Tuning Manager - Agents

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7.1.2 アラート機能使用時のemail送信の設定

この項の構成
(1) プロパティファイルの設定
(2) テストメールの送信

(1) プロパティファイルの設定

アラート機能を使用してしきい値を超えた際にemailを送信して問題発生を通知する場合,エージェントホストごとに,プロパティファイル(alertglobalconfig.ini)でemailの送信情報を設定する必要があります。

プロパティファイルの格納先を次に示します。

Windowsの場合:
インストール先フォルダ\htnm\agent\config

Linuxの場合:
インストール先ディレクトリ/htnm/agent/config

  1. Tuning Manager Agent REST APIコンポーネントのサービスを停止します。
    エージェントをインストールしているホストで次のコマンドを実行してください。
    • Windowsの場合:
      インストール先フォルダ\htnm\bin\htmsrv stop -webservice
    • Linuxの場合:
      インストール先ディレクトリ/htnm/bin/htmsrv stop -webservice
  2. プロパティファイル(alertglobalconfig.ini)を編集※1します。
    alertglobalconfig.iniファイルをUTFで保存する場合は,BOM(byte order mark)が付与されないように保存してください。
    各プロパティに設定する値については,次の表を参照してください。

    表7-1 プロパティファイル(alertglobalconfig.ini)のプロパティ一覧

    プロパティ 説明 入力できる値 デフォルト値 省略時の動作
    Notice メール送信機能の有効無効 YesまたはNo No デフォルト値が設定されます。
    From Address 送信元メールアドレス 0 - 256 byte※2 TuningManagerAgent デフォルト値が設定されます。
    SMTP Host SMTPサーバのホスト名,またはIPアドレス 0 - 256 byte※2 メールで通知されません。
    SMTP Port SMTPサーバのポート番号 0 - 65535 25 デフォルト値が設定されます。
    SMTP Auth SMTP認証の有無 YesまたはNo No デフォルト値が設定されます。
    SMTP Error To メール送信失敗時の通知先メールアドレス 0 - 256 byte※2 メールの送信失敗時に,失敗が通知されません。
    SMTP Auth User Id SMTP認証時のユーザID ユーザID

    SMTP認証する場合
    メールで通知されません。

    SMTP認証しない場合
    メールで通知されます。
    SMTP Auth Password SMTP認証時のパスワード(平文,またはエンコードしたパスワード※3 パスワード

    SMTP認証する場合
    メールで通知されません。

    SMTP認証しない場合
    メールで通知されます。
    SMTP Auth Password Encoding SMTP Auth Passwordに指定したパスワードがエンコードされたものか否か YesまたはNo No デフォルト値が設定されます。

    (凡例)
    -:デフォルト値なし

    注※1
    プロパティファイル(alertglobalconfig.ini)を編集する場合の注意事項を次に示します。
    ・各プロパティは[[Email Notice]]サブセクションに記載してください。
    ・「プロパティ=」のフォーマットで記載してください。
    ・「#」(シャープ)で始める行はコメントとして扱います。
    プロパティファイルは,次の書式で定義してください。
    [Alert Setting]
    [[Email Notice]]
    Notice=メール送信機能の有効無効
    From Address=送信元メールアドレス
    SMTP Host=SMTPサーバのホスト名またはIP アドレス
    SMTP Port=SMTPサーバのポート番号
    SMTP Auth=SMTP認証の有無
    SMTP Error To=メール送信失敗時の通知先メールアドレス
    SMTP Auth User Id=SMTP認証時のユーザID
    SMTP Auth Password=SMTP認証時のパスワード
    SMTP Auth Password Encoding=指定したパスワードがエンコードされたものか否か

    注※2
    ASCIIコードで指定してください。大文字と小文字は区別されます。

    注※3
    パスワードをエンコードすると,システム上の他のユーザからパスワードを隠すことができます。エンコードしたパスワードはhtmpwencoderコマンドを使用して取得してください。htmpwencoderコマンドの詳細については,「18.2.8 htmpwencoder」を参照してください。
  3. Tuning Manager Agent REST APIコンポーネントのサービスを起動します。
    エージェントをインストールしているホストで次のコマンドを実行してください。
    • Windowsの場合:
      インストール先フォルダ\htnm\bin\htmsrv start -webservice
    • Linuxの場合:
      インストール先ディレクトリ/htnm/bin/htmsrv start -webservice

(2) テストメールの送信

プロパティファイルの設定が完了したら,テストメール用のアラート定義情報を設定してemail送信が正しく動作するか確認します。emailの送信情報を設定または変更した場合,メール通知エラーを防止するために必ず動作確認することを推奨します。

注意
ここで説明する手順で検証できる範囲は,Agentホスト上のemail送信のSMTPサーバ設定までです。実際の業務で利用するアラート定義情報の正当性を検証することはできません。

前提条件

テストメールの送信手順を,次に示します。

なお,ここでは,Windows環境でhtmrestコマンドを使用した例をあげて説明します。

補足
  • htmrestコマンド実行に必要な設定や前提条件,およびコマンドの詳細については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager APIリファレンスガイド」を参照してください。
  • Device Manager,Tuning Manager serverおよびHTM - Agent for RAIDの設定をデフォルトから変更している場合やWindows環境以外の場合は,環境に合わせて読み替えてください。
  • 手順の中でリクエスト時に使用するファイルの保存先は,任意です。例と異なる保存先の場合は,そのファイルのパスに読み替えてください。
  • 出力例は,見やすくするために改行を入れています。

  1. Device Managerをインストールしているホスト上で,コマンドプロンプトを開きます。
    手順2以降は,このコマンドプロンプト上で実行します。
  2. 次のコマンドを実行して,使用するJREを設定します。
    この手順は,htmrestコマンドの実行に必要な設定が完了している場合は,不要です。
    set HTMREST_CLI_JRE_PATH=C:\Program Files\HiCommand\Base64\uCPSB\jdk\jre\bin
    
  3. 次のコマンドを実行して,カレントディレクトリをTuning Manager APIを実行するコマンドの格納ディレクトリに変更します。
    cd /d C:\Program Files\HiCommand\DeviceManager\HiCommandServer\tools\htmrest
    
  4. 次のコマンドを実行して,HTM - Agents情報を更新します。
    htmrest PUT http://localhost:22015/DeviceManagerWebService/analytics/v1/services/agent-manager/actions/refresh/invoke -u system -p manager -b C:\tmp\testTargetAgent.txt

    リクエスト時に読み込ませたファイルの内容:(testTargetAgent.txt)
    {
         "agentType" : "all"
    }
    
    HTM - Agents情報の更新が成功した場合の出力例
    200
    {
      "state":"Succeeded"
    }
    
  5. 次のコマンドを実行して,HTM - Agents情報を取得します。
    アラート定義情報を配布する対象のエージェントが表示されることを確認してください。
    htmrest PUT http://localhost:22015/DeviceManagerWebService/analytics/v1/services/agent-manager/actions/list/invoke -u system -p manager -b C:\tmp\getAgentListAll.txt
    

    リクエスト時に読み込ませたファイルの内容:(getAgentListAll.txt)
    {
         "agentType" : "all"
    }
    
    HTM - Agents情報の取得に成功した場合の出力例
    200
    {
      "data":
      [
        {
          "agentType":"RAID",
          "hostName":"myhost1",
          "instanceName":"inst001",
          "model":"VSP G1000",
          "serialNumber":"12345",
          "lastMonitoredTime":"2016-06-23T12:48:29Z",
          "formatVersion":"1.0"
        }
      ]  
    }
    
  6. 次のコマンドを実行して,テストメール用のアラート定義情報(AlertDefForTestMail)を追加します。
    htmrest POST http://localhost:22015/DeviceManagerWebService/analytics/v1/objects/alert-defs -u system -p manager -b C:\tmp\testAlartDef.txt
    

    リクエスト時に読み込ませたファイルの内容:(testAlartDef.txt)
    テストメール用のアラート定義情報(AlertDefForTestMail)」を参考にしてアラート定義情報を設定してください。
    アラート定義情報の追加が成功した場合の出力例
    201
    {
      "state":"Succeeded",
      "affectedResources":
        [
        "http://localhost:22015/DeviceManagerWebService/analytics/v1/objects/alert-defs/AlertDefForTestMail"
        ],
      "result":
        [
          {
            "distributionResult":"Succeeded",
            "agent":
              {
                "agentType":"RAID",
                "hostName":"myhost1",
                "instanceName":"inst001",
                "model":"VSP G1000",
                "serialNumber":"12345"
              }
          }
        ],
      "resultType":"AlertDefDistributionResult"
    }
    
  7. 次のコマンドを実行して,追加したアラート定義情報が参照できることを確認します。
    htmrest GET http://localhost:22015/DeviceManagerWebService/analytics/v1/objects/alert-defs -u system -p manager
    
    追加したアラート定義情報が参照できた場合の出力例
    200
    {
      "data":
        [
          {
            "alertDefName":"AlertDefForTestMail"
          }
       ]
    }
    
  8. 次のコマンドを実行して,Device ManagerホストとHTM - Agentsホストのアラート定義情報を同期します。
    Device Managerが管理しているアラート定義情報とemailの送信情報を設定したAgentホストのアラート定義情報が同期できたことを確認してください。
    htmrest PUT http://localhost:22015/DeviceManagerWebService/analytics/v1/services/alert-def-manager/actions/sync/invoke -u system -p manager -b  C:\tmp\syncAgentAll.txt
    

    リクエスト時に読み込ませたファイルの内容:(syncAgentAll.txt)
    {
         "agentType" : "all"
    }
    
    アラート定義情報の同期が成功した場合の出力例
    200
    {
      "state":"Succeeded",
      "result":
        [
          {
            "syncResult":"Succeeded",
            "agent":
            {
              "agentType":"RAID",
              "hostName":"myhost1",
              "instanceName":"inst001",
              "model":"VSP G1000",
              "serialNumber":"12345"
            },
            "syncedAlertDef":[]
          }
        ],
      "resultType":"AlertDefSyncResult"
    }
    
  9. アラート定義情報に指定したメールアドレスにテストメールが届いているか確認します。
    email送信は,手順6または手順8の操作でアラートを同期したのち,アラート定義情報で設定した監視対象のレコードの収集後1分程度かかります。 テストメール用のアラート定義情報の設定例では,PIレコードをアラートの発行条件に指定しています。PIレコードの収集はデフォルトで1分間隔のため,テストメール用のアラート定義情報を追加または同期してからemail送信まで2分程度待つ必要があります。
    テストメールの受信例
    メールタイトル: Test mail for Tuning Manager Alert
    メール本文の例:
    recordTime=2016/06/24/13:08
    evaluateTime=2016/06/24/13:08
    alertDefName=AlertDefForTestMail
    agentType=RAID
    instance=inst100
    agentHost=myhost1
    triggerID=
    noticeID=TestMailNoticeID
    
    
    Alert issue: key=<N/A>, status=CAUTION
    This is test mail for Tuning Manager Alert.
    

    注意
    テストメール用のアラート定義情報で指定したtargetDefに該当するAgentのインスタンスが複数ある場合,該当するAgentインスタンスそれぞれからアラート定義情報のテストメールが送信されます。emailの設定情報はホスト単位で設定するため,複数のAgentホストがある場合, 期待したAgentホストからのテストメールが届いているか,メール本文中に出力されるagentHostで確認してください。
    テストメールを発行時のemail送信が失敗した場合,email送信失敗のメッセージをhtmRestDbEngineMessage#.logに出力します。
    htmRestDbEngineMessage#.logについては,「20.3.3 Tuning Manager API使用時のログ情報」を,出力されるメッセージについては「19.3 HTM - Agents共通のメッセージ」を参照してください。
  10. テストメール用のアラート定義情報(AlertDefForTestMail)を削除します。
    テストメールの送信が成功したことを確認した後,不要なテストメールが送信されないようにするため,次のコマンドでテストメール用のアラート定義情報(AlertDefForTestMail)を削除してください。
    htmrest DELETE http://localhost:22015/DeviceManagerWebService/analytics/v1/objects/alert-defs/AlertDefForTestMail -u system -p manager
    
    テストメール用のアラート定義情報(AlertDefForTestMail)の削除に成功した場合の出力例
    200
    {
      "state":"Succeeded",
      "result":
      [
        {
          "deleteResult":"Succeeded",
          "agent":
          {
            "agentType":"RAID",
            "hostName":"myhost1",
            "instanceName":"inst001",
            "model":"VSP G1000",
            "serialNumber":“12345"
          }
        }
      ],
      "resultType":"AlertDefDeleteResult"
    }
    

テストメール用のアラート定義情報(AlertDefForTestMail)

ここで説明するテストメール用のアラート定義情報(AlertDefForTestMail)は,VSP G1000を監視しているHTM - Agent for RAIDのインスタンスが稼働しているホストから,PIレコードを初回収集したときにだけアラート発行する条件を指定しています。

注意
  • 監視対象のストレージシステムの機種名,送信先メールアドレスをご使用の環境に合わせて変更し,必ずアラートが発行される条件にしてください。
  • TCP/IP接続だけを使用してパフォーマンスデータを収集している場合は,PIレコードでなく別のレコードを指定してください。
{
    "alertDefName": "AlertDefForTestMail",
    "targets": [
        {
            "targetID": "TestMailTargetID",
            "targetDef": [
                {
                    "type": "model",
                    "key": {
                        "model": "VSP G1000"
                    }
                }
            ]
        }
    ],
    "notices": [
        {
            "noticeID": "TestMailNoticeID",
            "emails": [
                {
                    "addresses": [
                        "test@example.com"
                    ],
                    "subject": "Test mail for Tuning Manager Alert",
                    "body": "This is a test mail for Tuning Manager Alert."
                }
            ]
        }
    ],
    "triggers": [
        {
            "triggerID": "TestMailTriggerID",
            "condition": {
                "warning": "%PI.CACHE_MEMORY_USAGE% >= '0'",
                "caution": "%PI.CACHE_MEMORY_USAGE% >= '0'"
            }
        }
    ],
    "definitions": [
        {
            "targetIDs":["TestMailTargetID"],
            "noticeIDs":["TestMailNoticeID"],
            "triggerIDs":["TestMailTriggerID"]
        }
    ]
}

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