要量はOSによって異なります。各プロセスのメモリー所要量を次に示します。

表A-6 プロセスのメモリー所要量（監視対象がHitachi Virtual File PlatformのHTM - Agent for NASの場合）

プロセス名 メモリー所要量（単位：メガバイト）
Windows Linux
jpcagtn 20+z 180+z
jpcsto 9 180

（凡例）
z=(a*15 + b*19 + c*21 + d*4 + e*17 + 56)/1,024
zの計算結果は，小数点以下を切り捨ててください。

下記はレコードを収集するときだけ必要です。
記号 説明
a PDレコードのインスタンス数※
b PI_DEVDレコードのインスタンス数※
c PD_FSLレコードのインスタンス数※
d PD_IACレコードのインスタンス数※
e PD_FSCレコードのインスタンス数※

注※
各レコードのインスタンス数の見積もり方法を「表D-11 各レコードのインスタンス数の見積もり方法（監視対象がHitachi Virtual File PlatformのHTM - Agent for NASの場合）」に示します。既存のHitachi Virtual File Platformを監視する場合，NASシステムの拡張を考慮して見積もりをしてください。

(2) 監視対象がNAS Platformの場合

表A-7 メモリー所要量（監視対象がNAS PlatformのHTM - Agent for NASの場合）

HTM - Agent for NASの状態 メモリー所要量（単位：メガバイト）
Windows Linux
初期状態での運用 a+b+c+d+e a+b+c+d+e
初期状態以外での運用 (a1+b1+c1) + (a2+b2+c2) + ... + (an+bn+cn)+d+e (a1+b1+c1) + (a2+b2+c2) + ... + (an+bn+cn)+d+e

（凡例）
記号 説明 参照先
a jpcagtnプロセスのメモリー所要量 -
b jpcstoプロセスのメモリー所要量 -
c javaプロセス
（NAS Platform情報取得コマンド）のメモリ所要量（非常駐で情報取得時にだけ稼働します）
 -
d Tuning Manager - Agent REST Web Serviceのメモリー所要量※
1,024MB（Hybrid Storeを利用できる全OSで共通）が必要です。
 -
e Tuning Manager - Agent REST Application Serviceのメモリー所要量 「A.2.3 Tuning Manager - Agent REST Application Serviceのメモリー所要量」の「(2) HTM - Agent for NASの場合」
n エージェントのインスタンス数 -

注※
同一ホスト内にHybrid Storeで運用している他のAgentが存在する場合，このTuning Manager - Agent REST Web Serviceのメモリー所要量は共通で使用します。そのため，このメモリー所要量は，どれか1つのAgentの計算で加算してください。

各プロセスのメモリー所要量はOSによって異なります。各プロセスのメモリー所要量を次に示します。

表A-8 プロセスのメモリー所要量（監視対象がNAS PlatformのHTM - Agent for NASの場合）

プロセス名 メモリー所要量（単位：メガバイト）
Windows Linux
jpcagtn 20+z 180+z
jpcsto 10 180
java 100※1 300※1

（凡例）
z=(a*1 + b*2 + c*1 + d*1 + e*1 + f*1 + g*1 + h*8 + i*2 + 6)/1,024
zの計算結果は，小数点以下を切り捨ててください。

下記はレコードを収集するときだけ必要です。
記号 説明
a PD_HNCレコードのインスタンス数※2
b PD_HECレコードのインスタンス数※2
c PD_HFSCレコードのインスタンス数※2
d PD_HPLCレコードのインスタンス数※2
e PD_HSDCレコードのインスタンス数※2
f PI_HNSレコードのインスタンス数※2
g PI_HFSSレコードのインスタンス数※2
h PI_HNSレコードのインスタンス数※2
この値は，PI_HNCSレコードを収集する場合に計算が必要です。
i PI_HNSレコードのインスタンス数※2
この値は，PI_HNHSレコードを収集する場合に計算が必要です。

注※1
javaプロセスのために確保されるメモリー領域は，javaプロセス起動時に引数によって指定するヒープ領域のサイズとOSの動作に依存します。実際に使用するメモリー量は，v8.5時点では，Windowsの場合は50MB，Linuxの場合は60MB程度ですが，OSからはWindowsの場合に80MB，Linuxの場合に250MB程度確保されます。そのため，システム見積もりとしては確保された値を元にした値を記載しています。

注※2
各レコードのインスタンス数の見積もり方法を「表D-13 各レコードのインスタンス数の見積もり方法（監視対象がNAS PlatformのHTM - Agent for NASの場合）」に示します。既存のNAS Platformを監視する場合，NASシステムの拡張を考慮して見積もりをしてください。

A.2.3 Tuning Manager - Agent REST Application Serviceのメモリー所要量

Tuning Manager - Agent REST Application Serviceのメモリー所要量を算出する式を次に示します。

Tuning Manager - Agent REST Application Serviceで使用する最大メモリー所要量は，Windowsの場合は「10.1.3 Tuning Manager - Agent REST Application Serviceで使用する最大メモリーサイズの変更」，Unixの場合は「11.1.3 Tuning Manager - Agent REST Application Serviceで使用する最大メモリーサイズの変更」の方法で変更できます。

なお，Hybrid Storeでの運用を選択したHTM - Agent for RAIDとHTM - Agent for NASが同一ホスト内にインストールされている環境の場合は，次に示すそれぞれの算出結果を合算してください。

(1) HTM - Agent for RAIDの場合

A=600+175*B÷1000+C

（凡例）
記号 説明 参照先
A メモリー所要量（単位：メガバイト） -
B Tuning Manager - Agent REST Application Serviceが管理する全インスタンスの監視対象LDEVの合計数 -
C アラート機能使用時のメモリー所要量 「A.2.5 アラート機能使用時のメモリー所要量」

（例）LDEVの合計数が8,000でアラート機能未使用時の場合
A=600+175*8000÷1000=2000（メガバイト）

なお，インストール時にはTuning Manager - Agent REST Application Serviceで使用する最大メモリー所要量を次の3つから選択できます。

注意
算出したメモリー所要量が6GBを超える場合は，インストール時には最大メモリーサイズとして6GBを選択してください。その上で，インストール後に最大メモリーサイズを算出したメモリー所要量に変更してください。

(2) HTM - Agent for NASの場合

A=50+40*B+C

（凡例）
記号 説明 参照先
A メモリー所要量（単位：メガバイト） -
B Tuning Manager - Agent REST Application Serviceが管理するHTM - Agent for NASの全インスタンス数 -
C アラート機能使用時のメモリー所要量 「A.2.5 アラート機能使用時のメモリー所要量」

（例）インスタンス数が50でアラート機能未使用時の場合
A=50+40*50=2050（メガバイト）

なお，HTM - Agent for RAIDが存在していない環境にインストールする場合，Tuning Manager - Agent REST Application Serviceで使用する最大メモリー所要量には，2GBが設定されます。

A.2.4 TCP/IP接続を使用したパフォーマンスデータ収集プロセスのメモリー所要量

TCP/IP接続を使用したパフォーマンスデータ収集プロセスのメモリー所要量は，jpcconf inst setup（jpcinssetup）コマンドを使ってインスタンスを作成する時にユーザが指定したメモリーの値に基づいて決定されます。jpcconf inst setup（jpcinssetup）コマンドに指定するメモリーサイズの見積もり式を次に示します。

A=100+B

（凡例）
記号 説明
A メモリー所要量（単位：メガバイト）
B 収集対象レコード別のメモリー所要量
Bは次の表に示すメモリー所要量のうち，最大となる値を使用してください。

表A-9 収集対象レコード別メモリー所要量

収集対象レコード メモリー所要量（単位：メガバイト）
PI_ELDS
PI_LDSX
PI_LDTC
PI_LDUR
 0.04 * LDEV数 / サンプリング間隔（分）
PI_LSP 0.07 * LUパス数 / サンプリング間隔（分）
PI_LDU
PI_LTSP
PI_LUSP
 0.05 * LUパス数 / サンプリング間隔（分）

（例）LDEV数が8,000，LUパス数が10,000，サンプリング間隔が1分の場合に，PI_LDSX, PI_LDURとPI_LDUレコードを収集している場合
PI_LDSX，およびPI_LDURの値 = 0.04 * 8,000 / 1 = 320
PI_LDUの値= 0.05 * 10,000 / 1 = 500
320 < 500 なので，500を使用
A=100+500=600（メガバイト)

A.2.5 アラート機能使用時のメモリー所要量

アラート機能使用時のメモリー所要量は，エージェントホスト当たりの条件式（trigger型）の数，および送信するemail本文の文字列長（email型のbody変数に指定する文字列の長さ）によって異なります。

エージェントホスト当たりの条件式（trigger型）の総数ごとのメモリー所要量を次に示します。

表A-10 アラート機能使用時のメモリー所要量（メール本文の文字列長が500バイト以上の場合）

OS エージェントホスト当たりの条件式の総数 メモリー所要量（単位：メガバイト）
発生頻度(frequency)を使用する場合 発生頻度(frequency)を使用しない場合
全OS共通（64bit） 0 0 0
1～200 1,024 300
201～2,000 1,536 800
2,001～10,000 3,584 3,072
以降10,000増えるたびに +2,560 +2,560

表A-11 アラート機能使用時のメモリー所要量（メール本文の文字列長が500バイト未満の場合）

OS エージェントホスト当たりの条件式の総数 メモリー所要量（単位：メガバイト）
発生頻度(frequency)を使用する場合 発生頻度(frequency)を使用しない場合
全OS共通（64bit） 0 0 0
1～200 1,024 300
201～2,000 1,536 800
2,001～10,000 2,526 2,048
以降10,000増えるたびに +1,536 +1,536

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