Tuning Manager 運用管理ガイド

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6.2.2 パフォーマンスデータの記録方法の設定

エージェントのPerformanceデータベースへのデータの記録方法は,Performance Reporterで設定します。Performance Reporterでは,主に次のような項目をレコードごとに設定します。

レコードによっては,これらの記録方法以外にも設定できる項目があります。また,レコードによっては,これらのうち,値を変更できないものもあります。各レコードで設定できる記録方法およびデフォルト値の詳細については,各PFM - Agentのマニュアルを参照してください。

パフォーマンスデータの記録方法を変更する場合,次の2種類の方法があります。

個別変更は,GUIまたはコマンドで実施できます。一括変更は,GUIからだけ実施できます。

GUIによる一括変更については「6.2.6 複数エージェントへの一括設定」を参照してください。ここでは,GUIまたはコマンドによる個別変更についてだけ説明します。

この項の構成
(1) GUIでパフォーマンスデータの記録方法を変更する
(2) コマンドでパフォーマンスデータの記録方法を変更する

(1) GUIでパフォーマンスデータの記録方法を変更する

GUIでパフォーマンスデータの記録方法を変更する場合は,Performance Reporterの[サービス階層]画面で行います。

手順を次に示します。

  1. Admin権限ユーザーでTuning Manager serverにログインします。
    Main Consoleの[メイン]画面が表示されます。
  2. グローバルタスクバーエリアで[起動]-[Performance Reporter]を選択します。
    Performance Reporterの[メイン]画面が表示されます。
  3. Performance Reporterの[メイン]画面のナビゲーションフレームで,[サービス階層]タブを選択します。
    [サービス階層]画面が表示されます。
  4. [サービス階層]画面のナビゲーションフレームで,「Machines」フォルダの下位の階層を展開します。
    PFM - Manager,PFM - Agentのサービスがインストールされているホストの名前が付いたフォルダが表示されます。また,ホスト名が付いたフォルダを展開すると,そのホストにインストールされているサービスが表示されます。各サービスの名前は,サービスIDで表示されます。
  5. パフォーマンスデータの記録方法を変更するホストの名前が付いたフォルダの下位の階層を展開し,Agent Collectorサービスを選択します。
    Agent Collectorサービスは,2文字目が「A」であるサービスです。サービスIDの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」および各PFM - Agentのマニュアルに記載されている識別子一覧を参照してください。
    選択したAgent Collectorサービスにチェックマークが表示されます。
  6. メソッドフレームの[プロパティ]メソッドを選択します。
    Agent Collectorサービスのプロパティ画面に遷移し,プロパティが階層表示されます。

    図6-1 Agent Collectorサービスのプロパティ階層の表示例

    [図]

    ノードとレコードタイプの対応を次の表に示します。

    表6-7 ノードとレコードタイプの対応

    ノード レコードタイプ
    Detail Records PDレコードタイプ
    Interval Records PIレコードタイプ
    Log Records PLレコードタイプ
  7. 記録方法を変更したいレコードがあるノードを展開し,該当するレコードを選択します。
    レコードタイプを示すノードを展開すると,レコードを示すノードが表示されます。レコード名は,データベースIDを除いたレコードIDで表示されます。
    選択したレコードにチェックマークが表示され,インフォメーションフレームの下部に選択したレコードの記録方法の設定値が表示されます。
  8. レコードに設定されている記録方法の定義内容を変更します。
    インフォメーションフレームの下部に選択したレコードのプロパティが表示されます。

    図6-2 記録方法の設定例

    [図]

  9. プロパティの設定内容を変更します。
    各プロパティの説明および設定値を次の表に示します。

    表6-8 各プロパティの説明および設定値(パフォーマンスデータの記録方法を変更する場合)

    プロパティ名 説明および設定値
    Description 選択したレコードの説明が表示されます。変更はできません。
    Log 収集したレコードをエージェントのPerformanceデータベースに記録するかどうかを指定します。
    • Yes:記録する
    • No:記録しない
    Collection Interval レコードの収集間隔を0~2147483647の整数で指定します。単位は秒です。
    0」を指定した場合,レコードは収集されません。
    Collection Offset レコードの収集を開始するオフセット値を0~32767の整数で指定します。単位は秒です。
    例えば,「0」を指定した場合は,収集対象のレコードを同じタイミングに収集します。「20」を指定した場合は,「0」を指定しているレコードの収集開始から20秒遅れてレコードの収集が開始されます。収集するパフォーマンスデータが複数あり,また,これらのデータを収集するタイミングが同じだった場合,収集処理および記録処理がある時点に集中するため,性能が低下することがあります。これを防ぎたい場合には,収集開始時刻のオフセット(Collection Offset)の値をパフォーマンスデータごとにずらしてください。収集開始時刻のオフセット(Collection Offset)をずらすことで,システムの負荷を分散できます。
    LOGIF 記録対象のレコードに対し,Performanceデータベースに記録するための条件式を指定できます。ここで設定した条件に従って,レコードが記録されます。
    テキストボックスをクリックすると,[ログ収集条件設定]画面が別ウィンドウで表示されます。[ログ収集条件設定]画面では,対象となるフィールド,演算子,判断基準となる値などを指定し,条件式を作成します。設定内容を[OK]ボタンで確定すると,LOGIFのテキストボックスに作成した条件式が設定されます。
    詳細については,「表6-9 [ログ収集条件設定]画面での表示内容」を参照してください。
    注意
    • パフォーマンスデータを収集するレコード数を増やすと,ディスク容量やシステム性能に影響を及ぼすことがあります。収集するレコードを設定する場合は,必要なディスク容量やレコードの収集間隔など,パフォーマンスデータの収集条件を考慮し,監視に必要な項目だけを設定してください。必要なディスク容量については,各PFM - Agentのマニュアルの付録に記載されているシステム見積もりについての説明を参照してください。
    • Collection Interval(レコードの収集間隔)は,デフォルト値または60秒以上の値でかつ,3,600の約数を指定してください。3,600秒(1時間)を超えるレコード収集間隔を指定する場合は,3,600の倍数でかつ86,400秒(24時間)の約数を指定してください。レコードの収集間隔をデフォルト値より小さい値に設定した場合,または60秒より小さい値に設定した場合,Agent CollectorサービスやAgent Storeサービスが過負荷となり,収集したパフォーマンスデータを保存できなくなることがあります。
      VSP Gx00モデル,VSP Fx00モデル,VSP E990,HUS VM,VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,Virtual Storage Platformシリーズの場合にTCP/IP接続を使用してパフォーマンスデータを収集する場合,Collection Intervalに7,200秒(2時間)より大きい値を指定すると,データを収集できない期間が発生します。データを収集するタイミングからさかのぼって収集できる上限が2時間のためです。TCP/IP接続を使用して収集できるパフォーマンスデータの収集範囲については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager - Agents」の,収集方式についての説明を参照してください。
    • Collection Offset(レコードの収集を開始するオフセット値)の値を変更する場合は,収集処理の負荷を考慮した上で値を設定してください。
    • プロパティにJP1/SLMの連携に関する情報(Log(SLM),Monitoring(SLM))が表示されることがありますが,Tuning Manager serverではJP1/SLM連携はサポートしていません。

    表6-9 [ログ収集条件設定]画面での表示内容

    項目 説明
    フィールド 条件式を指定する上で対象となるフィールドをドロップダウンリストから選択します。
    条件 条件式を指定する上で使用したい演算子をドロップダウンリストから選択します。
    [フィールド]を指定すると,選択できるようになります。
    条件式の判断基準となる値を指定します。指定できる値は,整数値,小数値,または2,048バイト以内の全角または半角文字です。
    指定できる値は,フィールドによって異なります。
    文字列を指定する場合は,ワイルドカード文字を使用できます。
    使用できるワイルドカード文字を次に示します。
    • *:任意の0文字以上の文字列
    • ?:任意の1文字
    • \:「*」,「?」および「\」をワイルドカードではなく文字として扱う場合
      例えば,「\*」と指定した場合は,文字「*」として扱います。
    AND 設定済みの条件式に対し,[フィールド],[条件],および[値]で設定した条件式をAND演算する場合に選択します。この項目は,[条件式]に条件式が1つ以上設定されている場合だけ活性化されます。
    OR 設定済みの条件式に対し,[フィールド],[条件],および[値]で設定した条件式をOR演算する場合に選択します。この項目は,[条件式]に条件式が1つ以上設定されている場合だけ活性化されます。
    追加(ボタン) [フィールド],[条件],および[値]で設定した条件式を[条件式]に追加します。[値]を設定すると活性化されます。
    更新(ボタン) [条件式]で選択した条件式を,[フィールド],[条件],および[値]で新たに設定した条件式と置き換えます。[条件式]に条件式が1つ以上設定されている場合だけ活性化されます。
    説明(ボタン) レコードおよびフィールドについての説明画面が別ウィンドウで表示されます。
    条件式 [フィールド],[条件],および[値]で指定した条件式が一覧表示されます。定義した条件式が512バイト以上の場合,エラーメッセージが表示されます。
    AND <> OR(ボタン) 条件式に設定した「AND」と「OR」を切り替えます。[条件式]で先頭行以外の条件式を選択している場合だけ活性化されます。
    削除(ボタン) [条件式]で選択した条件式を削除します。[条件式]に条件式が1つ以上設定されている場合だけ活性化されます。
    すべて削除(ボタン) [条件式]に表示されるすべての条件式を削除します。[条件式]に条件式が1つ以上設定されている場合だけ活性化されます。
    編集(ボタン) [条件式]で選択した条件式が[フィールド],[条件],および[値]に表示され,編集できます。[条件式]に条件式が1つ以上設定されている場合だけ活性化されます。

    注※
    「\」の次にワイルドカードを含む文字列が値として指定された場合に,指定したフィールドの文字列と完全一致すると,値の判定は真となります。
    例えば,値に「\*abc」と指定した場合,対象のフィールドに「\*abc」と格納されているときも,「*abc」と格納されているときも真と判定されます。
  10. [OK]ボタンをクリックします。
    変更した設定内容が有効になります。

各レコードに設定できる値およびデフォルト値は,レコードによって異なります。設定できる値,設定範囲およびデフォルト値については,各PFM - Agentマニュアルの,レコードについて説明している章を参照してください。

(2) コマンドでパフォーマンスデータの記録方法を変更する

コマンドでパフォーマンスデータの記録方法を変更するには,Performance Reporterのjpcasrec outputコマンドおよびjpcasrec updateコマンドを実行します。

jpcasrec outputコマンドについては,「8.4.3 jpcasrec output」を参照してください。また,jpcasrec updateコマンドについては,「8.4.2 jpcasrec update」を参照してください。

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